JPS6257962B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はドラム，シーブに巻き付いた中継器端
部のケーブルが極端に屈曲しても安全であると共
にケーブルの布設，引揚工事を安全に行うことが
できる海底光ケーブル引留装置に関する。 最近、光フアイバの出現によつて光フアイバを
用いたエネルギ伝送や情報伝送の技術開発が活発
に行なわれているが、光フアイバによる情報伝送
等の一態様として海底光ケーブルを使用する場
合、海底光ケーブルとそれを中継する海底光中継
器間における引留装置に関しては末だ具体的装置
例が示されていない。 このため本発明は、海底光ケーブルと海底光中
継器との接続部の許容曲率半径を本ケーブルの許
容曲率半径より小さくすることにより、布設工事
におけるドラム，シーブへの巻付き特性の良好
な、作業性，安全性の高い海底光ケーブル引留装
置を提供することを目的とし、海底光ケーブルを
海底光中継器に引留める装置において、本ケーブ
ルと海底光中継器との間に、可撓型光ケーブルを
用い、本ケーブル外周に沿わせた抗張力体を介し
てケーブル張力を本ケーブルから直接中継器に伝
達することを特徴とする。 以下、本発明の一実施例を図面について説明す
ると、第１図は本発明の実施例の基本構造であつ
て、１は海底に係留され海底光ケーブル２を連結
し中継する海底光中継器で、この海底光中継器１
に接続部４を介して可撓型光ケーブル３が導かれ
ている。海底光ケーブル２の構造は第２図に示す
ように、ポリエチレン等よりなる外皮２ａの内側
に抗張力線を取り巻いた抗張力体２ｂを配記し、
この抗張力体２ｂの内側に耐水圧および給電を兼
用するフアイバ収納パイプ２ｃを配設し、更にこ
のフアイバ収納パイプ２ｃの内側にフアイバ集合
用中心線２ｄを中心に多数撚り合わせた光フアイ
バ２ｅを配設して構成されている。 また、可撓型光ケーブル３は海底光ケーブル２
と同径に形成され、PE被覆の外皮３ａの内側に
可撓性を奏する断面が波目状のコルゲートパイプ
３ｂを配設し、このコルゲートパイプ３ｂの内側
に光フアイバ２ｅを貫挿させている。そして、海
底光ケーブル２と可撓型光ケーブル３とは、それ
ぞれの端面を突き合わせて接合し、かつフアイバ
収納パイプ２ｃを可撓型光ケーブル３の内側に突
出させ、前記コルゲートパイプ３ｂと溶接または
接着することによつて両者の気密を図るべく接続
されている。したがつて海底光ケーブル２と可撓
型光ケーブル３は、内部に配設したフアイバ収納
パイプ２ｃおよびコルゲートパイプ３ｂに相応し
て屈曲可能な曲率半径を相違させている。この
他、５は海底光ケーブル２および可撓型光ケーブ
ル３の周面に抗張力線を捲回してなる外装抗張力
体でその外装長さを海底光ケーブル２に沿つて充
分長く構成しており、６は外装抗張力体５上に捲
回したバインド線、７は海底光中継器１の端部に
配設された引留金具である。 このように本発明の海底光ケーブルの引留装置
は構成されているから、海底光ケーブルの一端か
ら電気的光変換された情報は、光フアイバ２ｅの
光路を形成するコア内部を伝搬して光伝送路を移
行し、海底ケーブルの他端において光電気変換さ
れ再現される。 一方、海底光ケーブル２に加わるケーブル張力
は、バインド線６によつて海底光ケーブル２の外
周に固定された外装抗張力体５に移行し、海底光
ケーブル２に沿つた外装抗張力体５を充分長くと
つてあるから、可撓型光ケーブル３と海底光ケー
ブル２との接続部４では、ケーブル張力が外装抗
張力体５に全て移行し終つている。また、外装抗
張力体５の張力は、引留金具７によつて海底光中
継器１に伝達される。また、海底光ケーブル２の
許容屈曲半径が直管状のフアイバ収納パイプ２ｃ
の座屈で決定されるため大きいのに対し、可撓型
光ケーブル３では、コルゲートパイプ３ｂの断面
形状に起因して許容曲率半径が小さいためケーブ
