JPS62582Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、魔法瓶等の液体容器におけるハンド
ル取付構造に関するものである。

この種の液体容器において、本体外周面を構成
する外ケースと本体上面を構成する下口部材と
を、両者の接合部を下方から支持する補強部材に
よつて結合するようにしたものがあるが、このよ
うな構造の液体容器に本体吊持用のハンドルを取
付けるには、該ハンドルの取付軸を外ケース上部
に軸支するのが普通である。

ところが、従来のハンドル取付構造は、ハンド
ル取付軸を外ケースのみに軸支し且つ該取付内端
に抜け止め用のＥリングを装着した構成となつて
いたため、狭隘な個所でのＥリング取付作業がむ
づかしいばかりでなく、取付軸の軸支状態が不安
定で確実性に劣るという問題点があつた。

本考案は、上記問題点の解消を目的とするもの
であり、かかる目的達成のため、下口部材を補強
部材によつて固定して本体を構成し且つ該本体前
面に、本体内の液体を外部へ導出するための導出
管を被覆保護すべきパイプカバーを取付けるとと
もに、前記本体を吊持するためのハンドル両端の
取付軸を前記補強部材に対して回動自在に枢支す
るようにした液体容器において、前記ハンドルの
回動範囲を、前記パイプカバー当接位置と本体背
面当接位置との間となすとともに、前記補強部材
に、前記パイプカバーの取付前において前記ハン
ドルが本体前面に当接あるいは近接した状態で前
記取付軸が嵌挿可能とされ且つ前記パイプカバー
の取付後において前記ハンドル回動範囲のいずれ
においても前記取付軸が係合抜け止めされる係合
穴を形成した構成を特徴とする。

以下添付の図面に示す各実施例に基づいて本考
案の液体容器のハンドル取付構造を説明する。

第１図ないし第３図には、本考案の実施例が示
されている。

図において、符号１は液体容器（本実施例では
魔法瓶）の本体、２は本体１に対して開閉自在に
枢着された蓋体、３は本体１の外周面を構成する
外ケース、４は本体１の上部を構成する下口部
材、５は本体１内に配設された真空二重瓶製の液
容器、６は本体１を吊持するためのＵ字形のハン
ドルをそれぞれ示している。

前記本体１は、下口部材４の周縁下面に対して
外ケース３の上端縁に形成した鍔部３ａを当接
し、該鍔部３ａの下面を外ケース３内にあつて前
記下口部材４に支持された環状の補強部材７によ
つて押圧支持することによつて構成されている。

この補強部材７は、下口部材４下面に垂設され
たネジ筒８に下方から螺合されるネジリング９に
よつて支持されている。

また、前記本体１の前面には、該本体１内の液
体を外部へ導出するための導出管を被覆保護する
ためのパイプカバー１５が設けられている。

つづいてハンドル取付構造について詳述する
が、以下の説明ではハンドル６の一方の端部の取
付構造を説明し、他方の端部については、同構送
なのでその説明を省略する。

前記外ケース３上部には、ハンドル取付用の取
付穴１０が形成され、又前記補強部材７には、前
記取付穴１０と対応する位置に係合穴１１が形成
されている。

該係合穴１１は、第２図図示の如く円形部１１
ａの上部に扇形部１１ｂを連続形成した形状を呈
しており、該扇形部１１ｂの外周径は前記取付穴
１０と略同径とされている。

前記取付穴１０には、ハンドル軸支用のブツシ
ユ１２が嵌挿固定され、該ブツシユ１２先端に突
設された突起１２ａを前記係合穴１１の扇形部１
１ｂに係入せしめることによつてブツシユ１２は
回り止めされている。

前記ブツシユ１２の外端外周には、前記取付穴
１０の口縁部外面と係合する鍔部１２ｂが一体に
突設されている。

一方、本体吊持用のハンドル６の端部には、前
記ブツシユ１２に回動自在に嵌挿される取付軸１
３が一体に突設されている。

該取付軸１３は、ブツシユ１２の内径と略同径
の大径部１３ａと、前記係合穴１１の円形部１１
ａと略同径の小径部１３ｂとによつて構成されて
いる。

該取付軸小径部１３ｂの先端部には、係合穴１
１の扇形部１１ｂに対してブツシユ１２を通つて
貫通され且つ取付軸１３の回動操作時に係合穴１
１の口縁内面に係合して抜け止め作用を行なう突
片１４が一体に突設されている。

