JPS6258056B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は磁気再生装置のサーボ回路に係り、高
速再生モード時に基準信号をドラムモータの回転
検出信号に位相同期せしめ、キヤプスタンモータ
の回転位相をこの基準信号に同期せしめることに
より、ドラムモータの回転とキヤプスタンモータ
の回転が位相同期して高速再生モード時に発生す
るノイズバーが画面の一定位置に固定されて目視
しやすい再生画面となる磁気再生装置のサーボ回
路を提供することを目的とする。

映像信号を磁気テープにその長手方向上斜めの
トラツクで記録し、これを再生する磁気記録再生
装置において、記録時には映像信号の垂直同期信
号の記録位置が斜めの平行な記録トラツクの端部
に揃い、再生時にはヘツドが記録トラツクを正確
に走査する必要がある。このため、一般にこの種
のいわゆるヘリカルスキヤン型磁気記録再生装置
（以下単に磁気記録再生装置という）において
は、回転ヘツドの回転速度を制御する速度制御ル
ープとその回転位相を制御する位相制御ループと
よりなるヘツドサーボ回路と、磁気テープを走行
させるキヤプスタンの回転速度を制御する速度制
御ループとその回転位相を制御する位相制御ルー
プとよりなるキヤプスタンサーボ回路とがある。

ノーマル再生時においては、ヘツドサーボ回路
の位相制御ループによつて回転ヘツドの回転に応
じて検出された比較信号を基準信号と位相比較し
て得た位相誤差信号で回転ヘツドの回転位相を基
準信号に同期させており、更に、キヤプスタンサ
ーボ回路の位相制御ループによつて再生されたコ
ントロールパルスを上記基準信号と位相比較して
得た位相誤差信号でキヤプスタンの回転位相を基
準信号に同期させている。これによつて再生され
たコントロールパルスつまりキヤプスタンモータ
の回転は回転ヘツドの回転と位相同期がとれた状
態にある。

一方、磁気記録再生装置において、磁気テープ
をノーマル再生時の例えば７倍程度の高速で記録
時と同方向（順方向）又は逆方向に走行させ、回
転ヘツドにより再生を行ないつゝ所望記録位置を
検索する高速サーチ再生を行なうことがある。こ
の高速サーチ再生の際上記の如く磁気テープは順
方向又は逆方向に高速で走行するため、この高速
サーチ再生時の回転ヘツドと磁気テープとの相対
走査線速度はノーマル再生時のそれとは異なる。
このため、高速サーチ再生時の再生映像信号の水
平走査周波数がノーマル再生時の正規のそれとは
異なり、この再生信号をテレビジヨン受像機に供
給しても、再生画面の水平周期がはずれて正常な
再生画像が得られない。

そこで、この高速サーチ再生時においても水平
同期のとれた再生画像をうるために再生映像信号
の水平走査周波数がノーマル再生時のそれ（例え
ば映像信号がNTSC方式カラー映像信号の場合
15.734kHz）と同じになるように再生を行なう必
要がある。このためには、高速サーチ再生時にお
いて回転ヘツドをテープの走行方向に応じてノー
マル再生時の回転より速めて又は遅らせて回転さ
せる必要がある。即ち高速サーチ再生時のテープ
走行方向がノーマル再生時の走行方向と同方向
（順方向）の時は回転ヘツドをノーマル再生時の
回転速度より大なる速度で回転させ、逆方向の時
は小なる速度で回転させる必要がある。そこで、
上記ヘツドサーボ回路において、高速サーチ再生
時には位相制御ループを遮断し、かつ再生水平同
期信号の水平走査周波数を周波数／電圧変換して
得た電圧を回転ヘツドを回転させるモータ（以下
ドラムモータという）に印加する回路構成として
ある。これにより、高速サーチ再生時において
も、その回転ヘツドと磁気テープとの相対走査線
速度がノーマル再生時のそれと同じになるよう、
回転ヘツドはその回転を制御される。

