JP2919014B2 - 半凝固金属の成形方法 - Google Patents

半凝固金属の成形方法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 金属材料の金型による成形、とくに鍛造型なかでもダ
イフォージング(die−forging)による、難加工材ない
しは複雑形状部材の加工の如きで有利に適合する、半凝
固金属の成形方法を提供しようとするものである。
金属材料の成形法には種々の方法があるが、一般に構
造部品の成形にはプレスによる鍛造などの成形法が広く
採用されている。プレス成形では従来一般に材料はその
固相線以下の温度まで昇温して加工することにより所定
の形状が付与される。
このような成形法では例えば、難加工材や複雑形状部
材を成形する場合に、材料に割れを生じたり大きな加工
荷重を要したり、さらには複数の区分成形工程をとる必
要があるなどの問題点があり、また、そのための所定の
形状付与のためには成形品の特性は劣っても例えば鋳造
などの別の方法をとらざるを得ない場合もあった。
(従来の技術) このような問題点を解消するために、材料温度と型温
度とをほぼ等しくして材料を特定の加工条件で成形する
方法(恒温鍛造法)が開発され、この方法は難加工材の
成形に当っても、最終形状に仕上げるための機械加工代
の節減が図れまた加工荷重も低減されるなどの特徴を有
している。
しかし、この場合には、加工速度が通常のプレス成形
と比べて著しく遅く、また加工速度を極めて精度よく制
御するためには設備が大がかりとなる不利が伴われる。
また前述のような問題点の解消を成形対象材の拡張に
あわせ企画して、最近に至り金属を固相線と液相線との
間の温度域すなわち固液共存域で加工を行う方法が各方
面で研究され始め、その一例として 金属を固液共存域で機械的方法などにより攪拌して非
デンドライト組織すなわち粒状組織とし、これを一たん
凝固させて加工用素材を採取した後、再度固液共存域に
加熱して成形する方法 が米国特許第4771818明細書などで提案されている。
しかし、固液共存域ではわずかな温度変化に対して固
相率など材料の状態が敏感に変化するため、必ずしも好
結果が得らえるとは限らない。
(発明が解決しようとする課題) 前述のような問題点を解消するための固液共存域での
加工法の改善を図ることがこの発明の目的である。
(課題を解決するための手段) 発明者らは材料の温度をその固液共存域の範囲で種々
変化させて圧縮加工実験を行なった結果、次に示すよう
な知見を得た。
すなわちある特定の温度範囲(すなわち固相率範囲)
で材料がクラックを生じることなく良好に変形できるこ
とである。さらに具体的に述べると、固液共存域で機械
的方法によりAl合金(Al−4.5%Cu合金)に攪拌を与え
て粒状組織とした後、一たん常温まで冷却し凝固させて
採取した試験片を、固液共存域の種々の温度に再加熱
し、各温度で周辺を拘束しない圧縮加工試験を実施した
ことろ、ある特定の温度に相当したある固相率以下で材
料がクラックを生ぜずに良好に変形状態を実現できるこ
とがわかった。ここに圧縮加工試験の条件は、圧縮速度
100mm/sを標準の加工速度として1〜300mm/sの範囲内、
また加工率50%を標準の加工率として20〜60%の範囲内
とした。
すなわち、固相率がおよそ0.75以下で加工を開始すれ
ば変形状態が良好な加工を成就し得ることがわかった。
このような様相は金属の種類が異なっても、すなわち
Al合金の場合と同様に固液共存域で機械的方法で攪拌を
与えて凝固させ、粒状組織としたCu−Sn合金、鋼につい
ても同様であった。
第1図にクラックを生じることなく良好に変形したAl
−4.5%Cu合金試験片(加工開始固相率0.70,圧縮速度10
0mm/s),第2図にクラックを生じて良好には変形しな
かったAl−4.5%Cu合金試験片(加工開始固相率0.80,圧
縮速度100mm/s)を比較して示す。
一方、固相率が低くなりすぎると、材料は固液共存域
での加熱中に自重で崩壊し、正常な加工はできなくな
る。このような固相率の限界はおよそ0.5であることが
