JPS629251Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は梱包用のポリオレフイン系樹脂製バン
ドに関する。

一般に樹脂製バンドは、長さ方向に対する強度
性を付与するために適当な延伸倍率に延伸してい
る。しかし、延伸によつて樹脂の分子配向は長さ
方向に整い、縦割れし易くなる。この縦割れを防
止するため、バンドの表裏両面にわたつてシボ処
理を施し、整つた分子配向を乱している。ところ
が、バンドの表裏両面にシボ処理を施すと、バン
ドの両側端部には鋸刃状のギザギザが生じる。こ
のギザギザは、作業者の手を切る原因となると共
に、自動梱包機やセミオート梱包機等の梱包機に
バンドを通すと梱包機内でバンド両端部が擦れて
毛羽立つたり削られて粉が発生したりする。バン
ド両端部に毛羽立ちが生じると、この毛羽によつ
て作業者が手を切つたり、バンドの外観がわるく
なつたり、毛羽が機械内に落ちて詰まりや故障の
原因を生じさせたりすると共に、毛羽が生じた部
分でバンドの切断が生じる原因ともなつていた。
粉が発生することも梱包機内を詰まらせたり故障
を生じさせる原因となつていた。

従つて、バンドの長手方向に沿う両側端部はこ
のようなギザギザの生じない形状であることが望
まれている。バンドの長手方向に沿う両側端部に
シボ処理を施さなければ、この部分はフラツトな
ままで、ギザギザも発生せず上記した欠点はなく
なる。しかし、フラツト部分は分子配向が整い縦
割れし易く、梱包機にかけるとバンドの送りが正
確になされない欠点が生じる。送り機構内でバン
ドが滑ることが原因と考えられる。

本考案は従来のバンドにおける上記の如き事情
並びに問題点を鑑みて創作したものである。

以下本考案を図面に示す実施例に基いて説明す
ると、表裏全面にわたつてシボ処理４を施したポ
リオレフイン系樹脂製バンドにおいて、バンド１
の長手方向に沿つて少なくとも両側端部２ａ，２
ｂの表裏面にピツチ1.5mm以下で厚み増し0.05mm
以下の細かいシボ処理３ａ，３ｂを施したポリオ
レフイン系樹脂製バンドである。

第１図に示す実施例は、同図Ａのような延伸成
形されたフラツトなバンド基材の表裏全面にわた
つてシボ処理４を施してバンド１となすと共に、
このバンド１の長手方向両側端部２ａ，２ｂの表
裏面に同図Ｂのような細かいシボ処理３ａ，３ｂ
を施したものである。シボ処理の方法は、フラツ
トなバンド基材の表裏全面にまず粗目のシボ処理
４を施した後、次の工程でバンドの長手方向に沿
つて両側端部２ａ，２ｂに細かいシボ処理３ａ，
３ｂを施すか、バンド基材の長手方向の中央部に
粗いシボ処理４を施すと同時に長手方向に沿つて
両側端部に細かいシボ処理３ａ，３ｂを施すこと
を一工程で行つてもよい。細かいシボは、ピツチ
1.5mm以下で厚み増しが0.05mm以下であることが
望ましい。ここで厚み増しとは、シボ処理前のフ
ラツトなバンドの厚みとシボ処理後のバンドの厚
みとの差である。尚、粗いシボ４及び細かいシボ
３ａ，３ｂは従来から行われているダイヤ形のシ
ボでよいが、シボ形をかえて外観の美的向上を図
つてもよい。

第１図に示す実施例では、バンド基材が全面均
一厚であるため、シボ処理を施すとバンド中央部
の厚みが大となる。つまり、粗いシボをバンドの
長手方向の中央部に施しているためこの部分の厚
み増しが大きいからである。このように長手方向
の中央部が厚み大のバンドは梱包機内でスムーズ
な送りができないこともある。従つて、第２図に
示す実施例が考えられる。

第２図に示す実施例は、粗いシボを施すバンド
の長手方向中央部を細かいシボを施すバンドの長
手方向に沿う両側端部よりもあらかじめ薄い形体
のバンド基材（第２図Ａ参照）を形成する。この
ように形成したバンド基材の長手方向に沿う中央
部（薄い部分）には粗いシボ処理４を施すと共
に、長手方向に沿う両側端部２ａ，２ｂにピツチ
1.5mm以下で厚み増し0.05mm以下の細かいシボ処
理３ａ，３ｂを施す。こうすると、粗いシボ処理
４を施した部分が大きな厚み増しを生じてバンド
全面が均一な厚みとなる。

第３図に示す実施例は、断面を波形として長手
方向に沿う両側端部に丸みを生じさせ、手になじ
み易く、手への接触感、ソフト感をよくしたバン
ド基材（第３図Ａ参照）に上記の如き本考案構成
を施したバンドである。つまり、断面波形バンド
基材の長手方向の中央部には粗いシボ処理４を施
すと共に、長手方向に沿う両側端部２ａ，２ｂに
は細かいシボ処理３ａ，３ｂを施してなるバンド
である。

第２図、第３図の実施例に示すバンドの場合、
バンドの腰が強くなり梱包機の送りがよい。ま
た、第１図ないし第３図の実施例のバンド基材は
充填剤を通常より多く用いて風合いをよくした
り、発泡させてソフト感がよくなるようにした
り、細かいシボ処理を表裏異なる模様となしたり
してもよい。

上記の如くなる本考案ポリオレフイン系樹脂バ
ンドは次のような効果を奏する。

(1) バンドの長手方向に沿う両側端部には中央部
と異なり細かいシボ処理を施したため、手ざわ
りがよく、ソフトな感じがし、手締め用や、セ
ミオート梱包機等に適するバンドである。

(2) バンドの長手方向に沿う両側端部にギザギザ
が生じないので梱包機内で毛羽立つたり、ギザ
ギザが削れて粉が生じたりしないため、梱包機
が詰まつて故障が生じたりする虞れがなくなつ
た。

(3) 毛羽立ちがなくなつたので、この部分でのバ
ンドの切断事故がなくなつた。

(4) バンドの長手方向に沿う両側端部に細かいシ
ボ処理を施しているため、梱包機におけるバン
ドの送りがよくなつた。つまり、細かいシボの
頂面が粗いシボのそれより数多くあるためバン
ドの送り機構の接触部分が大となるためであ
る。従つて、から送りやスリツプ等がなく安定
した梱包作業ができる。

(5) 粗いシボと細かいシボとの組合わせによつて
バンドのデザイン性が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａはバンド基材の斜視図、第１図Ｂは第
１図Ａのバンド基材に本考案のシボ処理を施した
バンドの斜視図、第２図Ａは他の実施例のバンド
基材の斜視図、第２図Ｂは第２図Ａのバンド基材
に本考案のシボ処理を施したバンドの斜視図、第
３図Ａは他の実施例のバンド基材の斜視図、第３
図Ｂは第３図Ａのバンド基材に本考案のシボ処理
を施したバンドの斜視図。 １……バンド、２ａ，２ｂ……バンドの長手方
向両側端部、３ａ，３ｂ……細かいシボ処理、４
……粗いシボ処理。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表裏両面にわたつてシボ処理を施したポリオレ
   フイン系樹脂製バンドにおいて、バンド１の長手
   方向に沿つて少なくとも両側端部２ａ，２ｂの表
   裏面にピツチ1.5mm以下で厚み増し0.05mm以下の
   細かいシボ処理３ａ，３ｂを施したことを特徴と
   するポリオレフイン系樹脂製バンド。