JPS6311440B2 - - Google Patents

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JPS6311440B2
JPS6311440B2 JP16790984A JP16790984A JPS6311440B2 JP S6311440 B2 JPS6311440 B2 JP S6311440B2 JP 16790984 A JP16790984 A JP 16790984A JP 16790984 A JP16790984 A JP 16790984A JP S6311440 B2 JPS6311440 B2 JP S6311440B2
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JP
Japan
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dissolution
metal
ions
plating
metal body
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JP16790984A
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Tatsuya Kanamaru
Motohiro Nakayama
Yutaka Ogawa
Ryoichi Naka
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Publication date
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Publication of JPS6311440B2 publication Critical patent/JPS6311440B2/ja
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  • Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 近年、自動車等の防錆対策として、防錆鋼板の
使用がとみに高まつている。厚目付量のめつき鋼
板は防錆能力は高いが、自動車組立時のスポツト
溶接性等を著しく劣下させることから、低目付量
にてもほぼ同等の防錆能力を有した各種の合金め
つき鋼板が望まれ、すでに、かなり使用され始め
ている。とりわけ、最近では、従来の自動車内面
側の孔あき腐食対策のみならず、外面側の外観錆
対策をも満足しえる両面防錆鋼板として塗装適合
性に優れた鉄系又は鉄系合金めつき、とりわけ、
鉄―亜鉛合金めつき鋼板のニーズが特に高まつて
いる。このような背景から、優れた材質及び鮮映
性がえられやすい電気めつきによる鉄系又は鉄系
合金めつき鋼板の製造が一般化しつつある。 本発明はこの電気めつきによる鉄系又は鉄系合
金めつき鋼板の製造に関するものであり、詳しく
は、不溶性陽極を使用した鉄系又は鉄系合金めつ
きのイオン補給方法に関するものである。 電気めつきを行う場合、めつきによつて消費さ
れたイオンの供給方法によつて大別して、二種類
がある。即ち、めつきされる金属より形成された
溶解性の陽極を使用する方法と、陽極には不溶性
陽極を使用し、別途、めつきされたイオンを各種
薬剤にて供給する方法である。 しかしながら、前者の溶解性陽極を使用する方
法は、通電により、刻々と陽極が減耗するため、
しばしばめつきセル内の陽極を変える必要がある
ことから、多大な取換え労力が必要であること、
及び、短い極間距離での操業が困難であることか
ら、高い電力消費になりやすいこと、また、溶解
性陽極は一般に高電流密度において、不動態化し
てしまう傾向があるため、低電流密度操業を余儀
無くされ、高生産性に支障をきたす等の欠点があ
る。そのため、後者の不溶性陽極を使用した電気
めつきが採用されつつある。 この不溶性陽極を使用した電気めつきにおい
て、亜鉛めつき、ニツケルめつき、ニツケル―亜
