JPS6256807B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本願発明は自動変速機付のクリープ防止装置に
関する。

［従来技術］ 従来、特公昭51―38863号に述べられているよ
うに、運転者がアクセルペダルから足を離して車
速が一定速度以下になつたとき、減速歯車比の一
番小さい歯車比にしてクリープを防止する装置が
提供されている。

しかし、上記公知技術はスロツトル開度がゼロ
で一定速度以下ならばクリープ防止装置が作動す
るため、混雑した市街地などでのクリープ現象を
有効利用した走行ができない。

［発明が解決しようとする問題点］ そこで、本願発明は車の停車時において、予め
定められた時間内は変速機を一速に保持してクリ
ープ現象を有効に利用できるようにし、予め定め
られた時間を経過した後は変速機を３速または４
速の高速段に設定してクリープ現象を防止するこ
とを目的とする。

更に本願発明の他の目的は、上記高速段におけ
る車の停車時において、運転者がＮまたはＰレン
ジと勘違いして車外へ出ようとした場合に警報を
発する安全装置を設けたことにある。

［問題点を解決するための手段］ 本願発明は上記目的を達成するために、自動車
の走行速度を検出する車速検出手段と、アクセル
開度を検出するアクセル開度検出手段と、シフト
レバーの選択位置を検出するシフトポジシヨン検
出手段とを備える自動変速機付車のクリープ防止
装置において、前記車速検出手段から車速ゼロの
ときのみ車速ゼロ信号を発生せしめる車速ゼロ検
出回路と、前記アクセル開度検出手段からアクセ
ル開度がゼロのときのみアクセル開度ゼロ信号を
発生せしめるスロツトル全閉検出回路と、前記車
速ゼロ検出手段と、前記スロツトル全閉検出手段
及び前記シフトポジシヨン検出手段から信号を入
力し、車速ゼロ信号及びスロツトル全閉信号が入
力され、かつシフトポジシヨンが前進時のときの
み時間加算信号を発生せしめる比較器と、前記比
較器からの時間加算信号を入力し、該信号発生中
のみ時間を加算せしめる時間加算器とを備え、前
記比較器において加算時間が設定値以上のときの
み変速信号発生回路に第１変速信号を発生せし
め、前記車速検出手段、前記スロツトル開度検出
手段及び前記シフトポジシヨン検出手段より信号
を入力せしめ第２変速信号を発生せしめる変速信
号発生回路において、前記第１変速信号を受信せ
しめたときには高速段に設定すべく制御せしめる
ことを特徴とする自動変速機付車のクリープ防止
装置。

［作用および発明の効果］ 以上の構成により、本願発明の自動変速機付車
のクリープ防止装置は次の効果を奏する。

(1) 車速ゼロ検出手段とスロツトル全閉回路とに
より自動車の走行レンジにおける停車時、自動
車の停車状態を検出してその状態が時間加算器
によつて予め定められた時間内ならば変速機を
１速に保持してクリープ現象を有効利用した走
行ができ、予め定められた時間を経過した後は
変速機を高速段に設定してクリープを防止でき
る。

(2) 上記高速段での車の停車時において、運転者
がＮまたはＰレンジと勘違いして車外へでよう
とした場合は警報を発するため事故防止に役立
つ。

［実施例］ 図において、車速検出手段１は自動車の走行速
度を検出してその車速に応じた出力を発生する。
スロツトル開度検出手段２は気化器のスロツトル
バルブの開度を検出する装置でその開度に応じた
出力を発生する。シフトポジシヨン検出装置３は
運転席に設けられたシフトレバーの選択位置に応
じた出力を発生する。

通常の走行を行なつている場合、変速信号発生
回路４に入力される車速検出手段１からの車速、
スロツトル開度検出手段２からのスロツトル開
度、シフトポジシヨン検出装置３からのシフトポ
ジシヨン等の信号により、自動変速機５を制御し
ている。

車速ゼロ検出手段６は車速がゼロになつたこと
を検出する装置で、その出力は車速ゼロ時には論
理的に“１”、その他では“０”となる。

スロツトル全閉検出回路７は運転席がアクセル
ペダルから足を離したとき、気化器のスロツトル
が全閉になつたことを検出する装置で、その出力
はスロツトル全閉時には論理的に“１”、その他
では“０”となる。