実験によりわかった。
以上のように、良好な変形状態を実現する方法とし
て、固相率がおよび0.5〜0.75の範囲で加工を開始する
ことが重要である。
一方において上記のような変形加工をダイフォージン
グのような鍛造型によって行う型成形ではその型温度と
くにその下限値も重要でこれについての実験と検討を行
った結果予め200℃以上に金型を予熱することが必要で
ある。
かくしてこの発明は原料金属をその固液共存域で回転
攪拌した後、一たん凝固させて粒状組織とし、その後に
再び固液共存域の所定の温度範囲に加熱して、固相率を
0.5〜0.75の範囲内に調整した上で、予め200℃以上の温
度に予熱した金型により成形加工を開始することを特徴
とする半凝固金属の成形方法である。
(作 用) 前述のように固液共存域で原料金属の固相率がおよび
0.75以下で加工を開始すると、加工に伴う固相の移動と
ともに固相間に液相がいきわたり、両者が一体となって
変形し、クラックを生じることなく良好な変形状態が得
られる。これに対し加工開始時の固相率がおよそ0.75よ
りも高い場合には、加工に伴う固相の移動とともに固相
間に液相が充分いきわたらず、材料の表層部等の引張り
応力が作用する領域で固相どうしが境界部で分離してク
ラックを生じ、良好な変形状態が得られない。また前述
のように固相率が低くなりすぎると、すなわちおよそ0.
5よりも低くなると材料中の液相量が多くなりすぎて、
材料は自重で崩壊し、正常な加工ができなくなる。
本発明の固相率がおよそ0.75以下で加工を開始するこ
とにはまた、次のような利点がある。前述のように金属
を固液共存域で加工することの利点の1つは変形抵抗が
小さいために加工力が小さくてすむ点である。この変形
抵抗は、その1例としてAl合金の場合を示すように、固
相率がおそよ0.8よりも小さくなると急激に減少するこ
とを圧縮加工実験により確認している(第2図)。
なお固相率がおよそ0.75を越える温度域で加工を開始
した場合でも、拘束度の強い金型であるとクラックを生
じた部分に材料内部の液相が再びしみ出して再溶着を生
じる傾向にあるが、そのためには材料が型内に充満後の
一定以上の圧力で所定の時間を保持して再溶着を促進す
ることが必要となり、加工サイクル時間が長くなって好
ましくない。
本発明は型成形に関するものであり、本発明の効果を
発揮させるためには、型温度についても一定の条件を満
たす必要がある。型温度が低すぎると、加工中での材料
から型への熱移動による温度降下によって、固相率が増
大して材料はクラックを生じ、また金型内に完全に充満
させることが難しくなる。この熱移動量を小さくするた
めには加工速度を速くし、材料と型との接触時間を短く
すればよいが、熱移動量を許容値以下に抑制するために
は加工速度を極めて速くする必要があり、プレス設備容
量上好ましくない。
本発明者らは、前述したところな別に、Al−4.5%Cu
をもちいた圧縮加工実験と詳細な温度解析を実施した結
果、材料が金型内に完全に充満するためには加工終了時
の固相率がおよそ0.95以下であればよいことがわかっ
た。
前述の圧縮試験結果から、固液共存域ではAl合金もCu
合金も鋼も同様の変形挙動を示すことが明らかになって
いるため、この固相率0.95という限界値はAl合金のみに
限らず、汎用性をもつ値とみなせる。本発明を実施する
場合の金型温度の下限値を明らかにするために、汎用金
属では固液共存域の温度が最も高い鉄合金である炭素鋼
(0.6%C)を対象として第4図に示すカップ状成形金
型を用いる施工において加工開始時の固相率が0.75の場
合について、圧縮加工実験により得られた材料と金型間
の熱伝達率をもちいて温度解析により加工終了時の固相
率が0.95以下となる金型温度の下限値を加工速度に対し
て算出した値を第5図に示す。一般に、材料と型との接
触による温度降下(固相率の増大)は、用いる金型や素
材の寸法、形状によっても異なるが、ここでは第4図に
示したカップ状成形金型による成形の場合を基準とし
た。
第5図から、金型温度がおよび200℃以下になると、
材料を金型内に完全に充満させるためには加工速度がお
