JPS60211Y2 - 溶接機における治具の高さ自動調節装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は溶接機における治具の高さを、溶接電極の摩
耗度に即応して自動調節することのできる溶接機におけ
る治具の自動調節装置に関する。

周知のように溶接電極は溶接作業を繰り返すことにより
漸次摩耗するので、この場合における溶接結果を均一化
するためには被加工物と溶接電極の相対的位置関係の均
一的保持が極めて重要な要素となっている。

すなわち良好な溶接結果を得るためには、溶接作業が繰
り返し行なわれるたびに上部電極と下部電極の各先端部
が摩耗して漸次離間するので、この両電極間の間隙を常
に補充修正する必要があり、溶接機において必要不可欠
であることはいうまでもない。

従来この種の溶接電極の間隔修正手段としては、被加工
物を載置固定する治具を支持する溶接機に固定された支
持体にジヤツキ機構又はハンドル機構を装置し、これに
より上記治具すなわち治具上の被加工物自体を上昇動若
しくは下降動させて溶接位置の修正を行う方法と、治具
自体は溶接機本体に固定腰下部電極のみを上下動させる
ことにより前記位置修正を行なう方法が汎用されている
。

しかしながら、一般に溶接電極の摩耗度を逐一監視しな
がら被加工物と両電極の位置修正を行なうことは相当の
熟練性を必要とするばかりでなく作業性にも欠けるとと
もに、前者の場合にあっては人手により位置修正しなけ
ればならないため電極の摩耗に即応することは難かしく
、また後者の下部電極を上下動させる場合にあっては装
置自体が複雑且つ大型化せざるを得ない等多くの問題を
有し、この改善が強く望まれていた。

この考案はかかる現状に鑑み案出されたものであって、
その目的とするところは、被加工物を載置する治具に溶
接電極の摩耗度に即応して上下動する流体圧駆動のシリ
ンダを装着することにより、上記従来の諸問題を一掃す
ることのできる構成簡易且つ取扱に至便なる溶接機にお
ける治具の高さ自動調節装置を提供しようとするもので
ある。

以下この考案の一実施例を、アイアンマン倣いカム方式
の溶接機に適用した場合を例にとり説明すると、図中符
号１は例えは自動車用タイヤハウスのごとき被加工物（
図示せす）を載置固定する倣い治具２を固着する台座を
示し、この台座１の中心部には支持杆３が一体的に固着
されている。

４はこの支持杆３を図中その内部中空部上下方向に対し
ストロークベアリング６を介して摺動自在に嵌着してな
る軸受けを示し、この軸受け４の外側壁にはアイアンマ
ン倣いリンク装置のアーム５が固着されている。

このアイアンマン倣いリンク装置は前記被加工物をセッ
トしてなる倣い治具２を所定の軌跡に従ってガイドする
ものである。

前記支持杆３の下端部にはストラストベアリング８を介
してジヨイント部材７が装着されており、このジヨイン
ト部材７はシリンダブラケット１０の中空ブラケット室
１１内に装着されたジヨイント押え９に堅牢に固着され
ている。

そしてこのジヨイント押え９はシリンダブラケット１０
の下部に連設されたエア作動用のベロフラムシリンダ１
２のシリンダ室１４内を上下摺動するビストノロッド１
３の上端部に固設されており、以って支持杆３は軸受け
４内をフロート状に支承されているものである。

尚、図中符号１５は前記シリンダ１２の下側室に連通し
て設けられた減圧弁を示す。

次に上記実施例の作用について説明すると、予じめベロ
フラムシリンダ１２のシリンダ室１４内に、被加工物の
全重量を支承するだけの圧力を封入しておくと支持杆３
はフロート状、すなわち台座１に加わる圧力に即応して
上下動し得るよう支承されている。

−力溶接作業が繰り返えされる毎に溶接電極が摩耗する
ことは前述したとおりであるか、この両電極が摩耗して
間隔が開いた状態で今溶接を行なおうとする場合上部可
動電極が降下して被加工物に当接する。

この時上部可動電極及び被加工物と下部固定電極は当接
していないので通電しない。

かかる状態からさらに上部可動電極を降下させると、倣
い治具２は支持杆３を介してフロート状に支承されてい
るため被加工物は上部可動電極に追従して押圧降下し下
部固定電極に当接するまて降下する。

この場合支持杆３の降下に伴ないベロフラムシリンダ１
２のピストンロッド１３に区画された下側室内の圧力は
圧縮加圧されるためこの加圧された圧力は減圧弁１５を
介して外部へ放出され被加工物を溶接適正位置に保持す
る。

この考案は上述したように、被加工物を載置固定する治
具に溶接電極の摩耗度に即応して上下動する流体圧駆動
のシリンダを装着したため、従来側なわれているごとき
溶接電極の摩耗度を逐一監視しながら治具高さ等を調節
する等の面倒さがなく自動的に治具高さを調節できるの
で熟練性を不要となし作業能率の大巾な改善を図ること
ができ、しかも被加工物を載置固定する治具がシリンダ
にてフロート状に支承されているため、電極下降に伴な
う衝撃を極めて有効に縁間することができるのて被加工
物及び溶接電極が傷損する虞れか全くない等、幾多の有
益なる効果を奏する。

尚、上記実施例においてはこの考案をアイアンマン倣い
カム方式の溶接機に適用した場合を示したが、この考案
にあっては必すしもこれに限定されす各種方式の溶接機
に応用し得ることは勿論、シリンダ駆動も空気圧、液圧
、油圧いずれの方式を用いてもよく、この考案の技術的
範囲を逸脱しない範囲において、適宜設計的変更を加え
得ること勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例である治具の高さ自動調節
装置の要部を示す断面図である。 １・・・・・・台座、３・・・・・・支持杆、４・・・
・・・軸受け、１０・・・・・・シリンダブラケット、
１２・・・・・・ベロフラムシリンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被加工物を載置固定する溶接機の治具中心部に、溶接電
   極の摩耗度に即応して上下動するシリンダを装着して戊
   る溶接機における治具の高さ自動調節装置。