JPS6310873B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、相対向する面に接続接触部を備えた
PTC−素子として形成された少なくとも１つの
加熱導体と、実質的に平坦な接触板から成る、前
記加熱導体用の電気接続部材とを備え、前記接触
板はその間にPTC−素子の配設された状態で緩
い結合状態で相互に上下に重ね合わされており、
かつ弾性的に合せ保持されている電気抵抗加熱素
子に関する。

電気加熱装置、例えばコーヒー沸し、温風ヒー
タ、ヘアドライヤなどの加熱される家電製品にお
いて、金属線で形成された加熱導体を有する従来
の抵抗加熱素子の代りに、少なくとも１つの
PTC−素子から成る加熱導体を有する抵抗加熱
素子が頻繁に用いられてきている。通常の場合斯
様なPTC−素子は、２つの対向した平行平板状
の面と円形または多角形の外形とを有して柱状に
形成され、普通は例えばチタン酸バリウムをベー
スとするセラミツク材料から成り、所定の温度範
囲で電気加熱が大きく増加することによつて電流
制限作用をする。通常斯様なPTC−素子を電気
接続する場合、２つの対向した面を適当な方法で
設けられた金属被覆によつて接触接続しかつ接続
部材によつて電流リードに接続するようにしてい
る。

斯様なPTC−素子を使用する場合、電気接続
と熱伝導とに関する要求を満たすような構成にす
る問題が生ずる。PTC−素子を管状のスリーブ
中へ装着し、かつ接続端子を、同時に熱放出のた
めにも用いられるばね特性を有するレールで構成
することは公知である（ドイツ連邦共和国特許公
開第2614433号公報参照）。またPTC−素子を例
えばはんだ付けによつて接続導線に接続し、かつ
熱を伝導する電気絶縁性の材料と共にケーシング
内に埋込むことは公知である（ドイツ連邦共和国
特許出願公告第2641894号公報参照）。斯様な公知
の方法は比較的高価でありかつ組立作業のかなり
の部分を手作業で行うべきであるので、装置の使
用範囲は限定される。またPTC−素子の熱放出
を所望のように行う方策を講ずる必要がある。

本発明の基礎とする課題は、熱発生素子に応じ
て最良の熱発散が行なわれ、発生する熱出力全体
に比べて小型に構成された電気抵抗加熱素子を提
供することである。

本発明によればこの課題は、複数のPTC−素
子を相並べて配列せしめ、また接触板をPTC−
素子全体の外形に合わせ、さらにPTC−素子と
接触板とから成る構成ユニツトを専ら２つの相対
向する縁部にて、該縁部に載置されたプラスチツ
クから成る保持部材によりまとめて保持すること
により解決される。それ故本発明において電気接
続端子は、少なくともPTC−素子に向いた内面
が滑らかでかつ導電性の接触板を直接に、それぞ
れ接触体を有するPTC−素子の対向する面に載
置することによつて製作される。本発明による加
熱素子を製作するには、PTC−素子を接触板間
に緩く挟んで、例えば後で詳しく説明する適当な
方法で弾性的にまとめて保持するだけですむ。実
際にPTC−素子の数と寸法とはまつたく限定さ
れない。少なくとも１つのPTC−素子を縦続配
置し、その場合接触板の寸法だけを全体のPTC
−素子の装置の外形に対応させればすむようにで
きる。PTC−素子を任意に、例えば縦方向で直
線的にかまたは全面を被うように設けることがで
きるので、本発明の装置を非常に多方面に使用で
きる。本発明による抵抗加熱素子は、サンドイツ
チ形配列体のようになつており、弾性的に保持さ
れているので、それだけで取扱いが容易になり、
かつそれぞれの装置に実装した際にはじめて最終
的に固定接続される。それによつて抵抗加熱素子
を非常に簡単にかつ安価に製作できるようになる
と同時に、最適な熱伝導率が得られるようにな
る。それはその場合接触板は、相応して電気絶縁
された場合でも大きな熱伝導面として用いること
ができるからである。実際に本発明による抵抗加
熱素子は、実装する装置の相応する熱伝導部分を
適正に構成した場合、多様に利用できる、例えば
一方で瞬間ガス湯沸かし器、電気こんろなどに、
他方では温風ヒータ、ヘアドライヤなどに用いる
ことができる。