このように高速サーチ再生時には位相制御ルー
プが遮断されるため、回転ヘツドの回転と基準信
号との位相同期がとれず、再生されたコントロー
ルパルスと回転ヘツドの回転との位相同期がとれ
なくなる。このため、高速サーチ再生時に、回転
ヘツドが磁気テープ上のアジマス角度の異なるト
ラツクを再生するとき再生画面上に生ずるノイズ
バーが再生画面の上下方向に移動し、非常に見辛
いという欠点があつた。このため、ヘツドサーボ
回路の回転ヘツドの回転に応じて検出された比較
信号とキヤプスタンサーボ回路の再生されたコン
トロールパルスとを直接位相比較して回転ヘツド
の回転とキヤプスタンモータの回転を位相同期さ
せることも考えられるが、この場合は、ノーマル
再生時と高速再生時の回路構成が異なるため、多
くの切換回路を必要とし、回路構成が複雑となる
欠点がある。また、回路を簡単にするためノーマ
ル再生時にもヘツドサーボ回路の回転ヘツドの回
転に応じて検出された比較信号とキヤプスタンサ
ーボ回路の再生されたコントロール信号とを直接
位相比較して回転ヘツドの回転とキヤプスタンモ
ータの回転を位相同期させてもよいが、ノーマル
再生時において回転ヘツドの回転の不安定さがキ
ヤプスタンサーボ系に悪影響を与え、キヤプスタ
ンモータの回転が不安定になるという欠点があ
る。

本発明は上記の欠点を除去したものであり、以
下図面と共にその一実施例につき説明する。

第１図は本発明になる磁気再生装置のサーボ回
路の一実施例のブロツク系統図を示す。同図中、
１はドラムモータで、ヘリカルスキヤン型磁気記
録再生装置の例えば２個の回転ヘツドを記録時、
ノーマル再生時等では1800rpmで回転する直流モ
ータである。このドラムモータ１の回転速度は周
波数発電機（FG）２により回転速度に比例した
周波数に変換され、またドラムモータ１の回転位
相はドラムピツクアツプヘツド３により検出され
る。

まず、ヘツドサーボ回路の記録時及びノーマル
再生時の動作につき説明する。記録時及びノーマ
ル再生時にはスイツチS1，S2は夫々接点Ｎ側に
閉成接続される。このとき、ドラムピツクアツプ
ヘツド３より取り出された第２図Ａに示す如き位
相検出パルス（ドラムパルス）ａは２分岐されて
増幅器４，５を経て単安定マルチバイブレータ
（モノマルチ）６，７に夫々供給され、ここで所
定時間遅延される。モノマルチ６，７より取り出
されたパルスはフリツプフロツプ８のリセツト端
子、セツト端子に印加され、その安定状態を順次
反転させる。これにより、フリツプフロツプ８か
らは例えば２個の回転ヘツドの各トラツク走査期
間に対応した第２図Ｂに示す矩形波ｂが取り出さ
れる。この矩形波ｂは台形波発生回路９に供給さ
れて第２図Ｃに示す如き台形波ｃに変換されて位
相比較器１０に供給される。

また、発振器４により発生された例えば繰り返
し周波数32kHzの第２図Ｄに示す如きパルスｄ
は、分周器１２で分周されて繰り返し周波数30Hz
程度の第２図Ｅに示す如き矩形波ｅとされる。こ
の矩形波ｅはヘツドサーボ回路及びキヤプスタン
ホーボ回路夫々の位相制御ループの基準信号とな
るものであり、この矩形波ｅはモノマルチ１３，
１４に供給される。モノマルチ１３に供給された
矩形波ｅは一定時間Ｔだけ遅延されて第２図Ｆに
示すパルスｆとされてパルス発生回路１５に供給
され、これよりその立下り時点で第２図Ｇに示す
サンプリングパルスｇが取り出される。このサン
プリングパルスｇは位相比較器１０に供給され、
ここで台形波発生回路９よりの台形波ｃの傾斜部
の電圧をサンプリングする。位相比較器１０でサ
ンプリングホールドされた位相比較誤差信号はス
イツチＳ１を介して混合増幅器１６に供給され
る。

また、周波数発電機２より取り出された回転速
度検出パルスは増幅器１７を経てＦ−Ｖ変換器１
８に供給され、ここで周波数−電圧変換されて速
度誤差信号とされた後混合増幅器１６に供給さ
れ、ここで上記位相比較誤差信号と混合増幅され
る。この混合増幅器１６より取り出された誤差電
圧はドラムモータ１に印加され、ドラムモータ１
の回転速度及び回転位相を制御する。ここで、ド
ラムピツクアツプヘツド３、増幅器４，５、モノ
マルチ６，７、フリツプフロツプ８、台形波発出
回路９、位相比較器１０、発振器１１、分周器１
２、モノマルチ１３、パルス発生回路１５及び混
合増幅器１６は位相制御ループを構成し、また、
周波数発電機２、増幅器１７、Ｆ−Ｖ変換器１８
及び混合増幅器１６は速度制御ループを構成し、
これらでヘツドサーボ回路を構成している。