鉛合金めつきなどのように、同一金属に対して単
一イオン価(Ni2+、Zn2+)のみしか有しない場
合には問題はないが、鉄、マンガンやスズ系のめ
つきのように、同一金属に対して二種以上のイオ
ン価(Fe2+、Fe3+、Mn2+、Mn3+、Mn7+、Sn2+
Sn4+)を有する場合には、通電時、陽極にて高
イオン価に酸化され、しばしば、この高イオン価
のイオンがめつき性に悪影響を及ぼす。このた
め、高イオン価イオンを低濃度に維持せしめるこ
とは重要な技術課題である。 本発明に関する鉄又は鉄系合金めつきの場合
も、やはり、鉄の高イオン価であるFe3+イオン
が、めつき析出効率の低下など、数多くの弊害が
あり、極力低濃度に維持させることが、有利であ
り、Fe3+イオンの有効な還元技術は、重要な技
術課題となつている。 なお、鉄系又は鉄系合金めつきとは、Feめつ
き又は、Fe以外のZn,Ni,Co,Cr,Mn,Mo,
Sn,P,Ti,W等の成分と二元以上の合金めつ
きをなすもののことを言う。又、Fe―SiO2のよ
うなSiO2のような絶縁体を含んだ複合(又は分
散ともいう)めつきも含む意味である。 (従来の技術) 不溶性陽極を使用した場合、めつきにより消費
されたFe2+イオン、Zn2+イオン、Ni2+イオンを、
別途、イオン補給する必要がある。イオン補給源
としては、金属体(Zn,Fe,Ni)、酸化物
(ZnO,FeO,NiO)、水酸化物(Zn(OH)2,Fe
(OH)2,Ni(OH)2)、炭酸塩(ZnCO3,FeCO3
NiCO3)等があるが、不溶性陽極を使用した電
気めつきにおいては、通電時、陽極にてFe2+
オンがFe3+イオンに酸化されるため、Fe3+イオ
ンの還元が期待できる金属体(Zn,Fe,Ni)が
使用される{特願57−31504(特開昭58−151489
号)}。これは、Fe3+イオンがめつき析出効率の
低下、めつき外観の劣下、めつき密着性の劣下
等、数多くの弊害があるため、極力低濃度に維持
(バランス)させることが有利であるためである。 しかしながら、従来のイオン補給溶解方式で
は、かならずしもFe3+イオンの還元が有利に行
われていない。即ち、Fe3+イオンの還元を高め
るために流速を高める方式(空塔速度約0.5―20
cm/sec)を狙つているが(特開昭58−151489
号)、流速を高めると装填されている金属体がめ
つき液流により移動(浮遊、拡散など)させられ
るため、真実の相対流速はめつき液流の増加ほど
には高まらず、Fe3+イオンの還元効率は金属Zn
溶解初期時でせいぜい56%程度であり、金属Fe
溶解初期時でせいぜい83%程度である。また、そ
れも、新金属Zn・新金属Fe溶解初期のみの値で
あり、平衡溶解時には金属Znで40%、Feで70%
以下にまで低下してしまう。金属Ni,Cuなども
同一傾向を有する。また、電気化学的により貴な
金属、たとえばPtなど、との接触溶解も、新金
属Zn・新金属Fe溶解初期時には効果(還元効率
約70―90%)が認められるが、やはり、平衡溶解
時にはほとんど効果がない(還元効率金属Zn溶
解時…40%以下、金属Fe溶解時…70%以下)状
態であり、実用的には効果がほとんど認められな
い。又、操業上は電解還元法などのFe3+イオン
の低減方法もあるが、エネルギーの消費が大きい
ため次善の策である。 (発明の目的) 本発明は以上のような溶解時に還元効率が高
く、一定時間溶解後の平衡溶解時に還元効率が低
下すること、及び、空塔速度を増しても、真の相
対流速が高まらず、絶対的に還元効率が低いとい
つた欠点を有利に解決するためになされたもので
ある。 (発明の構成・作用) 即ち、不溶性陽極を使用した鉄系又は鉄系合金
電気めつき操業において、イオン補給溶解を行な
う際、硫酸系めつき液にポリオキシエチレン系誘
導体化合物、ポリオキシプロピレン系誘導体化合
物の1種又は2種以上を0.01〜10g/添加し、
金属体とめつき液の相対流速を20cm/sec以上に
して、前記金属体を溶解することを特徴とする鉄
系又は鉄系合金電気めつきのイオン補給方法であ
