JP3107004B2 - 車間制御装置および記録媒体 - Google Patents

車間制御装置および記録媒体

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JP3107004B2
JP3107004B2 JP09195918A JP19591897A JP3107004B2 JP 3107004 B2 JP3107004 B2 JP 3107004B2 JP 09195918 A JP09195918 A JP 09195918A JP 19591897 A JP19591897 A JP 19591897A JP 3107004 B2 JP3107004 B2 JP 3107004B2
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60KARRANGEMENT OR MOUNTING OF PROPULSION UNITS OR OF TRANSMISSIONS IN VEHICLES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF PLURAL DIVERSE PRIME-MOVERS IN VEHICLES; AUXILIARY DRIVES FOR VEHICLES; INSTRUMENTATION OR DASHBOARDS FOR VEHICLES; ARRANGEMENTS IN CONNECTION WITH COOLING, AIR INTAKE, GAS EXHAUST OR FUEL SUPPLY OF PROPULSION UNITS IN VEHICLES
    • B60K31/00Vehicle fittings, acting on a single sub-unit only, for automatically controlling vehicle speed, i.e. preventing speed from exceeding an arbitrarily established velocity or maintaining speed at a particular velocity, as selected by the vehicle operator
    • B60K31/0008Vehicle fittings, acting on a single sub-unit only, for automatically controlling vehicle speed, i.e. preventing speed from exceeding an arbitrarily established velocity or maintaining speed at a particular velocity, as selected by the vehicle operator including means for detecting potential obstacles in vehicle path
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60WCONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
    • B60W2552/00Input parameters relating to infrastructure
    • B60W2552/15Road slope, i.e. the inclination of a road segment in the longitudinal direction
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60WCONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
    • B60W2720/00Output or target parameters relating to overall vehicle dynamics
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    • B60W2720/106Longitudinal acceleration

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)
