JPS6311363Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、クランプ装置に係り、例えば電気
掃除機のように電動側ケースと集塵側ケースとを
着脱自在に結合するクランプ装置に関するもので
ある。

［従来の技術］ 従来、例えば電気掃除機に用いられているクラ
ンプ装置は、クランプ部材を付勢するのに別個の
スプリングが用いられているものや、あるいは、
クランプ装置に前方に長く延びたバネ部を一体的
に形成したものがある。

［考案が解決しようとする問題点］ 前者の形式のものは、クランプ装置を電気掃除
機等の本体側に組込むのに手数がかかるととも
に、スプリングが外れてクランプ装置が分解する
恐れがある。その上スプリング等で一箇所だけ付
勢した場合には、クランプ装置を指で押す位置に
より操作力が変動するという問題がある。

後者の形式のものは、クランプ装置を装着する
集塵側ケースにバネ部に対応するだけの相当のス
ペースを必要とするため、スペースフアクターが
悪いばかりでなく、バネ部だけに応力が加わり、
バネ部が破損しやすい。又、クランプ以外の箇所
に接触するとバネ部に無理が加わり変形したり、
破損し易いなどの問題もある。

［問題点を解決するための手段］ この考案は、結合体に受部を形成し、この結合
体に着脱自在に結合する被結合体の前縁部に爪部
を形成するとともに、クランプ体を装着する凹部
を設け、一方、受部と係脱自在に係合する係合部
を形成したクランプ部材と、このクランプ部材を
回動自在に支持するとともに、上端部にクランプ
部材に当接して係合部を受部と係合する方向に付
勢するバネ部を一体成型し、下端部に爪部と係合
する係止部を形成した支持部材とを組立ててクラ
ンプ体をユニツト化し、このユニツト化したクラ
ンプ体を、クランプ体の支持部材の中間位置を凹
部に固定手段により固定するようにして、組立作
業を容易にするとともに、バネ部に加わる応力を
分散して、クランプ体の変形や破損をなくし耐久
性が良くなるようにしたものである。

［考案の実施例］ この考案の実施例を、電気掃除機に用いた場合
を例にとり、第１図〜第４図に基づいて詳細に説
明する。

１は結合体としての電動側ケースで、電動送風
機２とコードリール３とが内臓されている。

４は受部で、結合体１の上面に立設されてい
る。

５は被結合体としての集塵側ケースで、上面に
はクランプ体１１を装着するための凹部６が電動
側ケース１方向に向けて開設されており、この凹
部６の中央部には、広巾な凸壁７が形成されてい
る。凸壁７の中央部にはクランプ体１１のクラン
プ部材１２の縁部１５が当接して回動範囲を規制
する狭幅なリブ部８が巾方向に向けて立設されて
いる。凸壁７の下部には電動側ケース１に向けて
前縁部９が延設されており、この前縁部９の中央
部一端には爪部１０が形成されている。

クランプ体１１はクランプ部材１２と、このク
ランプ部材１２の長手方向の略中央部裏面に略垂
直方向に配設され、クランプ部材１２を回動自在
に支持する支持部材１３とにより構成されてい
る。

クランプ部材１２の両端部長手方向には軸部１
４，１４が突設されており、一端部幅方向（集塵
側ケース５方向）には縁部１５が下方に向けて延
設されており、他端部には電動側ケース１の受部
４と係脱自在に係合する係合部１６が形成されて
いる。

支持部材１３は可撓性のある部材で形成されて
おり、両端部長手方向にはクランプ部材１２の軸
部１４，１４が軸支されてクランプ部材１２を回
動自在に支持する軸受部１７，１７が形成されて
いる。支持部材１３の幅方向の下端部には、前縁
部９に立設されている爪部１０に対応する箇所
に、この爪部１０と係合可能な係止部１８が形成
されており、上端部には集塵側ケース５方向に向
けて長手方向の長さをほぼ３分割する位置に２ケ
所の板状のバネ部１９，１９がクランプ部材１２
に当接可能な位置に一体成型されている。

従つて、クランプ体１１を組立てるには、クラ
ンプ部材１２の軸部１４，１４を支持部材１３の
軸受部１７，１７に軸支してクランプ体１１をユ
ニツト化する。このユニツト化したクランプ体１
１は、支持部材１３の中間位置を、集塵側ケース
５の凹部６の凸壁７に固定されている。

バネ部１９，１９は複数箇所形成すれば、クラ
ンプ部材１２を指で押圧する位置に関係なく均一
な操作力が得られるとともに、バネ部１９，１９
に加わる応力も分散されて破損や変形の生じるこ
とも少なく耐久性が改善される。

又、バネ部１９は付根部から先端部に向けて厚
み方向及び幅方向の長さ、あるいはいずれか一方
向の長さを変えて断面積を漸減するように形成す
れば、バネ部１９に加わる応力は付根部に集中す
ることなく、バネ部１９全体に分散させることが
出来るので、変形や破損の生じることも少なくさ
らに耐久性が改善される。

２０は後車輪、２１はキヤスター、２２は集塵
室、２３は把手、２４は操作者の指である。

クランプ体１１の固定手段は、集塵側ケース５
の凹部６の凸壁７に設けられているねじ穴２５と
ねじ２６とにより構成されており、クランプ体１
１はねじ穴２５に支持部材１３を介してねじ２６
をねじ込んで固定されている。２７は集塵体であ
る。

また、電動側ケース１には係止片２８が設けら
れ、集塵側ケース５にはこの係止片２８と係合す
る突起２９が設けられており、この係止片２８と
突起２９との係合と、クランプ体１１とにより集
塵側ケース５と電動側ケース１とは着脱自在に結
合される。

