JPS6262184B2 - - Google Patents

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JPS6262184B2
JPS6262184B2 JP54118635A JP11863579A JPS6262184B2 JP S6262184 B2 JPS6262184 B2 JP S6262184B2 JP 54118635 A JP54118635 A JP 54118635A JP 11863579 A JP11863579 A JP 11863579A JP S6262184 B2 JPS6262184 B2 JP S6262184B2
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JP
Japan
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polyester
fibers
tension
stretching
pilling
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JP54118635A
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JPS5643421A (en
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Takeshi Inoe
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は抗ピル性ポリエステルの新規な製造法
に関する。 本発明は1mμないし500mμの直径を持つ粉体
を0.5ないし10重量%混合したポリエステルを単
独もしくは該ポリエステルが繊維表面の30%以上
をおおうように複合して溶融紡糸し、得られた未
延伸繊維を二次転移点以下の温度で少なくとも3
時間放置し、その後該未延伸繊維の引張り試験に
おける第1降伏点応力の50%ないし95%の張力
で、二次転移点以下の温度で、微細なひび割れが
生成するに十分な時間緊張処理し、しかる後延伸
し、得られた繊維を、それ以降の工程においてア
ルカリ性液体により0.1重量%以上減量すること
を特徴とする。 ポリエステルテープル、あるいはポリエステル
ステープルを主要な原料の一つとした紡績糸の編
織物は、ピリングを生じやすいことが最大の欠点
であるとされて来た。ピリングの発生を少なくす
るには単繊維が抜けにくく切れ易くすればよいこ
とがわかつている。それにもかかわらずピリング
が問題とされるのは、ピリングの発生を少なくす
る条件が種々の困難性を持つているからである。
単繊維が抜けにくくなる条件としては強い撚、高
い織・編密度、長い繊維長、高い摩擦係数があげ
られる。単繊維が切れ易くなる条件としては低強
度、低繊度があげられる。布としては硬く薄いも
のが抗ピル性に有利であり、紡績法としては綿紡
式が適していることがわかる。一方梳毛糸、紡毛
糸、スフ紡糸を用い布として軟かく厚いものを作
る場合にはポリエステルステープルを改質し抗ピ
ル性を与える必要が出て来る。 抗ピル性ポリエステルステープルは低強度であ
り、しかも低伸度であることが望ましいといわれ
る。このような繊維は一般に加工条件に対してデ
リケートであり、加工中に傷を受けたり劣化した
りしやすい。また製品の強さ耐久性が低い。製品
の強さが劣ることはやむを得ない改質の結果であ
り、厚地の布であることからある程度は許容され
る性質である。しかし加工性の悪さは大きな問題
であり、現在のところ解決できていない。 抗ピル性ポリエステルステーブルの加工性の悪
さを改良する一つの方法として、最初は強度の大
きい繊維を作つておき、できるだけ加工工程の最
後に近い所で強度を低くしてやる方法が考えられ
る。強度が大きいことが望ましい工程は紡績から
製布工程までであり、それ以降の工程で低強度化
すれば加工性は大巾に改良されたと言える。 このような布の精練、染色、仕上工程で低強度