次に、キヤプスタンサーボ回路を説明するに１
９はキヤプスタンモータであり、磁気テープ（図
示せず）はこのキヤプスタンモータ１９により回
転駆動されるキヤプスタンとピンチローラに挾持
されて走行せしめられる。このキヤプスタンモー
タ１９の回転は周波数発電機（FG）２０により
例えば記録時及びノーマル再生時に繰り返し周波
数720Hzとなるような回転速度に比例した周波数
のパルスに変換される。まず、記録時について説
明する。記録時にはスイツチＳ３は接点Ｒ側に閉
成接続される。このとき、周波数発電機２０より
取り出された検出パルスは増幅器２１を経て分周
器２２及び可変分周器２３に供給される。分周器
２２は上記検出パルスを１／２４分周した後その立下り に位相同期した第２図Ｈに示す如き繰り返し周波
数略30Hzのサンプリングパルスｈとし、スイツチ
Ｓ３を介して位相比較器２４に供給する。

一方、モノマルチ１４は分周器１２より供給さ
れる矩形波ｅを一定時間遅延して第２図Ｉに示す
如き矩形波ｉとして台形波発生回路２５に供給
し、この矩形波ｉはここで第２図Ｊに示す如き台
形波ｊに変換されて位相比較器２４に供給されて
いる。上記のサンプリングパルスｈはその立上り
でこの位相比較器２４で台形波ｊの傾斜部の電圧
をサンプリングし、ここでサンプリングホールド
された位相比較誤差信号は混合増幅器２６に供給
される。

また、可変分周器２３は入力端子２７を介して
磁気再生装置の全体の制御を行なう制御回路（図
示せず）よりの信号を供給されており、記録時及
びノーマル再生時にはその分周比を１／６とし、
高速サーチ時にはその分周比を１／42とするもの
である。増幅器２１よりの検出パルスはこの可変
分周器２３で分周されて周波数略120Hzとされた
後Ｆ−Ｖ変換器２８に供給され、ここで周波数−
電圧変換されて速度誤差信号とされた後混合増幅
器２６に供給され、ここで上記位相誤差信号と混
合増幅される。この混合増幅器２６より取り出さ
れた誤差電圧はキヤプスタンモータ１９に印加さ
れ、キヤプスタンモータ１９の回転速度及び回転
位相を制御する。

また、再生時にはスイツチＳ３は接点Ｐ側に接
続する。ノーマル再生時において、コントロール
ヘツド（図示せず）で再生された第２図Ｋに示す
如きコントロールパルスｋが入力端子２９より入
来する。このコントロールパルスｋは増幅器３０
で増幅された後可変分周器３１に供給される。可
変分周器３１は入力端子２７より供給される制御
信号によつてノーマル再生時にその分周比を１と
し、高速サーチ時にその分周比を１／７とするも
のであり、上記コントロールパルスｋはここで分
周された後その立下りに位相同期した第２図Ｌに
示す如きサンプリングパルスｌとされ、スイツチ
Ｓ３を介して位相比較器２４に供給される。この
サンプリングバルスｌは台形波ｊをサンプリング
し、サンプリングホールドされた位相誤差信号は
混合増幅器２６に供給され、記録時と同様にして
キヤプスタンモータ１９の回転速度及び回転位相
が制御される。ここで、周波数発電機２０、増幅
器２１、分周器２２又は、コントロールヘツド、
増幅器３０、可変分周器３１と、発振器１１、分
周器１２、モノマルチ１４、台形波発生回路２
５、位相比較器２４、混合増幅器２６は位相制御
ループを構成し、周波数発電機２０、増幅器２
１、可変分周器２３、Ｆ−Ｖ変換器２８、混合増
幅器２６は速度制御ループを構成し、これらでキ
ヤプスタンサーボ回路が構成されている。

このように記録時及びノーマル再生時におい
て、ドラムモータ１及びキヤプスタンモータ１９
夫々の回転は共に基準信号である矩形波ｅと完全
に位相同期しており、この結果、ドラムモータ１
の回転とキヤプスタンモータ１９の回転は位相同
期している。

次に高速サーチ再生時の動作につき説明する。
高速サーチ時にはスイツチＳ１，Ｓ２は夫々接点
Ｈ側に閉成接続される。これによつて、ヘツドサ
ーボ回路の位相制御ループは遮断され、再生水平
同期信号を周波数−電圧変換して得た電圧、もし
くはこの電圧に等しい所定の一定電圧が入力端子
３２より混合増幅器１６に供給され、ここで速度
誤差信号と混合増幅され、得られた誤差信号がド
ラムモータ１に供給される。これによつてノーマ
ル再生時の７倍程度の速度で走行されている磁気
テープよりの再生映像信号中の水平同期信号が記
録時及びノーマル再生時と同一となるようドラム
モータ１の回転速度を制御する。

