JPS629550Y2

JPS629550Y2 -

Info

Publication number: JPS629550Y2
Application number: JP18316381U
Authority: JP
Priority date: 1981-12-09
Filing date: 1981-12-09
Publication date: 1987-03-05
Also published as: JPS5888014U

Description

【考案の詳細な説明】本考案はテープレコーダの基台に支持されてい
るキヤプスタン軸の下端を支えるキヤプスタン軸
支持装置に関する。

第１図はテープレコーダにおけるカセツトテー
プＴの装填部を斜視図によつて示したものであ
る。図の符号１は基台であり、この基台１上には
テープ巻取り用リール軸２、巻戻し用リール軸
３、キヤプスタン軸４、ピンチローラＰならびに
磁気ヘツドＨなどが配設されている。

第２図、第３図は従来の上記キヤプスタン軸４
の支持装置を示すものである。キヤプスタン軸４
は基台１に固設した軸受５に回転自在に支持され
ている。そして、キヤプスタン軸４の下部にはフ
ライホイール６が固設されている。このフライホ
イール６の周面にはベルト（図示せず）が巻掛け
られ、モータによつて回転駆動されるようになつ
ている。また、キヤプスタン軸４の下端面は受け
板７によつて支持されている。前記軸受５の下端
面とフライホイール６の上面との間には隙間Ｃが
生じている。この隙間Ｃは適正値に設定する必要
があり、大きすぎるとキヤプスタン軸４のスラス
ト方向（図の上下方向）のガタが増え、キヤプス
タン軸４とピンチローラＰとによつてテープを挟
持して送り出す動作が不安定となる。また、隙間
Ｃが小さすぎると、回転中のフライホイール６と
軸受５が接触して回転負荷が増大し、キヤプスタ
ン軸４の回転にムラが生じてしまう。組立てるべ
き部品の寸法誤差などから前記隙間Ｃの寸法は、
各製品ごとに異つてくる。よつて、組立作業の際
に前記隙間Ｃを調節するための機構が必要であ
る。

第２図に示す装置では上記調節機構として、受
け板７の一端を基台１の下面に設けた長い支柱８
に固定し、他端を同じく基台１の下面に設けた短
い支柱９に対し調節ネジ１０によつて取付け、且
つ受け板７と基台１の下面との間にスプリング１
１を介在させている。そして、この調節ネジ１０
を回転させて受け板７を上下させ、前記隙間Ｃを
調節するようにしている。

また、第３図に示す装置では、受け板７は支柱
１２，１３によつて基台１の下面に固設し、受け
板７の中央部にスラスト受け座１４を螺着してい
る。そして、このスラスト受け座１４を回転して
キヤプスタン軸４を上下方向へ移動させ、前記隙
間Ｃを調節するようにしている。

ところが、上記第２図、第３図に示す機構で
は、受け板７の他にスプリング１１あるいはスラ
スト受け座１４が必要であり、部品数が多くな
る。したがつて、組立てに要する作業工数も増大
する欠点がある。

本考案は、上記従来の欠点を解消するためにな
されたものであり、最少の部品にて前記隙間Ｃの
調節を確実に行うことのできるテープレコーダの
キヤプスタン軸支持装置を提供することを目的と
するものである。

本考案は、受け板を弾性板材によつて成形し、
この受け板の端部に支えバネとして利用する支持
片を形成し、この受け板のみによつてキヤプスタ
ン軸の下端面を支持するようにしたことを特徴と
している。

以下、本考案の実施例を第４図以下の図面によ
つて説明する。

第４図は、本考案の特徴を成す受け板２１を斜
視図によつて示したものである。この受け板２１
は弾性を有する板材、例えばバネ用スチンレス材
などによつて成形したものである。受け板２１の
右端には支持片２１ａが折曲げ成形されており、
また、この支持片２１ａの折曲部には支持片２１
ａの座屈弾性力を調節するための切欠き２１ｂが
形成されている。そして、受け板２１の左右両端
部に取付穴２１ｃならびに２１ｄが穿設されてい
る。

