JPS628392B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はウエブ輪転印刷機に付設され印刷機の
ウエブを所定寸法に断裁、折紙して排出する印刷
機の折機に関するものである。

〔従来の技術〕

一般にウエブ輪転印刷機は印刷色数に応じた印
刷ユニツトと１基の折機とを備えており、印刷ユ
ニツトで印刷されたウエブは、折機においてその
長手方向ないしは幅方向へ所定の寸法に断裁され
折畳まれたのち排出される。第９図は従来におけ
るＢ縦半裁判輪転印刷機の折機を示す概要斜視図
であつて、これを同図について説明すると、折機
１はドラツグローラ２と、ドラツグローラ２によ
つて案内されたウエブ３を幅方向に折畳む三角形
板状のフオーマ４と、折畳まれたウエブ３を案内
するリードローラ５およびニツピングローラ６，
６と、案内されたウエブ３を長さ方向に所定の寸
法に断裁し折畳む断裁胴７、折胴８および咥え胴
９と、折畳まれた折丁１０を移送する排紙ベルト
１１と、折丁１０を幅方向に折畳むチヨツパ１２
とを備えている。この折機１によつて折られる折
丁の規格としてはチヨツパ１２を用いない場合、
フオーマ４と折胴８とによつて縦横に折畳まれて
B4判８頁の折丁が得られ、またチヨツパ１２を
用いることによりB5判16頁の折丁が得られる。

ところが近年、広告用ちらしなどに用いられる
B4判４頁の印刷物の需要が急増してきたので、
これに応えるためにドラツグローラ２の中央部に
これと着脱自在に対接するスリツタ１３を設けて
ウエブ３を幅方向に断裁するとともに、別の折機
を折機１に並設して半裁されたウエブ１４をこの
折機に導くことにより両方の折機からそれぞれ
B4判４頁の印刷物を折り出すという方法が採ら
れてきた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このように折機を２基設ける
と、設備費が嵩み機械の設置面積が増大するとい
う問題があつた。また、このような問題点を解決
するものとして例えば特公昭50―35458号公報に
開示されているように、固定フオーマと可動フオ
ーマとを設けてこれらを選択使用することによ
り、重ね折りや２列出しを可能にした折機が提案
されているが、重ね折りの場合には折機の折紙胴
群や排紙ベルトなどの半幅が遊休状態となり、機
械効率が低下するという問題があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は以上のような点に鑑みなされたもの
で、機械の半幅を遊休状態にすることなく、１基
で多種の折丁を得ることを可能にした印刷機の折
機を提供することを目的としている。

このような目的を達成するために本発明では、
上下２段のドラツグローラと、各ドラツグローラ
の下流側にあつて互に直交し上段ドラツグローラ
上のスリツタで半裁された各ウエブを互に反対方
向へ変向させる第１および第２のターンバーと、
各ターンバーを出たウエブを重ねて折胴へ導くロ
ーラ群と、上段および下段ドラツグローラの下流
側にあつて上，下段のウエブまたは下段のウエブ
を半折するフオーマとを設けた。

〔作用〕

印刷された上下２段のウエブを折機へ入紙する
と、上段のウエブはスリツタで半裁されて２列の
ウエブとなり、各ウエブは第１および第２のター
ンバーで互に反対方向へ変向されたのち、ローラ
群を経て重ねられ折胴へ導かれて２枚重ねで断裁
折紙される。また下段のウエブはフオーマで半折
されたのち、前記２枚重ねのウエブと並列して折
胴へ導かれ断裁折紙される。

また、上下２段のウエブをいずれもスリツタで
半裁せずに２枚重ねでフオーマへ導き、２枚重ね
で半折して折胴で断裁折紙すれば、一側縁の断裁
されない多頁の折丁が得られる。

さらに、ウエブを２段にせず１段のウエブのみ
を通し第１のターンバーのみを使用し、スリツタ
で半裁された両ウエブを互に反対方向に変向し、
折胴へ並列して導くことにより、平行折りされた
折丁を２列出しすることもできる。