化する技術について数多くの提案がなされてい
る。たとえば米国特許3991035号では−CH2−S
−、あるいは−CH2−N−結合を有する共重合ポ
リエステルを開示している。この結合は酸化に弱
く、次亜塩素酸で処理することにより容易に低強
度化する。この外主鎖中にリン酸エステルを有す
る共重合ポリエステルは高温染色中に加水分解し
て低強度化することが知られている。 易分解性の化学結合を有する共重合ポリエステ
ルから作られる抗ピル性ポリエステル繊維の欠点
は、第1にはその分解速度が十分に大きくないこ
とがあげられる。分解速度が遅いため低強度化の
処理時間が長く、高コストになる。易分解性の化
学結合を多くしてやれば次に述べる第2の欠点が
顕著になるので好ましくない。第2の欠点は異種
結合の導入による可塑化効果その他の性質変化で
ある。可塑化効果により、融点二次転移点の低
下、結晶化度、結晶化速度、熱セツト性の低下な
ど好ましくない変化が発生して来る。また易分解
性の化学結合が分解した残基により白度の低下、
耐光性の低下が生じやすい。このような理由から
易分解性の化学結合の導入は最少限に止める必要
がある。 共重合の本質から来る欠点を避けるには、エス
テル結合を切断するような化学処理が有効である
と考えられる。たとえば特公昭33−247号では高
温水蒸気、アンモニア、アミン等によつてエステ
ル結合を切断し、強度を低下させる方法が開示さ
れている。この方法の欠点はエステル結合の分解
速度の大きい条件をとると分解が繊維表面で主に
起るため主として減量が起り強度が下らなくなる
ため、概して長時間の処理が必要であることであ
る。加水分解の場合には分解で生じたテレフタル
酸が白粉となつて取扱い性を害し、アミン分解の
場合には繊維に残留するアミンが除去しにくく黄
変の原因になることである。また特公昭35−243
号にはポリエステルグリコールを付着させて酸化
分解する方法が開示されている。この方法は製品
の耐光性が劣るので好ましくない。特公昭37−
7397号には高級アルコールによる分解が開示され
ている。この方法は反応に好適なアルコールが悪
臭を持つているため、処理工程の環境が非常に悪
くなるため実用化されていない。特公昭42−1799
号には強酸とホルムアルデヒドで分解する方法が
開示されている。この方法はポリエステルオール
の場合には有効であるが、セルロース繊維が混合
されている場合にはそのホルマリン架橋の条件と
マツチさせ難いため実用化されていない。 これらの分解法に共通して言えることは、繊維
全体を均等に劣化させてやろうとするため、反応
条件がゆるやかでないと、何かほかの反応が起つ
てしまつたりして、うまく行かないということで
ある。分解処理が局部的に進行し、一種の弱点を
形成する方法でも、形成される弱点の密度が十分
大きければ抗ピル性繊維が得られる。英国特許
922406号では分解方法としてアルカリ処理を用
い、弱点形成方法としてスタフイングボツクス式
捲縮を用いる方法を開示している。捲瞬の折れ曲
り部とそれ以外の所の分解性の差が少ないため高
アルカリ濃度、低温、長時間を要する欠点があ
り、捲縮機の特性から弱点の存在するピツチが長
すぎるため抗ピル性は不完全であつた。特公昭48
−23120号ではこの方法を加良し、スタフイング
ボツクス式捲縮機を2回以上通すことによつて捲
縮の折れ曲がり点を光学的に異質と判定される程
度まで構造を変え、また弱点の存在するピツチを
短かくしたものである。この繊維はたしかにすぐ
れた抗ピル性を示すが、ステープルとしては捲縮
数があまりにも多すぎるため、紡績が非常に難か
しくなる欠点を有している。 特開昭54−64128号ではこのような光学的異質
部分の生成方法として、変性ポリエステル未延伸
糸を長時間放置した後水でぬらして40℃〜70℃で
熱処理した後急冷した後延伸する方法が開示され
ている。この方法の欠点は延伸速度が極めて低く
ないと光学的異質部分が生成しないことである。
実施例などに述べられている条件について検討を