ルとしての許容曲率半径も小さい。 したがつて海底光中継器１が、自在継手部のな
い硬直型であつて、ドラム，シーブに巻き付いた
時の中継器端部ケーブルが極端に屈曲した場合
も、ケーブルの安全を保つことが可能であり、ま
た海底光中継器１を硬直型とすることは、中継器
１の小型，軽量化，経済化，方式の信頼性向上な
どの点で極めて有利となる。 第３図は本発明の他の実施例であつて、海底光
ケーブル２の内部に金属殻２ｆおよび抗張力体２
ｂを介して周面に多数のスパイラル状の溝２ｇを
形成した光フアイバ２ｅを収容するための溝付銅
線２ｈを配設し、この溝付銅線２ｈの一端を可撓
型光ケーブル３内に突出させる一方、可撓型光ケ
ーブル３内にはコルゲートパイプ３ｂの一端にフ
ランジ部３ｃを形成し、このフランジ部３ｃを海
底光ケーブル２内に突出させフランジ部３ｃと金
属殻２ｆとを溶接または接着して内部の気密を図
ると共に、可撓型光ケーブル３内において多数撚
り合わせた光フアイバー２ｅを前記溝付銅線２ｈ
の溝２ｇに収容した点を特徴とする。 第４図は本発明の更に他の実施例であつて、海
底光ケーブル２および可撓型光ケーブル３の周面
に抗張力線をスパイラル状に巻き付けた外装抗張
力体５ａ，５ｂ上に、更にバインド線６を捲装
し、ケーブルの張力によるトルクの発生を強固に
防止するようにした点を特徴とする。 第５図は本発明の別の実施例であつて、海底光
ケーブル２および可撓型光ケーブル３の周面に炭
素繊維等の高張力繊維よりなる編組外装抗張力体
５ｃを配設し、この外装抗張力体５ｃ上にバイン
ド線６を捲装し、中継器端部ケーブルの屈曲剛性
を軽減しドラム，シーブへの中継器の巻付き特性
を向上させた点を特徴とする。 尚、以上の実施例では何れも可撓型光ケーブル
に可撓性を持たせるために、コルゲートパイプを
用いているが、本発明はこの例に限らず材質およ
び形状によつて可撓性を得られるものであればこ
れを広範囲に許容することができ、ただ海底光ケ
ーブルの可撓性に比べより大であることを要件と
するものである。 本発明は以上のように、海底光ケーブルと海底
光中継器との間を可撓性の良好で許容曲率半径の
小さなケーブルを用いて電気的，光学的に接続
し、ケーブル張力を海底光ケーブルの外周に巻き
付けた抗張力体により中継器に伝達する構造であ
るから、ドラム，シーブに巻き付いた中継器端部
のケーブルが極端に屈曲してもケーブルを安全に
維持することができ、したがつてケーブルの布
設，引揚工事を安全に行なうことができる。また
このような構成中継器を硬直一体型とすることも
可能となり、中継器の小型，軽量化，経済化，方
式の信頼性向上などの点で極めて有利な効果が得
られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例の基本構造を示す正面
図、第２図は本発明の実施例のうち、海底光ケー
ブルと可撓型光ケーブル及び両者の接続構造を拡
大して示す断面図、第３図は本発明の他の実施例
であつて海底光ケーブルと可撓型光ケーブル及び
両者の接続構造を拡大して示す断面図、第４図は
本発明の更に他の実施例で、外装抗張力体の構造
を示す正面図、第５図は本発明の別の実施例で外
装抗張力体の構造を示す正面図である。 １……海底光中継器、２……海底光ケーブル、
３……可撓型光ケーブル、５……外装抗張力体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 海底光ケーブルと海底光中継器との電気的，
   機械的引留装置において、海底光ケーブル端末に
   海底光中継器間を接続する可撓型光ケーブルを接
   続し、これら可撓型光ケーブルと海底光ケーブル
   の外周に外装抗張力体よりなる線をスパイラル状
   又は編組状に巻き付け、さらにこの上にバインド
   線を巻き付けたことを特徴とする海底光ケーブル
   引留装置。