JPS6257Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は円盤状記録媒体クランプ機構に係り、
特に上下クランプ腕にオーバーストローク時に記
録媒体のグルーブガードを嵌入支持する凸部及び
凹部を形成して記録媒体回収時での記録面への損
傷を確実に無くしうるよう構成した円盤状記録媒
体クランプ機構を提供することを目的とする。

まず、本考案になるクランプ機構が適用される
再生装置に対するデイスク装着・離脱動作につい
て、第１図を参照して概略的に説明する。

デイスク収納ケース１はデイスク２を収納する
樹脂製のケース本体３とこのケース本体３の開口
３ａを塞ぐ弓形の蓋４とよりなる。

デイスク再生装置１０はケース本体３の開口部
を拡開させるケース拡開機構１１、デイスク２の
厚みのある外周グルーブガード２ｂをクランプす
る本考案になるデイスククランプ機構１２及び蓋
４を掛止めする機構１３等を有する。

デイスクを再生するに際してデイスク２を再生
装置１０内のターンテーブル１４上に装着され
る。デイスク装着は操作者がケース１をその蓋側
より挿入開口１５を通して再生装置１０内にその
奥部まで挿入しこの後これを引き出すことにより
行なわれる。即ち、ケース１はケース本体３の開
口側をケース拡開機構１１により拡開された状態
で、左右端をスライダ１６ａ，１６ｂに支持され
てガイドレール１７ａ，１７ｂに沿つて挿入され
る。ケース１が再生装置１０の奥部まで挿入され
ると二点鎖線で示すように蓋４が蓋掛止め機構１
３に掛け止めされデイスク２の外周グルーブガー
ド２ｂがクランプ機構１２の上下のクランプ腕１
８，１９間にクランプされケース本体３だけが矢
印X₂方向に引き出される。ケース本体３が装置
外に引き出された段階でデイスク２は外周グルー
ブガードをクランプ機構１２にクランプされ且つ
中心孔２ａを上昇位置にある支持リング２０によ
り支持されてターンテーブル１４上の上側の位置
に支持され、蓋４は機構１３により掛止め保持さ
れる。この後、プレイ操作により、クランプ機構
１２がクランプを解除し、支持リング２０が下降
し、デイスク２はターンテーブル１４上に載置さ
れ且つ中央孔部分をクランプされて装着される。
デイスク２はモータによりターンテーブル１４と
一体的に矢印Ｂ方向に回転し、矢印Y₁方向に移
動するピツクアツプ機構２１により再生される。

停止操作をすると、デイスク２は回転を停止
し、上記の場合とは逆に支持リング２０が上昇し
クランプ機構１２が動作し、デイスク２はターン
テーブル１４の上側の位置に支持される。この状
態で、空のケース本体３を装置内に挿入しその後
引き出すことにより、デイスク２はクランプ機構
１２によるクランプを解除されてケース本体３内
に収納され、蓋４がケース本体３に係合される。
これにより、デイスク２はケース内に回収されて
再生装置１０より離脱される。

第２図は従来のデイスククランプ機構の構造を
示す。上側クランプ腕２５のクランプ部材２６
は、下向き鉤部２６ａと平坦面部２６ｂとよりな
り、下側クランプ腕２７のクランプ部材２８は、
下向き傾斜面部２８ａと平坦面部２８ｂとよりな
る。デイスク２は、グルーブガード２ｂが上下ク
ランプ部材２６，２８の平坦面部２６ｂ，２８ｂ
間に挾持的に保持され、且つ鉤部２６ａによりグ
ルーブガード内周側を係止された状態でクランプ
されている。こゝで鉤部２６ａはデイスク２のク
ランプ部よりの抜け出しを制限する作用をするも
のである。

こゝで、デイスク回収時でのデイスクの動きに
ついて詳しくみてみると、デイスク２は、空のケ
ース本体３が装置内に奥部まで挿入されたときに
ケース本体に押されて、クランプされた状態で二
点鎖線で示す位置まで矢印X₁方向にオーバース
トローク的に移動し、その後、矢印X₂方向に移
動してクランプ解除状態とされたクランプ機構よ
り脱出する。デイスクのオーバーストローク時、
クランプ部材２６の鉤部２６ａがデイスク２の信
号記録面２ｃに対向し、信号記録面２ｃを不要に
擦つてこれを損傷させる危険性が出てくる。特
に、デイスクの抜け出しを確実に防止すべく、鉤
部２６ａの垂下寸法ｈを大とすると、上記の危険
性が更に大となる。

