JPS6259455B2

JPS6259455B2 -

Info

Publication number: JPS6259455B2
Application number: JP54095185A
Authority: JP
Inventors: Iwao Unuma; Nobuhiro Miura; Minoru Iba
Original assignee: TDK Corp
Current assignee: TDK Corp
Priority date: 1979-07-26
Filing date: 1979-07-26
Publication date: 1987-12-11
Also published as: JPS5619615A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は送配電系統に使用されるガス遮断器あ
るいは避雷器などの内部に組込まれる分圧用高電
圧磁器コンデンサおよびその製造方法に関する。

第１図および第２図は、この種の高電圧磁器コ
ンデンサの従来例を示している。まず第１図に示
すものは、誘電体磁器ブロツク１の厚み方向の両
面に、外周との間にギヤツプg₁を有して電極２，
３を設け、該電極２，３の内側の表面上に電極金
具端子４，５を固着して構成された磁器コンデン
サブロツク６を、電圧に応じて複数個用意し、こ
れらを、前記電極金具端子４，５間をネジ接合す
ることにより多段に接続した構造となつている。

次に第２図に示すものは、誘電体磁器ブロツク
１の両面の全面に、電極２，３を設けた磁器コン
デンサブロツク６を、前記電極２，３間にたとえ
ば導電性接着層７を介して多段に接続し、両端に
位置する磁器コンデンサブロツク６の電極２また
は３に、該電極２または３より小径の電極金具４
または５を接続した構造となつていた。

しかし上述のような構造であると、磁器コンデ
ンサブロツク６のそれぞれをネジ接合もしくは接
着するための工程が必要になり、組立作業性が悪
く、コスト高になる欠点を生じる。

また電極金具４，５が磁器コンデンサブロツク
６の外周よりは内側に位置するため、倒れた場合
等には誘電体磁器ブロツク１に直接衝撃が加わ
り、誘電体磁器ブロツク１または電極２，３が破
損したりまたは割れたりすることがあつた。

さらに電極２，３を誘電体磁器ブロツク１の外
周よりギヤツプg₁だけ内側に形成してある（第１
図）ため、磁器貫層破壊電圧が低く、磁器ブロツ
ク１の厚さを必要以上に厚くしなければならず、
小形化やコストの面で不利になる欠点がある。す
なわち、電極２，３を誘電体磁器ブロツク１の外
周よりギヤツプg₁だけ内側に設けた場合、電極
２，３の縁端効果で、第３図ａに示すように、電
極２，３の縁端に電気力線が集中するため磁器貫
層破壊電圧が第３図ｂに示すように、ギヤツプg₁
が大きくなる程小さくなるのである。

また、第２図に示すように、電極２，３を磁器
ブロツク１の両面の全面に設けた場合には、第３
図から理解されるように、ギヤツプg₁を設けた場
合よりは、破壊電圧を高く取れる。しかしなが
ら、磁器ブロツク１の外周面は、第４図に拡大し
て示すように、完全な平滑面とはなし得ず、若干
の凹凸を生じるため、この凹凸が電極２，３に対
する実質的なギヤツプとして働く。この凹凸は１
mm以内で変動するものであるため、第３図に示す
ように、破壊電圧値が大幅に変動してしまい、品
質の一定したものを提供できないという欠点があ
る。

本発明は上述する諸欠点を一掃し、機械的衝撃
に対する強度、破壊電圧レベルが高く、しかも組
立が容易で安価な高電圧磁器コンデンサを提供す
ることを目的とする。

上記目的を達成するため、本発明に係る高電圧
磁器コンデンサは、相対向する両端面の略全面に
電極を形成した複数個の磁器コンデンサブロツク
を直列多段に接合して構成され、接合方向の両端
に位置する磁器コンデンサブロツクの外側の電極
面上に、該磁器コンデンサブロツクの外径よりは
大きい外径を有する電極金具を、全外周縁が前記
磁器コンデンサブロツクの全外周縁より外側に突
出するように、略同心状に固着したことを特徴と
する。

また、本発明に係る高電圧磁器コンデンサの製
造方法は、導電性接着ペーストを塗布した一の磁
器コンデンサブロツク上に、導電性接着ペースト
を塗布した他の磁器コンデンサブロツクを、前記
両磁器コンデンサブロツクに塗布された前記導電
性接着ペーストの溶剤が乾燥しない間に、前記ペ
ースト塗布面を互いに向き合わせて順次重ね合わ
せ、その後焼付することにより、金属電極を形成
すると同時に、前記磁器コンデンサブロツク相互
を固着することを特徴とする。