  • Traffic Control Systems (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Optical Radar Systems And Details Thereof (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Controls For Constant Speed Travelling (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車間制御装置、特
に、自車と前方を走行する先行車との位置関係に基づい
て、先行車との間で適切な車間距離を維持するために、
自車を走行させる駆動手段の出力を調整する車間制御装
置およびこの車間制御装置をコンピュータシステムにて
実現するプログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】自車と前方を走行する先行車との位置関
係に基づいて、先行車との間で適切な車間距離を維持す
るために、エンジンの出力を調整する車間距離制御装
置、いわゆるオートクルーズ制御装置が知られている。
【0003】このような車間距離制御装置では、エンジ
ンの出力を減少させるのみでは、車間距離制御に必要な
減速を十分に得られない場合があることを考慮して、補
助ブレーキやリターダなどの減速手段も必要に応じて利
用し、広い範囲における車間距離制御を可能にしている
(実開平4−65624号公報、特開昭61−1135
23号公報)。
【0004】上述した車間距離制御装置では、車速と目
標車速との車速偏差に応じて減速手段を制御している
が、このことから次のような問題が生じていた。すなわ
ち積載重量の大きな車両が下り坂を走行する場合に、車
速が予定以上に増大して、先行車との間の距離が急速に
縮まるという問題である。
【0005】これを解決するものとして、特開平8−1
83366号公報記載の発明では、先行車との間の車間
距離と目標車間距離との間の偏差に基づいて減速手段の
作動/および解除を実行している技術が提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、車間距離の偏
差のみで減速手段の作動/解除を行わせる場合も、実際
には未だ十分な車間制御が行われているとは言えなかっ
た。例えば、車間距離が目標車間距離よりも短くても、
先行車が遠ざかる場合には、早めに減速手段を解除する
ことが、円滑かつ迅速に目標車間距離を実現することに
なる。
【0007】また、車間距離が目標車間距離よりも長く
ても、先行車が接近する場合には、早めに減速手段を作
動させることが、同様な理由から重要である。更に、車
間距離が目標車間距離状態にあっても、その時の自車の
加速度が過度に大きければ、減速手段を作動させた方が
安全であり、また目標車間距離を維持できることにもな
る。
【0008】しかし、従来技術では、このような制御が
なされず、一部の局面で先行車に対して異常接近が生じ
たり、これを解決しようとすると制御のハンチングが生
じたりして、違和感のある制御が行われることがあっ
た。すなわち、本発明の目的とするところは、現実に適
合する制御を行って異常接近や制御のハンチング等を回
避し、安定した車間制御を実現することを目的とするも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】本発明の
車間制御装置は、減速実行手段は、目標加速度演算手
段にて求められた目標加速度(ATmc)から加速度検
出手段にて検出された自車の加速度(ATj)を減算し
た加速度偏差(ATdelt)が、マイナスの値である
減速手段作動判定値(ATref1)より小さい条件が
満足された場合に、減速手段を作動させる。この目標加
速度は、目標加速度演算手段が、現在の車間状態に基づ
いて、適切な車間距離相当量に近づくために求めたもの
である。
【0010】したがって、本発明の車間制御装置では、
加速度偏差(ATdelt)の低下の程度に基づいて、
減速手段を作動させるタイミングを決定している。この
ように加速度偏差(ATdelt)にて判断しているの
で、前述した問題点、すなわち実車間距離が目標車間距
離よりも短くても、先行車が遠ざかる場合では、加速度
偏差(ATdelt)に先行車が遠ざかって行く際の速
度や加速度が反映されて、早めに減速手段を解除するこ
とができる。このため、円滑かつ迅速に適切な車間距離
を実現することができる。
【0011】また、実車間距離が目標車間距離よりも長
くても、先行車が接近する場合では、同様に先行車の接
近の際の速度や加速度が加速度偏差(ATdelt)に
反映されて、早めに減速手段を作動させることができ
る。更に、実車間距離が目標車間距離状態にあっても、
その時の自車の加速度が過度に大きければ、その速度や
加速度が加速度偏差(ATdelt)に反映されて、減
速手段を作動させることができ、一層の安全が確保さ