〔実施例〕

本実施例は本発明をＢ縦半裁判の折機に実施し
た例を示し、第１図は２段ウエブ、スリツタ、フ
オーマ併用２列出しの状態で示す折機の概要平面
図、第２図は同じく概要側面図、第３図は同じく
概要斜視図である。これらの図において、折機３
１の入口側には、図示しない印刷ユニツトによつ
て印刷された上下２段のウエブ３２および３３を
それぞれ案内する上下２段のガイドローラ３４，
３５と、同じく上下２段のドラツグローラ３６，
３７とが図に矢印Ａで示すウエブの進行方向に直
交するように軸架されている。また、両方のドラ
ツグローラ３６，３７の中央部には、これに添接
して走行するウエブ３２，３３をそれぞれ幅方向
に半裁するスリツタ３８および３９が回転自在か
つドラツグローラ３６，３７に対して着脱自在に
設けられており、さらに上段のドラツグローラ３
６の下流側には半裁された片方のウエブ４０を後
述する第１のターンバー４１に対して水平方向に
案内するためのガイドローラ４２が軸架されてい
る。前記第１のターンバー４１は、ドラツグロー
ラ３６の下流側にウエブ４０の進行方向に対し45
゜傾斜させて軸架されており、ウエブ４０をその
走行径路に対する外方へ向つて直角方向に変向さ
せるように構成されている。また、このターンバ
ー４１の上方には、これと直交しかつ互に適宜の
間隔をおいて離間して軸架され、半裁された他方
のウエブ４３を前記変向されたウエブ４０と幅中
心を一直線にして反対方向へ変向させる第２のタ
ーンバー４４が設けられている。これらのターン
バー４１，４４の外方には、変向されたウエブ４
０および４３をそれぞれ一対のニツピングローラ
４５および４９へ案内する上下２段のガイドロー
ラ４６，４６′，４７，４７′が軸架されている。
またニツピングローラ４５および４９の下方には
折胴４８等の折紙胴群が設けられている。

一方、前記一対のドラツグローラ３６，３７の
うち下段のドラツグローラ３７に対する下流側に
は、下段のウエブ３３を案内するガイドローラ５
０と第３のドラツグローラ５１とが軸架されてお
り、さらにドラツグローラ５１と前記ニツピング
ローラ４５との間には、三角形の板状に形成され
てウエブ３３を幅方向に半折するフオーマ５２が
傾斜して設けられている。このフオーマ５２の下
端と前記ウエブ４０，４３との間には所定の間隔
が付与されており、したがつて、フオーマ５２に
よつて半折されたウエブ３３とウエブ４０，４３
とは所定の間隔をおいて並列するように構成され
ている。

前記折胴４８は、その両側に対接して軸架され
た断裁胴５３および咥え胴５４と協働してウエブ
４０，４３を２枚重ねのまま、またウエブ３３を
２つ折りの状態でその長手方向に所定の寸法に断
裁し、断裁後これを長手方向に半折する。さらに
咥え胴５４の図示しない排紙部のローラとの間に
は折り畳まれて排出された２種類の折丁５５およ
び５６をそれぞれ移送する２列の排紙ベルト５７
が張設されている。

以上のように構成された折機の動作を説明す
る。印刷ユニツトで印刷されて矢印Ａ方向に走行
する上下２段のウエブ３２および３３は、ガイド
ローラ３４および３５を経てドラツグローラ３６
および３７へそれぞれ導かれる。そして上段のウ
エブ３２はスリツタ３８によつて幅方向に半裁さ
れてウエブ４０および４３となり、片方のウエブ
４０はガイドローラ４２に案内されて水平状態で
ターンバー４１に導かれて直角方向に変向され
る。また、他方のウエブ４３は水平状態でターン
バー４４へ案内されウエブ４０に対する反対方向
に変向される。このように互に離間する方向に変
向された両方のウエブ４０，４３は、ガイドロー
ラ４６′，４６，４７′，４７を経てニツピングロ
ーラ４５に導かれ、ここで２枚重ねにされて折胴
４８へ導かれる。一方、下段のウエブ３３はスリ
ツタ３９を離間させることによつて半裁されずに
ガイドローラ５０を経てドラツグローラ５１に至
り、フオーマ５２によつて幅方向に半折されたの
ち、前記２枚重ねのウエブ４０，４３と並列して
折胴４８へ導かれる。そして両方のウエブ４０，
４３および３３は断裁胴５３によつて所定長に断
裁されたのち、折胴４８によつて長手方向に半折
され、咥え胴５４によつて咥えられ折丁５５，５
６となつて排紙ベルト５７上へ排出される。

