JPH0629258Y2

JPH0629258Y2 - 移動洗面装置

Info

Publication number: JPH0629258Y2
Application number: JP1988131195U
Authority: JP
Inventors: 勝夫野村
Original assignee: 本橋キミ子
Priority date: 1988-10-06
Filing date: 1988-10-06
Publication date: 1994-08-10
Anticipated expiration: 2003-10-06
Also published as: JPH0254870U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、病院等で用いるのに好適な移動洗面装置に関
する。

（従来の技術）病院等においては身動きの不自由又は不可能な重症の患
者が多い。また、自宅等においても身動きの不自由又は
不可能な老人等が存在することがある。

このような患者や老人等（以下、不自由者と称す）は入
浴させたり洗髪することは非常に困難で、しかも手間が
かかってしまうので、通常は定期又は不定期に不自由者
の身体を拭いたり寝た状態で特別の洗髪液を用いて洗髪
を行なっている。

（考案が解決しようとする課題）しかし、身体を清拭したり洗髪する際には洗面所等より
温水を繰返して運ぶ必要があるため看護者に多大な手間
と労力を強いてしまう。また、単に拭いたり洗髪液を用
いるだけでは不自由者を清潔に保つことができない。そ
して、ベッド上で殆ど動くことができない不自由者の場
合洗髪は非常に困難なので、実際には頭髪を清潔に保持
することとは不可能である。

（考案の目的）本考案はのこような点を解決するためになされたもの
で、不自由者の身体及び頭髪を簡単に洗うことができる
構造の移動洗面装置を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段）本考案は、移動可能な支柱に着脱可能に温水等を収容す
る収容箱を取付けると共に支柱若しくは収容箱の下方に
着脱及び変位可能に洗面台を取付け、洗面台と収容箱を
供給手段にて連結して温水等を洗面台に供給し、使用済
みの温水等を洗面台の排出口及びホースを介して着脱可
能な排水収容体に排水すると共に、洗面台にベット上に
伏している不自由者の少なくとも頭部を位置させる突出
板を突設させたことを特徴とする。

（実施例）以下、本考案の実施例を図面を参照して詳細に説明す
る。

第１図は本考案に係る移動洗面装置の全体構成を示す斜
視図である。この第１図中、１は支柱である。この支柱
１はプラスチック製の角柱より成り、下端に脚２が取付
けられている。これらの脚２は比較的重量の大きい金属
材より構成され、支柱１が倒れるのを防止している。脚
２の先端にはキャスター３が取付けられ、これにより支
柱１を脚２を介して床面上で任意の方向に移動させるこ
とができる。支柱１の上方には複数の係入突起４が一体
的に形成されている。これらの係入突起４には係入穴４
ａが設けられている。一方、５は収容箱を示し、この収
容箱５はプラスチックより形成され、温水等を収容する
ために用いられる。この収容箱５の外壁面には複数のＬ
字状の係入片５ａが形成され、これら係入片５ａは第２
図に示すように、支柱１側の各係入突起４の係入穴４ａ
に係入される。従って、収容箱５を支柱１に着脱可能に
取付けることができる。収容箱５は、第１図に示すよう
に、上方の連結部５ｂにホース６の一端が嵌合され、こ
のホース６の他端は洗面所側の温水供給用蛇口（図示せ
ず）に嵌合されている。従って、このホース６及び連結
部５ｂを介して温水等を収容箱５内に供給することがで
きる。収容箱５の下面側には供給パイプ５ｃが一体的に
形成されている。この供給パイプ５ｃにはバルブ７が設
けられ、このバルブ７の開閉で収容箱５より温水等が供
給される。供給パイプ５ｃにはフレキシブルパイプ８が
一体的に設けられ、このパイプ８は下方に延びている。
収容箱５の上壁には供給口５ｄは設けられている。この
供給口５ｄはホース６を介して温水等を連続的に供給す
るのが不可能な場合温水等を人為的に運び、収容箱５内
に注入するのに用いられる。供給口５ｄはキャップ９に
て閉塞されるが、このキャップ９は連結部５ｂを閉塞す
る際にも用いられる。収容箱５の内壁側には第２図に示
すように、発泡スチロール等から成る保温材１０が設け
られ、これにより収容箱５に収容された温水１１等が冷
却するのを防止している。