れ、適切な車間距離を安定して維持できる。
【0012】更に、減速解除手段は、加速度偏差(A
Tdelt)が減速手段作動判定値(ATref1)よ
り大きい条件(の条件の否定)、および目標加速度
(ATmc)が、減速手段により十分に減速されたこと
を示す減速手段解除判定値(ATmcref1)より大
きい条件が、満足された場合に、減速手段の作動を解除
するようにしている。
【0013】このように、減速解除手段は、上述した減
速実行手段の場合とは異なり、加速度偏差(ATdel
t)のみにて判断しているのではなく、加速度偏差
(ATdelt)が減速手段作動判定値(ATref
1)より大きい条件が満足された場合に、更に、目標
加速度(ATmc)が減速手段解除判定値(ATmcr
ef1)より大きい条件が満足された場合に、初めて、
減速手段の作動を解除している。
【0014】これは、単にの条件の満足、すなわち、
減速実行手段にての加速度偏差(ATdelt)に基づ
いての判断条件が否定された場合のみで、減速手段の
作動を解除すると、加速度、すなわち力として釣り合っ
ていた加速と減速とのバランスが崩れる。そしてこのバ
ランスの崩れに起因して、加速度偏差(ATdelt)
が減速手段作動判定値(ATref1)より小さい条件
が早期に満足され、再度、減速実行手段が減速手段を
作動させるという事態となり、制御のハンチングを引き
起こすからである。
【0015】このため、減速解除手段は、の条件ばか
りでなく、の条件が満足された状態、すなわち十分に
減速したことを目標加速度(ATmc)の高さから判断
してから、減速手段の作動を解除するのである。こうし
て、本車間制御装置は全体としても適切な減速手段の制
御が可能となる。
【0016】なお、前記減速解除手段は、前述した構成
に代えて、加速度偏差(ATdelt)が減速手段作
動判定値(ATref1)より大きい条件、目標加速
度(ATmc)が減速手段解除判定値(ATmcref
1)より大きい条件、および前記加速度偏差(ATd
elt)が前記減速手段作動判定値(ATref1)よ
り大きい第2減速手段解除判定値(ATref2)より
大きい条件が満足された場合に、前記減速手段の作動を
解除する構成にしても良い。
【0017】勾配の大きな下り坂では、条件,のみ
で減速手段を解除すると、再度、重力加速度により車両
が大きな加速を受けて、早期にの条件が満足され、減
速手段の作動/解除のハンチングが生じることがある。
したがって、勾配の大きな下り坂では、平坦路よりも減
速手段の解除タイミングを遅らせたい。そのためには、
減速手段解除判定値(ATmcref1)の値を大きく
して、目標加速度がより大きくならなければ解除しない
ようにすればよい。ただし、これは勾配の大きな下り坂
に適応されるようにして、平坦路では解除が遅れすぎな
いように、通常の減速手段解除判定値(ATmcref
1)で解除するようにしたい。
【0018】この背反した条件に対応するために第2減
速手段解除判定値(ATref2)を設定する。すなわ
ち、目標加速度が自車の加速度よりも第2減速手段解除
判定値(ATref2)以上大きくならなければ解除し
ないようにする。平坦路では、減速手段による自車の加
速度は小さい値となるため、目標加速度が減速手段解除
判定値(ATmcref1)を越えなくても或程度大き
くなれば条件は成立し、実際に減速手段が解除される
のは、条件が共に満足された時となる。他方、下り
勾配が大きい場合では、減速手段による自車の加速度
は、重力加速度の影響を受けるため比較的大きな値とな
る。したがって、条件が成立するためには、目標加速
度よりも大きな値である必要がある。例えば下り勾配が
ある値以上となると、目標加速度が減速手段解除判定値
(ATmcref1)よりも大きな値であっても条件
が成立しないため、減速手段が解除されないことにな
る。これにより、下り勾配が大きい時には、減速手段の
作動がより長く保持されるため、減速手段の作動/解除
のハンチングが防止できる。
【0019】また、前記減速解除手段は、前述した構成
に代えて、加速度偏差(ATdelt)が減速手段作
動判定値(ATref1)より大きい条件、目標加速
度(ATmc)が減速手段解除判定値(ATmcref
1)より大きい条件、および加速度偏差(ATdel
t)が減速手段作動判定値(ATref1)より大きい
第2減速手段解除判定値(ATref2)より大きい条
件が満足された場合、あるいは、加速度偏差(ATd
elt)が減速手段作動判定値(ATref1)より大
きい条件、および前記減速手段解除判定値(ATmc
ref1)より大きくてマイナスの値またはゼロ近傍の
値である第3減速手段解除判定値(ATmcref2)
より、前記目標加速度(ATmc)が大きい条件が満足
