JPS6132579Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 バヨネツト係合方式の圧力調理器は通常制圧弁
及び安全弁を備え、制圧弁のノズル孔に異物等が
つまり、内圧が異常に上昇した際に安全弁が作動
して爆発事故の発生を防止しているが、安全弁は
その機能から、内蔵の弁体は常時弁座を閉塞する
機構が採られている。

したがつて、バヨネツト係合が不完全な場合で
も、調理器内は一応密閉状態となり、調理中の内
圧上昇により蓋が飛散するという事故がしばしば
みられた。

本考案は、上記の点に着目し、バヨネツト係合
が完成されてはじめて調理器内の気密が保たれ、
不完全係合の状態では調理器内を外部と連通させ
て、内圧の上昇を来たさないようにした安全装置
を備えた圧力調理器を提供することにある。

次に、本考案を図示の実施例により説明する。

第１図において、１は蓋、２は調理器本体、１
ａ及び２ａはバヨネツト係合のための蓋１の内周
縁及び調理器本体２の上部開口外周縁に夫々形成
した係合片、３はパツキングである。

４及び５は本考案に係る安全装置を構成する弁
装置及び該弁装置と協同する係合板である。

なお、図示しないが、蓋１には制圧弁及び安全
弁が取付けられていることは言うまでもない。

而して、弁装置４は、第３図Ａに示すように、
蓋１の表面及び裏面に夫々パツキング６，７を介
して螺合締着された上部筒体４ａ及び下部筒体４
ｂと、下部筒体４ｂ内に上下動可能に収納され、
上部筒体４ａに装着された弁座４ｃを開閉する球
弁８とから構成されている。

そして、上記弁座４ｃのゴム等の弾性材より成
り、上部筒体４ａの中心に形成されている通気孔
４a₁の下端内周壁に装着され、また下部筒体４ｂ
の上部周壁には複数の透孔４b₁が穿設されている
と共に、下端開口内周壁には球弁８を支持する内
方へ向うテーパー面４b₂が形成されている（第２
図Ｂ，Ｃ参照）。なお、テーパー面に限らず、内
方へ向う直角の折曲部を形成してもよい。

球弁８は下部筒体４ｂの内径より若干小さな外
径を有するステンレス材より成り、通常は自重に
より、下部筒体４ｂの下端開口内周壁のテーパー
面４b₂に係止し、下端開口より一部が露出した状
態に降下している。

また係合板５は、第１図に示すように、断面ほ
ぼ倒Ｌ字状をなし、バヨネツト係合が完成する位
置（蓋と調理器本体との各把手が完全に重合する
位置）において上記弁装置４と協同する如く調理
器本体２の上部内壁にリベツト等により取付けら
れ、調理器本体２内へ突出する係合片５ａには、
第２図Ｂ，Ｃに示すように、閉塞方向に対する端
面に上向きテーパー面５a₁が形成されている。

したがつて、閉蓋時には、第２図Ａ→Ｂ→Ｃの
如く、蓋１を調理器本体２に固定の係合板５に向
つて移行させる回動操作態様となるので、弁装置
４の球弁８が係合片５ａと何んら関与しない第２
図(A)及び球弁８が係合片５ａのテーパー５a₁に当
接して少量押し上げられた第２図(B)の状態では、
弁座４ｃは未だ開放状態にあり、球弁８がテーパ
ー面５a₁を乗り越えて係合片５ａの上面に当接
し、さらに押し上げられた第２図(C)の状態（バヨ
ネツト係合完成位置）で弁座４ｃが閉塞され、こ
のときはじめて調理器内は気密に保持される。

よつて、バヨネツト係合が不完全な状態で調理
をした場合には、弁座４ｃは開放されているの
で、調理器内の蒸気圧は下部筒体４ｂの透孔４b₁
より弁座４ｃ、通気孔４a₁を径て外部に流出し、
器内圧力の上昇がなく、したがつて不完全係合に
伴う蓋１の飛散事故を防止しうる。

また、上記のように調理初期において弁装置４
から蒸気の流出がみられた場合には、蓋１のバヨ
ネツト係合が不完全であることを使用者に知らす
ことにもなる。

調理が終了し、蓋１の開方向へ回動した際に
は、第２図Ｂに示すように、弁装置４の球弁８は
係合片５ａのテーパー５a₁に降下して弁座４ｃを
開放するので、調理器内の残存蒸気圧が透孔４
b₁、弁座４ｃ、通気孔４a₁を経て外部に放出さ
れ、したがつて開蓋時における残存蒸気圧に伴う
蓋の飛散事故を生ずることもない。

以上のように、本考案の安全装置は、バヨネツ
ト係合の完成があつてはじめて調理器内の気密が
保持され、不完全係合時にあつては調理器内を外
部に連通するように弁装置と係合板とを協同せし
めたので、不完全係合に伴う内圧上昇による蓋の
飛散事故を防止するこができると共に、開蓋時に
も残存内圧の放出が自動的に行なわれるので、極
めて使い勝手のよい圧力調理器を提供しうるもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る安全装置を備えた圧力調
理器の要部断面図、第２図は安全装置の作動状態
を示す断面図にして、同図Ａは閉蓋開始時、同図
Ｂは係合片との当接初期、同図Ｃはバヨネツト係
合完成時を夫々示す。 １……蓋、２……調理器本体、４……弁装置、
４a₁……通気孔、４b₁……透孔、４ｃ……弁座、
５……係合板、５ａ……係合体、５a₁……テーパ
ー面、８……球弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バヨネツト係合方式の圧力調理器において、蓋
   に取付けた弁装置と、バヨネツト係合完成位置に
   おいて前記弁装置と協同する如く調理器本体の上
   部内壁に取付けた係合板とを備え、前記弁装置
   は、通気孔下端に弁座を装着した上部筒体と上部
   周壁に複数の透孔を穿設した下部筒体とを蓋を挾
   んで螺合締着し、通常は前記弁座を開放し、かつ
   下部筒体の下端開口より一部が露出する球弁を上
   下動可能に収納して成り、前記係合板は、断面ほ
   ぼ倒Ｌ字状をなし、調理器本体内方へ突出する係
   合片の閉蓋方向に対する端面に上向きテーパー面
   を形成して成ることを特徴とする圧力調理器の安
   全装置。