従来のデイスククランプ機構においては、デイ
スクのオーバーストローク時、グルーブガード２
ａは各クランプ部材２６，２８の平坦面部２６
ｂ，２８ｂに対向する状態にあり、鉤部２６ａと
信号記録面２ｃとの位置関係は最初の状態と同じ
であり、鉤部２６ａは面２ｃに極く近接してい
る。このため、デイスクに反りがあつたり又はグ
ルーブガードの寸法にバラツキがあつたりする
と、オーバーストローク時に、ロツクされている
クランプ腕２５の鉤部２６ａが不要に信号記録面
２ｃを擦つて信号記録面２ｃを損傷させるという
重大な欠点があつた。

本考案は上記欠点を除去したものであり、以下
図面と共にその一実施例について説明する。

第３図Ａ，Ｂは夫々本考案になるデイスククラ
ンプ機構の一実施例のデイスクの初期のクランプ
状態及びデイスクがオーバーストロークしたとき
での状態を示す。

デイスククランプ機構１２は、上側クランプ腕
３１と下側クランプ腕３２とをブラケツト３３の
軸３４に軸支してなり、各腕にクランプ部材３
５，３６が固定してある。下側クランプ部材３６
は、先端側より傾斜面部３６ａ、平坦面部３６
ｂ、なだらかな凹部３６ｃとされた形状としてあ
り、上側クランプ部材３５は、先端側より鉤部３
５ａ、平坦面部３５ｂ、なだらかな凸部３５ｃと
された形状としてある。こゝで、凹部３６ｃ及び
凸部３５ｃは本考案の要部をなすものであり、デ
イスクオーバーストローク時でのグルーブガード
に対向する位置に、上下相対向するように形成し
てある。

なお、デイスククランプ機構１２は、クランプ
可能状態では、上下のクランプ部材３５，３６が
グルーブガード２ｂの厚さと略等しい寸法離間し
て固定的に保持される。即ち、上側クランプ腕３
１については、後部の垂下ピン３８をロツクレバ
ー３９に係止されて矢印A₁方向の回動を制限さ
れており、下側クランプ腕３２については、ばね
（図示せず）の作用で矢印A₁方向に回動附勢され
ストツパ（図示せず）に係止されて水平位置に積
極的に保持され、矢印A₂方向の回動がばね力に
より制限されている。

こゝで、デイスク回収時での、デイスクとクラ
ンプ機構との動きについて説明する。デイスク回
収時において、クランプ機構１２はクランプ可能
状態となつており、クランプ部材３５，３６とグ
ルーブガード２ｂとは第３図Ａに示す状態にあ
る。即ち、各クランプ部材３５，３６の平坦面部
３５ｂ，３６ｂがグルーブガード２ｂに対向して
いる。

デイスク２が矢印X₁方向にオーバーストロー
ク的に動くと、第３図Ｂに示すように、グルーブ
ガード２ｂは下側クランプ部材３６の凹部３６ｃ
と上側クランプ部材３５の凸部３５ｃとに対向す
る位置に到る。このとき、グルーブガード２ｂは
凹部３６ｃ内に落ち込み、デイスク２は全体的に
多少下降する。このとき、上側クランプ部材３５
については、その凸部３５ｃがグルーブガード２
ｂの頂部に当接し、元の水平位置に保たれる。

従つて、デイスク２は上側クランプ部材３５に
対して下降したことになり、鉤部３５ａと信号記
録面２ｃとの間の隙間g₂は最初の状態での隙間g₁
より大となる。これにより、デイスク２に反りが
あつたり、グルーブガードの寸法にバラツキがあ
つたりした場合においても、デイスク２のオーバ
ーストローク時に信号記録面２ｃと鉤部３５ａと
が擦れることは確実に避けられ、擦れが原因での
信号記録面２ｃの損傷を防止出来る。また、これ
に伴ない、鉤部３５ａの垂下寸法ｈを充分に大き
く出来、然してデイスク装着に際してのクランプ
時、グルーブガード２ｂの上下クランプ部材３
５，３６間よりの抜け出しが確実に制限されるこ
とになる。