加えたが延伸速度2.7m/分以上では光学的異質
部分は生成しなかつた。また変性ポリエステルを
用いていることから、それに伴なう種々の物性変
化が認められた。 このようなアルカリ処理に対する弱点を高速で
生成する方法を種々検討した結果、本発明に到達
したものである。本発明の方法によれば延伸速度
1500m/分においてもアルカリ処理に対する弱点
を極めて高密度に有する繊維が容易に得られる。
本発明によつて得られた繊維は強いきしみ感と絹
鳴りを有しており、乾いたタツチとやゝつやの消
えた外観を有している。 本発明は直径1mμないし500mμの粉体を0.5な
いし10重量%混合したポリエステルを単独もしく
は該ポリエステルが繊維表面の30%以上をおおう
ように複合して溶融紡糸し、得られた未延伸繊維
を二次転移点以下の温度で少なくとも3時間放置
し、その後該未延伸繊維の引張り試験における第
1降伏点応力の50ないし95%の張力で二次転移点
以下の温度、微細なひび割れが生成するに十分な
時間緊張処理し、しかる後延伸し、得られた繊維
を、それ以降の工程においてアルカリ性液体によ
り0.1重量%以上減量することを特徴とする抗ピ
ル性ポリエステル繊維の製造方法である。なおこ
こで引張り試験における第1降伏点応力とは、緊
張熱処理する温度で引張り試験を行なうとき、荷
重伸長曲線に最初に現われる小ピークの高さ(応
力)である。小ピークが現われない場合には、ネ
ツキング延伸が始まる時に現われるシヨルダーの
高さを第1降伏点応力とする。 本発明のポリエステルに混合する粉体の直径が
500mμ以上の場合には緊張処理時に微小なひび
割れを生成する数が少なすぎて、10%添加しても
十分に抗ピル性のある繊維は得られない。また10
%以上の粉体の添加は紡糸性を悪くするので好ま
しくない。粉体の粒子のうちで直径が1mμ以下
のものでは微小なひび割れを生成しないので好ま
しくない。粒子の直径は5mμないし200mμが好
ましく、とくに10mμないし100mμのものが好
ましい。なお粉体の形状は球状とは限らないの
で、表面積基準の相当直径を直径と呼ぶことに
し、特に断わらない限り表面積基準の平均値を示
すものとする。 本発明のポリエステルに混合する粉体として
は、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネ
シウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、けい酸カルシウ
ム、炭酸カルシウム、カーボンブラツク、酸化鉄
(ベンガラ)などが使用できるが、とくにコロイ
ダルシリカの水性ゾルがすぐれた性能を示す。粒
子は単分散が望ましいが、会合していても会合粒
子が小さければ使用できる。会合粒子が網状構造
を作ることは紡糸性を阻害するので極めて好まし
くない。同じシリカでもホワイトカーボンのよう
に網状に会合するものは0.5%以上添加するとほ
とんど紡糸不能になる。 粉体の添加量は直径が小さいほど少なくても有
効で、ひび割れ生成が容易になるが、添加量0.5
%ないし1.0%で有効な粉体の直径は10mμとな
るので、極めて取扱いが難かしくなる。添加量10
%以上では粉体の増粘作用および曳糸性阻害作用
によつて一般的に紡糸困難になる。添加量は1%
ないし7%が好ましく、最も好ましくは1.5%な
いし4.5%である。 粉体の混合を行なう工程は紡糸以前の任意の工
程を選ぶことができるが、エステル化もしくはエ
ステル変換の開始から重縮合が完了するまでの間
が望ましく、水、エチレングリコール、低級アル
コールもしくはこれらの混合物に分散して添加す
ることが望ましい。これは粉体の会合をおさえる
のに、電離性が弱く、極性の強い溶剤中に分散さ
せることが有効であるためと思われる。重縮合終
了後の添加は溶剤を除去して混合する必要がある
ため巨大な粒子になり易く好ましくない。 粉体を混合したポリエステルは本発明の抗ピル
性ポリエステル繊維の全体を構成している必要は
ない。複合紡糸法により、表面層のみに粉体を混
合したポリエステルを、芯部に普通のポリエステ
