JPS628929Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はパイプ材等を溶接する点溶接機に関す
る。

パイプ材或いはアングル材などを点溶接して枠
体或いは棚などを製造する際に、溶接部がパイプ
材などの端部からかなり離れている場合があり、
通常の点溶接機では溶接できないことがある。

このため従来では、第１図に示す如く、溶接機
本体１から上部アーム２と下部アーム３とを側方
に平行に延出せしめ、上部アーム２先端に取り付
けた上部電極４と下部アーム３先端に取り付けた
下部電極５との間で、点溶接を行なうようにして
いる。

しかしながら斯る従来装置にあつては、アーム
２，３が長くなればなるほど自重によつてその先
端が垂れ下がり、このような状態の電極４，５間
に被溶接物を挿入して溶接を行なつても、十分な
圧力でもつて被溶接物を挾持した状態で溶接を行
なえず、溶接強度が不足し、溶接箇所が後ではず
れるおそれがある。

本考案は上述の如き従来の問題点を改善すべく
成されたものであり、その目的とする処は、溶接
箇所が被溶接物の端部から離れた位置にあつて
も、上部電極と下部電極との間で十分な圧力をも
つて溶接し得る点溶接機を提供するにある。

上記目的を達成すべく本考案に係る点溶接機
は、先端部に上部電極を設けた上部アームと先端
部に下部電極を設けた下部アームとを溶接機本体
から平行に延出せしめ、更に天井、床或いは溶接
機本体等に固定された固定部材に揺動アームを枢
着し、この揺動アームの一端を前記上部アームの
一部に、また揺動アームの他端に上部アームが下
降した際に下部アームを上方に付勢する支持体を
枢着したことをその要旨としている。

以下に本考案の実施の一例を第２図及び第３図
に基いて詳述する。

第２図は本考案に係る点溶接機の側面図、第３
図は第２図のＡ−Ａ線断面図であり、図中１０は
溶接機本体であり、この本体１０の上部及び中間
部には張出し部１１，１２が一体的に形成され、
張出し部１１には上下方向に摺動するシリンダユ
ニツト１３が組み込まれ、このシリンダユニツト
１３に固定具１４を介して上部アーム１５の基端
部を固着している。そして、この上部アーム１５
の先端部には上部電極１６を取り付けている。

また、前記張出し部１２の上面にはパイプ材か
らなる下部アーム１７の基端部を固着し、この下
部アーム１７の先端部には上記上部電極１６と対
向する下部電極１８を取り付けている。そして下
部アーム１７には基端部から冷却水を供給するよ
うにしている。

一方、天井１９には固定部材２０を垂設し、こ
の固定部材２０に揺動アーム２１の中間部を枢着
し、この揺動アーム２１の一端２１ａを前記上部
アーム１５の一部に枢着し、更に他端２１ｂには
支持体２２を枢着している。

この支持体２２は第３図にも示すように、上部
材２３と下部材２４及びこれら上部材２３と下部
材２４をつなぐコイルスプリング２５とからなつ
ており、上部材２３は上部アーム１５を跨ぐ二股
部２３ａ，２３ａと上記揺動アーム２１に枢着さ
れるブラケツト２３ｂを一体的に接合してなり、
二股部２３ａ，２３ａの外側部にピン２６，２６
を植設している。また、下部材２４は上方を開口
したチヤンネル状をなし、その内部には絶縁体２
７を貼設し、また側板２４ａ，２４ａの外側部に
はピン２８，２８を植設している。そしてピン２
６，２８間にコイルスプリング２５を架設してい
る。

以上において、下部アーム１７に被溶接物であ
るパイプ材２９を挿通するとともに、上部電極１
６と下部電極１８の間でパイプ材２９の上にもう
一方の被溶接物であるアングル材３０を載せる。
そしてこの状態のまま、本体１０の下部に配置し
たフートスイツチ３１を踏み、シリンダユニツト
１３を作動させ上部アーム１５を下降せしめ、上
部電極１６と下部電極１８との間で、パイプ材２
９及びアングル材３０を所定の押圧力で挾持しつ
つ溶接を行なう。そしてこの場合、上部アーム１
５の下降につれて揺動アーム２１は第２図中時計
方向に回動し、揺動アーム２１の他端２１ｂが上
昇する。この上昇に伴つて、支持体２２の上部材
２３が上昇する。すると、パイプ材２９を介して
下部アーム１７を下方から支えている下部材２４
にスプリング２５が伸びることによる上方への弾
発力が作用し、この弾発力によつて下部アーム１
７は上方に付勢される。斯くして、溶接時に下部
アーム１７の先部が垂れ下がることがなく、十分
なる押圧力でもつて溶接を行なうこととなる。

以上述べた如く本考案によれば、上部電極を備
えた上部アームが降下する際に、この降下に伴つ
て下部電極を備えた下部アームを支持体によつて
上方へ付勢するようにしたので、溶接時に下部ア
ームが自重によつて垂れ下がることなく、よつて
上部電極と下部電極間で被溶接物を十分なる圧力
で挾持した状態で溶接することができ、溶接強度
を高めることができる。また、溶接機自体の構造
も複雑とならず製作し易い等多くの利点を有す
る。

【図面の簡単な説明】

図面は従来例及び実施の一例を示すものであ
り、第１図は従来の点溶接機の全体斜視図、第２
図は本考案に係る点溶接機の要部の側面図、第３
図は第２図のＡ−Ａ線断面図である。 尚、図面中１０は溶接機本体、１５は上部アー
ム、１６は上部電極、１７は下部アーム、１８は
下部電極、２０は固定部材、２１は揺動アーム、
２２は支持体である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 溶接機本体から側方に延出され先端部に上部電
   極を備える上部アームと、溶接機本体から該上部
   アームと平行に延出され先端部に上部電極と対向
   する下部電極を備える下部アームと、中間部が固
   定部材に枢着され一端部が上部アームの一部に枢
   着された揺動アームと、この揺動アームの他端部
   に枢着され上部アームが下降した際に下部アーム
   を上方に付勢する支持体とからなることを特徴と
   する点溶接機。