JPS6312139Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はエレベータにおけるいたずら呼び等の
不正呼びの登録防止装置に関するものである。

一般に自動運転式のエレベータにおいて、不特
定多数の乗客で混雑している時には間違いによる
場合を除いて、いたずらによつて目的階以外のか
ご呼びボタンが押されることはほとんどないが、
閑散時や特定の仲間同志だけの乗客になつた場合
等には、例えば走行中に運転方向と反対方向のか
ご呼びボタンを押したり、或いは降りる間際に目
的もなく多数のかご呼びボタンを故意に押す等の
いたずらがよく行なわれる。特に高層ビルや高層
アパートでは上記のようないたずらにより多数の
かご呼びが登録されることになり、エレベータは
それらの呼びに応えて順次停止するので、他の乗
降客の待ち時間を長びかせるばかりでなく、電力
消費量も増大し、設備の寿命等にも悪影響が及
ぶ。また、いたずらをする意志がなくても誤つて
運転方向と反対方向のかご呼びボタンを押してし
まい、結果的にいたずらをしたのと同じことにな
つてしまう場合もあつた。このため最近では、上
記のようないたずら等による不正呼びを種々の方
法によつて検出し、不正呼びと判断した場合には
それらの呼びを消去する不正呼び登録防止装置が
備えつけられるようになつてきた。ところで、こ
の従来の不正呼び登録防止装置においては、不正
呼びと判断した場合、一旦呼びを乗客の目の前で
直ちに消去してしまうので、乗客に焦燥感や不安
感を抱かせるものであつた。このため呼びを消去
した後再登録の要請を表示するものが考えられて
いるが、この方法では新たに表示装置を設ける必
要があり、装置全体として高価・複雑となる欠点
を有していた。

本考案は上記の欠点を解消するためになされた
もので、不正呼びと判断した場合には、それらの
呼びの応答灯を点滅させることによつて乗客に知
らせ、乗客に不快感や不安感を与えることなく、
また新たに表示装置を必要とすることなく簡単な
構成で乗客に再登録の要請を速かに行なうことの
できる不正呼び登録防止装置を提供しようとする
ものである。以下本考案の一実施例を、いたずら
呼びを例にとつて第１図及び第２図に基づいて説
明する。

第１図は本考案によるいたずら呼び登録防止装
置の構成の一実施例を示すブロツク図で、１はか
ご呼び登録装置、２はいたずら呼び検出装置、３
は応答灯点滅装置、４はかご呼び消去装置であ
る。本考案の特徴とするところはいたずら呼びを
検出してからその呼びを消去するまでの間に、い
たずら呼びに該当する応答灯を点滅することにあ
る。いまかご内においてかご呼ボタンが押された
とすると、かご呼び登録装置１により登録される
とともに、乗客にその旨を知らせるために応答灯
が点灯される。次にこのかご呼びが、かごの運転
方向と反対方向であつたり、かご内の乗客数に比
べて非常に多い場合等はいたずら呼び検出装置２
によつていたずら呼びと判断され、応答灯点滅装
置３によつていたずら呼びに該当する応答灯は点
滅を開始し、かご内の乗客に不正な呼びであるこ
とを知らせる。応答灯が点滅を開始して一定時限
後に、かご呼び消去装置４によつていたずら呼び
は全て消去されるとともにそれらの呼びの応答灯
も消灯され、再登録が可能となる。

第２図は応答灯点滅装置３を実現するための一
回路例を、任意のｎ階のかご呼びに対して示した
もので他の階のかご呼びについても同様である。
なお、かご呼び登録装置１、いたずら呼び検出装
置２、かご呼び消去装置４については周知の技術
でありここでは説明を省略する。第２図において
＋，−は制御用電源母線、１naはかご内のかご呼
びボタンによりｎ階のかご呼びが登録された時付
勢するリレー（図示しない）の常開接点、２na
はｎ階のかご呼びがいたずら呼びであることを検
出した時付勢するリレー（図示しない）の常開接
点、２nbは同じくその常閉接点、Lnはｎ階のか
ご呼びに対応する応答灯、３ｎは応答灯Lnを点
滅させるためのリレー、３na及び３nbはリレー
３ｎのそれぞれ常開接点と常閉接点、Ｒ及びＣは
リレー３ｎに限時動作を行なわせるための抵抗と
コンデンサである。以上の構成においてかご内の
かご呼びボタンにより、ｎ階のかご呼びが登録さ
れると接点１naが閉路し、応答灯Lnが点灯する。
次にｎ階のかご呼びがいたずら呼びであることが
検出されると、接点２nbが開路し、応答灯Lnは
一旦消灯する。一方接点２naが閉路し、抵抗Ｒ
とコンデンサＣとにより一定時限遅れてリレー３
ｎが付勢し、接点３naが閉路し、再び応答灯Ln
は点灯するが、接点３nbが同時に開路し、開路
後一定時限後にリレー３ｎは消勢し、接点３na
は再び開路する。以後この動作を繰り返し応答灯
Lnは点滅することになる。そして一定時限後に
ｎ階のかご呼びが消去されると接点１na及び２
naは開路し、応答灯Lnは消灯して再び登録が可
能な状態となる。

以上のように本考案によれば、いたずら呼びが
検出されてからその呼びを消去するまでの間に、
そのいたずら呼びに該当する応答灯を点滅させる
ことによつて、その呼びが不正であることを乗客
に知らせる構成としたので、乗客に不快感や不安
感を与えることなく、速やかに再登録の要請を行
なうことができ、しかも新たな表示装置を設ける
必要もないので経済的であり、既設のいたずら呼
び登録防止装置を有するエレベータにも簡単に適
用できるという大きな効果を有する。

なお上記の説明においてはいたずら呼びの場合
についてのみ述べたが、例えば乗客が目的階と異
方向へ運転されるエレベータに誤つて乗り込み、
目的階のかご呼びボタンを押した場合にも、不正
な呼びと判断し、同様の構成でその応答灯を点滅
させることによつて、その乗客に異方向のかごで
あることを知らせて降車を促し、乗客へのサービ
スの向上を図ることができる。この場合には戸開
時間を延長させることにより更に効果を増すこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の装置構成の一実施例を示すブ
ロツク図、第２図は応答灯点滅装置の一回路例を
示す図である。 １……かご呼び登録装置、２……いたずら呼び
検出装置、３……応答灯点滅装置、４……かご呼
び消去装置、Ln……応答灯、３ｎ……リレー、
１na，２na，２nb，３na，３nb……リレーの接
点、Ｒ……抵抗、Ｃ……コンデンサ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 かご呼び登録装置と、かご呼び消去装置と、い
   たずら呼び等の不正呼びを検出する不正呼び検出
   装置と、上記かご呼び登録装置によつて点灯され
   上記かご呼び消去装置によつて消灯される応答灯
   と、応答灯点滅装置とを備え、 上記かご呼び登録装置によつて登録されたかご
   呼びが上記不正呼び検出装置により不正な呼びで
   あることが検出された時から、該不正な呼び登録
   に対応する上記応答灯を上記応答灯点滅装置によ
   り所定期間点滅させた後上記かご呼び消去装置に
   よつて上記不正呼びを消去するとともに、上記応
   答灯を消灯させることを特徴とするエレベータの
   不正呼び登録防止装置。