JPS6289543A

JPS6289543A - 残留応力除去のための冷間圧縮方法

Info

Publication number: JPS6289543A
Application number: JP23081485A
Authority: JP
Inventors: Masayuki Harada; 雅行原田; Toshio Suzuki; 敏夫鈴木; Atsumi Fukuda; 福田　篤美; Toshiaki Oota; 太田　年昭
Original assignee: Kobe Steel Ltd
Current assignee: Kobe Steel Ltd
Priority date: 1985-10-15
Filing date: 1985-10-15
Publication date: 1987-04-24

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、熱処理されたアルミニウム合金製の自由鍛造
品の残留応力を、その鍛造品を冷間圧縮して塑性変形さ
せることで除去する方法に関する。

（従来の技術）アルミニウム合金製の自由鍛造品は、溶体化処理や焼入
れ等の熱処理を行った後に使用されるので、鍛造品に残
留応力が生じ、その後の機械加工による寸法変化、疲労
強度の低下、応力腐食割れ等が生じる虞れがある。

そのため従来より、熱処理されたアルミニウム合金製の
自由鍛造品を金型の上型と下型との間で冷間圧縮し、１
〜５％の塑性変形をさせることで残留応力の除去を行っ
ていた。

（考案が解決しようとする問題点）近年のプレス機の大型化、７０５０アルミニウム合金に
代表される焼入れ感受性の鈍い合金の開発により、厚肉
の大物部品を鍛造にて一体で作ることが可能となってき
ている。しかし、このような大物鍛造品の残留応力除去
を、プレス金型による冷間圧縮によって塑性変形させて
行うと、肉厚中央側の強度低下が著しいという問題があ
る。そこで本願発明者は、冷間圧縮による塑性変形が強
度に与える影響を調べるため、以下のような実験を行っ
た。

まず、７０５０アルミニウム合金の鋳塊を鍛造成形し、
図面の第３・４図に示すように直方体形状のブロック材
１　（ｔ　＝１９０　鶴、Ｗ＝２３０ｍｍ、ｉ＝３００
ｍｍ）を作成した。次に、そのブロック材１を４７７℃
Ｘ６，５　ｈｒで溶体化処理後焼入れした。そして、第
５図示のようにブロック材ｌの上面２と下面３とをプレ
ス金型の上型４と下型５とで挟着し、冷間圧縮すること
で塑性変形させた。

ここでブロック材１の厚さｔの変形量は、１％、３％及
び５％とした。そして、第３図にハンチングを施したブ
ロック中央部分の側端の変形状態を第１図に示した（−
〇−：１％変形状態、−Δ−：３％変形状態、−ｘ−：
　５％変形状態をそれぞれ示す）。

そして、冷間圧縮後に１２０℃Ｘ　２４ｈｒ、−１７７
℃ｘ６ｈｒで時効処理を行った。

上記処理を施されたブロック材１から第４図中破線で示
す試験片６を採取し、上面２から１５１ｍ、４５鶴、７
５１１．１１０龍、１４５ｗ及び１７５謳の位置での引
張強さくσＢｋｇｆ／ｄ）　、耐力（σＶ　ｋｇｆ／ｄ
）及び伸び（δ％）を測定した。その結果を第２図に示
した。

第１図より、ブロック材１の圧縮直交方向への変形量は
、１％、３％、５％の塑性変形をさせたものいずれも、
上下面２．３では小さく、厚さ中央部分で大きくなって
いる。また、上面２側よりも下面３側の方が変形が小さ
くなっている。これは、ブロック材１と金型との間の摩
擦力により、金型と接触する上下面２．３では圧縮直交
方向には変形が生じに＜＜、第５図にハンチングで示す
ように変形の生じにくい部分７が生じるためであると考
えられる。特に下型５は固定型であるため、ブロック材
１下面側が上面側より圧縮径方向に変形しにくいものと
なっていると考えられる。

また第２図より、引張強さσＢ及び耐力σｙは、ブロッ
ク材１の表層側よりも肉厚中心側の方が低いことがわか
る。この第一の原因はブロック材１の焼入れの際に、表
層側よりも中心部の方が焼入れ速度が遅くなるため、強
度に差が生じるからである。そして第二の原因は、上述
のようにプレス金型に接触する上下面側よりも肉厚中心
側の方が、変形量が大きくて転位の析出量が多くなるた
めに強度が低下するためと考えられる。

