JPS6310416Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は天井の内部に設置される空気調和機
の改良に関するものである。

〔従来技術〕

従来、この種の空気調和機は第１図に示すよう
に構成されていた。即ち、第１図において、１は
天井Ａ内に設置される箱状の本体、２は第２図に
示すように中央部にサービスパネル３を有し、そ
の両側に吸込口４，４及び吹出口５，５とを順次
有する天井露出パネル、６は吹出口５，５に設け
られ、吹出空気の気流調節を行なうルーバー装
置、７は本体１内における上部の一側に送風機台
８を介して係止されたシロツコフアンからなる送
風機で、その吹出面７ａは本体１の上壁１ａに対
し所定角度θ₁を有し、また、フアンケーシングの
スクロール部７ｂが本体１内方に位置するように
配設されている。９は送風機台８の一端に取付け
られた仕切板で送風機台８と共に本体１内上部を
吸込側通路１０と吹出側通路１１とに区画してい
る。１２は吹出側通路１１側に送風機７の吹出面
７ａと対向し、かつ取付板１３を介して本体１に
係止された熱交換器で、その吸込面１２ａは本体
１の上壁１ａに対し、所定角度θ₂を有している。
従つて、送風機７の吹出面７ａと熱交換器１２の
吸込面１２ａとは所定角度θ₃、例えば50゜〜90゜を
もつて配置されることになる。１４，１５は熱交
換器１２の冷温水入口および出口、１６は熱交換
器１２の下方に設けられ、排出口１６ａを有する
露受皿、１７は送風機台８と熱交換器１２下端と
の隙間を遮蔽し、送風機７からの吹出空気のバイ
パスを防止すると共に熱交換器１２に生じた露を
露受皿１６に案内する遮蔽板である。

１８は本体１とは別体に成形されたチヤンバブ
ロツクで、このチヤンバブロツクは第３図に示す
ように構成されている。同図において、１９は発
泡スチロール等の発泡樹脂で成形された上部ブロ
ツクで周縁には所定高さの外壁２０が設けられ、
中央部には貫通口２１を有し、かつこの貫通口２
１の周縁には外壁２０と同高さの内壁２２が設け
られ貫通口２１の周囲には内外壁２０，２２によ
つて空気通路２３が形成されている。また、上記
ブロツク１９には上方へ突出する細長形状の空気
流入口２４を有し、かつこの空気流入口２４と貫
通口２１の一側における空気通路２３とを連通す
る連通路２５を有する。２６は下部ブロツクで、
上部ブロツクとは異なり板金成形され、上部ブロ
ツク１９の空気通路２３を覆うものであつて、中
央部には上部ブロツク１９の貫通口２１と同等の
空気流入口２７、その両側には空気通路２３に連
通する空気流出口２８を有し、上下部ブロツク１
９，２６の組立時は各ブロツク１９，２６のねじ
用孔２９，３０に取付ねじ３１を挿通することに
より第４図に示すようにチヤンバブロツクが組立
てられる。そして、このチヤンバブロツク１８は
第１図に示すように空気流入口２４の周壁をガイ
ドとして仕切板９と本体１とによつて形成された
吹出側通路１１出口にシール材３２を介して上下
方向へ摺動可能に装着される。従つて、チヤンバ
ブロツク１８の貫通口２１および空気流入口２７
内には吸込チヤンバＣが形成され、また吹出側通
路１１からの吹出空気は第４図に矢印で示すよう
に空気流入口２４、連通路２５各空気通路２３、
空気流出口２８へ至る一連の吹出チヤンバＤが形
成される。３３は吸込チヤンバＣ内に装着された
フイルタである。

次に天井露出パネル２の取付構造を説明する。
第５図において、天井露出パネル２の連結板３４
にはチヤンバブロツク１８の下部ブロツク２６と
連結するためのねじ用孔３５および下部ブロツク
２６と本体１とを連結する場合の逃し孔３６が設
けられている。この天井露出パネル２は下部ブロ
ツク２６と連結する場合はねじ用孔３５および下
部ブロツク２６に固着されたナツト３７に取付ね
じ３８を挿通し、一体に組立てれば、吹出チヤン
バＤと吹出口５，５は連通する。そして、この組
立体を前述したようにチヤンバブロツク１８を吹
出側通路１１出口に装着したのち、天井露出パネ
ル２の逃し孔３６、下部ブロツク２６のねじ用孔
３９および本体１側部に固着したナツト４０に長
尺の調整ねじ４０ａを挿通し、一体に組立てる。

このように構成されたものにおいては、フイル
タ３３のメンテナンス時は、サービスパネル３を
大きく開いて、フイルタ３３を吸込チヤンバＣ内
より真下に引き出して取り出さなければならな
い。即ち、この種の天井埋込形空気調和機は、部
屋の壁際に置かれる床置形や天吊露出形の空気調
和機と違つて、部屋の中央部に縦横にモジユール
的に配置されるのが一般的である。特にテナント
ビル等においては、そのビルの建築強度に合わせ
て、経済的に区画された部屋を間仕切りによつて
更に細かく区画していく方法が一般的に用いられ
る。但し、ニーズによつてその区画の仕方が変わ
る為、最小区画の冷暖房負荷に合致した空気調和
機を予め設置しておく必要が生じるが、従来例に
示す如く吹出口及び吸込口を２つづつ備えている
空気調和機においては最小区画の２部屋分の出力
を備えた空気調和機をその中心部を間仕切りで仕
切る位置に設置すれば、その据付台数は半分で済
み、付帯工事費用を大巾に削減できる。しかしな
がら、フイルタにおいては、その材面積を大き
くして集じん量を増しても必らずメンテナンス
（清掃）をしなければならず、その度に間仕切り
を取り外す必要が生じ、現実性を欠いている。

