JPS6311227B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は特に貯蔵用の容器に用いられるプラス
チツク製の閉塞具に関しており、該閉塞具は蓋部
材と、これと一体のウエブ状の番部材によつて該
蓋部材に結合された冠部材とからなつており、前
記冠部材には弾性を有して直立する舌部材が設置
されており、前記蓋部材の前記番部材近傍の部分
には前記舌部材を横方向に撓めて弾く効果を発揮
するカム部材が設置されている。

背景技術 この種の閉塞具は西独特許第7631199号にも開
示されており、この閉塞具は特に化粧品、家庭用
洗浄剤、薬剤等の液体を貯蔵しておくための壜、
罐等の小型容器を密閉するのに用いられている。

第７図は、西独特許第7631199号明細書に開示
された閉塞具の開状態の平面図である。第８図は
該閉塞具の開状態の断面図であり、第９図は該閉
塞具の閉状態の断面図である。図示するように冠
部材１１と蓋部材１０とは一対の番部材１２ａ，
１２ｂを介して結ばれプラスチツク材料で一体成
形されている。冠部材１１には舌部材１５が、蓋
部材１０にはカム部材１６が各々設けられてい
る。

第８図において、一点鎖線で示す蓋部材１０″
は、閉動作又は容器内容物を注ぎ出す場合にカム
部材１６が舌部材１５に接触して係止されている
様子を示している。また、一点鎖線で示す蓋部材
１０′は、さらに閉動作が進んだ場合にカム部材
１６が舌部材１５′を撓めている様子を示してい
る。第９図においては、カム部材１６及び舌部材
１５が閉動作完了後、面接触している様子を示し
ている。この閉塞具のプラスチツク製の前記冠部
材は容器に嵌合又は螺合される閉鎖キヤツプにな
つており、前記蓋部材が閉鎖状態にある時前記冠
部材に設置された液体の注口は前記蓋部材に一体
に設置された栓部材によつて密閉される。前記冠
部材には弾性を有して軸方向に直立する前記舌部
材が設置されており、前記蓋部材が開かれ又は閉
鎖される時この舌部材は前記カム部材に回転係合
して側方に撓められ、この蓋部材が開かれ又は特
に閉鎖される際の最終段階において前記舌部材は
その弾性復元力によつてこの開閉運動を補助す
る。前記蓋部材が180゜程度旋回されて開かれた
後、取扱者の不注意な動作による該蓋部材へ閉鎖
位置への運動は前記舌部材によつて防がれて該蓋
部材はその開放位置に保持される。前記舌部材は
長期間に亘る使用後にもその機能を維持するに十
分な厚みを有している。この種の公知のプラスチ
ツク製閉塞具は構造の単純さ及び機能の信頼性の
高さを特徴としており、比較的に単純な射出成形
器具を用いて安価に製造することが可能である。

しかしながら、カム部材及び舌部材の面接触だ
けでは蓋部材が開放してしまうことがある。ま
た、蓋部材が、例えば幼児によつて不用意に開け
られてしまうこともある。

発明の目的 本発明の目的は西独特許第7631199号に開示さ
れた閉塞具を経済的にかつ技術的に単純な方法で
改良し、特に幼児による前記蓋部材の不注意な開
放を効果的に防止することである。幼児のいたず
らによる前記蓋部材の開放を防ぐための機構は高
い信頼性を有しておらねばならず、この閉塞具の
全体が一体射出成形により安価に製造され得るよ
うに設計するのが好ましい。

発明の構成 この目的を達成するため、本発明の閉塞具はウ
エブ状の前記番部材に実質的に対向する位置に設
置されて前記蓋部材を前記冠部材に固定するため
の固定装置を有しており、該固定装置は弾性復元
力に抗して前記蓋部材又は前記冠部材に横方向か
ら加えられる力によつてその係合状態から離脱自
在な固定部材を含んでいる。

本発明の一の好ましい具体例では、前記蓋部材
を前記冠部材に対して横方向に運動させることに
より前記固定装置が外れるようにするため前記蓋
部材はウエブ状の番部材により前記冠部材に結合
されており、従つて閉鎖状態にある前記蓋部材を
前記番部材を形成する部分の弾性復元力に抗しな
がらこの閉塞具と容器との軸方向に対して横方向
に前記冠部材から僅かに移動させると前記固定装
置が外れ、この蓋部材を前記番部材を中心に旋回
させて開放することが可能になる。この場合に
は、前記番部材は前記蓋部材の横方向への運動に
よつて弾性的に変形されるバネ番として成形され
るのが好ましく、これは該番部材を形成する部分
を下方に抉ることにより達成可能である。