る。 かくすることにより、初期溶解時及び、平衡溶
解時も金属体にて、Fe3+イオンを従来以上に高
効率にて還元せしめ、Fe3+イオンを低濃度に維
持させることが容易となるものである。 尚、金属体とは、めつきによつて消費される金
属イオンに相当する金属であり、形状としては、
粉状、粒状、板状、線状、塊状などのいずれでも
よく、大きさについては、特にこだわらないが、
めつき液と金属体との相対流速が容易に得られや
すい点から、相当直径が0.1mmφ以上が望ましく、
一方、溶解速度の観点から、比表面積の大きなも
のが必要であるため、相当直径としては、10mmφ
以下が望ましい。 ところで、初期溶解時とは、新しい金属体を溶
解し始める時のことであり、平衡溶解時とは、一
定時間溶解を継続させた後、溶解速度・還元効率
がほぼ、一定の定数になつた時のことを言う。 以下、本発明の具体的な原理をFe3+イオンを
含有したFe系又はFe系合金めつき浴に金属Zn,
Fe,Niの各々を溶解する場合を例にとつて説明
する。 金属体をめつき液にて溶解させる際に、めつき
浴中のFe3+イオンが還元されること及び同時に
H2発生が生ずることは、特願57−31504号(特開
昭58−151489)、特願57−52565に記載されている
とおりである。即ち、 Me+2Fe3+→Me2++2Fe2+ ……(1) Me+2H+→Me2++H2↑ ……(2) である。なお、Meとは金属体でZn,Fe,Ni等
のことである。上記の反応を熱力学的に解析し、
上記2種の反応の酸化還元電位を求め、反応の起
こりやすさを調べた(表1参照)。なお、その際
のめつき浴条件は、 Fe3+=0.01〜0.63mol/ Ni2+=0.01〜2.0mol/ Fe2+=0.09〜2.2mol/ Zn2+=0.015〜2.0mol/ PH=0〜3(H+イオン濃度=10-3〜1mol/) である。 Me=Znの場合を例にとつて反応の酸化還元電
位を求める方法を記すと、Zn+2Fe3+→Zn2+
2Fe2+…(a)式なる反応の酸化還元電位Eaは、 のようにして求まる。一方、 Zn+2H+→Zn2++H2↑……(b)式なる反応の酸
化還元電位Ebは、 として求まる。Me=Fe,Me=Niについても、
同様な方法にて求めた。
【表】 なお、計算に使用したEFe1,EZo0,EH0等は以
下のような数値である。
【表】 又、還元効率は以下のように定義する(ただし
Meが溶解する場合Me→Me2+になる場合)。 還元効率=(Fe3+の還元量mol/)/(Fe3+
還元量mol/)+2×(H2の発生量mol/)×100(
%) 又は =(Fe3+の還元量mol/)/2×(金属体の溶解量mol
/)×100(%) 以上の結果より、反応推進力である酸化還元電
位は、明らかにH2発生溶解反応よりもFe3+還元
溶解反応の方がはるかに生じやすいことがわか
る。にもかかわらず、現実的には、例えば金属
Znの溶解時、表3の比較例3のように、初期溶
解時で56%程度の還元効率しか得られず、又、一
定時間溶解後の平衡溶解時にいたつては38%まで
に低下してしまう。 この原因を詳細に調べた結果、反応速度を支配
するものには、化学反応速度論等で詳しく述べら
れているように、反応律速支配型と拡散律速支配
型があるが、本問題である金属体とFe3+イオン
との反応は、Fe3+イオンの金属体表面への拡散
が律速になつていることが、亜鉛製パイプ内にめ
つき液を流し、相対流速の影響をテストする等、
さまざまな調査により認められた。当然、逆に、
H2発生反応は相対的に反応律速支配型といえよ
う。 従来の溶解方法(特開昭58−151489)では、単
にめつき液の空塔速度のみを高める工夫をしてい
るために、空塔速度を高めるに従つて金属体が移
動(浮遊、拡散等)させられ、金属体とめつき液
との相対流速がほとんど高まらないこと。 また、反応により生成したH2ガスは低い相対
流速においては金属体表面に付着したままとな
り、金属体をH2ガスで覆い比重を軽くさせて移
動(浮遊、拡散等)をさせやすくし、益々金属体
