JPS627218Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は気密状態で加熱することにより大気圧以
上の高い圧力で調理を行なう圧力調理器に係り、
特に調理終了後蓋の開放に先立つて内部圧力の減
圧を行なう減圧装置に関するものである。

この種の圧力調理器は大気圧以上の高い圧力で
調理を行なうものである為、調理終了後蓋を開け
る場合には先ず安全面を考慮して内部圧力を充分
に減圧する必要がある。然るに、従来では調理器
を水に漬けて冷却したり、又圧力調節弁を徐々に
開放して水蒸気を放出したりすることにより内部
圧力の減圧を行なつていたが、その何れにあつて
も、調理器の持ち運び、圧力調節弁の操作等人為
的な操作が必要になる為、誤つて調理器を落下さ
せたり多量の水蒸気を一気に放出させたりする危
険があり、安全面において問題を有するものであ
つた。

本案はかかる点に鑑みて考案されたものであ
り、以下図面に示した本案の実施例について詳細
に説明する。

先ず、第１図において、１は鍋、２は鍋１の開
口部をパツキング３を介して閉塞する蓋、４は鍋
１の外周面上部に固定した１対の係止金具、５は
蓋２の上面中央に立設したねじ軸、６はねじ軸５
に螺合する加圧摘子、７は加圧摘子６に枢支さ
れ、係止金具４との係合により蓋２を加圧する加
圧アーム、８は蓋２に設けた減圧用弁装置、９は
弁装置８に分離自在に結合するタイマーである。
尚、蓋２には図示しないが、従来周知のように圧
力調節弁、安全弁等を設けてある。

次に、第２図乃至第４図において、弁装置８及
びタイマー９の構造を説明する。弁装置８は弁ケ
ース１０、弁体１１及びスプリング１２等により
構成される。弁ケース１０は蓋２にナツト１３を
以つて固定され、内部に鍋１の内外を連通する通
路１４を形成すると共にその途中に弁座１５を形
成する。弁体１１は弁ケース１０の通路１４内に
あつて弁座１５に接離するものであり、その弁杆
１６を弁ケース１０の上面上に貫挿突出する。
尚、上記弁ケース１０の上面には外周面に１対の
係合突起１８を有する連結筒１７を、弁杆１６の
外周を囲むように突設してある。スプリング１２
は通路１４内にあつて弁体１１とスプリング受け
１９間に縮設され、弁体１１を常時閉方向（弁座
１５への当接方向）に付勢するものであり、その
付勢力は弁体１１を閉位置に保持し得る最小限度
の付勢力に設定されている。

上記タイマー９はタイマーケース２０、タイマ
ー軸２１、ゼンマイバネ２２、カム２３及び作動
杆２４等により構成される。タイマーケース２０
は連結筒１７の外周に嵌合し回動することにより
逆Ｌ字形状の切欠２５を係合突起１８に係合し、
該係合によつて弁装置８と分離自在に結合する。
又、タイマー軸２１はタイマーケース２０に回転
自在に枢支され、外端には時間目盛を付した摘子
２６を有する。ゼンマイバネ２２はタイマー軸２
１を時間を設定すべく回動した時弾発力を蓄積
し、その復元力によりタイマー軸２１を復帰回動
させるものである。而して、ゼンマイバネ２２の
復元力によるタイマー軸２１の復帰回動は、ガン
ギ車２７とテンプ２８とにより従来周知の如く一
定速度で行なわれる。カム２３は上記タイマー軸
２１の回動に図示しない歯車群を介して連動回転
する。作動軸２４は設定時間の終了に伴つて弁装
置８を操作するための弁操作部材であり、タイマ
ーケース２０内にあつて上下動自在に枢支され、
上端をカム２３に当接すると共に下端を弁杆１６
の上端に当接する。而して、このカム２３はタイ
マー軸２１が設定時間終了位置に回動復帰した時
作動杆２４を押し下げて弁体１１を弁座１５より
離間させ、弁装置８を開放するものである。

尚、図中３０はテンプ２８の動きを制限しタイ
マー９の停動を任意に行なう始動レバー、３１は
タイマーケース２０に設けた指標を示す。

本案圧力調理器は上記構成であり、以下その動
作を説明する。先ず、加熱を始める前に、摘子２
６の回動操作によりタイマー９を調理時間とむら
し時間とを合せた時間に設定し、始動レバー３０
によりタイマー９を停止状態においておく。

そして、加熱を始め、内部圧力（温度）が所定
の調理圧力（温度）になつた時（即ち最初に圧力
調節弁から水蒸気が噴出した時或いはインジケー
タが所定の表示状態になつた時）に始動レバー３
０を操作してタイマー９の刻時動作を開始させ
る。以後、所定の調理圧力で所定の時間加熱調理
を行ない、そしてむらし時間が経過すると、タイ
マー軸２１は摘子２６の「０」目盛が指標３１に
対向する停止位置まで復帰回動し、カム２３によ
り作動杆２４を押し下げて弁体１１を弁座１５よ
り離間させ、通路１４を開放即ち弁装置８を開放
する。すると、内部の水蒸気が通路１４を経て外
方に噴出することになり、内部圧力は減圧され
る。

以上のように、タイマー９の働きにより弁装置
８を開放して内部圧力の減圧を行なうことになる
為、減圧に人為的な操作が不要となり、従前のよ
うな危険を回避でき、しかも蓋２の開放は充分に
減圧された状態で安全に行なえる。

又、上述実施例にあつてはタイマー９を弁装置
８より分離することができる為、蓋２等の水洗い
時タイマー９を濡らすことがなく、長期使用にあ
たつて極めて好都合である。

尚、又、タイマー９として電動式のものを用い
てもよい。

このように本案圧力調理器にあつては、内部圧
力の減圧に人為的な操作が不要となり、従つて減
圧時における従前の如き危険を回避でき、安全面
において非常に優れたものである。さらに、タイ
マーは弁装置上に分離自在に結合している為、蓋
の水洗いに際して取外すことができ、洗浄作業を
容易に行なえると共にタイマーを水によつて損う
ことがなく、又取外しにあたつてタイマーの構成
部品を個々に分離する必要がない為紛失の虞れも
ない。しかも、タイマーを弁装置に結合すると同
時にタイマーの弁操作部材と弁装置の弁杆とを連
係させることができ、水洗い後の組立作業も極め
て簡単である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案圧力調理器の概略構成説明図、第
２図乃至第４図は同上要部を示す正面図、側面図
及び概略断面図である。 １……鍋、２……蓋、８……弁装置、９……タ
イマー、１１……弁体、２３……カム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 気密状態で加熱調理を行なう圧力調理器におい
   て、蓋にあつて弁杆の操作により水蒸気を放出さ
   せ内部圧力を減圧する弁装置と、設定時間の終了
   に伴つて動作する弁操作部材を設けたタイマーと
   を備え、上記弁装置上にタイマーを分離自在に結
   合しかつ該結合と同時に弁杆と弁操作部材とを連
   係させたことを特徴とする圧力調理器。