該突片１４は、ハンドル６がパイプカバー１５
を組付ける前の本体１前面側の外ケース３に当接
あるいは近接する位置（第３図において符号Ａで
示す位置）にある時にのみ係合穴１１の扇形部１
１ｂと合致するように形成されている。

次に第３図を参照して図示のハンドルの取付順
序を説明する。

パイプカバー１５を本体１前面に組付ける前
に、外ケース３の取付穴１０にブツシユ１２を嵌
挿した後、ハンドル６を本体１前面に当接あるい
は近接する位置（符号Ａで示す位置）にして、取
付軸１３をブツシユ１２を介して係合穴１１に嵌
挿する。この時、取付軸１３の突片１４が係合穴
１１の扇形部１１ｂに合致する。その後、ハンド
ル６を直立状態（符号Ｂで示す位置）迄回動させ
て、本体１前面にパイプカバー１５を組付ける
と、ハンドル６は、本体１の後面に当接する位置
（符号Ｃで示す位置）からパイプカバー１５に当
接する位置（符号Ｄで示す位置）の範囲内にて回
動されることとなり、その間においては、取付軸
１３の突片１４は常に係合穴１１の円形部１１ａ
の口縁内面に係合され、取付軸１３の抜け止めを
行なうのである。

かかる構造においては、取付軸１３は、外ケー
ス３と補強部材７とに跨つて軸止されることとな
り、確実且つ強固に取付けられるのである。

続いて、本考案の液体容器のハンドル取付構造
の効果を述べる。

本考案によれば、本体１を吊持するためのハン
ドル６の回動範囲を、本体１前面に設けられたパ
イプカバー１５への当接位置と本体１背面への当
接位置との間となすとともに、下口部材４を固定
するための補強部材７に、前記パイプカバー１５
の取付前において前記ハンドル６が本体１前面に
当接あるいは近接した状態で該ハンドル６両端の
取付軸１３，１３が嵌挿可能とされ且つ前記パイ
プカバー１５の取付後において前記ハンドル回動
範囲のいずれにおいても前記取付軸１３，１３が
係合抜け止めされる係合穴１１，１１を形成した
ので、本体１の組立工程、即ち本体１へのパイプ
カバー１５の組立工程を利用してハンドル６が取
付けられることとなり、ハンドル６の組付作業が
極めて簡易となるという実用的な効果がある。

また、一旦取付けた後においては、パイプカバ
ー１５を取り外さないかぎり、ハンドル６がはず
れることがなくなるところから、ハンドル取付構
造が極めて確実強固となるという効果もある。

更にハンドル取付用として、特別な部材が不要
となり、部品点数の低減による組付工数の簡略化
が図れるという利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例にかかるハンドル
取付構造を有する液体容器の要部を開示した上部
正面図、第２図は第１図の要部分解斜視図、第３
図は、第１実施例におけるハンドルの取付順序説
明のための側面図である。 １……本体、３……外ケース、４……下口部
材、６……ハンドル、７……補強部材、１０……
取付穴、１１……係合穴、１５……パイプカバ
ー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下口部材４を補強部材７によつて固定して本体
   １を構成し且つ該本体１前面に、本体１内の液体
   を外部へ導出するための導出管を被覆保護すべき
   パイプカバー１５を取付けるとともに、前記本体
   １を吊持するためのハンドル６両端の取付軸１
   ３，１３を前記補強部材７に対して回動自在に枢
   支するようにした液体容器において、前記ハンド
   ル６の回動範囲を、前記パイプカバー１５当接位
   置と本体１背面当接位置との間となすとともに、
   前記補強部材７には、前記パイプカバー１５の取
   付前において前記ハンドル６が本体１前面に当接
   あるいは近接した状態で前記取付軸１３，１３が
   嵌挿可能とされ且つ前記パイプカバー１５の取付
   後において前記ハンドル回動範囲のいずれにおい
   ても前記取付軸１３，１３が係合抜け止めされる
   係合穴１１，１１を形成したことを特徴とする液
   体容器のハンドル取付構造。