多数のPTC−加熱素子を並べて設ける場合、
接触板を弾性的または塑性的に曲げ可能に構成す
ることが推奨される。それによつて接触板は
PTC−素子の圧力荷重に対して比較的僅かな力
で変形しかつPTC−素子に許容されない応力が
生ずることはない。例えば接触板は縁部に装着さ
れる保持部材によつて簡単に、弾性的に保持する
ことができ、勿論その場合、PTC−素子が電気
的に短絡することはない。例えば保持部材を、弾
性を有するワイヤから成る多数のＵ字形の留め具
で形成し、その留め具のＵ字形の脚部で接触板を
把持することができる。それ故この場合抵抗加熱
素子の寸法と比べて比較的僅かに側方に拡大した
多数の保持部材を設けている。斯様な留め具を、
相応する絶縁体で被覆した金属製のばね線または
相応する熱抵抗を有するプラスチツクで形成し、
かつ横断面を、接触板に平行な側面で、円形また
は有利には４角形にすることができる。

また本発明の実施例において、保持部材を軟弾
性の材料から成るＵ字形の断面の成形機で形成
し、その成形機は接触板を、Ｕ字形の脚部によつ
て少なくとも２つの対向する側で、把持するよう
に構成すると、装置の製作と組立てられた状態で
の熱伝導とに関して非常に有利である。この成形
機の線膨張は実際にこの成形機を取付ける加熱素
子の側面の膨張の多少に対応する。その場合成形
機を２つの対向する側面に設けると確実に接続で
きるようになる。勿論成形機が加熱素子を完全に
包囲しかつ湾曲しているように製作することもで
きる。実際に製作技術上の見地からは、２つの対
向する真直な側面に成形機を設けることが推奨さ
れ、また熱的特性に関しては加熱素子が４角形の
外形を有する場合長手側面に成形機を設けるのが
有利である。成形機のＵ字形脚部とＵ字形ウエブ
とによつて包囲された内部空間は、両側を開放し
ておくと、例えば成形機を連続的にストランドプ
レス作業によつて製作できるので有利である。然
るに多くの場合、例えばＵ字形成形機の脚部とウ
エブ間を一体に形成されるように接続することに
よつて、成形機の内部空間を少なくとも１つの側
で閉鎖することが推奨される。斯様に１つの側ま
たは両側で成形機の内部空間を閉鎖するように連
結すると、その連結された部分は、装置の組立て
られた状態で接触板またはPTC−素子に当接し、
ひいては成形機が確実に固定保持されるようにな
る。

この場合成形機をシリコーンゴムで形成し、そ
の場合シリコーンゴムを相応する添加物、例えば
MgOなどによつて熱伝導性にすることが推奨さ
れる。このようにすると熱的特性が最適になり、
付加的に装置を組立てられた状態で同じ種類の材
料で鋳込む場合、非常に有利である。

接触板の外側に電気絶縁相を設けると有利であ
る。斯様な絶縁層を、PTC−素子の熱放出に殆
んど障害を与えないように例えば塗装、ライニン
グなどによつて形成し、接触板の外側に固着する
ことができる。本発明の非常に有利な実施例にお
いて、絶縁層を接触板に載置しかつ保持部材によ
つて把持している。それによつて本発明による抵
抗加熱素子のサンドイツチ構造は絶縁層にも拡大
されることになる。例えば斯様に緩く載置される
絶縁層は合成樹脂でもよいが、熱伝導の点からは
天然の雲母が有利である。

本発明による抵抗加熱素子の電気接続端子を簡
単に構成するために、有利には扁平プラグ部材と
しても形成された接続片を接触板に設けている。

次に本発明を図示の実施例につき詳しく説明す
る。

基本的な構造が図示された電気抵抗加熱素子
は、多数の直線的に縦続配置された平行平板状の
PTC（正の温度係数を有する）−素子１を有し、
PTC−素子の対向して設けられた平行な平面状
接続面２は金属の接続体３を有する。PTC−素
子１は、PTC−素子１の配列体の外形に相応す
る寸法を有する接触板４の間に挟んで設けられて
いる。２つの接触板４はアルミニウム製でありか
つそれぞれ接続片５を有する。接続片５は扁平プ
ラグとして形成されており、ひいては簡単にケー
ブルに接続することができる。また接触板４はそ
の適正な厚さによつて曲げ可能であるので、
PTC−素子間に公差によつて制限される回避で
きない厚さの変化があつても、素子に許容されな
い力が加わることはない。

