JPS6311017Y2

JPS6311017Y2 -

Info

Publication number: JPS6311017Y2
Application number: JP1983040428U
Authority: JP
Priority date: 1983-03-18
Filing date: 1983-03-18
Publication date: 1988-04-01
Also published as: JPS59157975U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は自動車の前部車体構造、特にカウル部
の改良に関するものである。

一般に最近の乗用車では一体構造の車体が多用
されている。この一体構造による車体はボデーと
シヤシフレームとを薄板材の接合により一体に形
成したもので、重量が軽く高剛性であり車室床面
を低くすることができる等の特色がある。このよ
うな一体構造では車体各所の荷重作用点に加えら
れる外力を車体全体に伝播させ応力を均一化する
ことが車体の剛性を向上させ軽量化を達成するた
めに重要な点である。したがつて、車体の形状が
変化する部分や大きな開口部の周辺部分を強固な
構造にする必要がある。このような部分の一例と
して第１図に示すようなフロントボデー１と車室
部２との境界部分を形成しているカウル部３があ
る。このカウル部３は左右のフロントピラー４，
４を結合してフロントガラス５の下方周縁部を形
成し車体に加えられる応力を負坦し車体のねじり
剛性を向上させる作用をなすものである。また、
カウル部３にはステアリングコラム（図示せず）
が取付けられており、衝突時の安全性および高速
走行時のステアリング共振にも影響を及ぼすとと
もに、走行風を利用した自然換気用の開口やブロ
ワを利用した強制換気用の開口が設けられてい
る。さらに、最近フロントサスペンシヨンにスト
ラツト形サスペンシヨンを採用する場合が多く、
この場合サスペンシヨン取付部がフロントボデー
１の上部に位置するので、このサスペンシヨン取
付部に作用する前輪反力を支持しなければなら
ず、増々カウル部３の剛性の向上が要望されてい
る。

ところで、上記の如きカウル部３の補強対策に
関する技術が特開昭57−26055号公報に開示され
ている。この先行例ではカウルサイドパネルに一
体のガセツト部を形成しているが、剛性が不十分
でさらに剛性を向上させる必要があつた。

本考案は以上のような事情を考慮してなされた
ものであつて、その目的とするところは、カウル
部の車幅方向端部に閉断面を形成するとともにカ
ウルサイドパネルに一体のガセツト部を設けて剛
性を向上させ得る自動車の前部車体構造を提供す
ることにある。

このような目的を達成するために本考案は次の
ように構成されている。すなわち、車室側に後部
縦壁を有するダツシユアツパパネルで自動車の両
フロントピラー間にカウル部を形成するように
し、前記ダツシユアツパパネルの車幅方向端部に
車体長さ方向に沿つてカウルサイドパネルを設
け、このカウルサイドパネルに縦壁と該縦壁の上
縁から車体外方に延びる上辺とからなり断面が略
倒立Ｌ字形をなすサイドフレーム部と前記後部縦
壁上縁部に向かつて延出されて後部縦壁上縁部に
接合されるとともに、車体内側縁部に下方へ折曲
され前記サイドフレーム部の縦壁に連続するフラ
ンジ部が形成されたガセツト部を形成するように
し、前記ガセツト部の下面側に配設され、前記後
部縦壁とダツシユアツパパネルとサイドフレーム
部の縦壁とにそれぞれレインフオースメントを接
合し前記サイドフレーム部の上縁部およびダツシ
ユアツパパネルの車幅方向縁部にホイールエプロ
ンレインフオースメントを接合して前記ダツシユ
アツパパネルとともに閉断面を構成する上部フレ
ームを車体前後方向に沿つて形成するようにし、
前記ダツシユアツパパネルの前部に前記サイドフ
レーム部の縦壁に接合されたカウルフロントパネ
ルを設けるようにしたものである。

以下、第２図を参照して本考案の一実施例を説
明する。なお、第２図中で第１図と同一符号を付
して示したものは同一または相当部分を示してい
る。

第２図はカウル部３の車幅方向端部をフロント
ボデー１側から見た斜視図であつてカウル部３の
上面板であるカウルパネルを取外した状態を示し
ている。

フロントピラー４は閉断面を有して立設されて
いる。このフロントピラー４，４間にダツシユア
ツパパネル５が車幅方向に配設されており、ダツ
シユアツパパネル５の車室側には一体の後部縦壁
６が立設されている。この後部縦壁６は前記フロ
ントピラー４にスポツト溶接で接合されており、
両フロントピラー４，４間を結合している。

このようなダツシユアツパパネル５の車幅方向
端部には車体前後方向に沿つてカウルサイドパネ
ル７が配設されている。このカウルサイドパネル
７は縦壁と該縦壁の上縁から車幅方向に延びる上
辺とからなり断面が略倒立Ｌ字形をなすサイドフ
レーム部８を有し、該サイドフレーム部８の車体
後部側上辺から前記後部縦壁６に接合されるよう
に延出したガセツト部９を備えている。即ち、ガ
セツト部９はサイドフレーム部８の上辺から後部
縦壁６の上縁部に向つて延出されてスポツト溶接
によつて接合されるとともに、その車体内側縁部
に下方へ折曲され、サイドフレーム部８の縦壁に
連続するフランジ部９Ａが形成されている。そし
て前記サイドフレーム部８は縦壁下縁部をダツシ
ユアツパパネル５にスポツト溶接で接合されてい
る。また、ガセツト部９にはワイパユニツト（図
示せず）を取付ける透孔１０が穿設されている。
さらに、ガセツト部９の下面側にはレインフオー
スメント１１が配設されており、レインフオース
メント１１はガセツト部９下面、後部縦壁６、ダ
ツシユアツパパネル５、サイドフレーム部８の縦
壁にスポツト溶接で接合されて前記カウルサイド
パネル７に接続されている。