ルを複合したものでもよい。また粉体を混合した
ポリエステルと普通のポリエステルをサイドバイ
サイド型に複合してもよい。またこれ以外の種々
の複合様式の複合繊維から抗ピル性ポリエステル
繊維を作ることができる。この場合粉体を混合し
たポリエステルは繊維表面の30%以上をおおつて
いる必要がある。 溶融紡糸は紡出された未延伸糸がネツキング延
伸を起す紡糸速度で行なわなければならない。こ
れはポリエチレンテレフタレート繊維で極限粘度
0.60ないし0.62の場合には約4500m/分以下に相
当する。紡糸速度は好ましくは2500m/分以下で
ある。 紡糸した繊維は直ちに緊張処理を行なつてもよ
いが、3時間以上放置した後緊張処理を行なつた
方が良い。好ましくは4日間以上放置した後緊張
処理する。放置温度は二次転移温度以下である必
要がある。好ましくは10℃ないし50℃である。湿
度は低い方が好ましい。 放置前もしくは放置中に、従来から知られてい
るひび割れ生成性の薬剤を付着させると、放置効
果を増大させ、緊張処理に要する時間を短縮させ
る。この結果緊張処理およびそれに続く延伸の速
度を非常に大きくすることが可能になる。また延
伸以降の工程で行なうアルカリ減量が低温、低ア
ルカリ濃度で短時間の場合にも高度の抗ピル性が
得られるようになる。そのためアルカリ減量に対
して特別な工程が不要になり、染色後の還元洗浄
により抗ピル化が可能となる。また、レーヨン混
のように混紡相手の繊維がアルカリに弱い場合で
もアルカリ減量による抗ピル化が可能となる。ひ
び割れ生成剤の付着は紡糸時、巻取直前に紡糸油
剤の一成分として付着させるのが最も好ましい
が、放置中任意の段階で付着さすことができる。
付着工程に連続して緊張することが可能である
が、付着後3時間以上放置することが好ましい。
ひび割れ生成剤は多くのものが知られているポリ
エチレングリコールおよびこの誘導体のような蒸
気圧が低く無臭性で、水に易溶のものが好まし
い。 緊張処理は二次転移温度以下のの温度で行な
う。好ましくは10℃ないしは50℃である。処理時
間は1秒ないし1分程度である。この時間は紡糸
後の放置時間が長いほど短かくなる。またひび割
れ生成剤を付着させると短かくなる。従来から知
られているひび割れ生成剤を普通のポリエステル
繊維に付着させて数適間放置した原糸の緊張処理
によるひび割れ形成には5分間以上を必要とした
のに対し本発明の方法は顕著に短かく、高速化に
適する。 緊張処理によつて生じたひび割れは、それに続
く延伸によつて微小隆起線に転化する。隆起線の
高さは0.05〜0.2μ、巾は0.5〜3μ、長さは繊維
を半周程度周回するものが多い。従来から知られ
ているひび割れ生成剤を普通のポリエステル繊維
に付着させて老成し緊張処理した後延伸した繊維
ではこの隆起線はほとんど繊維軸に直交するのに
対し本発明の方法では繊維軸に対し主として60゜
〜90゜傾いたものが得られる。隆起線の密度も本
発明の方法では従来の方法にくらべて大きくする
ことができる。 延伸は緊張処理にひき続いて行なうことが好ま
しい。従来技術では緊張処理とひび割れ生成剤の
除去の二工程が、非常に時間の掛る工程であるた
め、延伸と連続して行なうよりは二工程のみを切
り離して処理し、延伸は他と共通の延伸機で実施
する方が有利であるという意思が有力であつた。
本発明では延伸前にひび割れ生成剤を除去する必
要性がなく、緊張処理に要する時間が短かいの
で、延伸と切り離す必要はない。緊張処理は固定
ガイドでしごいたりすると毛羽を生じて後の工程
に支障を来たすので、低率の延伸によることが好
ましい。このような条件から、本発明の緊張処理
および延伸は、高強度、低伸度を要求される銘柄
の延伸に従来から広く使われている二段以上の多
段延伸機を使つて実施することができる。ただし
第一段目は緊張処理であるので非常に低い延伸倍
率にする必要がある。延伸は常法のいずれの方法
でも可能であるが、熱板上で延伸する場合が、ア
ルカリ減量後に発生する弱点の密度が最も高く好