上記のような構成であるから、クランプ体１１
を集塵側ケース５に取付けるには、先ず、クラン
プ部材１２の軸部１４，１４を支持部材１３の軸
受部１７，１７に軸支してクランプ体１１をユニ
ツト化する。このユニツト化されたクランプ体１
１を集塵側ケース５の凹部６に納めるとともに、
凸壁７に設けられているねじ穴２５に位置決めし
つつ支持部材１３側からねじ２６で固定する。こ
のようにしてクランプ体１１が凸壁７に固定され
た状態では、支持部材１３の係止部１８は爪部１
０と係合し、バネ部１９はクランプ部材１２の縁
部１５と当接した状態となつている。

次いで、その作用を説明すると、先ず、結合に
際しては電動側ケース１の係止片２８に集塵側ケ
ース５の突起２９を係合させ、この係合点を中心
として集塵側ケース５を第１図において時計方向
に回動させると、クランプ部材１２の係合部１６
は電動側ケース１の受部４の頂部を乗り越えて受
部４と係合して集塵側ケース５と電動側ケース１
とは結合される。この状態では、第３図に示すよ
うに、クランプ体１１のバネ部１９，１９は、ク
ランプ部材１２の縁部１５に当接してこれを上方
に付勢されて、受部４と係合部１６とは係合して
いるとともに、前縁部９の爪部１０と支持部材１
３の係止部１８とは係合し、係合部１６は電動側
ケース１の受部４と係合している。

次に、クランプ体１１を解除して、集塵側ケー
ス５を電動側ケース１から取り外す場合には、第
４図に示すように、指２４でクランプ部材１２の
集塵側ケース５側を押圧すると、クランプ部材１
２は軸部１４を支点として反時計方向に回動する
から、係合部１６は電動側ケース１の受部４から
はずれる。この際、バネ部１９，１９はクランプ
部材１２の縁部１５に押圧されて下方に弾性的に
たわんで集塵側ケース５の凸壁７に接近するが、
クランプ部材１２の縁部１５がリブ部８に当接し
て回動を規制するので、バネ部１９，１９と凸壁
７とは接触することはなく、バネ部１９，１９の
異常な変形や破損を防止可能であるとともに、バ
ネ部１９による集塵側ケース５が損傷することも
ない。

一方、バネ部１９に加えられた応力は、ねじ２
６で固定された箇所に加わり、この固定箇所を回
転中心とする回転トルクとして支持部材１３を電
動側ケース１方向に回転させるが、この応力は、
集塵側ケース５の爪部１０と支持部材１３の係止
部１８とが係合している係合箇所と、ねじ２６と
ねじ穴２５とで固定されている固定箇所とに分散
されるので、クランプ体１１の変形破損が少なく
なる。

このように、クランプ部材１２の係合部１６と
電動側ケース１の受部４との係合が外れれば、集
塵側ケース５を電動側ケース１から取り外すこと
が出来る。

［考案の効果］ 以上述べたように、この考案は結合体に受部を
形成し、この結合体に着脱自在に結合する被結合
体の前縁部に爪部を形成するとともに、クランプ
体を装着する凹部を設け、一方、受部と係脱自在
に係合する係合部を形成したクランプ部材と、こ
のクランプ部材を回動自在に支持するとともに、
上端部にクランプ部材に当接して係合部を受部と
係合する方向に付勢するバネ部を一体成型し、下
端部に爪部と係合する係止部を形成した支持部材
とを組立ててクランプ体をユニツト化し、このユ
ニツト化したクランプ体を、クランプ体の支持部
材の中間位置を凹部に固定手段により固定するよ
うにしたので、被結合体へのクランプ体の取付作
業が容易である。

その上、クランプ体を解除する際、バネ部の変
形による応力は、支持部材の中間位置における固
定箇所と、支持部材の下端部における爪部と係止
部との係合箇所とに分散されるので、クランプ体
が変形したり破損することがなく、耐久性が良く
なる。

その上、単に支持部材にクランプ部材を回動自
在に支持させるだけであるから、クランプ体をユ
ニツト化する組立作業が簡単であるとともに、ク
ランプ体の構造も簡単である。又、支持部材にバ
ネ部を一体成型しているので製造が容易であるば
かりでなく、従来のものに比べてクランプ体が小
型化されスペースフアクターが良くなる。バネ部
はクランプ部材に当接してこれを付勢しているの
で、クランプ部材の回動範囲は受部と係合部とが
係脱する範囲であるから、バネ部が湾曲する範囲
も少なく、従つて、バネ部の変形や破損の生じる
こともなく耐久性が優れている。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
は一部切欠側面図、第２図はクランプ体の一部切
欠平面図、第３図は要部断面図、第４図はクラン
プ体の結合を解除する状態を示す要部断面図であ
る。 １…結合体、４…受部、５…被結合体、６…凹
部、９…前縁部、１０…爪部、１１…クランプ
体、１２…クランプ部材、１３…支持部材、１６
…係合部、１８…係止部、１９…バネ部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 受部を形成した結合体と、 この結合体に着脱自在に結合し、前縁部に爪部
   を形成するとともに、クランプ体を装着する凹部
   を設けた被結合体と、 前記受部と係脱自在に係合する係合部を形成し
   たクランプ部材と、このクランプ部材を回動自在
   に支持するとともに、上端部に前記クランプ部材
   に当接して前記係合部を前記受部と係合する方向
   に付勢するバネ部を一体成型し、下端部に前記爪
   部と係合する係止部を形成した支持部材とを組立
   ててユニツト化したクランプ体と、 このユニツト化したクランプ体を、前記クラン
   プ体の前記支持部材の中間位置で前記凹部に固定
   手段により固定したこと を特徴とするクランプ装置。