このようなカウルサイドパネル７の車体外側に
はホイールエプロンレインフオースメント１２が
配設されており、このホイールエプロンレインフ
オースメント１２はカウルサイドパネル７上縁
部、後部縦壁６側縁部、ダツシユアツパパネル５
側縁部にスポツト溶接で接合され、前記ダツシユ
アツパパネル５、サイドフレーム部８、レインフ
オースメント１１とともに閉断面を構成し、車体
前後方向に沿つた上部フレームを形成している。

そして、ダツシユアツパパネル５の前縁部には
車幅方向に沿つて後部縦壁６に対向するようにカ
ウルフロントパネル１３が立設されており、この
カウルフロントパネル１３はダツシユアツパパネ
ル５、サイドフレーム部７の縦壁にスポツト溶接
で接合されている。

以上のように構成されたものは次の作用効果を
奏する。まず、カウルサイドパネル７のサイドフ
レーム部８、レインフオースメント１１、ダツシ
ユアツパパネル５およびホイールエプロンレイン
フオースメント１２で閉断面をなす上部フレーム
を形成するので、この上部フレームでカウル部３
の剛性を向上させて前記ストラツト形サスペンシ
ヨンの取付部に加えられる前輪反力を有効に支持
することができる。そして、カウルサイドパネル
７にはサイドフレーム部８の縦壁に連続するフラ
ンジ部９Ａが形成されたガセツト部９を有してい
る。そのために、サイドフレーム部８からの荷重
が効率よくガセツト部９に伝達され、したがつ
て、ダツシユアツパパネル５およびフロントピラ
ー４（車体）へも荷重を効率よく伝播することが
できる。また、サイドフレーム部８にはカウルフ
ロントパネル１３が接合されているので、このカ
ウルフロントパネル１３で車幅方向の荷重を支持
し一層カウル部３の剛性を向上させることができ
る。

さらに、ガセツト部９の下面側にレインフオー
スメント１１を配設して、サイドフレーム部８か
らダツシユアツパパネル５の後部縦壁６まで連続
した車体前後方向に延びる閉断面を形成している
から、該閉断面構成部とガセツト部９との両者の
相乗作用によつて、荷重を車体側に効率よく分散
して伝播させることができ、一層カウル部の剛性
を向上させることができる。

以上、説明したように本考案によれば、ダツシ
ユアツパパネルと、断面が略倒立Ｌ字形をなすサ
イドフレーム部を有し、かつ該サイドフレーム部
の縦壁に連続するフランジ部が形成されたガセツ
ト部を有して車体前後方向に沿つて配設されたカ
ウルサイドパネルと、前記ガセツト部の下側に配
設されたレインフオースメントと、前記サイドフ
レーム部の上縁部および前記ダツシユアツパパネ
ルの車幅方向縁部に接合されたホイールエプロン
レインフオースメントとで閉断面を構成して車体
前後方向に延びる上部フレームを形成しているか
ら、カウル部の車幅方向端部の剛性が大幅に向上
する。しかも、前記サイドフレーム部の縦壁部か
らの荷重が、該サイドフレーム部に連続するフラ
ンジ部を介してガセツト部に効率よく伝達される
とともに、該ガセツト部の下面側にレインフオー
スメントを配設してサイドフレーム部からダツシ
ユアツパパネルの後部縦壁まで連続した前後方向
の閉断面を形成しているので、該閉断面部と前記
ガセツト部との両者によつて荷重を車体側に効率
よく分散させることができ、結果的にカウルサイ
ド部の剛性が向上する。また、カウルサイドパネ
ルに加えられる車幅方向の荷重をカウルフロント
パネルで支持するようにして車体の強度に大きな
影響を及ぼすカウル部の剛性を向上させた自動車
の前部車体構造を提供することができ、その効果
は大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車の外観斜視図、第２図は本考案
の一実施例を示すカウル部３のフロントボデー１
側からの斜視図である。５……ダツシユアツパパネル、６……後部縦
壁、７……カウルサイドパネル、８……サイドフ
レーム部、９……ガセツト部、９Ａ……フランジ
部、１１……レインフオースメント、１２……ホ
イールエプロンレインフオースメント、１３……
カウルフロントパネル。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

自動車の両フロントピラー間の車幅方向に車室
と仕切られたカウル部を形成し、車室側に立設さ
れた後部縦壁を有するダツシユアツパパネルと、
このダツシユアツパネルの車幅方向端部に接合さ
れ縦壁と縦壁の上縁から車体外方に延びる上辺と
からなり断面が略倒立Ｌ字形をなすサイドフレー
ム部を有し前記後部縦壁上縁部に向かつて延出さ
れ後部縦壁上縁部に接合され車体内側縁部に下方
へ折曲され前記サイドフレーム部の縦壁に連続す
るフランジ部が形成されたガセツト部を有し車体
前後方向に沿つて配設されたカウルサイドパネル
と、前記ガセツト部の下面側に配設され、前記後
部縦壁とダツシユアツパパネルとサイドフレーム
部の縦壁とにそれぞれ接合されたレインフオース
メントと、前記サイドフレーム部の上縁部および
前記ダツシユアツパパネルの車幅方向縁部に接合
され前記サイドフレーム部と前記レインフオース
メントと前記ダツシユアツパパネルとともに閉断
面を構成し車体前後方向に沿つた上部フレームを
形成するホイールエプロンレインフオースメント
と、前記ダツシユアツパパネルの前部に車幅方向
に沿つて前記サイドフレーム部の縦壁に接合され
たカウルフロントパネルとを具備したことを特徴
とする自動車の前部車体構造。