この場合、折丁５５はフオーマ５２と折胴４８
によつて縦横に折られているので、B4判８頁で
あり、その一端縁は断裁されず袋状となつている
かまたは両端縁とも断裁されている。また、折丁
５６は２枚重ねのまま折胴４８で折られているの
で同じくB4判８頁であるが、必ず両端縁とも断
裁されている。そしてこれらの折丁５５，５６は
第９図に示すようなチヨツパ１２を用いることに
よつていずれもB5判16頁の折丁になる。

次にこの折機に上下２段のウエブを通しスリツ
タ３８，３９を使用せずにフオーマと折胴で折つ
て２枚重ねで排紙する場合を第４図ないし第６図
の概要平面図、概要側面図および使用しないロー
ラ類を省略して示す概要斜視図について説明す
る。上下２段のウエブ３２および３３はガイドロ
ーラ３４および３５を経てドラツグローラ３６お
よび３７へそれぞれ導かれる。そして上段のウエ
ブ３２は下段のドラツグローラ３７へ導かれて下
段のウエブ３３と重ねられ、ガイドローラ５０と
ドラツグローラ５１を経てフオーマ５２により２
枚重ねのまま幅方向に半折される。半折されたウ
エブ３２，３３は、ニツピングローラ４５とガイ
ドローラ４９を経て折胴４８に達し、断裁胴５
３、咥え胴５４との協働により断裁と長手方向の
折畳みが行なわれ、折丁５８となつて排紙ベルト
５７上へ排出される。この場合折丁５８は、２枚
重ねの状態でフオーマ５２と折胴４８とで縦横に
折られているので、B4判16頁でありその一側縁
は断裁されず袋状となつているかまたは両端縁と
も断裁されている。また、この折丁５８は、前述
したようなチヨツパを用いることによつてさらに
B5判32頁の折丁になる。

なお、第１図ないし第５図において符号５９，
６０で示すものは、第１のターンバー４１に対し
ては45゜傾斜して支架され、その近傍に位置しか
つ互に直交する方向に軸線をもつリターンローラ
とガイドローラであつて、以下に説明する１段ウ
エブによる折紙の場合に使用され、前記２段ウエ
ブの場合は遊休となつている。

以上はこの折機３１に上下２段のウエブ３２，
３３を通した例を示したが、前記第１のターンバ
ー４１、リターンローラ５９およびガイドローラ
６０を用いれば、１段ウエブ、平行折り、２列出
しの折紙を行なうことができる。これを第７図の
側面図と第８図の斜視図とに基いて説明する。な
お、両図においては、図が錯綜するのを避けるた
めに、この折り作業では使用しない上段のドラツ
グローラ３６、スリツタ３８、第２のターンバー
４４およびフオーマ５２は図示してない。下段の
み１段のウエブ６１は、ガイドローラ３５を経て
下段のドラツグローラ３７に導かれ、スリツタ３
９にによりウエブ６２とウエブ６３とに半裁され
る。このうち一方のウエブ６２はターンバー４１
で外方へ変向されたのち、ガイドローラ４６′，
４７′とニツピングローラ４５，４９とを経て折
胴４８に導かれ、半折されて排紙ベルト５７上へ
排出される。また、他方のウエブ６３はガイドロ
ーラ５０およびリターンローラ５９を経てターン
バー４１でウエブ６２と反対方向へ変向されたの
ち、ガイドローラ６０，４７とニツピングローラ
４５，４９とを経て折胴４８に導かれ、半折され
て排紙ベルト５７上へ排出される。このようにし
て平行折りされたB4判４頁の折丁６４が２列出
しされる。

