JPS63123826A - フツ化物ガラス母材の製造方法 - Google Patents

フツ化物ガラス母材の製造方法

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は2〜6μm帯の赤外線を伝送することができる
フッ化物ガラス光ファイバ用母材の製造方法に関する。
従来の技術 近年、光ファイバを使用した光通信システムの進歩には
めざましいものがある。光通信システムは他の通信シス
テムに比べて中継距離を長くとれ、電磁誘導雑音対策が
不要であり、高密度な情報を遠方に伝搬できる等の利点
を有しているため、徐々に他の通信システムにかわりつ
つある。
このような光通信に用いられる光ファイバの開発におい
ても、光の伝送損失を低減するために、光ファイバのコ
アおよびクラッドの材料開発、ならびに発光、受光素子
等の光素子の開発がさかんに進められている。
現在、光通信システムに使用されている光ファイバは、
石英ガラスを材料とし、光の波長は0.85μm帯の短
波長帯と1.3μm帯の長波長帯を用いている。
ところで、光ファイバの光損失は、ガラス物質および不
純物の光散乱や光吸収によるものである。
光散乱による光損失は、物質の種類にあまり影響せず、
使用する光の波長の4乗に逆比例することが知られてい
る。このため紫外線等の短波長域での光ファイバの使用
することは難しいと言われている。
一方、使用する波長が長くなると散乱による損失が急激
に小さくなるが、逆に吸収損失が増す。
このような吸収損失は、光が物質に当たったときの分子
の格子振動によるものであるため、この損失を低減する
には、物質が振動し難いように重い分子で構成されかつ
弱い力で結合されているような材料を使用することが好
適である。
従って、光ファイバの光損失を低減するには、従来の光
の波長より長い波長の光を光源に用い、かつ吸収損失の
低い材料を使用することが要望されている。
このような吸収損失の低い材料として、フッ化物ガラス
およびハライド結晶等が知られており、その理論的伝送
損失は特定波長域において現在使用されている石英ファ
イバの100分の1と非常に小さい。特に、このフッ化
物ガラスが通信用赤外線光ファイバとして最も期待され
、さかんに研究されている。
このようなフッ化物ガラスからなる赤外線光ファイバを
製造するにあたっては、まず光ファイバの母材となるガ
ラスロッドを製造する必要がある。
フッ化物ガラスからなる赤外線光ファイバ用のガラスロ
ッドを製造するには、フッ化物ガラスの構成原料を調製
し、それらを金製またはガラス質カーボン製のルツボに
投入し、電気炉中で加熱溶融後、金属製鋳型に融液を注
入した後、急冷する方法を用いていた。
発明が解決しようとする問題点 上記のような従来の方法においては、単にガラス融液を
鋳型に注入すると、融液の乱流のため気泡を巻き込み、
融溶ガラスが凝固した後に欠陥として残るため、このよ
うなガラスロッドを母材とする光ファイバの光伝送に悪
影響を与えていた。
上記のようなガラスロッドにおける欠陥の残留という問
題に対処するものとして、例えば、特公昭60−251
140号に記載されているように、鋳型もしくは鋳型の
働きをするガラス管を長手方向の軸を回転軸として回転
させながら融液を注入する方法が知られている。
しかしながら、この方法では回転数を約300Orpm
とかなり高速で回転させなければならず、回転軸にわず
かなずれが生ずると、円筒軸に対称で均質なガラスロッ
ドが得られないという問題があった。
そこで本発明の目的は、鋳型を回転させることなく、ガ
ラスロッドでの欠陥の発生を抑制するフッ化物ガラスフ
ァイバ用母材の製造方法を提供することにある。
問題点を解決するための手段 本発明者等は上記問題点を解決するために鋭意研究・検
討した結果、低湿度He雰囲気中において鋳型にガラス
原料を流し込むことによって欠陥の少ないフッ化物ガラ
スファイバ用母材を製造できることを見出した。
すなわち、本発明は、溶融したフッ化物ガラス原料を、
ガラス転移温度付近の温度に予加熱した筒状鋳型に流し
込む工程を含む光ファイバ母材の製造方法において、該
工程を低湿度He雰囲気下で行なうことを特徴とするフ