表面の実質相対流速が上がらない欠点があるこ
と。 および、H2ガスが金属体表面に付着している
場合には、付着している部分がH2ガスによりめ
つき液から遮断されているため金属体は溶解され
ず、一方、H2ガスが付着していない部分では金
属体の溶解が進む結果、金属体は溶解が進むとと
もに多孔質化し、それが益々H2ガスを取れなく
させるとともに、Fe3+イオンの金属体表面への
拡散を益々遮断させてしまう結果となつていた。
従つて、従来の方法では、絶対値としての還元効
率が低く、又、初期溶解時は多孔質でないため、
還元効率はそれほど低くないが、多孔質化した平
衡溶解時には、大幅に還元効率が低下するもので
ある。そのため、本発明に述べているように、イ
オン補給を行う際、溶解槽中に金属体を装填し、
金属体とめつき液との真の相対流速が充分に確保
されることにより、 1 金属体表面の反応境膜を薄くし、Fe3+イオ
ンを金属体表面に常に充分に供給する結果、
Fe3+イオンの還元反応が拡散律速でなくなり、
Fe3+イオンの還元溶解反応を有効に生ぜしめ、
一方、金属体表面がFe3+イオンの還元溶解反
応に使用されているため、反応律速であるH2
ガス発生反応は、反応が抑制される。従つて、
還元効率を着実に向上させることができる。 2 又、高い相対流速により金属体表面に付着し
ているH2ガスを取り去る結果、金属体のH2
スによるめつき液からの遮断を防ぐことがで
き、Fe3+イオンを金属体表面に充分に供給す
ることができること、および、H2ガスが付着
している部分は溶解されず、H2ガスが付着し
ていない部分のみ金属体の溶解が進むことによ
る多孔質化が防止できるため、やはり、Fe3+
イオンを金属体表面に充分に供給することがで
きることによりFe3+イオンの還元反応が拡散
律速になるのを防ぎ、Fe3+イオンの還元溶解
反応を有効に生ぜしめ、還元効率を着実に向上
させるものである。 尚、上記のような効果を得るための必要最低相
対流速は亜鉛製パイプ(パイプ径15mmφ、パイプ
長1m)内にめつき液を流すテストおよび、第1
図の装置におけるテスト等の結果により20cm/
secであることが判明した。また相対流速の上限
に対しては限界を特に定める必要はないが、やた
らと高い相対流速にて溶解させることは一般に、
圧力損失が流速の2乗に比例して高まる結果、得
策でないため、300cm/sec以下が妥当なところと
考えられる。 ところで、高い相対流速下にて溶解すること
は、Fe3+イオンの還元溶解反応速度自身の絶対
値が高まる結果、全体としての金属体溶解速度も
高まる。したがつて、より小さな設備にて、従来
法と同等の溶解能力が得られることは特筆すべき
ことである。さらに、Fe3+イオンの還元溶解反
応を優先して生ぜしめ、H2発生反応が抑制され
る結果、従来に比べ、H2発生量が減少する。そ
のため、従来の膨大なH2爆発対策が縮小化でき
うる重要な効果もある。 また、電気化学的に貴な金属との接触溶解によ
る還元効率向上も、従来では、金属体の多孔質化
等により平衡溶解時には、殆ど効果が認められな
くなつていたが、本発明とともにおこなえば、永
続的に効果が持続される。 なお、本発明の適用範囲であるが、鉄系又は鉄
系合金めつき浴としては硫酸塩浴、塩化浴、ピロ
リン酸塩浴、フツ化物浴、ホウフツ化浴、スルフ
アミン酸浴などがあるが、不溶解性陽極の使用が
前提であるため、主に、硫酸塩浴での本発明の使
用が望ましい。しかしながら、原理的にみて、本
発明方法は、他の塩類のめつき浴にも当然適用可
能であり、効果が認められる。 硫酸塩浴の場合、目的のめつきに応じてめつき
される金属の硫酸塩を基本成分とし、合金めつき
の場合には、所定のめつき組成を得るために各々
の基本成分の比を適度に調整すればよい。例えば
Fe―Zn合金めつきならば、Zn2+/Fe2+比を調整
する。又、PHは0〜3、浴温は40〜80℃が代表的
である。 以上の主要成分の他に、Na2SO4,K2SO4
(NH42SO4等の電導度補助剤や、Fe3+の沈澱防
止剤としてのクエン酸類、あるいは、陽極での