本発明の他の有益な具体例では、前記冠部材の
前記固定装置近傍の部分が横方向に弾性変形され
ることにより前記固定装置が外れるようになつて
いる。この場合には前記冠部材の前記固定装置近
傍の部分の厚みを該冠部材の外周壁の残余の部分
の厚みよりも小さく設定しておくのが好ましい。
前記固定装置近傍に隔膜状の弾性圧迫面を形成す
るために前記冠部材の外周壁を該冠部材の頂壁か
ら局所的に切離し、この弾性圧迫面が前記固定装
置を外すに十分なだけ弾性変形し得るようにする
のが好ましい。しかしこの弾性圧迫面は残余の周
囲に沿つては前記冠部材の外周壁に一体に結合さ
れているべきである。

発明の効果 本発明の閉塞具では、前記蓋部材を閉じる運動
によつて該蓋部材が閉鎖されかつ固定される。一
方該閉塞具の前記固定装置を外すには、弾性復元
力に抗しながら前記蓋部材を前記冠部材に対して
横方向に移動させ、又は前記冠部材の外周壁の前
記固定装置近傍の部分に設けられた前記弾性圧迫
面を該固定装置に向けて内方に弾性的に圧迫する
ことによつて該蓋部材、前記冠部材及び容器の軸
方向に対して横向きの力を作用させればよい。本
発明のこれら具体例のこの単純な構造の固定装置
による前記蓋部材の固定は信頼性が高くかつ機能
的に安全なものであり、さらに該閉塞具の全体の
構造が単純なのでこの閉塞具を射出成形により安
価に製造することが可能である。前記固定装置は
閉鎖された前記蓋部材の内部又は下方に隠れる。
この固定装置を外したり前記蓋部材を開放したり
する操作を片方の手指だけで十分に行うことが可
能である。

前記固定部材は前記蓋部材と一体に成形される
のが好ましい。この場合には前記冠部材の頂面に
簡単な固定孔が設置され、好ましくは鉤爪状の前
記固定部材はこの固定孔を貫いて伸長する。前記
冠部材は実質的にカツプ形に成形されるのが好ま
しく、そして前記固定孔をこの冠部材の頂面の外
周端と該頂面の中央に設置された注口との間に設
けておくのが好ましい。この冠部材は容器に嵌合
又は螺合される普通の閉塞キヤツプを形成するの
が望ましい。好ましくは前記蓋部材にその下面か
ら伸長して該蓋部材が閉じられている時前記容器
の注口に係合する普通の栓部材を設ける。前記固
定装置が前記蓋部材を前記冠部材に対して横方向
に移動させることにより外れるように構成されて
いる場合、前記蓋部材の横方向への移動をその弾
性変形によつて可能にするため前記栓部材は弾性
を有する物質を素材とするのが好ましい。前記蓋
部材の開放操作を容易にするため該蓋部材の前記
固定装置近傍部分に窪みを設けておくのが有利で
ある。さらに、カツプ形の前記冠部材の内側の底
部にその中心部に位置して軸方向に伸長するスリ
ーブを設置し、このスリーブを前記容器の注口を
有する咽の部分に係合させるのが好ましい。実質
的にカツプ形の前記冠部材の前記番部材が配置さ
れている側に前述の直立する舌部材を含む窪みを
設け、これによつて弾性を有する該舌部材の一部
分が前記冠部材の頂面の下方に位置してこの舌部
材がその十分な長さの部分に亘つて比較的に大き
な反発力を発揮し得るように構成すると有利であ
る。

実施例 以下に添付した図面を参照しながら本発明の具
体例について詳細に説明する。

第１，２，３図に示された本発明の閉塞具はウ
エブ状の番部材１２によつて円筒状なカツプ形の
冠部材１１に一体に結合された円形の蓋部材１０
を有している。この閉塞具はプラスチツク製の一
体射出成形物からなつている。西独特許第
7631199号に開示されたものと同様に、このウエ
ブ状の番部材１２は２個の平行な板状部材を有し
ており、該板状部材の各々は事実上の番部分を形
成する細くなつた部分１２ａを有している（第３
図）。カツプ形の冠部材１１の頂壁１３には弾力
性を有して軸方向に直立する舌部材１５を含む窪
み１４が形成されており、この舌部材１５は図面
の周囲方向に見られる番部材１２の前述の２個の
部分の間に位置している。冠部材１１と一体に形
成された舌部材１５の軸はこの閉塞具及び前記容
器（図示せず）の軸に平行に伸長している。この
舌部材１５は冠部材１１の周囲に関して、半径方
向に内方に向かつて段を形成している。蓋部材１
０の下面の番部材１２の近傍部分に一体に設置さ
れたカム部材１６は西独特許第7631199号に開示
されているように弾性を有する直立した舌部材１
５と協力する。