収容箱５の下方には洗面台１２が位置している。この洗
面台１２もプラスチックより形成され、一方向に傾斜す
る底壁面１２ａを有している。洗面台１２の底壁面１２
ａの下部側に位置する側壁１２ｂにはその下部に排水パ
イプ１３が設けられている。この排水パイプ１３はバル
ブ１４により開閉され、Ｌ字状に折り曲げられて下方に
伸長している。洗面台１２の前面側には略三角形状の突
出板１５が一体的に形成されている。この突出板１５の
中央には洗面台１２側に向かって徐々に大きく湾曲して
凹む凹部１５ａが設けられている。

以上の構成を有する洗面台１２は、第１図及び第３図に
示すように、Ｌ字状のリンク部材１６の下部に蝶ボルト
１７を嵌入し、背壁１２ｃに螺入することにより取付け
られている。このリンク部材１６の上端は他のリンク部
材１７の一端に移動可能に枢支され、このリンク部材１
７の他端は支柱１に回動及び取外し可能に枢支されてい
る。従って、二つのリンク部材１６，１７を動かすこと
により、洗面台１２を上下に変位させ、所望高さ位置に
位置決めすることができる。

洗面台１２の排水パイプ１３には他のホース１８の上端
が連結され、このホース１８の下端は排水収容体として
の排水用袋１９の連結管１９ａに連結されている。排水
用袋１９はビニルやシリコン合成ゴム等より形成され、
上下に二つ割可能なようにファスナ１９ｂにて上半部及
び下半部が接合されている。排水用袋１９の内部を清潔
に保つためには、該袋１９を上半部と下半部に分離し、
日向等に干すのが好ましい。

次に、本考案の移動洗面装置の使用態様を説明する。

先ず、支柱１をベッド２０（第３図参照）の近傍までキ
ャスター３を介して移動させると共に、収容箱５を係入
片５ａ及び係入突起４を介して支柱１に取付ける。

次に、収容箱５にホース６を介して洗面所側より温水を
供給し、収容する。この場合収容箱５に設けた透明窓５
ｅにより収容量を監視する。尚、供給口５ｄを介して温
水を注入してもよい。

次いで、リンク部材１６，１７にて洗面台１２の高さ位
置を調整し、第３図に示すように、突出板１５をベッド
２０と不自由者の頭部及び背部との間に挿入する。この
場合不自由者の頭部を僅かに持ち上げて挿入し、かつ頭
部を凹部１５ａに位置させる。

以上の準備が終了した時点で、バルブ７を開き、フレキ
シブルパイプ８にて収容箱５内の温水を洗面台１２に供
給する。そして、看護者が不自由者の頭髪を洗面台１２
に供給した温水にて洗髪する。この洗髪時には突出板１
５の凹部１５ａに頭部が位置しているので、ベッド２０
が温水にて漏れることがなく、又不自由者側に浸入する
こともない。

洗髪が終了した後にはバルブ７を閉めると共に、バルブ
１４を開き、洗面台１２の使用済みの温水を排水パイプ
１３及びホース１８を介して排水用袋１９に導入する。

従って、不自由者がベッド上で寝た状態であっても頭髪
を極めて簡単かつ短時間で洗髪することができる。

尚、不自由者の身体を拭く場合には洗面台１２をベッド
２０の近傍に位置させて作業を行なう。

洗髪等の作業が終了した後には、支柱１より収容箱５を
外し、かつ洗面台１２をリンク部材１６より外すこと
で、収容空間が小さくて済み、又分解が容易なので他の
場所への搬送も簡単に行なうことができる。

