JPS62718Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は載物荷重によつて走行する載物走車
車玩具に関するもので、その第１の目的はバラン
スアームの片端に物体を載せると、この物体の重
量でバランスアームが傾動し、駆動走行車輪が回
転されて走行する興趣性の高い載物走行車玩具を
提供することにあり、また第２の目的は前記バラ
ンスアームの両端に設けた載物受容部に２つの物
体を載せて、どちらの物体が重いかを走行の有無
によつて調べることができる教材として使用可能
な載物走行車玩具を提供することにある。

この２つの目的を達成するために、この考案は
玩具車本体に一定の角度範囲で左右に揺動するバ
ランスアームを枢支し、このバランスアームの両
端に設けた載物受容部に物体を載せると、重量バ
ランスの変化によつてバランスアームが左右いず
れかの方向に傾動するようにしたこと、前記バラ
ンスアームの中間支点部位置からアームレバーを
垂設し、このアームレバーの下端部に駆動走行車
輪と同軸一体のピニオンと噛合する扇形歯車を設
けて、前記バランスアームの傾動で走行車輪が回
転駆動されるようにしたこと、前記扇形歯車の長
さをバランスアームが最大限傾動した時に前記ピ
ニオンから噛合離脱する長さに設定して、バラン
スアームが最大限に傾動した後も、回転駆動力を
受けた前記走行車輪の慣性回転によつて玩具車が
走行し続けるようにしたことを特徴とする。

以下、この考案の一実施例を図面に従い説明す
る。図中１は小径な従動走行車輪２と大径な駆動
走行車輪３を取付けた玩具車本体で、該本体は胴
部１ａ、頭部１ｂ、前後に開脚した脚部１ｃを有
する表側の本体部品１０と、裏側の本体部品１１
を第２図の如く突き合せ接合して組立てられてい
る。なお、前記従動走行車輪２は前記本体部品１
０，１１の４つの脚部１ｃに軸２ａで支持されて
おり、また前記駆動走行車輪３は前記本体部品１
０，１１間に位置し、前記本体胴部１ａの下側軸
受部１０ａ，１１ａに回転軸４を介して支持され
ている。５はこの駆動走行車輪３と同軸一体に回
転するピニオンで本実施例の場合には駆動走行車
輪３のボス部に一体成形によつて設けられている
が、前記駆動走行車輪３とは別体につくつて前記
回転軸４に嵌着してもよい。６は前記本体１の駆
動走行車輪３の上方位置（本体頭部１ｂの中心位
置）に、ピン７で中間部を枢支した左右方向に一
定の角度範囲で揺動し得るバランスアームであ
り、該アームの両端部には椀状の載物受容部６
ａ，６ｂが設けられている。なお、前記バランス
アーム６の揺動（傾動）範囲は該アーム６が水平
にバランスしている第１図の状態から左右方向に
例えば25度位回動する範囲であつて、その傾動限
は第１図、第３図に示すストツパ８ａ，８ｂにレ
バー上面部が第３図の如く当接することで規制さ
れる。１６は前記バランスアーム６の中間支点部
位置から下方に垂設された前記バランスアーム６
と一体に回動するアームレバーであり、このアー
ムレバー１６の下端部には前記ピニオン５と噛合
する扇形歯車１７が一体に設けられている。この
扇形歯車１７は前記バランスアーム６が最大限傾
動した時に、前記ピニオン５から第３図のように
噛合離脱する歯車長さＬに設定されている。な
お、前記レバー枢支ピン７と、駆動走行車輪２の
回転軸４は前記本体１の垂直中心線ｌ上に配置さ
れている。

第１図は前記バランスアーム６が水平にバラン
スしている状態を示しており、この状態でアーム
右端の載物受容部６ａに物体Ｐを載せると、この
物体Ｐの重量によつてバランスアーム６は第３図
の如く傾動し、該アームと一体にピン７を支点と
して回動する扇形歯車１７によつてピニオン５が
回転され、該ピニオンの回転で走行車輪３が駆動
されて玩具車は第３図矢印イ方向に走行する。こ
の場合、前記扇形歯車１７はバランスアーム６が
ストツパ８ｂに当つた時点（最大限の傾動状態）
で前記ピニオン５から第３図のように噛合離脱す
るので、回転駆動力を受けた前記走行車輪３はそ
のまま慣性回転を続行し、玩具車を遠方まで走行
させることができる。またこの時の走行速度は前
記物体Ｐの重量によつて変化するので、軽い物を
載せて低速走行させることもできるし、鉛玉のよ
うな重量物を載せて高速走行させることもでき、
この種玩具としての興趣性が増大する。一方、第
２図のようなアームバランス状態で、その両端部
の載物受容部６ａ，６ｂに２個の物体Ｐ，Ｐを載
せれば、該物体重量が同じ場合にはバランスアー
ム６は均衡しているが、前記両物体の重量が異な
つていると、前記アーム６は重い方に傾むくの
で、玩具車は走行する。従つて、この走行状態を
見ることによつて、どちらの物体が重いかを簡単
に調べることができ、教材としても有効に使用す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す正面図、第
２図はその中央縦断面図、第３図は走行状態を示
した作用説明図である。 １……玩具車本体、２……従動走行車輪、３…
…駆動走行車輪、４……回転軸、５……ピニオ
ン、６……バランスアーム、６ａ，６ｂ……載物
受容部、７……アーム枢支ピン、８ａ，８ｂ……
アーム回動限を規制するストツパ、１６……アー
ムレバー、１７……扇形歯車、Ｌ……歯車長さ、
Ｐ……物体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 小径な従動走行車輪と大径な駆動走行車輪を取
   付けた玩具車本体と、前記駆動走行車輪と同軸一
   体に回転するピニオンと、玩具車本体の駆動走行
   車輪の上方位置に一定の角度範囲左右揺動可能に
   中間部を枢支した両端に載物受容部を有するバラ
   ンスアームと、このバランスアームの中間支点部
   位置から下方に垂設された前記バランスアームと
   一体に回動するアームレバーと、このアームレバ
   ーの下端部に設けられた前記ピニオンと噛合する
   扇形歯車とを具備し、この扇形歯車は前記バラン
   スアームが載物荷重によつて右側或いは左側に最
   大限傾動した時に、前記ピニオンから噛合離脱す
   る歯車長さに設定されている載物走行車玩具。