接触板４とそれに挟み込まれたPTC−素子１
とは、縁部に装着された保持部材によつて、まと
めて弾性的に保持されている。第１図と第２図の
実施例において、これらの保持部材はそれぞれＵ
字形脚部８とＵ字形ウエブ９とを有するＵ字形の
外形の軟弾性のシリコーンゴムから成る成形機７
から成る。成形機７は、Ｕ字形脚部８が外側から
接触板４を把持しかつ弾性的にPTC−素子１を
押付けている。図示の実施例において成形機７の
内部空間は１つの側がＵ字形脚部とＵ字形ウエブ
とで形成された連結部１０によつて閉鎖されてい
る。連結部１０は、組立てられた状態で（第１図
参照）PTC−素子１と接触板４とに当接され、
ひいては成形機７の固定された台座を形成してい
る。第１図と第２図からわかるように、成形機７
は、４角形の抵抗加熱素子の長手側面に設けられ
ており、かつ実際に長さ方向でこの長手側面を拡
大している。また図示の実施例において成形機７
の内部空間は接続片５に向いた側が開放されてい
る。

接続片４の外側に電気絶縁層１１が設けてあ
る。第１図と第２図の実施例において電気絶縁層
１１は天然の薄く裂かれた雲母から成り、接触板
４上に載置され、かつ成形機７によつて接触板４
とPTC−素子１と共に弾性的に保持されている。

第３図の実施例は実際に第１図または第２図の
実施例に相応する。然るにこの場合、電気絶縁層
１１はそれぞれ接触板４に貼付けられた適正な熱
抵抗のプラスチツク製のライニングによつて形成
されている。またこの場合保持部材としてそれぞ
れ装置の長手側面に、適正な熱抵抗の弾性を有す
るプラスチツクから成る多数の留め具１２を設
け、その留め具を抵抗加熱素子の長手側面に相応
する間隔で分配して配置している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による電気抵抗加熱素子の実施
例を示す縦断面略図、第２図は第１図の装置を分
解して示す斜視図、第３図は本発明による電気抵
抗加熱素子のもう１つの実施例を示す横断面略図
である。 １……PTC−素子、３……接続体、４……接
触板、５……接続片、７……成形機、１１……電
気絶縁層、１２……留め具。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 相対向する面に接続接触部を備えたPTC−
   素子として形成された少なくとも１つの加熱導体
   と、実質的に平坦な接触板から成る、前記加熱導
   体用の電気接続部材とを備え、前記接触板はその
   間にPTC−素子の配設された状態で緩い結合状
   態で相互に上下に重ね合わされており、かつ弾性
   的に合せ保持されている電気抵抗加熱素子におい
   て、複数のPTC−素子１が相並べて配列されて
   おり、また接触板４はPTC−素子１全体の外形
   に合わされており、さらにPTC−素子１と接触
   板４とから成る構成ユニツトが専ら２つの相対向
   する縁部にて、該縁部に載置された、プラスチツ
   クから成る保持部材７，１２によりまとめて保持
   されていることを特徴とする電気抵抗加熱素子。 ２ 接触板４は曲げ可能である特許請求の範囲第
   １項記載の抵抗加熱素子。 ３ 保持部材は弾性材料から成る複数のＵ字形の
   留め具１２を有し、前記留め具はＵ字形の脚部に
   よつて接触板４を把持している特許請求の範囲第
   １項記載の抵抗加熱素子。 ４ 保持部材は軟弾性の材料から成るＵ字形の断
   面の成形機７で形成され、前記成形機は接触板４
   を、Ｕ字形の脚部８によつて少なくとも２つの対
   向する側で、把持する特許請求の範囲第１項記載
   の抵抗加熱素子。 ５ 成形機７によつて包囲された内部空間は両側
   で開放されている特許請求の範囲第４項記載の抵
   抗加熱素子。 ６ 成形機７によつて包囲された内部空間は少な
   くとも１つの側が閉鎖されている特許請求の範囲
   第４項記載の抵抗加熱素子。 ７ 成形機７は熱伝導性のシリコーンゴムで形成
   されている特許請求の範囲第４項記載の抵抗加熱
   素子。 ８ 接触板４の外側に電気絶縁層１１を設けた特
   許請求の範囲第１項記載の抵抗加熱素子。 ９ 絶縁層１１を接触板４に載置しかつ保持部材
   ７，１２によつて把持した特許請求の範囲第８項
   記載の抵抗加熱素子。 １０ 接触板４はそこに形成された接続片５を有
   する特許請求の範囲第１項記載の抵抗加熱素子。