された場合に、減速手段の作動を解除する構成にしても
良い。
【0020】すなわち、条件,,のすべてが満足
された場合でも、条件,のすべてが満足された場合
でも、いずれにおいても、減速手段の作動を解除する条
件とできる。条件を考慮することにより、目標加速度
が少なくとも加速側になった場合に、より一層適切に減
速手段の作動を解除できる。
【0021】ここで、目標加速度演算手段は、例えば、
自車と先行車との間の速度関係と、自車と前記先行車と
の間の距離関係とに基づいて、適切な車間距離相当量に
近づくための目標加速度(ATmc)を求めるようにす
る。これら速度関係と距離関係とは、それぞれ車間状態
の概念に含まれる。
【0022】ここで、速度関係とは、例えば、自車と先
行車との間における自車または先行車の相対速度で表す
関係である。距離関係とは、例えば、自車と先行車との
間における車間距離相当量と目標車間距離相当量との関
係(例えば、前記2つの相当量の偏差で表される。)で
ある。
【0023】また、車間距離相当量としては、例えば、
先行車と自車との車間距離を自車の車速にて走行するに
要する時間である車間時間で表される量を挙げることが
できる。この車間時間は、実際の距離で表したものより
も、車間距離に運転者が抱く感覚に近いので、車間制御
の違和感がより少ないものとなる。この車間距離相当量
には、直接、距離で表される車間距離を用いても良い。
【0024】なお、車間制御装置にてなされる駆動手段
の出力の調整は、加速度偏差(ATdelt)に基づい
て行われても良い。この駆動手段は、例えば、内燃機関
であり、この場合、駆動手段の出力の調整は、スロット
ル開度の調整によりなされる。
【0025】また、減速手段は、トランスミッションに
オーバードライブのシフトとなるのを禁止するオーバー
ドライブカット機構、トランスミッションに高位のシフ
トからシフトダウンさせるシフトダウン機構、内燃機関
に燃料が供給されるのを阻止するフューエルカット機
構、内燃機関の点火時期を遅らせる点火遅角機構、トル
クコンバータをロックアップ状態にするロックアップ機
構、排気の流動抵抗を増加させる排気ブレーキ機構およ
びリターダ機構の内の1つまたは2つ以上を利用した手
段が挙げられる。
【0026】なお、このような車間制御装置をコンピュ
ータシステムにて実現する機能は、例えば、コンピュー
タシステム側で起動するプログラムとして備えることが
できる。このようなプログラムの場合、例えば、フロッ
ピーディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、ハード
ディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記
録し、必要に応じてコンピュータシステムにロードして
起動することにより用いることができる。この他、RO
MやバックアップRAMをコンピュータ読み取り可能な
記録媒体として前記プログラムを記録しておき、このR
OMあるいはバックアップRAMをコンピュータシステ
ムに組み込んで用いても良い。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は、上述した発明が適用され
た車間制御用電子制御装置2(以下、「車間制御EC
U」と称する。)、レーザレーダセンサ3、ブレーキ電
子制御装置4(以下、「ブレーキECU」と称す
る。)、およびエンジン電子制御装置6(以下、「エン
ジンECU」と称する。)を中心に示す、自動車に搭載
されている各種制御回路の概略構成を表すブロック図で
ある。
【0028】車間制御ECU2は、マイクロコンピュー
タを中心として構成されている電子回路であり、現車速
(Vn)信号、操舵角(str-eng,S0)信号、ヨーレ
ート信号、目標車間時間信号、ワイパスイッチ情報、ア
イドル制御やブレーキ制御の制御状態信号等をエンジン
電子制御装置6から受信する。そして、車間制御ECU
2は、この受信したデータに基づいて、車間制御演算を
するとともに、操舵角中立学習装置として操舵角中立学
習処理により操舵角中立位置を演算したり、カーブ曲率
推定装置としてカーブ曲率半径Rを推定している。
【0029】レーザレーダセンサ3は、レーザによるス
キャニング測距器とマイクロコンピュータとを中心とし
て構成されている電子回路であり、スキャニング測距器
にて検出した先行車の角度や相対速度等、および車間制
御ECU2から受信する現車速(Vn)信号、カーブ曲
率半径R等に基づいて、車間制御の一部の機能として先
行車の自車線確率を演算し、相対速度等の情報も含めた
先行車情報として車間制御ECU2に送信する。また、
レーザレーダセンサ3自身のダイアグノーシス信号も車