ッ化物ガラスファイバ用母材の製造方法を提供するもの
である。
上記低湿度He雰囲気としては、できるだけ高純度のH
eガスを、少なくともガラス原料を注入している鋳型の
近傍に流し込むか、より好ましくは、気密性容器内に高
純度Heガスを充満させて上記の操作を行なわせること
で達成される。
低湿度tie雰囲気としては、水分が2.5ppm以下
(水分露点−70℃以下)のHe雰囲気を使用するのが
好ましく、さらに低湿度を保証するにはHeガスを一8
0℃以下に冷却するのが好ましい。
さらに、本発明の好ましい態様に従うフッ化物ガラスフ
ァイバ用母材の製造方法は、溶融したフッ化物ガラス原
料を鋳型に流し込む際に、最初に鋳型をその筒軸が水平
方向に対して45°未満となるように配置し、フッ化物
ガラス原料を鋳型に流し込むに従って徐々に鋳型の筒軸
の水平方向との角度が増すように鋳型の配置を調整する
操作を含むものである。
さらに、本発明の一態様に従うと、鋳型の底部まで挿入
できる直管部を有する漏斗を使用して溶融したフッ化物
ガラス原料を上記鋳型に流し込むことが好ましい。漏斗
としては、実施例で述べるような鋳型の底部に達する長
さの直管部を有する金製の漏斗が好適である。
さらに本発明のフッ化物ガラスファイバ用母材の製造方
法で用いる鋳型としては、グラファイト製あるいは金属
製であって、該鋳型の筒軸にほぼ平行に2以上に分割し
得る構造を有するのものが好ましい。鋳型の形状として
は、通常は円筒型が用いられる。
第1図は本発明の方法に用いられる装置の一例の概略図
である。
第1図に示す如く本発明の方法に用いられる装置は、内
部にガラス原料を鋳込む円筒型鋳型1と、円筒型鋳型1
を挿入・収容する加熱容器1aと、加熱容器1aをその
断面の中心軸の位置で軸受3で支持する固定台2とを備
える。加熱容器1aは内部に加熱ヒータを埋設しており
、ヒーターコード5を介して外部電源と接続される。
このような装置により本発明方法を実施するには、まず
、筒軸が水平方向と45°未滴の角度(図中θ)をなす
ように加熱容器1aを配置し、加熱容器1a内に円筒型
鋳型1を挿入する。ついで、るつぼ4により溶融したガ
ラス原料を円筒型鋳型1に注入する。注入するに従って
加熱容器1aを直立方向に軸受3を中心として回転させ
る。すなわち、徐々に円筒型鋳型1の円筒軸の水平方向
とのなす角度を増大して行く。ガラス原料が注ぎ終わる
直前にθが90°になるように加熱容器1aの水平方向
との角度を調整することが好ましい。
第2図は本発明に用いる鋳型1の一具体例であって、第
1図中の加熱容器1aに挿入して使用するものである。
第2図(a)は該鋳型の部分的に断面で示した側面図で
あり、第2図(b)は右半分を断面で示した平面°図で
ある。
第2図(a)および(b)に示す如く、この鋳型は、2
つの半円筒形の鋳型部品をネジで接合した、全体として
一方が開口した円筒形をなす。すなわち、第2図ら)に
示すように、円筒軸に平行に鋳型1が2分割された鋳型
部品が互いにボルトにより結合されている。
第3図は本発明の方法に好ましく使用される漏斗の概略
図である。この漏斗6は、鋳型1の底部に到達する長さ
の直管部7を備えている。すなわち、溶融したフッ化物
ガラス原料を鋳型lに流し込む際に、鋳型1の底部まで
直管部7を挿入しながら漏斗6を鋳型1内に配置し、漏
斗6内に溶融したフッ化物ガラス原料を流し込む。従っ
て、ガラス原料は直管部7を介して静かに鋳型1の底部
に注がれる。ついで、ガラス原料を注ぐに従い漏斗6を
上方に徐々に引き上げてゆき、ガラス融液を注ぎ終わる
までに漏斗6の直管部7を鋳型中空部の最上部まで引き
上げ、最終的に直管部7が溶融したガラス原料から引き
抜けるように注意しながら注入操作を実施する。
作用 本発明は、鋳型に溶融ガラス原料を流し込む工程を低湿
度He雪雲囲気下行なうことを特徴としている。従来、
この工程は大気中で行なわれているので、溶融ガラス原
料を鋳型に注入する際に気泡をまき込みやすく、このた
め得られたガラス母材中に欠陥が残ってしまう。
しかしながら、本発明で使用するHeガスは溶融ガラス
原料に対する透過性が高いのでガラス原料が固化する前
