JPS6310337B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は室内の空調状態を確保しつつ、室内空
気の浄化を目的として、ひとつの送風機とひとつ
の小形な換気筒および吸収反応を示す触媒フイル
ターとで、室内空気の循環と強制給気ならびに強
制排気を同時に可能ならしめる送風装置を提供す
るるものである。

近年、新建材の普及とともに冷暖房装置が普及
したため、密閉度の高い室が多くなつてきた。こ
のため、室内空気の汚れが多く、換気する必要を
生じている。しかし、一方的な給気もしくは排気
では室内空気の入れ換えは、密閉度の高い室では
困難であり、同時給排気換気が必要となる。

従来、室内を換気する装置として、換気扉が多
用されるが、室内の冷暖房効果を阻害する欠点が
ある。この欠点を改良するものとして、熱ロスを
少なくした空調換気扇が提案されているが、機器
構成が複雑となり、フアンを２個必要とするため
高価なものになりやすく、また室の壁に300mm角
程の大きな換気口を開口する必要があるため、工
事費が高くなる欠点がある。また、従来の換気扇
では、室内空気の循環機能を有しないため、室温
分布が悪くなるとともに、必要以上の換気をして
熱ロスしている欠点がある。また、室内空気を、
高電圧をかけた電極間を通過せしめ、空気をイオ
ン化して浄化せしめる空気清浄機に換気機能をも
たしたものが考案されているが、単に空気清浄機
と換気扇とを組み合せたものにすぎず、同時給排
換気と空気清浄の両機能を同時に動作させるに
は、フアンが、２個以上必要となり、機器構成が
複雑かつ大型となり、高価なものとなるとともに
維持費が高くなる欠点がある。

本発明は、ひとつの送風機により、室内空気の
吸引と外気の給気ならびに室内への吐出と室外へ
の排気とを行う通風路を構成し、給排気通路を、
温湿度交換部材もしくは伝熱性材料で一体構成す
る換気筒ならびに吸引反応で空気を浄化する触媒
を主体にした触媒浄化フイルターを通風路に装着
して、室内空気と外気とをフアン内部で混合し、
室内へ吹出して、室内循環させるとともに、一部
室外へ排気しつつ、排気通路と給気通路との間で
温湿度交換させる送風装置であり、室内の空調状
態を変化することなく、室内空気を浄化し、室内
循環し、強制換気せしめて快適な室を実現しうる
ものである。以下、図面とともに、本発明の一実
施例について説明する。

第１図、第２図は本発明の基本構成を示すもの
で、第１図は断面図、第２図は給排気通路の側面
断面図である。第１図と第２図において、１は箱
体であり、モーターで駆動される羽根車２および
箱体１と共にフアン通風路３を形成し、排気通路
の開口部である室外排気口４を配設したフアンケ
ーシング５を内蔵する。箱体１は通常室の壁に取
り付けられ、その吸込口６には、除塵フイルター
７と触媒浄化フイルター８とが積層する形で配置
され、吐出口９には、触媒浄化フイルター１０が
単独で取り付けられている。１１は外気の給気通
路であり、除塵フイルター１２と触媒浄化フイル
ター１３を近接させ、室外に位置する外気吸込口
１４の近くに配設しており、箱体１とフアンケー
シング５との空間に外気給気口１５が位置するよ
うに構成されている。１６は、フアンケーシング
５に設けた室外排気口４と室外吐出口１８とを連
通する排気通路であり、温湿度交換部材もしくは
伝熱性材料の薄板である仕切板１９で給気通路１
１と同心円的に構成されている。

触媒浄化フイルター８，１０，１３は、粉末活
性炭、アルカリ、およびセメント剤を主成分とし
て含む組成物もしくは、前記組成物の硬化体に白
金属元素の一種以上を担持させた触媒を配置させ
たもので、この触媒を造粒成型し、２枚の不織布
の間にニードルパンチにより保持してサンドイツ
チ状に成形したフイルターあるいは、注型成型、
プレス成形等の粉体成型法を適用してハニカム形
状もしくはハモニカ形状に成形してフイルター化
したものである。このフイルターの有毒ガス除去
能力は例えば、粉末活性炭２部、炭酸カリウム３
部、水酸化カリウム３部、硫酸カルシウム２部の
配合比で混練成型した組成物でフイルター化した
一実施例では、NO₂を約90％程吸収除去しうる。
また粉末活性炭３部、アルミン酸石灰：６部、炭
酸カリウム１部から成る担体に白金およびパラジ
ユームを担持せしめた触媒でフイルター化したも
のでは、COを常温で約85％も吸収除去しうる優
れた能力のものである。一方、給気通路１１の外
気吸込口１４からの外気は、仕切板９を介して、
排気通路１６の室外排気口４からの室内空気と温
度もしくは温湿度交換して、室外排気口４での空
気状態に近い状態となつて羽根車２に吸引され
る。仕切板１９は、前述したように薄い板もしく
はシートであり、その素材は金属くず毛を吸湿材
にからませてマツト状に成形したものや、合成繊
維や炭素繊維を混抄した特殊合成紙や、多数の微
細孔を有する熱伝導率の高い金属薄板、高分子ポ
リマーを主成分とする膜等あり、補強材を用い
て、各種形状、構成が実現できる。