以下実施例たる添付図面を参照し、本発明の内
容を具体的に詳説する。

第５図は本発明に係る高電圧磁器コンデンサの
断面図である。図において、第１図、第２図と同
一の参照符号は機能的に同一性ある構成部分を示
している。この実施例では、電極２，３を間に挾
んで複数個の磁器コンデンサブロツク６を多段に
重ね、重ね方向の両端に位置する磁器コンデンサ
ブロツク６の電極２または３に、磁器コンデンサ
ブロツク６より大径の電極金具４，５を半田付け
等の手段によつて固着してある。磁器コンデンサ
ブロツク６のそれぞれは、互に対接する電極２，
３で互に固着してあり、また磁器コンデンサブロ
ツク６の全体は、防湿、絶縁用の樹脂８によつて
被覆してある。

上述のように、重ね方向の両端に位置する磁器
コンデンサブロツク６上に、これより大径の電極
金具４，５を固着すると、次のような効果を得る
ことができる。

(1) 機械的強度の大きい電極金具４，５の外周
が、磁器コンデンサブロツク６の外周より外側
に突出するので、当該高電圧磁器コンデンサが
倒れた場合、衝撃が磁器コンデンサブロツク６
に直接加わるといつた事態を避けることがで
き、磁器コンデンサブロツク６、電極２，３の
破損、割れなどを有効に防止することが可能と
なる。

(2) 磁器ブロツク１の外周面に、第４図に示すよ
うな凹凸があつたとしても、その凹凸分は電極
金具４，５によつてカバーされるので、凹凸に
よるギヤツプ作用が打消され、実質的にギヤツ
プのない理想状態に近づく。この結果、少なく
とも両端部に位置する磁器コンデンサブロツク
６内部の不平等電界あるいは縁端効果が緩和さ
れ、その破壊電圧が第３図のギヤツプg₁＝０の
非常に高い値で安定することとなる。

前記電極金具４，５の縁端は、電界が集中し
ないように丸味Ｒをもたせてあり、これによつ
ても破壊電圧が高くなる。また電極金具４，５
の外径は、一般的なものでは、その外周が磁器
コンデンサブロツク６の外周から、たとえば０
〜数ミリメートルだけ突出するような寸法に定
めるのが望ましい。

次に上記構造の高電圧磁器コンデンサの製造方
法について説明する。第６図はその製造工程を説
明する図である。

まず第６図ａに示すように、誘電体磁器ブロツ
ク１A₁の両面に銀ペースト等の導電性接着ペー
スト２A₁，３A₁をスクリーンプロセス印刷法等
により印刷塗布する。

次に第６図ｂに示すように、この誘電体磁器ブ
ロツク１A₁上に、これと同様にして導電性接着
ペースト２A₂，３A₂を印刷塗布した他の誘電体
磁器ブロツク１A₂を、互の導電性接着ペースト
２A₁，３A₂の溶剤が乾燥しない間に、導電性接
着ペースト塗布面を互に対接させて順次重ね合わ
せる。この重ね合わせ作業は必要とする誘電体磁
器ブロツク数だけ繰返し行なう。

次にこの重ね合わせた状態で通炉することによ
り、800℃近傍で焼付ける。すると互に対接して
いる導電性接着ペースト２A₁，３A₂が互に固着
一体化され、金属電極が形成され、誘電体磁器ブ
ロツク同志が互に強固に接合される。両端に現わ
れる導電性接着ペースト３A₁，２A₂も焼付け固
定される。

次に、電極金具端子４，５や樹脂８など、必要
な部分を設け、これによつて第５図に示した完成
品を得ることとなる。

上述のように本発明製造方法によれば、導電性
接着ペーストの焼付による金属電極の形成と同時
に、誘電体磁器ブロツク同志を機械的に強固に接
合することができるので、従来必要であつたネジ
止め工程や、接着剤塗布工程が省略でき、製造工
程が簡素化され、コストダウンが図られる。

第７図は本発明に係る高電圧磁器コンデンサの
他の実施例を示している。

この実施例では、隣り合う磁器コンデンサブロ
ツク６の接合部分の電極２，３間にも、磁器コン
デンサブロツク６の外径より大径の中間電極金具
９を設けたことである。

上述のような構造であると、中間電極金具９
が、前述の電極金具端子４，５と同様に、磁器コ
ンデンサブロツク６における不平等電界あるいは
縁端効果を緩和する働きをなすので、各磁器コン
デンサブロツク６の破壊電圧が高くなり、全体と
しての破壊電圧が飛躍的に高くなる。