カツプ形の冠部材１１の底部を形成する頂壁１
３と一体にその中央部で軸方向に伸長するスリー
ブ１７が形成されており、このスリーブに設置さ
れた注口１８は蓋部材１０が閉鎖されている時に
はこの蓋部材の下側に設置された栓部材１９によ
つて密閉される。冠部材１１は容器（図示せず）
の首の部分に嵌合又は螺合されるようになつてお
り、該容器の注口を有するこの首の部分は下方か
ら密閉係合する。

冠部材１１の頂壁１３に設けられた固定孔２０
は番部材１２に対向する側で中央の注口１８と該
冠部材の外周壁２１との間に位置している。蓋部
材１０の固定孔２０に対応する部分に一体に設置
された鉤爪状の固定部材２２は下方に伸長してい
る。第１図に示されているように、蓋部材１０が
閉じられている時固定部材２２は固定孔２０を貫
いて伸長し、その脹らんだ頭部２３が冠部材１１
の固定棚１３′に係合してこの蓋部材１０をその
閉鎖位置に固定する。蓋部材１０の固定部材２２
近傍部分に窪み２４が形成されている。

番部材１２は下部を抉られてバネ番を形成して
いる。冠部材１１と一体に形成されているウエブ
部１２ｂは実質的にＶ字形の切開部２５によつて
冠部材１１から側方に分離されており、このウエ
ブ部１２ｂの弾性変形により蓋部材１０は冠部材
１１に対して横向きに矢印Ｒの方向に移動するこ
とが可能になる。第２図に示されているように、
蓋部材１０が横方向に移動する時栓部材１９も弾
性変形する。

第１図には閉鎖位置にある蓋部材１０が示され
ており、カム部材１６は冠部材１１の周囲部の窪
みの内で舌部材１５と係合している。固定部材２
２は固定孔２０を貫いて伸長し蓋部材１０を冠部
材１１に固定している。この固定装置を外さない
と蓋部材は開かない。このため第２図に示されて
るように鉤爪状の固定部材の頭部２３が外れるま
で蓋部材１０を指で押して矢印Ｒの方向に移動さ
せる。既に記したように、蓋部材１０のこの横方
向への移動は番部材１２のウエブ部１２ｂの弾性
復元力に抗して行われ、この時注口１８に係合し
ている栓部材１９も弾性変形して該運動に適合す
る。前記固定装置が外されると蓋部材を上方に旋
回させて第３図に示された開放位置に移すことが
可能になる。蓋部材１０を開いてゆくとカム部材
１６の自由端は舌部材１５に沿つて摺動するので
舌部材１５が側方に屈曲する。蓋部材１０を閉じ
ると、固定部材２２が固定孔２０に貫入し、バネ
番を形成する番部材１２の復元力によつて固定部
材２２はその固定位置に係合して蓋部材１０を自
動的に固定する。

第４，５，６図に示された本発明の第２番目の
具体例の構造は前述の具体例のものとほぼ同様で
ある。従つて共通の部分には共通の参照番号が付
されている。これら具体例の間の唯一の相違は固
定装置を外すための手段の構成にある。この具体
例では、カツプ形の冠部材１１の外周壁２１の固
定装置近傍の部分が横方向に撓むことによつて該
固定装置が外れるようになつている。第４，５，
６図に明らかに図示されているように、冠部材１
１の円筒状の外周壁の番部材１２に直径方向に対
向する部分は残余の外周壁の部分よりもかなり薄
い。こうして前記固定装置近傍において冠部材１
１はその外周壁に比較的に薄く、弾力性を有する
隔膜状の圧迫面２１′を形成しており、この圧迫
面２１′を矢印Ｒの方向に押し撓めれば固定装置
が外れる。圧迫面２１′の弾性的可変性を改良す
るために、冠部材１１の外周壁２１は参照番号２
６の位置で該冠部材の頂壁１３から切離されてお
り、一方冠部材１１を周回する方向においてはこ
の圧迫面２１′は外周壁２１の残余の部分に一体
に結合されている。