また、フリツプフロツプ８より取り出された矩
形波ｂは台形波発生回路１７に供給されると共
に、スイツチＳ２を介して分周器１２にリセツト
パルスとして印加される。従つて、基準信号であ
る分周器１２の出力する第２図ｅに示す矩形波ｅ
は矩形波ｂの立下りに同期して立下り、矩形波ｅ
は矩形波ｂに同期がとられている。この矩形波ｅ
から記録時及びノーマル再生時と同様にして台形
波ｊが形成され位相比較器２４に供給される。

また、入力端子２７より供給される制御信号に
より可変分周器２３，３１の分周比は夫々１／
42，１／７とされる。このため、ノーマル再生時
の略７倍の速度で回転しているキヤプスタンモー
タ１９の周波数発電機２０により検出されたパル
スは可変分周器２３で周波数略120Hzとされた後
Ｆ−Ｖ変換器２８で周波数−電圧変換され、キヤ
プスタンモータ１９を高速サーチ再生時の定常回
転をせしめるための速度誤差信号として混合増幅
器２６に供給される。また、入力端子２９より入
来するノーマル再生時の略７倍の周波数のコント
ロールパルスは増幅器３０を経た後可変分周器３
１で１／７分周されてノーマル再生時と同様の第
２図Ｌに示す如きサンプリングパルスｌとされて
スイツチＳ３を介して位相比較器２４に供給さ
れ、台形波ｊをサンプリングする。サンプリング
ホールドされた位相誤差信号は混合増幅器２６で
速度誤差信号と混合増幅されて誤差電圧とされ、
キヤプスタンモータ１９に供給され、キヤプスタ
ンモータ１９の回転速度及び回転位相を制御す
る。

このように、高速サーチ再生時においても台形
波ｃと基準信号である矩形波ｅとは完全に位相同
期しており、この矩形波ｅと再生されたコントロ
ールパルスとは完全に位相同期している。つま
り、ドラムモータ１とキヤプスタンモータ１９と
の回転は高速サーチ再生時においても記録時及び
ノーマル再生時と同様に完全に位相同期してい
る。このため、高速サーチ再生時の再生画面上に
生ずるノイズバーは再生画面の一定位置に固定し
ており、上下に移動することはない。従つて高速
サーチ再生時の再生画像が非常に目視しやすくな
る。また、第１図示の回路では、ノーマル再生時
においてドラムモータ１、キヤプスタンモータ１
９夫々の回転は夫々独立して基準信号である矩形
波ｅに位相同期しているため、ドラムモータ１の
回転の不安定さがキヤプスタンモータ１９の回転
に影響を与えることはない。

なお、第１図示の回路は再生と共に記録も行な
えるものであるが、これは分周器２２、スイツチ
Ｓ３がなく再生だけを行なうものであつても良
い。

上述の如く、本発明になる磁気再生装置のサー
ボ回路は、高速再生モード時にドラムモータへの
誤差信号の供給を停止すると共に、基準信号を回
転検出信号に位相同期せしめ、キヤプスタンモー
タの回転位相を回転検出信号に同期した基準信号
に同期せしめるよう構成してなるため、ノーマル
再生モード時はもちろん高速再生モード時にもド
ラムモータの回転とキヤプスタンモータの回転と
が完全に位相同期し、高速再生モード時に再生画
面上に発生するノイズバーが画面の上下方向に移
動せず一定位置に固定され、再生画面が目視しや
すい等の特長を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明回路の一実施例のブロツク系統
図、第２図Ａ〜Ｌは夫々第１図の動作説明用信号
波形図である。 １……ドラムモータ、２，２０……周波数発電
機、３……ドラムピツクアツプヘツド、８……フ
リツプフロツプ、９，２５……台形波発生回路、
１０，２４……位相比較回路、１２，２２……分
周器、１６，２６……混合増幅器、１８……Ｆ−
Ｖ変換器、Ｓ１〜Ｓ３……スイツチ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ノーマル再生モード時において回転ヘツドを
   回転させるドラムモータの回転検出信号と一定周
   波数の基準信号とを位相比較して得た誤差信号を
   該ドラムモータに供給し該ドラムモータの回転位
   相を該基準信号に同期せしめると共に、再生され
   たコントロールパルスと該基準信号とを位相比較
   して磁気テープの走行を行なうキヤプスタンモー
   タの回転位相を該基準信号に同期せしめる磁気再
   生装置のサーボ回路において、高速再生モード時
   に該ドラムモータへの該誤差信号の供給を停止す
   ると共に、該基準信号を該回転検出信号に位相同
   期せしめ、該キヤプスタンモータの回転位相を該
   回転検出信号に同期した基準信号に同期せしめる
   よう構成してなることを特徴とする磁気再生装置
   のサーボ回路。