間制御ECU2に送信する。
【0030】なお、前記スキャニング測距器は、車幅方
向の所定角度範囲に送信波あるいはレーザ光をスキャン
照射し、物体からの反射波あるいは反射光に基づいて、
自車と前方物体との距離をスキャン角度に対応して検出
可能な測距手段として機能している。
【0031】更に、車間制御ECU2は、このようにレ
ーザレーダセンサ3から受信した先行車情報に含まれる
自車線確率等に基づいて、車間制御すべき先行車を決定
し、先行車との車間距離相当量(具体的には、車間時間
である。車間距離そのものでも良い。)を適切に調節す
べく、エンジンECU6に、目標加速度信号、フューエ
ルカット要求信号、ODカット要求信号、3速シフトダ
ウン要求信号、警報要求信号、ダイアグノーシス信号、
表示データ信号等を送信している。
【0032】ブレーキECU4は、マイクロコンピュー
タを中心として構成されている電子回路であり、車両の
操舵角を検出する操舵角検出手段としてのステアリング
センサ8、車両旋回検出手段としてヨーレートを検出す
るヨーレートセンサ10、および各車輪の速度を検出す
る車輪速センサ12から、操舵角やヨーレートを求め
て、これらのデータをエンジンECU6を介して、車間
制御ECU2に送信したり、エンジンECU6を介して
ブレーキアクチュエータ25を制御している。またブレ
ーキECU4は、エンジンECU6を介する車間制御E
CU2からの警報要求信号に応じて警報ブザー14を鳴
動する。
【0033】エンジンECU6は、マイクロコンピュー
タを中心として構成されている電子回路であり、スロッ
トル開度センサ15、車両速度を検出する車速検出手段
としての車速センサ16、ブレーキの踏み込み有無を検
出するブレーキスイッチ18、クルーズコントロールス
イッチ20、クルーズメインスイッチ22、およびその
他のセンサやスイッチ類からの検出信号あるいはボデー
LAN28を介して受信するワイパースイッチ情報やテ
ールスイッチ情報を受信し、更に、ブレーキECU4か
らの操舵角(str-eng,S0)信号やヨーレート信号、
あるいは車間制御ECU2からの目標加速度信号、フュ
ーエルカット要求信号、ODカット要求信号、3速シフ
トダウン要求信号、警報要求信号、ダイアグノーシス信
号、表示データ信号等を受信している。
【0034】そして、エンジンECU6は、この受信し
た信号から判断する運転状態に応じて、駆動手段として
の内燃機関(ここでは、ガソリンエンジン)のスロット
ル開度を調整するスロットルアクチュエータ24、ブレ
ーキ力を制御するためにブレーキ油圧回路に備えられた
増圧制御弁・減圧制御弁の開閉をデューティ制御するブ
レーキアクチュエータ25、トランスミッション26の
アクチュエータ駆動段に対して駆動命令を出力してい
る。なお、このトランスミッション26は、4速+オー
バードライブ(OD)のオートトランスミッションであ
る。これらのアクチュエータにより、内燃機関の出力、
ブレーキ力あるいは変速シフトを制御することが可能と
なっている。
【0035】また、エンジンECU6は、必要な表示情
報を、ボデーLAN28を介して、ダッシュボードに備
えられているLCD等の表示装置(図示していない。)
に送信して表示させたり、あるいは、現車速(Vn)信
号、操舵角(str-eng,S0)信号、ヨーレート信号、
目標車間時間信号、ワイパスイッチ情報信号、アイドル
制御やブレーキ制御の制御状態信号を、車間制御ECU
2に送信している。
【0036】次に、図2のフローチャートにて、車間制
御ECU2、レーザレーダセンサ3、ブレーキECU4
およびエンジンECU6間で行われる車間制御処理につ
いて説明する。まず、エンジンECU6にて、クルーズ
コントロールスイッチ20に備えられた目標車間距離設
定スイッチにおける設定状態を読み取り、目標車間時間
Tdを設定する(S110)。この目標車間距離設定ス
イッチは、運転者により設定されるものである。
【0037】次に、レーザレーダセンサ3にて、車間制
御ECU2から与えられる推定カーブ曲率半径Rに基づ
いて先行車を決定して、その先行車との車間距離Dを測
定する(S120)。更に、レーザレーダセンサ3に
て、先行車との相対速度Vrelの測定がなされる(S
130)。
【0038】次に、エンジンECU6にて、車速センサ
16のパルス信号に基づいて、自車の現車速(自車速)
Vnの算出がなされる(S140)。次に、車間制御E
CU2にて、ステップS120とステップS140にて
測定された車間距離Dと現車速Vnとから、次式のごと
く測定車間時間Tn(sec)を算出する(S14
5)。
【0039】
【数1】 Tn ← D(n)×3.6/Vn … [式1] ここで、D(n)の中のnは、D(n)が現在の車間距