第５図は、上記受け板２１を使用したキヤプス
タン軸支持装置の側面図である。前記の如く、キ
ヤプスタン軸４は基台１に設けた軸受５に回転自
在に支持されており、このキヤプスタン軸４の下
部にはフライホイール６が固設されている。ま
た、基台１の下面には長い支柱２２ならびに短い
支柱２３が固設されている。この支柱２２の長さ
ｈは前記受け板２１の支持片２１ａの長さＨより
も短くなつており、支柱２３は支柱２２よりもさ
らに短い寸法になつている。前記受け板２１の取
付け穴２１ｃは前記の長い支柱２２に固設されて
おり、また取付穴２１ｄには調節ネジ２４が挿入
され、この調節ネジ２４の先端が短い支柱２３に
螺着されている。そして、キヤプスタン軸４の下
端面は受け板２１の中央部に当接して支持されて
いる。

次に、本考案の作用ならびに効果について説明
する。

組立作業時において、調節ネジ２４を締める
と、受け板２１の支持片２１ａは基台１の下面に
当接して座屈変形する。そして、その弾性力によ
り受け板２１は調節ネジ２４の頭部に圧接してい
る。フライホイール６の上面と軸受５の下面との
隙間Ｃはこの調節ネジ２４によつて調節する。す
なわち、調節ネジ２４を締めると、支持片２１ａ
が座屈して受け板２１が上昇し、キヤプスタン軸
４が押し上げられて、隙間Ｃが小さくなる。ま
た、調節ネジ２４を弛めると、支持片２１ａの弾
性力によつて受け板２１が下降し、隙間Ｃは大き
くなる。

なお、図示の実施例では、キヤプスタン軸４の
下端面を受け板２１上に直接当接させているが、
キヤプスタン軸４の回転摩擦力を極力小さくする
ために、受け板２１の上面に樹脂プレートなどを
添着し、キヤプスタン軸４の下端面をこのプレー
ト上に当接させるようにしてもよい。

また、図示の実施例では支持片２１ａを受け板
２１の一端にのみ設けているが、この支持片２１
ａを受け板２１の両端部に成形し、この２個の支
持片２１ａを基台１の下面に当接させるようにし
てもよい。

以上のように本考案によれば、キヤプスタン軸
４の下端面を支持する受け板を弾性板材によつて
成形し、その一端に座屈変形する支持片を形成
し、この支持片を基台下面に当接させて、受け板
に対する付勢力を生じさせるようにしたので、第
２図の従来例のようなスプリング１１は不要とな
る。また受け板の上下動調節は短い支柱に対する
調節ネジの締付けによつて行つているので、第３
図の従来例のようなスラスト受け座１４も不要と
なり、部品が削減される。同時に、組立時には受
け板のみを支柱に取付ければよいので、組立作業
も楽になる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はテープレコーダのカセツトテープ装填
部を示す斜視図、第２図、第３図は従来のキヤプ
スタン軸支持装置を示す側面図、第４図以下は本
考案の実施例を示すものであり、第４図は受け板
を示す斜視図、第５図はキヤプスタン軸支持装置
を示す側面図である。１……基台、４……キヤプスタン軸、５……軸
受、６……フライホイール、２１……受け板、２
１ａ……支持片、２２……長い支柱、２３……短
い支柱、２４……調節ネジ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

基台に装備した軸受にキヤプスタン軸を回転自
在に取付けるとともに、キヤプスタン軸の下端に
は前記軸受の下端に対し微小な隙間を介して位置
するフライホイールを固設し、またキヤプスタン
軸の下端面を支持する受け板を基台の下側に備え
ているテープレコーダにおいて、前記受け板は弾
性を有する板材によつて成形するとともに、受け
板の端部に弾性変形可能な支持片を折曲げ成形
し、また、基台の下面には前記支持片よりも短い
支柱を固設して、前記受け板をこの支柱にネジ止
めして支持片の先端を基台の下面に当接させ、こ
の受け板の上面によつてキヤプスタン軸の下端面
を支持するようにしたことを特徴とするテープレ
コーダのキヤプスタン軸支持装置。