JPS627215Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は蓋体の一端を容器本体に枢着すると共
に、蓋体の他端を容器本体に掛脱可能に掛止し、
且つ蓋体下面中央に取付けたワンタツチピンに着
脱可能にワンタツチパツキンを嵌係合すると共に
このワンタツチパツキンに内蓋を取付けてなる、
電気炊飯器、保温機能を有する電気炊飯器、電気
保温容器などのジヤー類に関する。

この種ジヤー類において、シリコンゴムなどの
弾性体で形成されたワンタツチパツキンの上部を
有底筒状に形成し、蓋体閉蓋時にその上端開口縁
を蓋体下面に密着させて、ワンタツチパツキンの
内外間の空気、水蒸気などの流通を遮断し、且つ
ワンタツチパツキンの弾性により内蓋を飯器の周
縁部に圧着せしめて飯器内部の気密性を保つよう
に構成したものが公知である。ところがこの従来
例によれば、蓋体閉蓋時に有底筒状部が圧縮変形
し、且つ上端開口縁が蓋体下面に密着しているた
め、有底筒状部の内空間が負圧状態となり易く、
ワンタツチパツキンが吸盤のように蓋体下面に吸
着し、内蓋を蓋体より取り出す作業が困難になる
場合がある。

本考案は上記従来例の欠点を是正すると共に、
上記従来例と同様飯器内部の気密性を保ちうるよ
うに構成した電気炊飯器等のジヤー類を提供する
ことを目的とする。

以下本考案を図面に示す実施例に基き具体的に
説明する。第１図及び第２図に示す本考案の実施
例は、電気炊飯器に係るものである。蓋体１の下
面板２の中央中空部にはヒータ支持板３を取付
け、その上面にヒータ３ａを貼着している。又ヒ
ータ支持板３の中央はキヤツプ状に隆起し、この
隆起部４の中心部に下方に向き突出するワンタツ
チピン５を、その上端のネジ部６に螺締したナツ
ト７によつて固定している。ワンタツチピン５の
下端には、ワンタツチパツキン８の脱落を阻止す
るための係止部９を膨出状に形成している。又前
記ネジ部６と前記係止部９との間に位置する軸部
１０は、前記係止部９に向け漸次小径となるテー
パ状に形成されている。尚、１１はスプリングワ
ツシヤーである。

蓋体１の上面板１２には把手１３が取付けら
れ、又上面板１２と前記下面板２との間には断熱
材１４を装入している。蓋体１の一端にはロツク
レバー１５を取付け、容器本体１６のロツク係止
部１７に掛脱可能に掛止しうるようにしている。
又蓋体１の他端は容器本体１６に枢軸（図示せ
ず）を用いて枢着されている。

容器本体１６は外ケース１８、内ケース１９、
内外ケース１９，１８をその上端において固定す
る肩部材２０、内外ケース１９，１８間に装入し
た断熱材２１、内ケース１９の外周面上端部に配
設した保温ヒータ２２などからなる。

容器本体１６内には飯器２３を配置し、容器本
体１６の底部に配設した炊飯ヒータ（図示せず）
で炊飯できるようにしている。前記飯器２３の上
端周縁部２４は内蓋２５をその周縁部２６におい
て支承しうるように形成されている。又内蓋２５
にはピストン調圧型の調圧装置３９を取付け、炊
飯時に飯器２３内の圧力を一定に保つようにして
いる。

前記ワンタツチピン５に着脱可能に嵌係合して
取付けられるワンタツチパツキン８は、シリコン
ゴムなどの弾性体によつて形成されている。この
ワンタツチピン５は、第２図に詳細に示す如く、
下部に形成される円盤部２７の外周面に環状の内
蓋取付溝２８を形成すると共に、円盤部２７の中
央部２９を肉薄に形成し、且つこの中央部２９に
ピン挿通孔３０を設けている。又上部３１には前
記円盤部２７に一体で且つ蓋体閉蓋時に圧縮変形
せしめられる複数の突片３２，３２…を、上方に
向けて突設している。前記上部３１は側方に通気
部４０を有するように構成されるが第２図に示す
弾頭状の突片３２，３２…のほか、円弧板状（第
４図）、平板状、横断面Ｖ字板状、円柱状等の突
片３２，３２…で構成することが可能であり、又
第４図に仮想線で示す如く、各突片３２，３２…
相互をその上端で連結部３３を介して一体化して
前記上部３１を構成してもよい。前記ピン挿通孔
３０の直径は、前記テーパ状軸部１０の最小外径
より僅かに大きくなるように定め、第１図に示す
如く、蓋体１の閉蓋時に前記軸部１０と前記ピン
挿通孔３０との間の気密性が確実に保たれるよう
に構成している。前記内蓋取付溝２８には、内蓋
２５の中心孔周縁部３４を嵌合させることによ
り、ワンタツチパツキン８に内蓋２５を着脱可能
に取付けている。

