JPS6311356Y2 -

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【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、送風機、ポンプなどの羽根車用耐摩
片に関するものである。

〔従来技術〕

羽根車、わけてもボイラの廃ガス用、土砂塵埃
の多い空気の排気用など、固形微粒子のダストを
多く含むガスを扱う送風機用羽根車では特に、摩
耗の起き易い部分には金属製のライナや、耐摩肉
盛が施され、補修を重ねて使用されている。

しかしながらいずれも寿命が短かくひんぱんに
補修を要し、装置の嫁動率の低下や補修のため多
大の時間と手間の損失を招いていた。

近年、耐摩性の非常にすぐれた材料としてセラ
ミツクの利用がはかられ、羽根に耐摩片を装着し
て母材を保護することが行なわれている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、羽根車を作動させるに従つて耐摩片
は摩耗するが、従来のものでは摩耗状態を迅速、
正確に把握することが困難で、点検に手間を要
し、補修交換時期のミスによる母材の侵食或いは
耐摩片のムダを招くという問題点があつた。

本考案は、従来のものの上記の問題点を除き、
耐摩片の摩耗状態の把握を迅速正確に行なうこと
ができる羽根車用耐摩片を提供することを目的と
するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、羽根車の羽根に装着されるセラミツ
ク製の耐摩片において、表面に終端が周縁に達し
ない溝を有することを特徴とする羽根車用耐摩片
である。

〔実施例〕

本考案を送風機に適用した実施例について図面
を用いて説明する。

第１図〜第３図において、羽根車１はハブ２、
主板３、側板４、羽根５とより成つていて、羽根
５の表面には四角形のセラミツク製の多数の耐摩
片８が隣接して接着剤で貼付けられ、羽根５の入
口縁７にはＵ字型断面のセラミツク製の耐摩片６
が貼付けられている。

耐摩片８表面には第２図及び第３図に示すよう
に、摩耗限度付近深さの溝４０と浅い溝４１が設
けられており、浅い方の溝４１が消滅したことに
より警告し、深い方の溝４０が消滅したことによ
り摩耗限度に達したことを知ることができる。

耐摩片８を羽根に装着するに際しては、溝４
０，４１の方向がダストの流れ方向１５と一致し
ないようにするのが溝底部の摩耗を防止するのに
よいが、溝による損失を少なくするためにダスト
流れ方向１５に対して約45度とするのがよい。

溝４０，４１は、耐摩片８の周縁に達しない終
端部を備え耐摩片８の折損を防止すると共に、断
面Ｕ字型として損失を少なくし、底部の摩耗が表
面と比べ極少量となる溝巾に設けられている。

溝は少なくとも摩耗限度に達したことを知るこ
とができる深さのものが１本あればよいが、３本
以上でもよい。

また、溝底部もダストにより少量摩耗するの
で、溝底部の摩耗速度と表面の摩耗速度を勘案し
て、溝の深さを摩耗速度より若干浅くし、摩耗限
度において消滅するようにすることもできる。

耐摩片８のみならず耐摩片６にも溝を付設する
こともできるし、羽根全面にこの溝を有する耐摩
片を装着してもあるいは適宜部位に数カ所設けて
もよい。

以上は送風機につき説明したが、送風機のみな
らずポンプを含む流体機械、さらには一般に用い
られる耐摩片にも適用できる。

〔考案の効果〕

本考案により、耐摩状態を正確・迅速に検知で
きる耐摩片を提供することができ、顕著な効果を
奏することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例に関するもので、第１図
は羽根車の正面図、第２図はその縦断面図、第３
図は耐摩片の平面図、第４図は第３図線断面
図である。１……羽根車、２……ハブ、３……主板、４…
…側板、５……羽根、６，８……耐摩片、１５…
…ダスト流れ方向、４０，４１……溝。

【実用新案登録請求の範囲】