ましい。温水浴および蒸気浴延伸がこれに次ぐ。
熱ピン延伸では弱点の密度がやや少なくなり、ア
ルカリ減量の条件をやや強くしないと十分な抗ピ
いル性を示さない。熱ローラー延伸では弱点の密
度がさらに少なくなり、抗ピル性もやや劣る傾向
を示す。 緊張処理は20%以下の低率の延伸によつて与え
ることが最も好ましい。延伸率は同じでも紡糸速
度、放置時間、放置温度、ひび割れ生成剤の付着
量、緊張処理温度、緊張処理時間によつてひび割
れの生成する密度や方向分布などが変つてくるの
で緊張処理時の張力が好適であるように延伸率を
定める。緊張処理時の張力は未延伸繊維の引張り
試験における第1降伏点応力の50%ないし95%の
大きさで、一定に保たれるように定める。延伸率
が過大な場合にはネツキングが発生し張力は大き
く変動する。この条件ではネツキング部に隣接す
る未延伸部にあまりひび割れを生じないのでその
結果アルカリ減量時に弱点を生じなくなり抗ピお
ル性繊維が得られない。延伸率が過小の場合に
は、緊張処理を必要とする時間が極端に長くなる
ので好ましくない。 緊張処理はできる限り高い張力で、短時間で行
なうことが抗ピル性に対して有利である。緊張処
理は、ひび割れが生成しはじめた直後ないしひび
割れが生成しはじめるまでの時間の3倍以内の時
間で終了し、延伸を行なうことが好ましい。緊張
処理は2段以上の多段延伸の形で実施することも
可能である。装置が複雑化する難点はあるが、抗
ピル性を得るためのアルカリ減量の条件をゆるく
することができる長所を持つている。 すぐれた抗ピル性を得るためには延伸倍率は自
然延伸比の0.75倍ないし1.25倍とする必要があ
る。好ましくは1.0倍ないし1.15倍である。延伸
倍率が低すぎるとアルカリ減量以外の加工たとえ
ばヒートセツト、アイロンかけ、洗たく、漂白な
どによつて強度低下を起すようになるので好まし
くない。これらの加工はアルカリ減量と異なり、
衣服の管理上くり返し行なわれるものであるので
避けることができないものであるからである。延
伸倍率が大きすぎると、アルカリ減量時の強伸度
低下が少なくなり、抗ピル性を得るために高濃度
高温長時間のアルカリ処理が必要となる上、減量
率を大きくする必要が出て来るので好ましくな
い。なおここで延伸倍率は緊張処理時の延伸を含
めた全延伸倍率である。自然延伸比は引張り試験
機を用い、荷重伸長曲線を20℃で書かせた後、そ
のネツキング延伸相当部分について、その最も低
荷重の点を通り伸度の軸に平行した線を引き、ネ
ツキング終了後の立ち上り部の接線との交点を取
りその伸び率とする。 延伸後の繊維が有している微小隆起線の密度は
1mm当り130本以上であることが好ましい。微小
隆起線の密度が1mm当り50本程度でも抗ピル性は
得られるが、染色後の還元洗浄程度の条件で抗ピ
ル性になる繊維は微小隆起線の密度が1mm当り
130本以上のものである。 減量に用いるアルカリ性液体は、水酸化ナトリ
ウム、あるいは水酸化カリウムなど苛性アルカリ
の水溶液、炭酸ナトリウムなど加水分解により苛
性アルカリを生じる物の水溶液、これらとアルコ
ール類の混合物、アミン、苛性アルカリの水溶液
にアミンを添加したものなどである。減量に用い
る液体にはこの他に還元剤、酸化剤、界面活性
剤、洗料等を含有させることができる。減量処理
は延伸直後に行なつてもよいが製編後あるいは製
織後、布の形で行なうことが望ましい。染色前後
あるいは縫製後に行なつてもよい。 本発明に用いるポリエステルはテレフタル酸と
炭素数2、4または6のグリコールを主要な成分
とするものであるが、とくにエチレンテレフタレ
ート単位を85モル%以上含有するものであること
が望ましい。 次に本発明を実施例によつて説明する。 実施例 1 テレフタル酸とエチレングリコールをエステル
化反応率92%まで反応させた液に重縮合触媒およ
び直径45mμのコロイダルシリカの水性分散液を
添加して高真空下で重縮合し、シリカ含有率2.9
%、フエノールテトラクロルエタン等量混合物で
測定した極限粘度が0.64のポリエステルを得た。 このポリエステルを常法により溶融紡糸し、