に融液の液面方向に浮上して、固化したガラス内には気
泡が殆ど残留することはなくなる。従って、欠陥の少な
い光ファイバの製造に好適な光ファイバ母材を製造する
ことができる。
また従来、フッ化物ガラスからなる光ファイバにおいて
、ガラス中の不純物であるOH基による吸収損失が問題
となっており、さらにOH基はガラス成分と反応して水
酸化物を発生させることが知られておりこのようなOH
基を低減することが要望されていた。本発明によると、
Heガス、特に低湿度Heを使用するので、OH基の発
生源である水分の混入を抑制し、OH基による吸収損失
の少ないフッ化物ガラス光ファイバを得ることが可能と
なる。
さらに本発明の方法では、鋳型に溶融したガラス原料を
流し込む際、最初に上記鋳型を、その円筒軸が水平方向
に対して45°未満の角度をなすように配置し、次いで
フッ化物ガラス原料を鋳型に流し込むに従って徐々に鋳
型の円筒軸の水平方向に対する角度を増大するように直
立させながら、鋳型に原料を満たす。このように鋳型を
所定の角度に傾けふき、原料の注入に従って水平方向に
対して鋳型の傾きを大きくして行く。このようにしてフ
ッ化物ガラス原料の注入深さを小さく保持しながら注入
を行うことができ、巻き込まれた雰囲気のHeが容易に
溶融フッ化物ガラスから離脱することができる。従って
、原料中に気泡が発生し難くなり、上記He雰囲気中で
注入を行う効果がより有効となる。
さらに本発明の一態様に従うと、使用する鋳型はグラフ
ァイト製あるいは金属製であって、円筒軸に平行に第2
図に示すような2個あるいは2以上に分割し得る構造を
有する。このような構造を有することにより、鋳型を分
割することによりファイバ母材に損傷を与えることなく
ファイバ母材を容易に取り出すことが可能となる。
さらに、本発明の好ましい態様に従うと、第3図に示し
たような鋳型の底部まで挿入できる直管部を有する漏斗
を使用して溶融したフッ化物ガラス原料を鋳型に流し込
む。このような漏斗の使用により雰囲気中のHeの巻き
込みが少なくなり、原料中に気泡が発生し難くなり、H
e雰囲気中で注入を行う効果がより有効となる。
実施例 以下、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明
はこれらの実施例に何等限定されないことは勿論である
実施例1 49ZrF4  25BaFz     3.5LaF
3   2YF3 −2、5AI F 3 18L+ 
Fからなる組成(mo1%)ノフッ化物ガラスファイバ
用母材の製造を目的とし、上記組成となるように各成分
を調製し、混合した原料20gを金るつぼに投入しフタ
をした。この金るつぼを石英製炉芯管内において110
℃で2時間乾燥させた後、昇温し、850℃2時間にわ
たってガラス融液を加熱保持し、続いて800℃まで降
温した。
一方、高純度He雰囲気中において、あらかじめ260
℃に予加熱した第2図に示す構造の真鍮製鋳型1を第1
図に示した装置に配置し、加熱容器1aの水平傾斜角を
20°にして乾燥Heガス中で、金るつぼ4内のガラス
融液を一定流量で流し込んだ。
金るつは4内のガラス融液の残量が少なくなったところ
で、該融液を注入しながら鋳型1の円筒軸と水平方向と
のなす角度を徐々に大きくし該融液が注ぎ終わる直前に
はその角度が90°になるように調整した。
その後、鋳型温度を250℃とし2時間アニール処理し
た。アニール処理後、炉の温度を室温まで下げて、鋳型
1よりガラスロッドを取り出した所、φ8.5X 10
0+yonの気泡のない均質なガラスロッドが得られた
実施例2 実施例1と同様の組成のフッ化物ガラスファイバ用母材
の製造を目的とし、各成分を調製し実施例1と同様にし
てガラス融液を加熱保持した。続いて800℃まで降温
し、高純度He雰囲気中において、あらかじめ260℃
に予加熱した第2図に示すような構造の真鍮製鋳型1を
第1図のような装置に設置し、加熱容器1aの水平傾斜
角を90°にして乾燥Heガス中で、第3図に示すよう
な金製の漏斗6をして使用して金るつぼ4内のガラス融
液を一定流量で流し込んだ。この際、最初に漏斗6の直
管部7を鋳型の底部まで差込み、その後ガラス融液を注