離Dであることを表している。
【0040】次に、車間制御ECU2にて、目標加速度
ATmcの算出がなされる(S150)。この算出は、
まず、ステップS110で求められた目標車間時間Td
とステップS145で求められた測定車間時間Tnとか
ら、次式のごとく車間時間偏差Tdeを求め、この車間
時間偏差Tdeと、ステップS130にて求められた相
対速度Vrelをなまし処理して得られたVr_fil
ter(n)とに基づいて、図3に示す目標加速度AT
mc演算マップから目標加速度ATmcを求めることに
より行われる。
【0041】
【数2】 Tde(n) ← Tn(n) − Td … [式2] nは上述したごとくである。
【0042】次に車間制御ECU2にて、ステップS1
40にて求められる現車速Vnの時間変化から自車の実
加速度ATjが算出される(S160)。次に車間制御
ECU2にて、ステップS150にて求められた目標加
速度ATmcと、ステップS160にて求められた実加
速度ATjとから、次式のごとく加速度偏差ATdel
tが求められる(S170)。
【0043】
【数3】 ATdelt ← ATmc − ATj … [式3] そして、エンジンECU6では、この加速度偏差ATd
eltに基づいて、目標スロットル開度MAが次式のご
とく演算される(S175)。
【0044】
【数4】 MA(n) ← MA(n−1) + G×ATdelt … [式4] ここで、nは上述したごとくであり、MA(n−1)は
前回求められた目標スロットル開度MAを表し、Gは係
数(ゲイン)を表す。
【0045】エンジンECU6では、この目標スロット
ル開度MAに基づいて、スロットルアクチュエータ24
が駆動されて、自車を走行させる駆動手段としてのガソ
リンエンジンの出力を調整する。次に行われるフューエ
ルカットによる減速処理(S180)、OD(オーバー
ドライブ)カットによる減速処理(S200)、シフト
ダウンによる減速処理(S300)の各処理は、車間制
御ECU2にて行われる処理である。
【0046】なお、3つの減速処理(S180,S20
0,S300)の内で、フューエルカットによる減速処
理(S180)は、他の2つの減速処理(S200,S
300)の一部と同じであるのでステップS180の説
明は後回しにして、ODカットによる減速処理(S20
0)およびシフトダウンによる減速処理(S300)を
先に説明する。
【0047】図4のフローチャートに示すODカットに
よる減速処理(S200)では、まず、判定値の設定が
行われる(S210)。判定値とは、ステップS22
0,S240,S250,S270にて用いられる減速
手段作動判定値ATref1、減速手段解除判定値AT
mcref1、第2減速手段解除判定値ATref2お
よび第3減速手段解除判定値ATmcref2である。
【0048】ここで、例えば、減速手段作動判定値AT
ref1はマイナスの値、減速手段解除判定値ATmc
ref1はマイナスの値、第2減速手段解除判定値AT
ref2は減速手段作動判定値ATref1より大きい
値、第3減速手段解除判定値ATmcref2は減速手
段解除判定値ATmcref1より大きくてマイナスの
値またはゼロ近傍の値に設定する。後述するフューエル
カットによる減速処理(S180)およびシフトダウン
による減速処理(S300)においても、レベルは異な
るが判定値の相対的な関係は同じである。
【0049】次に、条件として加速度偏差ATdel
tが減速手段作動判定値ATref1より小さいか否か
が判定される(S220)。ここで、ATdelt<A
Tref1であれば条件が満足されて(S220にて
「YES」)、次にODカット作動の指示が車間制御E
CU2からエンジンECU6に与えられる(S23
0)。この指示を受けたエンジンECU6では、トラン
スミッション26を調整してODカット制御を行う。し
たがって、トランスミッション26がODにシフトして
いた場合には、4速にシフトダウンされる。
【0050】上述したごとく、本実施の形態では、加速
度偏差ATdeltの低下の程度に基づいて、減速手段
であるODカットを作動させるタイミングを決定してい
る。このように加速度偏差ATdeltにて判断してい
るので、実車間距離が目標車間距離よりも長くても、先
行車に向かって加速して接近する場合では、接近の際の
加速度ATjが加速度偏差ATdeltに反映されて、
早めに減速手段(ここではODカット手段あるいは後述
するシフトダウンやフューエルカット)を作動させるこ
とができる。更に、実車間距離が目標車間距離状態にあ
っても、その時の自車の加速度が過度に大きければ、そ
の加速度ATjが加速度偏差ATdeltに反映され
て、減速手段を作動させることができ、一層の安全が確