自動車が停車状態になると、車速ゼロ検出回路
の出力信号Ｖ１が“０”レベルから“１”レベル
になる。またスロツトルが全閉状態になると、ス
ロツトル全閉検出回路の出力信号Ｔ１が“０”レ
ベルから“１”レベルになる。このＶ１，Ｔ１の
信号が比較器８に入力され、さらにシフトポジシ
ヨン検出手段からの入力信号がＤ，３，２，Ｌの
場合、比較器８はＣ２の出力信号を“０”レベル
から“１”レベルにする。この出力信号Ｃ２は、
Ｖ１またはＴ１が“０”レベル、またはシフトポ
ジシヨン検出手段３からの入力信号がＮ，Ｐ，Ｒ
の場合“０”レベルとなる。

時間加算器９は、Ｃ２の信号が“０”レベルか
ら“１”レベルになると、時間０秒から加算を開
始する。この加算された値はＣ３の出力信号とし
て比較器８に送られる。

比較器８では、Ｖ１，Ｔ１が“１”レベルで
Ｄ，３，２，Ｌの場合、時間加算器９で加算され
ている時間を予め設定されている時間と比較し、
加算時間が設定時間以上のとき出力信号Ｃ１を
“０”レベルから“１”レベルにする。

変速信号発生回路４は、この入力信号Ｃ１が
“１”レベルとなつた場合、変速機を３速または
４速の高速段に設定する信号を発生し、この結果
クリープ現象が防止される。

この信号は、Ｖ１，Ｔ１が“１”レベルでＤ，
３，２，Ｌの場合、時間加算器９は連続的に加算
を行ない、予め定められた時間以下になることは
なく、したがつて保持される。

ドア開放検出手段１０は、ドアの開放が検出さ
れると“０”レベルから“１”レベルとなる。

警報発生回路１１は、ドア開放検出手段１０と
比較器からの信号Ｃ１が“１”レベルになると警
報装置１２に対して“１”レベルの信号を発生
し、この結果警報装置１２は運転者に対して警報
を発する。

運転車が加速しようとしてアクセルペダルを踏
むと、スロツトル全閉検出回路７の出力信号Ｔ１
は“０”レベルとなり、この結果Ｃ１も“０”レ
ベルとなり、変速信号発生回路４は１速の信号を
自動変速機に発する。スロツトルが全閉の状態で
も、車速がゼロ以外の場合やシフトポジシヨンが
Ｎ，Ｐ，Ｒの場合も同様にクリープ防止の制御は
解除される。

一旦停車など短時間の停車の場合には、予め定
められた時間以内であれば、比較器８の出力信号
Ｃ１は“０”レベルであり、クリープ防止の制御
には入らない。

なお、車速ゼロ検出回路６、スロツトル全閉検
出回路７、比較器８、時間加算器９、変速信号発
生回路４、警報発生回路１１等は、マイクロコン
ピユータを利用したデイジイタル処理を実行する
ことが望ましい。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一例を示すブロツク線図である。 １…車速検出手段、２…スロツトル開度検出手
段、３…シフトポジシヨン検出手段、４…変速信
号発生回路、５…自動変速機、６…車速ゼロ検出
回路、７…スロツトル全閉検出回路、８…比較
器、９…時間加算器、１０…ドア開放検出手段、
１１…警報発生回路、１２…警報装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 車速、エンジンの負荷の大きさ等を検出して
   エンジンと走行車輪間の回転伝達比を制御する自
   動変速機を備える自動車において、自動車の走行
   レンジにおける停車時、自動車の停車状態を検出
   して、その状態が予め定められた時間を経過した
   とき自動変速機を高速段に設定し、クリープを防
   止するように構成したことを特徴とする自動変速
   機付車のクリープ防止装置。 ２ 自動車の停車状態において自動変速機が高速
   段に設定されている間は、ドアを開けようとする
   と警報を発するように構成したことを特徴とする
   特許請求の範囲第１項に記載の自動変速機付車の
   クリープ防止装置。