Fe2+イオンのFe3+イオンへの通電酸化抑制のた
めのLi2SO4,MgSO4,Al2(SO43等の添加剤が
添加されても、還元効率向上に支障はない。 このような硫酸系めつき液にポリオキシエチレ
ン系誘導体化合物、ポリオキシプロピレン系誘導
体化合物が、添加されることにより、この添加剤
単独効果にて、H2発生溶解反応の反応障壁を高
めるため、H2発生反応を抑制する結果、上記化
合物の無添加浴に比べ、還元効率の向上がはかれ
る。しかしながら、この効果はやはり、金属体が
多孔質化していない場合に限られ、多孔質化した
平衡溶解時には、その効果が著しく低減する。 それゆえ、上記有機添加剤が添加された浴につ
いても、金属体とめつき浴の相対流速を20cm/
sec以上にすることにより、多孔質化の防止及び、
金属体界面へのFe3+イオンの充分な供給によつ
て、還元効率が向上する。なお、この場合、無添
加浴では達成しえなかつた95%以上の高い還元効
率の確保が可能となる。 なお、ポリオキシエチレン誘導体化合物、ポリ
オキシプロピレン誘導体化合物とは、以下に記す
もの及び硫酸化物である。 ● ポリオキシエチレン(ポリエチレングリコー
ル) H―O―(CH2―CH2―O)o―H n=1〜2000 ● アルキルポリオキシエチレンエーテル R―O―(CH2―CH2―O)o―H n:1〜2000 R:アルキル基 CmH2n+1 m:0〜20 ● アルキルフエニルポリオキシエチレンエーテ
n:6〜2000 R:アルキル基 CmH2n+1 m:0〜20 ● アルキルナフチルポリオキシエチレンエーテ
n:4〜2000 R:アルキル基 CmH2n+1 m:0〜20 ● ポリオキシプロピレン(ポリプレングリコー
ル) n:3〜2000 ● アルキルポリオキシプロピレンエーテル n:1〜2000 R:アルキル基 CmH2n+1 m:0〜20 ● アルキルフエニルポリオキシプロピレンエー
テル n:6〜2000 R:アルキル基 CmH2n+1 m:0〜20 ● アルキルナフチルポリオキシプロピレンエー
テル n:4〜2000 R:アルキル基 CmH2n+1 m:0〜20 一方、不溶解性陽極としては、Pb、又はPbと
Sn,Sb,Bi,Ag等の二元以上の合金系あるい
は、Pt,Ir,Rh,Ru等の単一金属、酸化物又は
二元以上の合金又は酸化物の電極が使用できる。
Fe3+イオン濃度としては0.01mol/(0.56g/
)以上ならばいくらでもよいが、めつき性、そ
の他の弊害から考えるならば、せいぜい
0.63mol/(35g/)までが望ましい。 なお、本発明において、不溶解性陽極(難溶解
性陽極も含む)を用いためつき浴に限定した理由
は、通電時、陽極にてFe2+→Fe3+に酸化される
が、溶解性陽極(又は可溶性陽極ともいう。)で
は、空気酸化以外に酸化されないこと、及び可溶
性陽極では通電時にめつきされた金属イオンが、
陽極からの溶解により、同時にイオン供給される
ため、別途イオン補給することがないためであ
る。 ただし、以上の説明から容易に推測されるよう
に、一部、不溶解性陽極を使用し、他が可溶性陽
極を使用する場合でも、不溶解性陽極使用下での
イオン補給方法に該当し、本発明の方法によるイ
オン補給方法が適用可能である。 次に、本発明方法の一例を図面により説明す
る。 第1図〜第4図は溶解槽1に金属体2(主とし
て粒状のもの、平均粒径2mmφ)を装填した後、
めつき液により金属体が移動しないように、少な
くとも一方にて固定ないしは押えながら、めつき
液を流入させて相対流速を20cm/sec以上にし溶
解する装置の例である。図において、3は沈静
槽、4は循環タンク、5はポンプ、6は流量計、
7は圧力計、8及び9は金属体2を両側又は片側
から押えるフイルター及び多孔板、10はおも
り、12はめつき浴である。第1図と第4図では
おもり10は押え用ロツド11を介して金属体を
押えている。又第2図及び第3図では沈静槽3を
H2除去槽として併用している。 なお、第8図は第1図〜第4図と異なり、溶解
槽内に金属体(平均粒径2mmφ)を装填しただけ