また、外部からの衝撃に対しても、中間電極金
具９のそれぞれが防護体として働くので、衝撃に
対する機械的強度が一層大きくなる。

この高電圧磁器コンデンサを、第６図ａ，ｂに
おいて説明した本発明製造方法によつて製造する
には、第６図ｂの工程において、誘電体磁器ブロ
ツク１A₁と１A₂との間に、中間電極金具９を挾
んで重ね合わせ、以下同様の処理工程を通せばよ
い。

以上述べたように、本発明に係る高電圧磁器コ
ンデンサは、相対向する両端面の略全面に電極を
形成した複数個の磁器コンデンサブロツクを直列
多段に接合して構成され、接合方向の両端に位置
する磁器コンデンサブロツクの外側の電極面上
に、該磁器コンデンサブロツクの外径よりは大き
い外径を有する電極金具を、全外周縁が前記磁器
コンデンサブロツクの全外周縁より外側に突出す
るように、略同心状に固着してなるので、次のよ
うな効果を得ることができる。

(a) 電極金具が倒れた場合の防護体となり、磁器
コンデンサブロツク及び電極の破損、割れ等を
確実に防止し得る高電圧磁器コンデンサを提供
できる。

(b) 電極金具により磁器コンデンサブロツクの外
周の凹凸が吸収され、実質的に電極ギヤツプが
零の状態で動作するようになる。このため、破
壊電圧の高い高信頼度及び高品質の高電圧磁器
コンデンサを提供できる。

また、本発明に係る高電圧磁器コンデンサの製
造方法は、導電性接着ペーストを塗布した一の磁
器コンデンサブロツク上に、導電性接着ペースト
を塗布した他の磁器コンデンサブロツクを、前記
両磁器コンデンサブロツクに塗布された前記導電
性接着ペーストの溶剤が乾燥しない間に、前記ペ
ースト塗布面を互いに向き合わせて順次重ね合わ
せ、その後焼付することにより、金属電極を形成
すると同時に、前記磁器コンデンサブロツク相互
を固着することを特徴とするから、従来必要であ
つたネジ止め工程や、接着剤塗布工程を省略で
き、製造工程を簡素化し、コストダウンを達成で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来の高電圧磁器コンデンサ
の断面図、第３図ａは第１図に示した高電圧磁器
コンデンサの欠点を説明する図、第３図ｂは同じ
く破壊電圧特性図、第４図は第２図に示した高電
圧磁器コンデンサの欠点を説明する部分拡大図、
第５図は本発明に係る高電圧磁器コンデンサの断
面図、第６図ａ，ｂは同じくその製造工程を説明
する図、第７図は同じく他の実施例における断面
図である。１……誘電体磁器ブロツク、２，３……電極、
４，５……電極金具、６……磁器コンデンサブロ
ツク、９……中間電極金具。

Claims

【特許請求の範囲】１相対向する両端面の略全面に電極を形成した
複数個の磁器コンデンサブロツクを直列多段に接
合して構成され、接合方向の両端に位置する磁器
コンデンサブロツクの外側の電極面上に、該磁器
コンデンサブロツクの外径よりは大きい外径を有
する電極金具を、全外周縁が前記磁器コンデンサ
ブロツクの全外周縁より外側に突出するように、
略同心状に固着したことを特徴とする高電圧磁器
コンデンサ。２隣り合う前記磁器コンデンサブロツクの電極
間に、前記磁器コンデンサブロツクの外径よりは
大きい外径を有する電極金具を、外周縁が前記磁
器コンデンサブロツクの外周縁より突出するよう
に、略同心状に介在させ、かつ、固着したことを
特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の高電圧
磁器コンデンサ。３前記電極金具は縁端に丸みを有することを特
徴とする特許請求の範囲第１項または第２項に記
載の高電圧磁器コンデンサ。４導電性接着ペーストを塗布した一の磁器コン
デンサブロツク上に、導電性接着ペーストを塗布
した他の磁器コンデンサブロツクを、前記両磁器
コンデンサブロツクに塗布された前記導電性接着
ペーストの溶剤が乾燥しない間に、前記ペースト
塗布面を互いに向き合わせて順次重ね合わせ、そ
の後焼付することにより、金属電極を形成すると
同時に、前記磁器コンデンサブロツク相互を固着
することを特徴とする高電圧磁器コンデンサの製
造方法。