かくしてワンタツチパツキン８は前記下端係止
部９の下方より上方に向けこれを無理に通過させ
ることにより、ワンタツチピン５に取付けること
ができる。又蓋体１の閉蓋時には、第１図に示す
如く、ワンタツチパツキン８の上部３１はその弾
性により圧縮変形し、その反作用によつて内蓋２
５を飯器２３の周縁部２４に圧着せしめ、且つ前
述の如くワンタツチパツキン８のピン挿通孔３０
とワンタツチピン５とを密着させることによつ
て、飯器２３内の気密性を確保することができ
る。

第３図及び第４図に示す実施例は、前記ワンタ
ツチピン５の軸部１０を上部３５が大径で下部３
６が小径となる段付軸状に形成すると共に、上部
３１の側方に通気部４０，４０…を設けたワンタ
ツチパツキン８のピン挿通孔３０の径を前記小径
下部３６の外径より僅かに小さく定めたことを特
徴とする。この実施例では、第３図に示す如く、
蓋体１の閉蓋時に、大径上部３５と小径下部３６
との間の段部下面３７にワンタツチパツキン８の
中央部２９が密着することによつてピン挿通孔３
０とワンタツチピン５間の気密性が保たれる。

本考案は上述の如く構成されるので、次のよう
な効果を奏することができる。

蓋体閉蓋時に圧縮変形せしめて蓋体下面に圧
着するワンタツチパツキンの上部側方に通気部
を設けているので、従来例の如き負圧発生箇所
がなくなり、ワンタツチパツキンの蓋体下面か
らの離脱は容易となる結果、内蓋を蓋体より取
外す作業を容易に行うことができる。

ワンタツチピンの軸部を、下端係止部に向け
漸次小径となるテーパ状に形成するか、又は上
部が大径で下部が小径となる段付軸状に形成し
て、蓋体閉蓋時にこの軸部とワンタツチパツキ
ンのピン挿通孔との間の気密性が保たれるよう
に構成しているので、飯器内の圧力を一定に保
つ上で有利である。特に実施例に示す如く、ピ
ストン調圧装置などの調圧装置を有する電気炊
飯器においては、調圧装置以外の部分を密閉状
態に保つ必要があるが、本考案によればこの必
要性を充足することができる。又本考案によれ
ば、炊飯中又は保温中に飯器内の水蒸気や熱気
がワンタツチピンとワンタツチパツキンとの間
の隙間から流出することや、前記隙間を通じて
冷気が外部より飯器内に流入することを確実に
防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の要部の縦断面図、第
２図はそのワンタツチパツキンの中央縦断斜視
図、第３図は本考案の他の実施例の要部の縦断面
図、第４図はそのワンタツチパツキンの中央縦断
斜視図である。 １……蓋体、５……ワンタツチピン、８……ワ
ンタツチパツキン、９……係止部、１０……軸
部、１６……容器本体、３０……ピン挿通孔、３
２……突片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 蓋体の一端を容器本体に枢着すると共に、蓋体
   の他端を容器本体に掛脱可能に掛止し、且つ蓋体
   下面中央に取付けたワンタツチピンに着脱可能に
   ワンタツチパツキンを嵌係合すると共にこのワン
   タツチパツキンに内蓋を取付けてなる電気炊飯器
   等のジヤー類において、ワンタツチピンの軸部
   を、下端係止部に向け漸次小径となるテーパ状に
   形成するか、又は上部が大径で下部が小径となる
   段付軸状に形成して、蓋体閉蓋時にこの軸部とワ
   ンタツチパツキンのピン挿通孔との間の気密性が
   保たれるように構成すると共に、ワンタツチパツ
   キンの上部側方に通気部を設けたことを特徴とす
   る電気炊飯器等のジヤー類。