1000m/分で巻取つて2000デニール/192フイラ
メントの未延伸糸を得た。この未延伸糸を28℃の
室内に28日間放置した後800gの張力で30℃の室
内で3秒間緊張処理した後140℃の熱板上で30倍
に延伸した。緊張処理を含めて、全延伸倍率は
3.3倍であつた。なおこの繊維の自然延伸比は
2.95倍であつた。 得られた繊維は強度4.1g/d、伸度31.7%で
側面には1mm当り220本の微小隆起線を有してい
た。この繊維に捲縮を与え給油、熱セツト、切断
を行ない3デニール×76mmのステープルとした。
この繊維6部に対し高収縮ポリエステル繊維4部
を加えて紡績し、48番手の梳毛紡糸を得た。かせ
状でかさ出し処理と染色を行なつた後、水酸化ナ
トリウム8g/、ハイドロサルフアイト2g/
、アミラジン(界面活性剤)1g/の浴で45
分間還元洗浄を行なつた。この糸を天竺組織に編
立ててICI式ピリングテスターで5分間後の抗ピ
ル性を測定したところ5級を示した。なおこの繊
維のかわりに普通のポリエステルステープルを用
い、同様の加工を行なつたものの抗ピル性は2級
であつた。 実施例 2 実施例1の紡糸後の繊維にポリエチレングリコ
ール(分子量1000)シラウレートを1%付着させ
た後4日後および28日後に緊張処理を行なつた後
延伸した。4日後の繊維は実施例1とほとんど同
じ性質を示した。28日後の繊維は緊張処理時間18
秒で十分であり、アルカリ減量後の抗ピル性は良
好であつた。 実施例 3 実施例1の紡糸後の繊維を種々の条件で放置
し、緊張を加えた後延伸し、実施例1と同様にし
てステープルに加工し、紡績、かさ出し、染色、
減量加工、製編を行なつた後抗ピル性を調べたと
ころ次表のような結果が得られた。
【表】
【表】 比較例 1 実施例1のポリエステルのかわりにコロイダル
シリカを添加せずに作つたポリエステル未延伸繊
維について、種々の条件で放置、緊張処理を加え
た後延伸し、1%前後のアルカリ減量を行なつた
ところ、次の表のような結果が得られた。なお紡
糸速度、ポリマー粘度、デニールは実施例1と同
一である。
【表】
【表】 実施例 4 実施例1のコロイダルシリカのかわりに種々の
粉体を添加して紡糸し実施例1と同様の処理、加
工を行なつて抗ピル性を調べた結果を次の表に示
す。
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 1mμないし500mμの直径を持つ粉体を0.5な
    いし10重量%混合したポリエステルを単独もしく
    は該ポリエステルが繊維表面の30%以上をおおう
    ように複合して溶融紡糸し、該紡糸後の未延伸繊
    維を二次転移点以下の温度で少なくとも3時間放
    置し、その後該未延伸繊維の引張り試験における
    第1降伏点応力の50%ないし95%の張力で、二次
    転移点以下の温度で微細なひび割れが生成するに
    十分な時間緊張処理し、しかる後延伸し、得られ
    た繊維をそれ以降の工程においてアルカリ性液体
    により0.1重量%以上減量することを特徴とする
    抗ピル性ポリエステル繊維の製造方法。 2 緊張処理時間が60秒以内であることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の抗ピル性ポリエ
    ステル繊維の製造方法。 3 延伸倍率が自然延伸比の0.75倍ないし1.25倍
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項ま
    たは第2項記載の抗ピル性ポリエステル繊維の製
    造方法。
JP11863579A 1979-09-14 1979-09-14 Production of pilling-resistant polyester fiber Granted JPS5643421A (en)

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