斯くのごとき構成において、羽根車１を駆動す
ると図に実線矢印で示す様な空気流が生じる。す
なわち、室内空気ａは、その中に含まれる粒子状
もしくは繊維状物質は、除塵フイルター７で除去
され、NO₂やCO等の有毒ガスは、触媒浄化フイ
ルター８で吸収除去され、羽根車２に吸引され
る。外気ｂは、外気吸込口１４より触媒フイルタ
ー８の下流側の点の圧力、即ちフアン入口におけ
る圧力に応じた風量が給気され、外気のほこり等
が除塵フイルター１２で、NO₂やCO等の有毒ガ
ス成分が触媒浄化フイルター１３で吸収除去され
て清浄空気となり、給気通路１１を流れて羽根車
２に吸引される間に、仕切板１９を介して、排気
通路１６を流れる空気と温度、もしくは温湿度交
換され、室内の空気状態に近い状態となつて羽根
車２に吸引される。羽根車２に吸引された室内、
室外からの清浄空気は、羽根車２およびフアンケ
ーシング５の通路で混合され、フアン吐出通路２
０へ送風されて室内に吐出される空気Ｃは、フア
ン吐出通路２０内の空気が吐出口９に設けた触媒
浄化フイルター１０を通過することにより、空気
内に残存していたCO、NO₂、SO₂等の有毒ガス
成分が吸収除去された新鮮な空気であり、この新
鮮な空気が室内を循環して吸気口６より羽根車２
に吸引される。また室外への排気は、フアンケー
シング５の壁体に開口した室外排気口４より、フ
アン吐出通路２０の圧力に応じて排気通路１６を
流れ、仕切板１９を通じて給気通路１１の空気へ
温度もしくは温湿度交換して室外吐出口１８より
室外へ放出される。以上のように換気筒２１は箱
体１の換気口２２に取り付けられ、したがつて、
羽根車２を駆動するのみで何等の操作を必要とせ
ずに、室内空気を循環せしめ、外気の給気と室内
空気の排気を行なわせしめるとともに、外気の給
気に際して、外気内に含まれるほこり等の粒子状
物質ならびに自動車等の排気ガスによる有毒ガス
成分を除去するとともに、給気する外気を排出す
る空気により仕切板１９を介して温度もしくは温
湿度交換して吸込することが出来るものであると
共に室内の空気も、室内の状態例えば石油ストー
ブやガスストーブ等の燃焼機具を使用してCOや
NO₂等の有毒ガス成分が発生し、室内空気の酸
素が消費されていても、常に新鮮な空気が吐出口
９より供給され、室内循環しているため、室内を
快適な状態に保つことができる。

以上のごとく、本発明の送風装置は、室内の空
調状態を変化させることなく、室内空気の浄化を
ひとつの送風機で実現し得たものであり、冷暖房
機の運転費節減と快適な室内環境を提供しうる利
点を有することや給排気通路１１，１６が同心円
で一体に構成されているため、通常の室面積程度
では換気筒２１を直径10cm程度の小形のものにで
き、壁の開口寸法が従来の約1/3程度であり、円
形であるため工事が容易であるとともに従来の送
風装置もしくは暖房装置に10cm以下の穴を開口す
ることで実現できる優れた効果を奏するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における送風装置の
断面図、第２図は給排気通路の構成を示す側断面
図である。 １……箱体、２……羽根車、４……室外排気
口、５……フアンケーシング、６……吸込口、９
……吐出口、１１……外気の吸気通路、１４……
外気の吸気通路、１４……外気吸込口、１５……
外気給気口、１６……排気通路、１８……室外吐
出口、１９……仕切板、２１……換気筒、２２…
…換気口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 室内に連通した吸込口６と吐出口９を有する
   箱体１と、この箱体１内に設けられ、単一の羽根
   車２を有したフアンケーシング５と、このフアン
   ケーシング５に設けられ前記吐出口９に連通する
   フアン吐出通路２０とを備え、前記箱体１には外
   気と連通する換気口２２を開口して換気筒２１を
   接続し、この換気筒２１内には仕切板１９により
   外気と前記フアン吐出通路２０を連通する排気通
   路１６を設けてなる送風装置。