よそ300mm/s以上とする必要があり、このような速い加
工速度を実現するためにはプレス設備容量を極めて大き
くする必要があり、実用的ではなくなる。
実施例 〔実施例1〕 連続式半凝固金属製造装置により固液共存域で機械的
攪拌を与えた後、常温まで冷却し凝固させて粒状組織と
した、Al−4.5%Cu合金から切り出した直径25mm,高さ25
mmの素材を、再度固液共存域の温度にまで加熱した後、
600℃に加熱した平金型(SKD61)により圧縮速度72mm/S
で高さ9.5mmまで加工した(加工率62%)であった。こ
の加工の開始温度は632℃(固相率0.6)とした。その結
果、材料は表層部の酸化皮膜に微小な分断に見られるも
のの、明瞭なクラックは生ぜず良好に変形した。またこ
のときの加工荷重は300kg以下で極めて小さかった。断
面内の顕微鏡組織調査でもクラックは認められかなっ
た。
〔比較例1〕 実施例1の場合と同じ粒状組織のAl−4.5%Cu合金の
直径25mm,高さ25mmの素材を再度固液共存域の温度にま
で加熱した後加工開始温度617℃(固相率0.8)で実施例
1と同様の金型温度、圧縮速度および加工率で加工し
た。その結果、材料は表層部に大きなクラックを生じ
た。
〔実施例2〕 連続式半凝固金属製造装置により固液共存域で機械的
攪拌を与えた後、常温まで冷却し凝固させて粒状組織と
した、Al−4.5%Cu合金から切り出した直径36mm、高さ3
0mmの素材を、再度固液共存域の温度にまで加熱した
後、470℃に加熱したカップ状成形金型(SKD61)により
圧縮速度40mm/sで加工した。この加工の開始温度は632
℃(固相率0.6)とした。その結果、材料はクラックを
生じることなく金型内に完全に充満し、良好な成形品が
得られた。また、このときの所要荷重は2000Kg以下で、
従来の固相成形に比べて著しく小さいものであった。
〔比較例2〕 実施例2の場合と同じ粒状組織のAl−4.5%Cu合金の
直径36mm、高さ30mmの素材を再度固液共存域の温度にま
で加熱した後、加工開始温度610℃(固相率0.85)で実
施例1の場合と同様の圧縮速度および金型温度で加工し
た。その結果、材料は加工過程でクラックを生じ、金型
には完全に充満しなかった。
(発明の効果) 本発明による固相率範囲をもちいれば、加工工程で材
料はクランクを生じずに型内に充満させることが可能で
加工中および加工終了後の型との接触による温度降下あ
るいは上、下の金型間での空冷により材料内の液相部分
が完全に凝固して形状が付与され、良好な形状および表
面性状の成形品が得られる。
さらに、本方法は材料を固液共存域で加工するため
に、従来技術に比べて著しく小さな加工力で成形が可能
であり、加工設備容量が小さくて済む。また、複雑形状
品の形状付与にも繁雑な複数工程を必要とせず、きわめ
て効率的な成形が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図と第2図は固相率に依存したクラック発生挙動の
比較写真のスケッチ図、 第3図は固相率と圧縮変形抵抗との関係図表、 第4図はカップ状成形金型の断面図、 第5図は金型温度と圧縮速度との関係グラフである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料金属をその固液共存域で回転攪拌した
    後、一たん凝固させて粒状組織とし、その後に再び固液
    共存域の所定の温度範囲に加熱して、固相率を0.5〜0.7
    5の範囲内に調整した上で、予め200℃以上の温度に予熱
    した金型により成形加工を開始することを特徴とする半
    凝固金属の成形方法。
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CN105057608B (zh) * 2015-09-11 2017-10-10 重庆大学 一种用于重力铸造合金临界凝固系数检测的装置和方法

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