保され、目標車間距離を安定して維持できる。
【0051】これに対して、ODカット作動の解除は次
のようにして行われる。すなわち、ODカットの作動解
除指示(S260)は、条件としてATdelt≧A
Tref1(S220で「NO」)、条件としてステ
ップS150にて求めた目標加速度ATmcが減速手段
解除判定値ATmcref1より大きいと判定(S24
0で「YES」)、および条件としてステップS17
0にて求めた加速度偏差ATdeltが第2減速手段解
除判定値ATref2より大きいと判定(S250で
「YES」)された場合である。なお、第2減速手段解
除判定値ATref2は、減速手段作動判定値ATre
f1より大きい。
【0052】もう一つのODカットの作動解除の条件
は、条件としてステップS220にて「NO」、条件
としてステップS240にて「YES」と判定され、
ATdelt≦ATref2(ステップS250にて
「NO」)と判定された場合に、条件として目標加速
度ATmcが第3減速手段解除判定値ATmcref2
より大きいと判定(S270で「YES」)された場合
である。なお、前述したごとく、第3減速手段解除判定
値ATmcref2は減速手段解除判定値ATmcre
f1より大きい。
【0053】このように、ODカットの作動解除指示
(S260)は、ODカットの作動指示(S230)の
場合とは異なり、加速度偏差ATdeltの程度(の
条件)のみにて判断しているのではなく、、および
(または、および)の条件がすべて満足された
場合に初めて実行されて、ODカットの作動の解除をエ
ンジンECU6に指示している。
【0054】これは、単にの条件の満足、すなわち
の判断条件が否定された場合のみで、ODカットの作動
を解除すると、直前までODカットの作用により、力と
して釣り合っていた加速と減速とのバランスが、ODカ
ットの突然の解除により崩れる。このバランスの崩れに
起因して、早期に、加速度偏差ATdeltが減速手段
作動判定値ATref1より小さい条件が満足され、
再度、ODカットの作動指示(S230)が行われると
いう事態になり、制御のハンチングを引き起こすからで
ある。
【0055】このため、ODカットの作動解除指示(S
260)は、の条件(の条件の否定)ばかりでな
く、の条件が満足された状態、すなわち十分に目標加
速度ATmcが高くなった場合を判断してから、ODカ
ットの作動を解除するのである。すなわちODカットの
作動を解除しても、早期に、の条件が満足されないほ
どに、加速度ATjが低下した後、あるいは目標加速度
ATmcが上昇した後に、ODカットの作動を解除する
のである。
【0056】なお、条件,にそれぞれAND条件で
加わっている各条件,は、勾配の大きな下り坂で
は、条件,のみでODカットを作動解除すると、再
度、大きな加速を受けて、早期にの条件が満足され、
ODカットの作動/解除のハンチングが生じることがあ
るが、これを防止するためである。
【0057】勾配の大きな下り坂では、車体は重力加速
度の影響を大きく受けるので、減速しようとしても自車
の加速度ATjが増加しあるいは高い状態に維持され、
加速度偏差ATdeltは大きく低下する。このため、
条件およびは、勾配の大きな下り坂にいる場合は満
足されないので、条件,により、勾配の大きな下り
坂では条件,が共に満足されてもODカットの作動
を解除しないようにしているのである。したがって、勾
配の大きな下り坂でもODカットの作動/解除のハンチ
ングを防止できる。
【0058】ODカットによる減速処理(S200)が
終了すると、シフトダウンによる減速処理(S300)
が行われる。この処理のフローチャートを図5に示す。
シフトダウンによる減速処理(S300)は、基本的な
処理の流れは、ODカットによる減速処理(S200)
と違いはない(図4のODカットによる減速処理の各ス
テップの内容は、図4のステップ番号に100を加えた
図5におけるステップと同じである。)ので、詳細な説
明はしない。
【0059】ただ、判定値の設定(S310)におい
て、ステップS320,S340,S350,S370
にて用いられる減速手段作動判定値ATref1、減速
手段解除判定値ATmcref1、第2減速手段解除判
定値ATref2および第3減速手段解除判定値ATm
cref2に設定される数値が異なる。
【0060】シフトダウン作動指示(S330)が実行
されると、車間制御ECU2はエンジンECU6に3速
シフトダウン要求信号を送信し、エンジンECU6はこ
れを受けて、トランスミッション26が4速以上である
場合には、3速へシフトダウンし、エンジンブレーキに
よる減速を強める。この3速へのシフトダウンは、シフ
トダウン作動解除指示(S360)が実行されると解除
される。