で、めつき液を通液をして溶解する装置の比較例
で、相対流速を上げると金属体の一部が逸散して
溶解が著しく劣つてくる。即ち、横軸に空塔速
度、たて軸に相対流速をとつた第7図のグラフに
示すように、第1図〜第4図の方式では空塔速度
に比例して相対流速が高まるが、第8図の方式で
は空塔速度を増しても、相対流速は高まらず、
又、20cm/sec以上の空塔速度にて操業した場合
は、めつき液の粘性力にて、金属体が溶解槽外に
散逸させられてしまう。 又第5図のごとく、めつき浴中へ帯状、線状等
の金属体2を相対流速20cm/秒以上となるごと
く、移動し、溶解してイオン補給する。更に第6
図のごとく、溶解槽1中に図示のごとく、アーム
13先端に金属かご14を設け、かご中に金属体
を装填し、めつき液を溶解槽に満し、かご中の金
属体とめつき液の相対流速が20cm/秒以上になる
ごとく、アームを回転して金属体をめつき液に溶
解してイオン補給することもできる。 なお、第1図〜第3図のように、金属体2が移
動しないように、少なくとも一方にて固定ないし
は押えながら、めつき液を流入させ溶解する方式
では、粒子がほとんど動かないために、溶解槽内
での金属粒子移動による溶解槽壁の摩耗が大幅に
減少すること、及び充てん量の計測が固定板ない
しは、押えこみ用のおもり10の位置、あるいは
圧力測定等により、より容易にできるようになつ
た等の利点も有している。 第1図〜第3図のような溶解方法における相対
流速は化学工学等にて言われているように次式に
て求まる。 相対速度=(空塔速度)/(空隙率) 又、第1図〜第3図においてめつき液を流入さ
せるための最低必要圧力Pは次式で近似的に求め
られる。 P=α・Po ただし、 α:H2発生の影響係数(−) Po:次式で定義される値(g/cm2) Po=6・・L/dp・・ρ・Uo2/2g・1−ε/ε3 (Kozeny―Carman式) ただし、L:金属体装填高さ(cm) dp:金属体相当直径(cm) :金属体の形状係数(−) ρ:めつき液の比重(g/cm3) Uo:空塔速度(cm/sec) ε:空隙率(−) g:重力加速度(g/cm2) は =5/Re+0.4/Re0.1 なる式にて求まり、Reは、 Re=・dp・Uo・ρ/6(1−ε)・μ にて定義されるものである。 実操業においては、上記圧力Pに加えて、フイ
ルター、多孔板における圧力損失を加味したヘツ
ド圧を有するポンプが必要である。又、第2図は
上部より液を流すため、おもりないしはそれに相
当するものにて、金属体が移動するのを防ぐ必要
はないが、第1図、第3図のようにして、溶解を
行なう場合には、おもりないしはそれに相当する
もの(油圧、空気圧等)にて、めつき液流による
金属体の移動を防止する必要がある。この場合の
おもりないしはそれに相当するものの必要押え圧
力はP(g/cm2)以上が確保されていれば充分で
ある。 なお、第1図〜第3図の沈静槽はフイルターを
通過した微小の未溶解金属体を完全に溶解させる
ためのものであり、沈静槽を省き循環タンクを沈
静槽のかわりとして併用してもさしつかえない。
又第2図、第3図のH2除去槽は溶解槽内で発生
したH2を除去するための槽であり、H2除去槽を
省き沈静槽又は循環タンクをH2除去槽として併
用してもかまわない。 表3のデータは金属体の形状としては相当直径
が1〜4mmφのもの(平均中心径2mmφ)を使用
し、第1図、第2図及び第3図の装置を使用し、
充てん量として、300Kg(充てん高さ40cm)を装
填したものである。なお、第1,2,3図のテス
トでは同一の結果を得たため、その値を記した。
ところで、第4図のように、金属体が溶解されて
減少又はなくなつたときに、新たに金属体を投入
する必要があるとき、あるいはメツキが終了し溶
解を継続する必要がなく、途中で金属体を取り出
すことが必要になつた時などのために、投入・取
り出し等を簡易に行なうため、金属体装てん部分
15をカセツト式にすることは操業上きわめて便
利である。 第1図〜第4図は金属体がほとんど動かないよ
うに固定し、固定溶解槽にめつき液を流す方式を