また、排水用袋１９内の使用済みの温水はホース１８を
該袋１９より外し、連結管１９ａ若しくはファスナ１９
ｂを開くことにより排水する。

上記実施例において、収容箱５はその他の着脱手段にて
支柱１に取付けてもよいのは勿論である。

第４図は本考案の変形例に係る洗面台１２が示されてい
る。即ち、この洗面台１２は上端面にベルクロファスナ
ーやホック等の接合手段２１が設けられている。一方、
ビニール製の防水カバー２２の連結部にもベルクロファ
スナー等の対応する接合手段が設けられている。この防
水カバー２２は使用時に洗面台１２に接合手段２１にて
接合し、該カバー２２を突出板１５上に位置させてベッ
ド２０と不自由者との間に突出板１５と共に挿入する。
従って、更に確実にベッド等の漏れを防止することがで
きる。

第５図は本考案の他の実施例が示されている。

この実施例において、第２図の実施例と同一部分には同
一符号を付してその説明を省略する。

さて、この実施例では収容箱５は、支柱１に一端が枢支
されているリンク部材２３及びこのリンク部材２３に枢
支されている他のリンク部材２４にて変位可能に支持さ
れている。また、収容箱５の背面からは支持棒２５が下
方に伸長し、この支持棒２５には一対のリンク部材２６
Ａ，２６Ｂを介して他の支持棒２７が連結されている。
そして、この支持棒２７に蝶ボルト等を介して取外し可
能に洗面台１２が取付けられている。洗面台１２の排水
パイプ１３に連結されている排水収容体２８はプラスチ
ック材にて立方体形状に形成され、下面にキャスター２
９が取付けられている。また、排水収容体２８は下面に
排水口２８ａを有し、この排水口２８ａはキャップ３０
にて閉塞されている。

（考案の効果）以上説明したように、本考案によれば、不自由者の近傍
まで移動させて身体及び頭髪を簡単に洗うことができる
上に、支柱より収容箱、洗面台及び排水収容体を分解す
ることで必要な場所に容易に搬送でき、しかも装置全体
の収納空間も小さくて済む移動洗面装置を提供すること
ができる。

また、装置をベット上の不自由者の近傍まで移動させ、
洗面台の高さ調整をした上で不自由者をベット上で僅か
に動かして突出板を不自由者とベットとの間に配するよ
うにしたので、不自由者を殆ど動かすことなく、しかも
洗面台をベットに安定的に載置し、かつ不自由者及びベ
ットの濡れを確実に防止して看護者が簡単かつ短時間で
不自由者の頭髪を洗うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る移動洗面装置の斜視図、第２図は
第１図の一部を拡大して示す断面図、第３図は第１図の
装置の使用態様を説明する図、第４図は本考案の変形例
に係る洗面台の平面図、第５図は本考案の他の実施例に
係る移動洗面装置の斜視図である。１……支柱、５……収容箱、１２……洗面台、１９……排水用袋、２８……排水収容体、２９……キャスター。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】移動可能な支柱と、該支柱に着脱可能に取
付けられ、温水等が収容される収容箱と、前記支柱にリ
ンク部材を介して着脱及び変位可能に支持される洗面台
と、前記収容箱より前記洗面台に前記温水等を調節可能
に供給する供給手段と、前記洗面台の排出口にホースを
介して着脱可能に連結される排水収容体とを含み、前記
洗面台にベット上に伏している不自由者の少なくとも頭
部を位置させる突出板を突設させることを特徴とする移
動洗面装置。
【請求項２】移動可能な支柱と、該支柱にリンク部材を
介して着脱及び変位可能に取付けられ、温水等が収容さ
れる収容箱と、該収容箱の下方に着脱及び変位可能に支
持される洗面台と、前記収容箱より前記洗面台に前記温
水等を調節可能に供給する供給手段と、前記洗面台の排
出口にホースを介して着脱可能に連結される排水収容体
とを含み、前記洗面台にベット上に伏している不自由者
の少なくとも頭部を位置させる突出板を突設させること
を特徴とする移動洗面装置。