JPS6311950Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、組立式浴槽の改良に関するもので
あり、一層詳細には、介添人の補助を受けなけれ
ば入浴をすることができない身体障害者、老人あ
るいは病人用の浴槽として好適に使用される組立
式浴槽に関するものである。

従来より、身体障害者、老人あるいは病人用の
浴槽としては、例えば、軟質もしくは硬質底部材
の周縁に折りしろを介して二組の側壁部材を設け
これらの側壁部材を連結具により接続する型式の
組立式浴槽（実開昭54−155390〜１号、実開昭52
−117143号）、あるいは空気を充填するることに
より側壁部を形成する空気充填式浴槽（実公昭53
−45803〜５号、実開昭52−53313号）等が種々提
案され使用者の便宜に供されているが、これらの
浴槽は洗髪槽が付設されていないため使用者が洗
髪をする場合は極めて面倒であつた。

そこで、浴槽を前半部と後半部とからなる２分
割の剛体組立式としその一方に洗髪槽を一体的に
設けた型式の折畳浴槽（実開昭56−25591〜２号）
が提案されているが、この場合は不使用時の収納
に嵩ばる等の欠点があつた。

そこで、考案者は洗髪槽を備えしかもコンパク
トに折り畳むことのできる組立式浴槽を得るべく
鋭意改良並びに試作を重ねた結果、合成樹脂シー
トで挾持した硬質底部材の周縁に折りしろを介し
て二組の側壁部材を設けこれらの側壁部材を連結
具により接続して形成した浴槽本体の内部にこの
浴槽本体を入浴槽と洗髪槽とに仕切る隔壁部材を
折畳自在に取着することにより所期の目的を達成
できることを突き止めた。

本考案の目的は、隔壁板がシートと一体化され
しかも折畳み自在であり、この隔壁板に背当部材
を分離可能に組合せ、適宜枕部材を装着し得るよ
うにしたコンパクトな折畳みが可能な組立式浴槽
を提供するにある。

前述の目的を達成するため、本考案は合成樹脂
シートで挾持した硬質底部材の周縁に折りしろを
介して二組の側壁部材を折畳自在に連設すると共
に隣接する側壁部材を連結具を介して接続するこ
とにより浴槽本体を構成する組立式浴槽におい
て、前記硬質部材の一端側より若干離間して合成
樹脂シートで挾持した隔壁板を折畳み自在に溶着
し、この隔壁板の対向する側縁部に折込部を介し
て三角形状の連結片を連設し、これら連結片の一
側面に連結具を対向配置すると共に各連結片の一
側縁部を浴槽本体の対向する各側壁部材に溶着
し、前記隔壁板によつて浴槽本体の内部に入浴槽
と洗髪槽とを仕切りかつ背当部材および枕部材を
着脱自在に取着し得る折畳み自在な隔壁部材を設
けることを特徴とする。

前記の組立式浴槽において、背当部材は、硬質
背当板と支持板とを所定間隔離間させて合成樹脂
シートで挾持すると共に支持板の端部に止具を設
けて硬質背当板を傾斜保持するように構成し、さ
らに背当板の所定位置に設けた面フアスナに枕部
材を着脱自在に取着すれば便宜である。

本考案の他の目的および利点は以下の説明から
一層明らかとなるであろう。

次に、本考案に係る組立式浴槽の好適な実施例
につき添付図面を参照しながら以下詳細に説明す
る。

第１図において、本考案に係る組立式浴槽は折
畳み自在に形成した浴槽本体１０とこの浴槽本体
１０と別体に形成されかつ前記浴槽本体１０の所
定個所に装着される折畳み可能な背当部材１２と
から基本的に構成される。

すなわち、浴槽本体１０は第２図の開平状態平
面図からも明らかなように、防水性と強靭性とを
備えた合成樹脂シートを使用して長方形に形成し
た底部材１４を備え、この底部材１４は折りしろ
を介して合成樹脂シートに挾持される硬質板１
６，１６と一方の硬質板１６に隣設した可撓性連
結片１８とから構成される。

底部材１４の各周縁部には折りしろを介してベ
ニア板等の芯材２０を前記底部材と同様の合成樹
脂シートで挾持した短手方向側壁部材２２，２２
と、前記硬質板１６，１６と対向する位置に前記
と同様の芯材２０を挾持してなる長手方向側壁部
材２４，２４を夫々折畳み自在に連設し、短手方
向側壁部材２２と長手方向側壁部材２４とが夫々
隣接する部分に折込片２６を備える三角形状の連
結片２８を設け、これらの連結片２８の外側面に
夫々連結具３０を配設し、さらに前記底部材１４
の長手方向略中央部に浴槽本体１０を組立てた際
の開き止めベルト３２を配設する。また、浴槽本
体１０の内側面でかつ底部材１４および長手方向
側壁部材２４の各硬質板２０，２０の側縁部に沿
つた境界部分には、短手方向側壁部材２２の芯材
２０よりも若干高さを低く設定した芯材２０を挾
持してなる合成樹脂シート製隔壁板３４とこの隔
壁板３４の対向する両側縁部に折込部３６を介し
て連設した三角形状の連結片３８とこれらの連結
片３８の一側面に連結具４０を配設してなる隔壁
部材４２の長手方向一側縁部を溶着等の手段によ
り折りしろを介して取着することにより浴槽本体
１０内に洗髪槽４４と入浴槽４６とを形成するよ
う構成する（第１図参照）。なお、第１図および
第２図において参照符号４８および５０は長手方
向側壁部材２４の入浴槽４６部分に配設した止栓
（図示せず）付き溢水口および排水口であり、ま
た参照符号５２は洗髪槽４４部分に配設した同様
の排水口である。