上記の実験結果より、アルミニウム合金製の自由鍛造品
を熱処理後にプレス金型で冷間圧縮し、塑性変形させて
残留応力の除去を行った場合、プレス金型に接触する上
下面側の変形量と肉厚中央側の変形量に差が生じること
により、鍛造品の肉厚方向の強度分布に差を大きく生じ
させることが判明した。また、鍛造品の上下両側では塑
性変形量が小さくなり、十分な残留応力除去が行なえな
いことになる。

本発明は上記に鑑み、鍛造品のプレス金型に接触する表
層側と肉厚中央側との変形量の差を小さくすることで、
鍛造品の強度分布を一様なものとし、残留応力の除去を
均一に行なえて強度的に優れたものとすることができる
残留応力除去のための冷間圧縮方法を提供することを目
的とする。

（問題点を解決するための手段）本発明が、従来技術の問題点を解決するために講じる技
術的手段の特徴とするところは、熱処理されたアルミニ
ウム合金製の自由鍛造品をプレス金型の上型と下型間で
冷間圧縮して塑性変形させることで鍛造品内の残留応力
の除去を行うに際し、鍛造品と金型との間に潤滑剤を介
装し、しかる後に冷間圧縮する点にある。

（作　　用）鍛造品と金型との間の潤滑剤により、冷間圧縮する際に
鍛造品と金型との間の摩擦力が軽減され、金型との接触
部分での圧縮直交方向への変形を阻止する力が小さなも
のとなり、鍛造品の表層側と肉厚中央側との変形量の差
が小さくなる。

（実施例）上記実験と同一条件で、熱処理された７０５０アルミニ
ウム合金製のブロック材ｌをプレス金型の上型４と下型
５間で冷間圧縮して３％の塑性変形をさせる際に、ブロ
ック材１とプレス金型との間に潤滑剤としてテフロンシ
ートを介装し、しかる後に冷間圧縮して塑性変形させる
ことで残留応力の除去を行った。そして、第１図に前記
同様にブロック材１中央部分の側端の変形状態を示した
（−ム−）、また、第２図にも前記同様に耐力（σｙｋ
ｇｆ／ｄ）及び引張強さくσｓｋｇｆ／ｄ）の測定結果
を示した。

上記より、アルミニウム合金ブロック材に冷間圧縮によ
って３％の塑性変形をさせた場合、プレス金型との間に
潤滑剤を介装したものでは、介装しないものに比べてブ
ロック材の表層側と肉厚中央側との変形量の差は小さく
なっている。これは、潤滑剤によって金型とブロック材
の上下面２．３との間に生じる圧縮の際の摩擦力が小さ
くなり、表層側の圧縮直交方向への変形が拘束されない
ことによる。これにより、第２図に示すように強度も肉
厚方向で均一化されたものとなり、また、均一に塑性変
形させることで残留応力除去も均一に行なえ強度的に優
れたものとされている。

なお、上記実施例では潤滑剤としてテフロンシートを用
いたが、その多のナイロンシート等のプラスチックフィ
ルム、窒化硼素粉末や二硫化モリブデン粉末等の固体潤
滑剤、油性コロイダル黒鉛や油性黒鉛粉末溶液等の液体
潤滑剤を用いてもよい。次の第１表に、これら潤滑剤を
用いて上記と同様の冷間圧縮を行った場合の、アルミニ
ウム合金ブロックの表層部と肉厚中央部との強度差を示
すデータを、潤滑剤を用いない場合のデータと併せて示
す。

次　　　　　　　葉上記データより、いずれの潤滑剤を用いた場合でも、潤
滑剤を用いない場合に比べて肉厚中心部と表層部との強
度差が小さくなり、強度的に優れたものとなっているの
がわかる。

（発明の効果）本発明により、熱処理されたアルミニウム合金製の自由
鍛造品の残留応力除去を行った場合、鍛造品と金型との
間への潤滑剤の介装により、鍛造品の肉厚直交方向の変
形量の差が小さくなって強度分布が均一化され、また残
留応力除去を均一に行なえ、強度的に優れた製品を得る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はアルミニウム合金ブロック材の変形状態説明図
、第２図は同強度と伸びを示す図、第３図及び第４図は
同斜視図、第５図は同圧縮状態を示す図である。

Claims

【特許請求の範囲】

１、熱処理されたアルミニウム合金製の自由鍛造品をプ
レス金型の上型と下型間で冷間圧縮して塑性変形させる
ことで鍛造品内の残留応力の除去を行うに際し、鍛造品
と金型との間に潤滑剤を介装し、しかる後に冷間圧縮す
ることを特徴とする残留応力除去のための冷間圧縮方法
。