ぐに従い上方に徐々に引き上げてゆき、ガラス融液が注
ぎ終わるまでに直管部7を鋳型中空部の最上部に位置す
るようにし、最終的に直管部7が融液より引き抜けるよ
うに注意しながら注入した。
この後、実施例1と同様にしてアニール処理して気泡を
含まないφ8.5 X 100+++mの均一なガラス
ロッドを得た。
このようにして得られたガラスロッドの側面を精密研摩
し、洗浄した後、テフロンFEPでジャケットして光フ
ァイバ用ガラス母材を作製した。
雰囲気ガスおよびキャスティング角度による比較試験 本発明によるHe雰囲気およびキャスティング角度の効
果を確認するために、ガラス転移温度が約265℃のフ
ッ化物ガラスファイバ用母材の製造を目的として、ガラ
ス融液の鋳型への注入時における雰囲気をN2M囲気ま
たはHe雰囲気とし、キャスティング角度(注入時初期
の鋳型の円筒軸と水方向とのなす角度)および鋳型の加
熱温度を第1表に示すようにして、実施例1のような処
理を施してガラスロッドを製造した。
得られたガラスロッドについて、気泡の残留を観察し、
その結果を第1表に示した。評価として、気泡が多く残
ったガラスを×1気泡がわずかに残ったガラスを△、気
泡が殆ど残っていないガラスをOとして第1表に示した
第1表 第1表より、本発明におけるHe雰囲気およびキャステ
ィング角度を用いることにより気泡の少ないガラスロッ
ドが得られることがわかる。
発明の効果 本発明の製造方法によれば、不純物、特にOH基の混入
が少なく、かつ気泡等の欠陥の発生を抑えた均質なフッ
化物ガラスファイバ用母材を得ることができる。
従って、本発明の製造方法を光ファイバの製造工程に導
入することにより、光吸収損失の少ない高品質な光ファ
イバを製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の製造方法に用いる装置の一具体例の概
略図である。 第2図は本発明の製造方法に用いる円筒型鋳型の一具体
例であり、第2図(a)はその側面図であり、第2図ら
)は断面図である。 第3図は、本発明の好ましい態様に従い使用される直管
部を備えた漏斗の斜視図である。 (主な参照番号) 1・・鋳型、   1a ・・加熱容器、2・・固定台
、  3・・軸受け、

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)溶融したフッ化物ガラス原料を、ガラス転移温度
    付近の温度に予備加熱した筒状鋳型に流し込む工程を含
    む光ファイバ母材の製造方法において、該工程を低湿度
    He雰囲気下で行なうことを特徴とするフッ化物ガラス
    ファイバ用母材の製造方法。
  2. (2)溶融したフッ化物ガラス原料を上記鋳型に流し込
    む際に、最初に上記鋳型を鋳型の筒軸の水平方向からの
    角度が45°未満となるように配置し、フッ化物ガラス
    原料を鋳型に流し込むに従って徐々に該鋳型の筒軸の水
    平方向からの角度が増大するように鋳型の配置を調整し
    ながら上記の工程を行うことを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載のフッ化物ガラスファイバ用母材の製造方
    法。
  3. (3)溶融したフッ化物ガラス原料を上記鋳型に流し込
    む際に、鋳型の底部まで挿入できる直管部を有する漏斗
    を使用して該ガラス原料を上記鋳型に流し込むことを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載のフッ化物ガラスフ
    ァイバ用母材の製造方法。
  4. (4)上記筒状鋳型として、グラファイト製あるいは金
    属製であって、かつ該鋳型の筒軸にほぼ平行に2以上に
    分割し得る構造を有する鋳型を使用することを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項乃至第3項のいずれか1項に記
    載のフッ化物ガラスファイバ用母材の製造方法。
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