JPH066780Y2

JPH066780Y2 - 移動洗面装置

Info

Publication number: JPH066780Y2
Application number: JP1989059291U
Authority: JP
Inventors: 勝夫野村
Original assignee: 本橋キミ子
Priority date: 1989-05-23
Filing date: 1989-05-23
Publication date: 1994-02-23
Anticipated expiration: 2004-02-23
Also published as: JPH02149577U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、病院等で用いるのに好適な移動洗面装置に関
する。

（従来の技術）病院等においては身動きの不自由又は不可能な重症患者
が多い。また、自宅等においても身動きの不自由又は不
可能な老人等が存在することがある。

このような患者や老人等（以下、不自由者と称す）は入
浴させたり洗髪することは非常に困難で、しかも手間が
かかってしまうので、通常は定期又は不定期に不自由者
の身体を拭いたり寝た状態で特別の洗髪液を用いて洗髪
を行なっている。

（考案が解決しようとする課題）しかし、身体を清拭したり洗髪する際には洗面所等より
温水を繰返して運ぶ必要があるため看護者に多大な手間
と労力を強いてしまう。また、単に拭いたり洗髪液を用
いるだけでは不自由者を清潔に保つことができない。そ
して、ベッド上で殆ど動くことができない不自由者の場
合洗髪は非常に困難なので、実際には頭髪を清潔に保持
することは不可能である。

（考案の目的）本考案はこのような点を解決するためになされたもの
で、不自由者び身体及び頭髪を簡単に洗うことができる
構造の移動洗面装置を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段）本考案は、移動可能な支柱に上下動可能な受台を固定
し、この受台より洗面台を摺動させて洗面台に収容箱か
ら温水等を供給し、使用済みの温水等を排水収容体に排
水することを特徴とする。

また、他の考案は上記支柱に洗面台を直接的に上下動可
能に固定し、この洗面台に同様に温水等を供給すると共
に使用済みの温水等を排出することを特徴とする。

（実施例）以下、本考案の実施例を図面を参照して詳細に説明す
る。

第１図は本考案に係る移動洗面装置の全体構成を示す斜
視図である。この第１図中、１は支柱である。この支柱
１は金属製の円柱パイプより成り、下端が基台２に螺入
等により固定的に取付けられている。この基台２からは
一対の脚部２ａ，２ａが伸長し、各脚部２ａには、第２
図に示すように、ボール状のキャスター３が転動可能に
埋設されている。従って、支柱１及び基台２をキャスタ
ー３にて床面上で任意の方向に移動させることができ
る。

支柱１の略中央には受台４が取付けられている。この受
台４はプラスチックより断面略Ｕ字状に形成され、前面
側が開口している。受台４の両側の上端には内側に突出
する案内突条４ａが一体形成され、又受台４の背面には
石鹸等の洗面用品を収納する収納部４ｂが一体的に突出
形成されている。そして、受台４の背面中央には固定部
４ｃが設けられ、この固定部４ｃには第３図に示すよう
に、支柱１が貫通した状態で固定ボルト５が螺入されて
いる。従って、固定ボルト５を緩めることで受台４を支
柱１上で上下動させることができ、又固定ボルト５を締
付けてその先端を支柱１の周面に押し付けることで受台
４を支柱１に固定することができる。尚、固定ボルト５
は二つ以上用いてもよい。

受台４には洗面台６が装着されている。この洗面台６も
プラスチックより形成され、底壁面６ａに排水口６ｂが
形成されている。排水口６ｂには栓７が嵌入され、栓７
は鎖８を介して洗面台６に連結されている。洗面台６の
上部周囲にはフランジ部６ｃが形成され、両側のフラン
ジ部６ｃには受台４の上端面に係止されている。両側の
フランジ部６ｃの下部には案内溝６ｄが形成され、この
案内溝６ｄに受台４の案内突条４ａが係入されている。
従って、洗面台６を案内突条４ａを介して受台４より前
面に摺動させることができる。洗面台６の前面側には略
三角形状の突出板９が一体的に形成されている。この突
出板９の中央には洗面台６側に向って徐々に大きく湾曲
して凹む凹部９ａが形成されている。

基台２には収容箱１０が載置されている。この収容箱１
０はプラスチックより形成され、温水等が収容される。
収容箱１０内には図示しない給水ポンプが配され、給水
ポンプには蓋体１０ａの上面に一端が取付けられている
ホース１１が連結されている。ホース１１の他端にはシ
ャワー１２が取付けられ、シャワー１２は支柱１に固定
されている掛部材１３に掛け止めされている。また、基
台２には排水収容体１４が載置されている。この排水収
容体１４は同様にプラスチックより形成され、洗面台６
の排水口６ｂに図示しない排水ホースを介して連結され
ている。

支柱１の上端にはホルダー１５が嵌合されている。ホル
ダー１５は摺動自在の腕部１５ａを有し、この腕部１５
ａにタオル等が掛けられる。

次に、本考案の移動洗面装置の使用態様を説明する。

先ず、支柱１をベッド２０（第４図参照）の近傍までキ
ャスター３を介して移動させる。

次に、固定ボルト５を緩め、受台４を上下動させてその
高さ位置を調整し、第４図に示すように、洗面台６を受
台４より摺動させて突出させ、突出板９をベッド２０と
不自由者の頭部及び背部との間に挿入する。この場合不
自由者の頭部を僅かに持ち上げて挿入し、かつ頭部を凹
部９ａに位置させる。