背当部材１２は、硬質背当板５４と支持板５６
とを所定間隔離間させて合成樹脂シートで挾持す
ると共に支持板５６の端部に適宜の止具５８を付
設し、さらに背当板５４の所定位置に面フアスナ
６０を介して空気充填式枕部材６２を取着し、支
持板５６の止具５８で背当板５４を支持すること
により前記背当板５４を傾斜状態で保持し得るよ
うに構成する（第３図参照）。

このように構成した本考案に係る組立式浴槽を
使用するに際しては、使用者が仰臥する寝具に隣
接して下敷シートを敷設し、このシート上に内面
を上方にした開平状態の浴槽本体１０を配置した
後、介添者等で使用者を浴槽本体１０の略中央に
移動させて、各側壁部材２２，２２，２４，２４
を立ち上げると共に各折込片２６を山折りにして
連結片２８の連結具３０を夫々接続することによ
り浴槽本体を箱形に形成し、次いで予じめ傾斜状
に構成した背当部材１２を使用者の背面に差し込
み、さらに隔壁部材４２を立ち上げて前記側壁部
材と同様に各折込部３６を山折りにして連結片３
８の連結具４０を接続することにより前記箱形浴
槽本体１０内に洗髪槽４４と入浴槽４６とを形成
する。このようにして本体１０内に洗髪槽４４と
入浴槽４６とを画成した後は、溢水口４８に排水
ホース等を連結すると共に開き止めベルト３２を
緊締して温水器等の給湯手段から適温の温水を入
浴槽４６に供給して使用者を入浴ないしは洗浄す
る。なお、使用者の洗髪を行う場合は、洗髪槽４
４に給湯して貯留された温水で洗髪を行い、洗髪
後は排水口５２に連結した排水ホースを介して排
水しながら髪の洗浄をする。また、冬期等におい
て室温が低い場合は入浴槽４６に覆いシート（図
示せず）を取付ければ入浴者が風邪をひく等の不
都合を回避できるので好適である。

このようにして入浴ないしは洗髪が終了した
ら、排水口５０および５２に接続した排水ホース
から温水を全排水して使用者の身体を拭き、寝具
上に移動させた後、入浴開始時と逆の手順で浴槽
本体１０を開平状態にして折りしろを介して適宜
平板状に折り畳み、同様に背当部材１２および枕
６２も適宜折り畳んで第４図に示す収納袋６４に
収納する。

先に述べたように、本考案に係る組立式浴槽に
よれば、浴槽本体に入浴槽と洗髪槽とを夫々画成
したので使用者の洗髪を簡便に行うことができる
だけでなく、平板状に折畳むことが可能であるた
め不使用時における収納も容易にしかもコンパク
ト化することができる等種々の利点を有しその実
用的効果は極めて大きい。

以上、本考案に係る組立式浴槽の好適な実施例
につき説明したが、本考案はこの実施例に限定さ
れるものではなく、例えば、背当部材を空気充填
式としたり、あるいは排水ポンプを付設して温水
の全排水を迅速に行うように構成する等本考案の
精神を逸脱しない範囲内において種々の改良変更
をなし得ることは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る組立式浴槽の好適な実施
例を示す斜視図、第２図は第１図に示す組立式浴
槽の浴槽本体の開平状態平面図、第３図は第１図
に示す背当部材の斜視図、第４図は第１図に示す
組立式浴槽の収納袋の斜視図である。 １０……浴槽本体、１２……背当部材、１４…
…底部材、１６……硬質板、１８……可撓性連結
片、２０……芯材、２２……短手方向側壁部材、
２４……長手方向側壁部材、２６……折込片、２
８……連結片、３０……連結具、３２……ベル
ト、３４……隔壁板、３６……折込部、３８……
連結片、４０……連結具、４２……隔壁部材、４
４……洗髪槽、４６……入浴槽、４８……溢水
口、５０，５２……排水口、５４……背当板、５
６……支持板、５８……止具、６０……面フアス
ナ、６２……枕部材、６４……収納袋。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 合成樹脂シートで挾持した硬質底部材の周縁
   に折りしろを介して二組の側壁部材を折畳み自
   在に連設すると共に隣接する側壁部材を連結具
   を介して接続することにより浴槽本体を形成す
   る組立式浴槽において、前記硬質底部材の一端
   側より若干離間して合成樹脂シートで挾持した
   隔壁板を折畳み自在に溶着し、この隔壁板の対
   向する側縁部に折込部を介して三角形状の連結
   片を連設し、これら連結片の一側面に連結具を
   対向配置すると共に各連結片の一側縁部を浴槽
   本体の対向する各側壁部材に溶着し、前記隔壁
   板によつて浴槽本体の内部に入浴槽と洗髪槽と
   を仕切りかつ背当部材および枕部材を着脱自在
   に取着し得る折畳み自在な隔壁部材を設けるこ
   とを特徴とする組立式浴槽。 (2) 背当部材は、硬質背当板と支持板とを所定間
   隔離間させて合成樹脂シートで挾持すると共に
   支持板の端部に止具を設けて前記硬質背当板を
   傾斜保持するように構成してなる実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の組立式浴槽。 (3) 背当板の所定位置に面フアスナを配設し、こ
   の面フアスナに枕部材を着脱自在に取着するこ
   とからなる実用新案登録請求の範囲第２項記載
   の組立式浴槽。