JPS625922Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はサスペンシヨンの上部を車体に連結す
べく支持する構造に関し、更に詳しくはシヨツク
アブソーバと該シヨツクアブソーバを囲んで配置
されるコイルばねとを備えるサスペンシヨンの上
部を支持する構造に関する。

シヨツクアブソーバとコイルばねとを備えるサ
スペンシヨンでは、このサスペンシヨンの上部を
車体へ連結すべく支持する、いわゆるアツパサポ
ートに、シヨツクアブソーバ及びコイルばねから
個別に振動が伝達されるので、この振動は個別の
クツシヨンによつて防振することが好ましい。加
えるに、前記振動とは関係ないが、アツパサポー
トの取付部が車室内にあるときには、車体と取付
金具の接触部においてそれぞれの接触面に十分滑
らかな平面を備えることは困難であり、車体とア
ツパサポートとの間のすきまから水等が車室へ浸
入するのを防止するために、シールを施すことが
必要となる。そして、前記アツパサポートはシー
ルをも含めて、低コストで製造されることが好ま
しい。

従つて、本考案の目的はシヨツクアブソーバ及
びコイルばねの振動を個別に防振できると共に完
全なシール部を備え、しかも製作コストを低減で
きるサスペンシヨンの上部の支持構造を提供する
ことにある。

本考案はシヨツクアブソーバと該シヨツクアブ
ソーバを囲んで配置されるコイルばねとを備える
サスペンシヨンの上部を車体に連結すべく支持す
る構造であつて、垂直方向に伸びる筒部と該筒部
の下端から径方向の外方へ伸び、前記車体に固定
されるフランジ部とを有する取付金具と、前記シ
ヨツクアブソーバのピストンロツド上部を貫通さ
せる第１の金具と、前記コイルばねの上端が接す
る接触部を有し、前記第１の金具の外周面に接着
される第１のゴム層と、該ゴム層の外周面に接着
され、前記接触部を介して前記コイルばねの上端
を係止する第２の金具と、該第２の金具の外周面
及び前記取付金具の前記筒部の内周面にそれぞれ
接着される本体部と該本体部から前記筒部の上端
を巻いて該筒部の外周面に伸び、該外周面に接着
されるシール部とを一体に有する第２のゴム層と
を含む。

自動車の走行中にシヨツクアブソーバから伝え
られる振動は主として第１のゴム層によつて、ま
たコイルばねから伝えられる振動は主として第２
のゴム層によつてそれぞれ防振される。この第２
のゴム層は取付金具の筒部の上端を巻いて伸びる
シール部を一体に有するので、シール性は極めて
よく、しかも製造コストを低減できる。

以下に、図面を参照して本考案の実施例につい
て説明する。

本考案はシヨツクアブソーバ１０とコイルばね
１２とを備えるサスペンシヨンの上部を支持する
構造であつて、取付金具１４と、第１の金具１６
と、第１のゴム層１８と、第２の金具２０と、第
２のゴム層２２とを含む。

取付金具１４はシヨツクアブソーバ１０の軸線
方向に伸びる筒部２４とこの筒部２４の下端から
径方向の外方へ伸びるフランジ部２６とを一体に
有する。このフランジ部２６はボルト２８、ナツ
ト２９により車体３０に固定される。

第１の金具１６は円筒材によつて形成され、シ
ヨツクアブソーバ１０のピストンロツド３２の上
部３３を貫通させ、ピストンロツド３２の肩３４
に係止されたワツシヤ３５と、ワツシヤ３６とに
挾持され、ナツト３７によりピストンロツド３２
に取り付けられる。

第１のゴム層１８は第１の金具１６の外周面１
７に接着される本体部３８と、この本体部３８の
外周縁から下方へ伸びるスカート部３９と、スカ
ート部３９の下端に連なる接触部４０とを一体に
有し、この接触部４０にコイルばね１２の上端が
接する。接触部４０はコイルばね１２の上端を受
け入れる凹面４１を全周にわたつて備えることが
好ましい。

第２の金具２０は３つの筒部を２つのなだらか
な湾曲部によつて接続した形状を呈しており、第
１のゴム層１８の外周面４２に接着される。この
第２の金具２０は第１のゴム層１８の接触部４０
を介してコイルばね１２の上端を係止する。コイ
ルばね１２の下端はシヨツクアブソーバ１０のア
ウタシエル４４に取り付けられたばねシート（図
示せず）に係止される。

第２のゴム層２２は本体部４６と、シール部４
７とを一体に有し、本体部４６が第２の金具２０
の外周面２１及び取付金具１４の筒部２４の内周
面５０に接着される。シール部４７は本体部４６
から筒部２４の上端を巻いて該筒部の外周面５１
に伸び、この外周面５１に接着される。シール部
４７は図示のように、取付金具１４のフランジ部
２６までわたり、しかも、コーナ部に凹凸面５２
を備えることが好ましい。この凹凸面５２は支持
構造を車体３０に連結したとき、車体３０のアー
ル部分によつて押しつぶされ、シール性を一層高
める。

取付金具１４、第１の金具１６及び第２の金具
２０は別個に成形され、その後、図示のように配
置してゴム加硫成形と同時にゴムと加硫接着され
る。

本考案によれば、シヨツクアブソーバから伝え
られる振動は主として第１のゴム層によつて、ま
たコイルばねから伝えられる振動は主として第２
のゴム層によつて防振できる。

また、第２のゴム層は取付金具の筒部の上端を
巻いてその外周面に伸び、外周面に接着されるシ
ール部を一体に有するので、シール効果がきわめ
て良い。例えば、シール部のみを筒状のものとし
て個別に成形し、取付金具の箇所に嵌合しても、
シール効果は期待できるが、これではシール部が
ゴム層と別体のため、支持構造体を輸送の際又は
車体へ組み付ける際に正規の位置からずれること
があり、シールが不十分となるおそれがある。し
かも、シール部を別体で成形すると、このシール
部を成形し、その後取付金具に嵌合するという工
程が不可欠となり、製造コストが高くなるが、本
考案では、シール部のみを個別に成形するもので
はないので、製造コストを低減できる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案に係る支持構造の断面図である。 １０：シヨツクアブソーバ、１２：コイルば
ね、１４：取付金具、１６：第１の金具、１８：
第１のゴム層、２０：第２の金具、２２：第２の
ゴム層、４０：接触部、４６：本体部、４７：シ
ール部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シヨツクアブソーバと該シヨツクアブソーバを
   囲んで配置されるコイルばねとを備えるサスペン
   シヨンの上部を車体に連結すべく支持する構造で
   あつて、前記シヨツクアブソーバの軸線方向に伸
   びる筒部と該筒部の下端から径方向の外方へ伸
   び、前記車体に固定されるフランジ部とを有する
   取付金具と、前記シヨツクアブソーバのピストン
   ロツド上部を貫通させる第１の金具と、前記コイ
   ルばねの上端が接する接触部を有し、前記第１の
   金具の外周面に接着される第１のゴム層と、該ゴ
   ム層の外周面に接着され、前記接触部を介して前
   記コイルばねの上端を係止する第２の金具と、該
   第２の金具の外周面及び前記取付金具の前記筒部
   の内周面にそれぞれ接着される本体部と該本体部
   から前記筒部の上端を巻いて該筒部の外周面に伸
   び、該外周面に接着されるシール部とを一体に有
   する第２のゴム層とを含む、サスペンシヨンの上
   部の支持構造。