考えているが、逆に金属体そのものを一定のスピ
ードにて動かし、相対流速を得る第5図、第6図
のような方法があるが、所定の相対流速が得られ
るのであれば、還元効率の向上に対して何ら支障
はない。 第5図は搬送用ロールにて金属体(主に線状、
薄板状のもの)を一定スピードにて溶解槽内に搬
入させ、溶解させる方式であり、高い相対流速が
容易に得られる。第6図はカセツト式のかごに金
属体を装填し、溶解槽内で一定周速にて回転させ
ることにより相対流速を確保しながら溶解する方
式である。又、金属体自身の自重にて固定された
状態で、めつき液を流し、相対流速を高める方式
も当然同じ効果がある。 なお、相当直径が0.5mmφ程度以下、望ましく
は0.1mmφ以下の粉末状の金属体の場合には、比
表面積が大きいため、金属体が多孔質化される前
に溶解されてしまうため、多孔質化の抑制に対し
て気を使う必要はないが、比表面積が大きいこと
から溶解速度が高いため、Fe3+イオンの金属体
表面への供給が遅れがちになりやすい。そのた
め、やはり高い相対流速下に溶解させるほど還元
効率が高いことは確実である。 (発明の効果) 以上述べてきたごとく、本発明方法のように、
20cm/sec以上の相対流速を確保しながら、鉄系
又は鉄系合金電気めつきのイオン補給を行なうこ
とにより、初期溶解時のみでなく平衡溶解時にお
いても、高い還元効率が得られるため、めつき浴
中のFe3+イオン濃度を低位に維持することが容
易となり、Fe3+イオンの弊害をかなり減少させ
うる。加えて以下の(1)〜(8)のような効果もある。 (1) Fe3+イオン低減のためにイオン補給還元以
外の還元、例えば、電力を使用する電解還元法
等の負荷を大幅に軽減ないしはなくすことがで
きる。 (2) 溶解速度能力の向上により、イオン補給溶解
設備が縮小化できる。 (3) H2発生量の低減により、膨大なH2爆発対策
を軽減し得る。 (4) 従来法に比べ溶解槽内の金属充てん量がより
容易に計測できる。 (5) 溶解槽内での金属体の移動による溶解槽壁の
摩耗が減少できる。 (6) 電気化学的により貴な金属との接触溶解効果
が、初期溶解時のみでなく、平衡溶解時にも効
果が発揮される。 (7) 金属体への超音波の印加、気体のバブリング
は、水酸化物系皮膜の抑制につながるため、本
発明方法と併用すれば、より一層効果が高ま
る。 (8) 鉄―亜鉛合金めつきに限つた場合、Fe―Zn
合金めつき硫酸塩浴中へ、ポリオキシエチレン
系誘導体化合物又はポリオキシプロピレン系誘
導体化合物の1種又は2種以上を0.01〜10g/
添加された浴にて、本発明方法を併用するこ
とにより、より一層還元効率が高まり、イオン
補給還元のみで、低濃度にFe3+イオンを維持
することが可能となる。もちろん、超音波の印
加、気体のバブリング、電気化学的に貴な金属
との接触溶解の1つ又は2つ以上の併用はより
一層効果が高まる。 (実施例) 次に本発明の実施例を比較例とともに挙げる。
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、第3図、第4図、第5図及び
第6図はそれぞれ本発明方法の一例を示す説明
図、第7図は空塔速度と相対流速と金属体逸散の
関係を示す説明図表、第8図は従来の金属体溶解
法を示す説明図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 不溶性陽極を用いて鉄系又は鉄系合金電気め
    つきにおいて、イオン補給溶解を行なうに際し、
    硫酸系めつき液にポリオキシエチレン系誘導体化
    合物、ポリオキシプロピレン系誘導体化合物の1
    種又は2種以上を0.01〜10g/添加し、めつき
    液に可溶な金属体と該めつきの相対流速を20cm/
    sec以上にして、金属体を溶解することを特徴と
    する鉄系又は鉄系合金電気めつきのイオン補給方
    法。
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