また、デイスクが上記のオーバーストローク的
動作をしたとき、上側クランプ腕３１は上記のよ
うに元の水平位置に保たれ、上方に押し上げられ
ることはない。このため、垂下ピン３８はロツク
レバー３９に圧接することはなく、垂下ピン３８
とロツクレバー３９との間には僅かの隙間g₃を有
することになる。

この後、デイスク２はクランプ機構１２より抜
け出る方向（矢印X₂方向）に移動する。このデ
イスク２の移動に伴ない、ロツクレバー３９が回
動してピン３８より外れ、クランプ機構１２はク
ランプ解除状態となる。なお、このとき垂下ピン
３８とロツクレバー３９とは圧接せずに隙間を有
する関係にあるため、ロツクレバー３９はピン３
８により制限されずに回動し、ロツクの解除が確
実になされる。このため、デイスク２のグルーブ
ガード２ａはクランプ機構１２より確実に抜け出
し、デイスク回収が行なわれる。

なお、上記凹部３６ｃ及び凸部３５ｃは共にな
だらかな形状としてあるため、デイスクグルーブ
ガード２ｂの凹部内への落ち込み動作、凹部外へ
の脱出動作、及び凸部下面への進入動作は、途中
で引つ掛かることなく円滑に行なわれる。

なお、蓋４については、上下クランプ部材３
５，３６の奥部の平坦面部３５ｄ，３６ｄ間に不
要にガタツクことなく安定に保持される。

なお、デイスク装置時においても、デイスク２
は一旦第３図Ｂに示す位置まで進入し、矢印X₂
方向に戻つて同図Ａに示す位置でクランプされる
ことになる。この場合にも、デイスク２の最大挿
入時、デイスク２とクランプ機構１２とは第３図
Ｂに示す状態となり、デイスク記録面の損傷は起
こらない。

上述の如く、本考案になる円盤状情報記録媒体
クランプ機構によれば、下側クランプ腕に凹部、
先端に鉤部を有する上側クランプ腕に凸部を、グ
ルーブガードクランプ位置より奥方に設け、デイ
スクのオーバーストローク時、グルーブガードが
凹部内に嵌入し凸部がグルーブガードの頂部に当
接する構成としてあるため、オーバーストローク
時での上側クランプ腕の鉤部とデイスク信号記録
面との間の隙間を大とすることが出来、然してデ
イスクに反りがあつたりグルーブガードの寸法が
公差外であつたとしても、デイスクの信号記録面
の損傷を確実に回避することが出来る等の特長を
有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案になる情報記録媒体クランプ機
構が組込まれているデイスク再生装置の概略構成
を示す斜視図、第２図は従来のクランプ機構の一
例を示す側面図、第３図Ａ，Ｂは夫々本考案にな
る情報記録媒体クランプ機構の一実施例のクラン
プ時の状態及びデイスクオーバーストローク時で
の状態を示す側面図である。 ２……デイスク、２ｂ……グルーブガード、２
ｃ……信号記録面、１０……デイスク再生装置、
１２……デイスククランプ機構、３１……上側ク
ランプ腕、３２……下側クランプ腕、３５……上
側クランプ部材、３５ａ……鉤部、３５ｃ……凸
部、３６……下側クランプ部材、３６ａ……下方
傾斜面部、３６ｃ………凹部、３８……垂下ピ
ン、３９……ロツクレバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円盤状情報記録媒体が収納されたケース本体と
   これに結合された蓋とよりなるケースを再生装置
   内部に挿入しこの後引き抜く操作により該円盤状
   情報記録媒体の外周グルーブガードの個所を上側
   クランプ腕の先端鉤部と下側クランプ腕の平坦面
   部との間でクランプする機構において、該下側ク
   ランプ腕及び該上側クランプ腕に、グルーブガー
   ドクランプ位置より奥方側に、夫々凹部及び凸部
   を相対向して設け、該円盤状記録媒体のクランプ
   位置よりの奥方へのオーバーストローク時に該グ
   ルーブガードが該凹部内に嵌入して該凹部と該凸
   部との間で支持される構成の円盤状情報記録媒体
   クランプ機構。