〔発明の効果〕

以上の説明により明らかなように本発明によれ
ば、印刷機の折機において、上下２段のドラツグ
ローラとウエブの走行方向に対して45゜傾斜しか
つ互に直交し上下に離間する第１，第２のターン
バーとを設け、上段のドラツグローラ上でスリツ
タにより半裁された２列のウエブを前記ターンバ
ーで互に反対方向に変向させることによりこれを
重ねて折胴へ導くとともに、下段のウエブをフオ
ーマで半折して前記２枚重ねのウエブと並列させ
て折胴へ導くように構成することにより、簡単な
構成によりフオーマ使用時に遊休状態となる折機
の片側半分を有効に活用して従来に倍増する生産
量の２重ウエブによる折出しができるので、各種
の印刷機ことに書籍用印刷機に付設することによ
りきわめて高能率な折り出しを行ならことができ
る。また、ウエブを１段のみ通して第１のターン
バーのみを使用することにより、平行折り２列出
しの折紙も可能となるなど、ウエブ通しおよびフ
オーマとターンバーの組合せにより幅広い折丁の
頁立て、面付の選択が可能となるので、書籍、広
告用ちらし等多様性ある各種の印刷物に対応する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第８図は本発明に係る印刷機の折
機の実施例を示し、第１図は２段ウエブ、スリツ
タ、フオーマ併用、２列出しの状態で示す概要平
面図、第２図は同じく概要側面図、第３図は同じ
く概要斜視図、第４図は２段ウエブ、フオーマ折
り、重ね出しの状態で示す折機の概要平面図、第
５図は同じく概要側面図、第６図は同じく一部の
ローラを省略して示す概要斜視図、第７図は一部
のローラを省略して示し１段ウエブ、平行折り、
２列出しの状態で示す折機の概要側面図、第８図
は同じく一部のローラおよびフオーマを省略して
示す概要斜視図、第９図は従来における印刷機の
折機の概要斜視図である。 ３２，３３，４０，４３，６１，６２，６３…
…ウエブ、３６，３７……ドラツグローラ、３
８，３９……スリツタ、４１，４４……ターンバ
ー、４５，４６，４６′，４７，４７′，４９，６
０……ガイドローラ、４８……折胴、５２……フ
オーマ、５９……リターンローラ、５５，５６，
５８，６４……折丁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ウエブの進入方向に直交して支架された第１
   のドラツグローラ３７と、このドラツグローラ３
   ７の中央部に着脱自在に対接するスリツタ３９
   と、前記ドラツグローラ３７の下流側に位置しウ
   エブの進行方向に対し45゜傾斜して支架された第
   １のターンバー４１と、このターンバー４１へ半
   裁された一方のウエブを下側から導びくリターン
   ローラ５９と、前記第１のターンバー４１に対し
   45゜傾斜して支架されたガイドローラ６０と、こ
   のガイドローラ６０と折胴４８との間に配設され
   たローラ群４５，４５′，４６′，４７，４７′，
   ４９と、前記第１のドラツグローラ３７と平行に
   その上方に支架された第２のドラツグローラ３６
   と、このドラツグローラ３６の中央部に着脱自在
   に対接するスリツタ３８と、前記第１のターンバ
   ー４１とその中央部で直交しかつ上方に離間して
   支架された第２のターンバー４４と、このターン
   バー４４と前記ローラ群との間に支架されたガイ
   ドローラ４６と、前記第１および第２のドラツグ
   ローラ３７，３６から折胴４８へ向うウエブの進
   行径路内に配設されたフオーマ５２とを設けたこ
   とを特徴とする印刷機の折機。