以上の準備が終了した時点で、収容箱１０内の給水ポン
プを作動させ、収容箱１０内の温水をホース１１を介し
てシャワー１２に送給する。この場合シャワー１２を予
め掛部材１３より外し、洗面台６に温水を供給し若しく
は看護者が直接的に不自由者の頭部にシャワー１２を当
てる。これにより、不自由者の頭髪を洗髪することがで
きる。この洗髪時には突出板９の凹部９ａに頭部が位置
しているので、ベッド２０が温水にて濡れることなく、
不自由者側に温水が浸入することもない。

洗髪が終了した後には給水ポンプを停止させて温水の供
給を終える。一方、洗面台６の排出口６ｂより栓７が抜
き外されていると、使用済みの温水が排水ホースを介し
て排水収容体１４に導入されて排水される。

従って、不自由者がベッド２０上で寝た状態であっても
洗髪を極めて簡単かつ短時間で洗髪することができる。

尚、不自由者の身体を拭く場合には洗面台６をベッド２
０の近傍に位置させて作業を行なう。

洗髪等の作業が終了した後には排水収容体１４を洗面室
等に運び、蓋体を開いて使用済みの温水を捨てる。従っ
て、排水収容体１４にもキャスターを取付けて搬送を容
易にするのが好ましい。また、排水収容体１４及び収容
箱１０を載置する基台２部分には凹部を設け、かつ排水
収容体１４等にキャスターを取付ける場合にはこの基台
２の凹部にキャスターの嵌入部を設ける。

上記実施例において、収容箱１０として水を自動的に加
熱する手段を有するものを用いてもよい。

また、シャワー１２に代えてフレキシブルパイプを用
い、このパイプを収容箱１０に直接的に取付けて、洗面
台６に温水等を供給するようにしてもよい。

第５図には本考案の変形例に係る洗面台６が示されてい
る。即ち、この洗面台６は上端面にベルクロファスナー
やホック等の接合手段２１が設けられている。一方、ビ
ニール製の防水カバー２２の連結部にはベルベット式フ
ァスナー等の対応する接合手段が設けられている。この
防水カバー２２は使用時に洗面台６に接合手段２１にて
接合し、該カバー２２を突出板９上に位置させてベッド
２０と不自由者との間に突出板９と共に挿入する。従っ
て、更に確実にベッド等の濡れを防止することができ
る。

第６図及び第７図には本考案の変形例の洗面台６′が示
されている。この変形例では突出板９の端部に補充板１
６，１６がヒンジ１７を介して折り畳み可能に取付けら
れている。そして、洗面台６′の前面側の一側下部に逃
げ凹部１８が形成されている。この洗面台６′は特に身
体の不自由者に好適である。即ち、ベッド２０に対して
不自由者を斜めに動かして洗髪する場合洗面台６′の逃
げ凹部１８をベッド２０の端部に当接させ、洗面台６′
を確実にベッド２０上に載置させる。次いで、補充板１
６を突出板９より突出させて洗面台６′がベッド２０上
で傾くのを防止し、更に洗面台６′を安定化させる。そ
して、防水カバー２２を取付けて上記と同様にベッド２
０の濡れを防ぎつつ洗髪する。尚、補充板１６，１６は
着脱可能なヒンジを用いて必要に応じて突出板９に取付
けてもよい。

第８図には本考案の他の実施例が示されている。この実
施例では洗面台６が支柱１に直接的に取付けられてい
る。即ち、洗面台６には固定部４ｃが設けられ、この固
定部４ｃに固定ボルト５が螺入されている。その他の構
成は同一なので、第１図と同一符号を付してその説明を
省略する。

（考案の効果）以上説明したように、本考案によれば、装置をベッド上
の不自由者の近傍まで移動させ、洗面台を逃げ凹部を介
してベッドの側部に当接させた上で不自由者をベッド上
で僅かに斜めに動かして突出板及び補充板を不自由者と
ベッドとの間に配するようにしたので、不自由者を殆ど
動かすことなく、しかも洗面台をベッドに安定的に載置
し、かつ不自由者及びベッドの濡れを確実に防止して看
護者が簡単かつ短時間で不自由者の頭髪等を洗うことが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る移動洗面装置の斜視図、第２図及
び第３図は第１図の装置の一部を示す側面図と他の一部
を拡大して示す断面図、第４図は第１図の装置の使用態
様を説明する図、第５図は本考案の変形例に係る洗面台
の平面図、第６図及び第７図は本考案の変形例に係る他
の洗面台の平面図と側面図、第８図は本考案の他の実施
例の移動洗面装置の斜視図である。１……支柱、６，６′……洗面台、１０……収容箱、１４……排水収容体、１５……突出板。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】移動可能な支柱と、該支柱に上下動可能に
固定される受台と、該受台に摺動可能に装着される洗面
台と、温水等が収容される収容箱と、該収容箱より前記
洗面台に前記温水等を供給する供給手段と、前記洗面台
の排水口に連結される排水収容体とを備える移動洗面装
置において、前記洗面台に突設されてベッド上に伏している不自由者
の少なくとも頭部を位置させる突出板と、該突出板に折り畳み若しくは着脱可能に取付けられて前
記ベッド上で伸長される補充板と、前記洗面台の前記ベッドとの当接位置に設けられる逃げ
凹部とを含むことを特徴とする移動洗面装置。
【請求項２】前記洗面台に着脱可能に取付けられて前記
突出板及び前記補充板を覆う防水カバーを含むことを特
徴とする請求項１記載の移動洗面装置。