〔考案の概要〕

この考案は上記のような従来のものの欠点を除
去するためになされたもので、フイルタを斜めに
取り出せる構造にしたことにより、間仕切りを取
り外すことなく、フイルタのメンテナンスがで
き、かつ、フイルタのシール性を高めた実用性の
高い空気調和機を提供しようとするものである。

〔考案の実施例〕

以下、この考案の一実施例を図について説明す
る。第６図において４１は取り外しが可能なサー
ビスパネル４２は天井露出パネル２に係止された
固定パネル、４３は上記固定パネル４２を天井露
出パネル２に係止し、かつサービスパネル４１の
一方を支持する特殊ねじ、４４はサービスパネル
４１の他方を支持するピンで、それぞれ、天井露
出パネル２の両端の連結板３４に挿通および固定
される。４５は細長の箱状に材を集積したフイ
ルタで、底部には取手を兼ねた取付片を備えてい
る。４６は吸込口４６ａ及び上記フイルタ４５を
本体１に対して斜めに収納するための傾斜面４６
ｂに穿設された吹出口４６ｃを有するフイルタケ
ースで、チヤンバブロツク１８の下部ブロツク２
６にねじ（図示せず）にて係止される。４７は上
記フイルタ４５をフイルタケース４６内に収納固
定するための取付ねじである。４８は、上記フイ
ルタケース４６の両側板内面に溶接またはねじ止
めされたバネ性をもつたガイドで、上記フイルタ
４５の吸込面４５ｂの両縁に当接して、吹出面４
５ａの周縁と上記フイルタケース４６の傾斜面４
６ｂ内面が確実に密着しシールが保たれるように
してある。

このように構成された空気調和機において、間
仕切りＢが設置されている場合におけるフイルタ
４５のメンテナンス時は、サービスパネル４１の
吸込口４側を持ち上げ、吸込口側に引きピン４４
より同部を外す事により、同部が下方へ回動して
サービスパネル４１が取り外せる。次にフイルタ
４５底部の取付ねじ４７を緩めて、フイルタ４５
をサービスパネル４１の吸込口側に向かつて斜め
下に取り出すことにより、間仕切りを取り外すこ
となく、フイルタ４５のメンテナンスが出来る。

尚、上記サービスパネル４１及び固定パネル４
２の機器使用時の機能は、機器内部を直接居住域
から見えない様にするためのいわゆる化粧パネル
となるものであり、上記２分割された両パネルを
共に吸込口へ着脱自在に構成してもよい。

また、バネ効果を持つたガイド４８により、フ
イルタメンテナンス時の着脱が方向性をもつてス
ムーズに行なわれるとともに、フイルタ４５の吸
込面４５ｂを押え付けて、吹出面４５ａ周縁が、
フイルタケース４６の枠内面４６ａに密着するよ
うにして確実にシールが保たれる。

〔考案の効果〕

以上のようにこの考案では、天井埋込形空気調
和機のフイルタを吸込口の一側へ抜差し可能に傾
斜させて保持するフイルタケースを設けたので、
吸込口を二分するように間仕切りが位置してもフ
イルタを抜置しすることができ、また、フイルタ
ケースの傾斜面にフイルタをガイドにより押圧保
持しているので、吸込空気がフイルタをバイパス
することもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の空気調和機の縦断面図、第２図
は同じく天井露出パネルの斜視図、第３図〜第５
図は、この種の空気調和機の作用を説明するため
の部分分解図、第６図はこの考案の一実施例を示
す縦断面図、第７図は同じくフイルタケースの下
方から見た斜視図である。尚、図中同一符号は同
一または相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 天井内に設置される本体、この本体内上部を吸
   込側通路と吹出側通路とに二分する仕切板、上記
   両通路間に収納された送風機及び熱交換器、中央
   部に上記吸込側通路に連通する吸込チヤンバー
   と、上記吹出側通路に連通し、上記吸込チヤンバ
   の周囲に形成された空気通路からなる吹出チヤン
   バとから構成され、上記本体下部に装着されたチ
   ヤンバブロツク、上記吸込チヤンバ内に収納され
   たフイルタ、上記吸込チヤンバに連通するように
   中央部に吸込口と、この吸込口の周囲に形成さ
   れ、上記吹出チヤンバと連通する吹出口とを有す
   る天井露出パネルを備えたものにおいて、上記吸
   込チヤンバ内に上記フイルタを上記吸込口の一側
   へ抜差し可能に傾斜させて取り付けるための傾斜
   面を有するフイルタケースを設け、上記フイルタ
   ケースの両側板内面には、上記フイルタを、上記
   フイルタケースの傾斜面に押圧して保持するバネ
   性を持つたガイドを有することを特徴とする天井
   埋込形空気調和機。