蓋部材１０を開くには、外周壁２１の圧迫面２
１′を形成する薄くて弾性変形自在な部分を第５
図に示されているように指で押して内方に屈曲さ
せ、これによつて鉤爪状の固定部材２２をその頭
部２３が固定孔２０から離脱自在になるまで弾性
変形させて固定装置を外し、次いで蓋部材１０を
番部材１２の周囲に旋回させて第６図に示された
開放位置に移動させればよい。その後圧迫面２
１′と固定部材２２とはその弾性復元力により自
動的に元の位置に戻る。蓋部材１０を閉じると自
動的に固定装置が再係合する。第４，５，６図の
具体例では、番部材１２がバネ番を形成する必要
のないことは明らかである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の閉塞具の一の具体例をその蓋
部材が閉鎖され固定された状態で示した断面図、
第２図は蓋部材が固定されていない状態で第１図
の閉塞具を示した断面図、第３図は蓋部材が開か
れた状態で第１及び２図の閉塞具を示した断面
図、第４図ないし６図は本発明の他の具体例をそ
の蓋部材が各々異なる位置にある状態で示した断
面図、第７図は閉塞具の番部材近傍の開状態を示
す部分平面図、第８図及び第９図は閉塞具の番部
材近傍の部分断面図である。 主要部分の符号の説明、１０……蓋部材、１１
……冠部材、１２……番部材、１５……舌部材、
１６……カム部材、１７……スリーブ、１８……
注口、１９……栓部材、２０……固定孔、２１′
……圧迫面、２２……固定部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 蓋部材と、該蓋部材にウエブ状の番部材によ
   つて一体に結合された冠部材と、該冠部材に垂直
   に設置された弾性を有する舌部材と、前記蓋部材
   の前記番部材に近接した部分に設置され前記蓋部
   材が開閉される時前記舌部材を横方向に撓めて該
   蓋部材を弾く効果を発揮するカム部材とを有し、
   前記蓋部材が閉鎖位置にある時この蓋部材を前記
   冠部材に固定しておくための固定装置が前記番部
   材に実質的に対向する側の内部に設置されてお
   り、該固定装置は前記蓋部材又は前記冠部材の弾
   性復元力に抗して前記蓋部材又は前記冠部材の側
   面に横方向から加えられる力によつてその固定係
   合状態から離脱自在な固定部材２２を含むことを
   特徴とする容器に用いられるプラスチツク製の閉
   塞具。 ２ 前記固定部材２２が前記蓋部材１０と一体に
   形成されていることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載の閉塞具。 ３ 前記冠部材１１の頂面に固定孔２０が設けら
   れており、実質的に鉤爪状の前記固定部材２２が
   この固定孔を貫いて伸長することを特徴とする特
   許請求の範囲第１項又は第２項記載の閉塞具。 ４ 前記固定装置を外すための横方向の運動を可
   能にするため前記蓋部材１０が前記のウエブ状の
   番部材１２によつて前記冠部材１１に結合されて
   いることを特徴とする特許請求の範囲第１項又は
   第２項若しくは第３項記載の閉塞具。 ５ ウエブ状の前記番部材１２が前記蓋部材１０
   の前記横方向の運動によつて弾性的に変形自在な
   バネ番をなしていることを特徴とする特許請求の
   範囲第４項記載の閉塞具。 ６ 前記番部材１２が下部を抉られた２５バネ番
   として形成されていることを特徴とする特許請求
   の範囲第５項記載の閉塞具。 ７ 前記冠部材１１の前記固定装置に近接する壁
   部材２１′の横方向への弾性変形によつて該固定
   装置を外すことが可能であることを特徴とする特
   許請求の範囲第１項又は第２項若しくは第３項記
   載の閉塞具。 ８ 前記冠部材１１の前記固定装置に近接する前
   記壁部分２１′が該冠部材の他の部分より薄いこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第７項記載の閉塞
   具。 ９ 前記冠部材１１の外周壁２１が該冠部材の頂
   面１３から局所的に切離されて前記固定装置近傍
   に弾性的な圧迫面２１′が形成されており、該圧
   迫面が該冠部材の残余の部分に周回方向において
   一体に結合されていることを特徴とする特許請求
   の範囲第８項記載の閉塞具。 １０ 横方向に屈曲自在な弾性を有する栓部材１
   ９が前記蓋部材１０の下面にこれに一体に設置さ
   れており、前記蓋部材が前記閉鎖位置に在る時該
   栓部材が前記冠部材に設置された注口１８に係合
   することを特徴とする特許請求の範囲第１項ない
   し第９項中のいずれか一項記載の閉塞具。 １１ 前記蓋部材１０の外周部の前記固定装置近
   傍の部分に窪み２４が設けられていることを特徴
   とする特許請求の範囲第１項ないし第１０項中の
   いずれか一項記載の閉塞具。 １２ 前記冠部材１１が実質的にカツプ状であ
   り、前記固定孔２０が該冠部材の頂壁１３の中心
   部に位置する前記注口１８と該冠部材の外周部と
   の中間に設置されていることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項ないし第１１項中のいずれか一項
   記載の閉塞具。 １３ 前記冠部材１１が容器に嵌合され又は螺合
   される閉鎖キヤツプとして形成されていることを
   特徴とする特許請求の範囲第１項ないし第１２項
   中のいずれか一項記載の閉塞具。 １４ カツプ状の前記冠部材１１の前記頂壁１３
   の中心部に該頂壁と一体に軸方向に伸長するスリ
   ーブが設置されていることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項ないし第１３項中のいずれか一項記
   載の閉塞具。 １４ 前記の弾性を有して直立する舌部材１５の
   基底部が前記冠部材１１の頂壁１３の下方に位置
   することを特徴とする特許請求の範囲第１項ない
   し第１４項中のいずれか一項記載の閉塞具。