【0061】このようにして、シフトダウンによる減速
処理(S300)によっても、ODカットによる減速処
理(S200)と同様な機能を果たし、ODカットによ
る減速処理(S200)を補助することができる。次に
ODカットかシフトダウンによる減速処理(S200,
S300)の前に実施されるフューエルカットによる減
速処理(S180)のフローチャートを図6に示す。
【0062】フューエルカットによる減速処理(S18
0)は、前述したステップS250,S270に該当す
る処理が存在しないことを除いて、基本的な処理の流れ
は、ODカットによる減速処理(S200)と違いはな
い(図4のODカットによる減速処理の各ステップの内
容は、図4のステップ番号に200を加えた図6におけ
るステップと同じである。)ので、詳細な説明はしな
い。
【0063】また、判定値の設定(S410)におい
て、ステップS420,S440にて用いられる減速手
段作動判定値ATref1および減速手段解除判定値A
Tmcref1に設定される数値が異なる。また、フュ
ーエルカット作動指示(S430)が実行されると、車
間制御ECU2はエンジンECU6にフューエルカット
要求信号を送信し、エンジンECU6はこれを受けて、
内燃機関への燃料の供給を停止し、エンジンブレーキに
よる減速を強める。このフューエルカットは、フューエ
ルカット作動解除指示(S460)が実行されると解除
される。
【0064】なお、エンジンECU6は、通常、エンジ
ンECU6独自の判断により、車両走行時にスロットル
開度が全閉「0°」になるとフューエルカットを実行す
るが、車間制御がなされている場合には、スロットル開
度の最低値としてにアイドル時に適用されるオフセット
開度「2〜3°」を適用して、フューエルカットがなさ
れないようにしている。そして、車間制御ECU2から
フューエルカット要求信号があった場合に、スロットル
開度の最低値を「0°」まで引き下げることにより、前
記独自の判断によっても、車間制御ECU2からフュー
エルカット要求信号に応じてフューエルカットが実行さ
れるようにしている。
【0065】このようにして、フューエルカットによる
減速処理(S180)においても、ODカットによる減
速処理(S200)におけるステップS220,S24
0による判定と同様な機能を果たし、減速に寄与するこ
とができる。ここで、各減速処理(S180,S20
0,S300)の間においては、減速手段作動判定値A
Tref1の大きさが異なることにより、作動指示(S
230,S330,S430)の開始タイミングが異な
っている。本実施の形態では、フューエルカットによる
減速処理(S180)の減速手段作動判定値ATref
1が最も大きいので、最初にF/C作動指示(S43
0)が実行される。そして、加速度偏差ATdeltが
小さくなるに従って、ODカットによる減速処理(S2
00)の減速手段作動判定値ATref1が2番目に大
きいので、2番目にODカット作動指示(S230)が
実行され、シフトダウンによる減速処理(S300)の
減速手段作動判定値ATref1が最も小さいので、最
後にシフトダウン作動指示(S330)が実行される。
【0066】なお、フューエルカットによる減速処理
(S180)においても、図4のODカットによる減速
処理におけるステップS250,S270あるいは図5
のシフトダウンによる減速処理におけるステップS35
0,S370と同様な処理を行っても良い。ただし、フ
ューエルカットによる減速処理の効果は、ODカットや
シフトダウンによる減速処理におけるほど減速に寄与す
る程度は高くないので、ステップS250,S270や
ステップS350,S370の処理を実行しなくても、
後述する図9のような問題は生じない。
【0067】ここで、本実施の形態による効果を図7の
タイミングチャートにて説明する。図7は、自車速Vn
=100km/hにて走行している際に、車速80km
/hの先行車が車間距離80mの位置に現れた場合を示
している。なお、走行路の勾配は−2%のほぼ平坦路で
ある。
【0068】クルーズコントロールスイッチ20の目標
車間距離設定スイッチは、運転者により目標車間時間T
d=2.0secに設定されているものとする。これら
のデータに基づき、前記式1から、測定車間時間Tn=
80m×3.6/100km/h=2.88secとな
る。
【0069】次に、前記式2から、車間時間偏差Tde
=2.88sec−2.0sec=0.88secとな
る。次に、この車間時間偏差Tde(=0.88se
c)と相対速度(80km/h−100km/h=−2
0km/h)とから、図3に示した目標加速度ATmc
演算マップに基づいて補完計算により目標加速度ATm
cを求める。
【0070】次に、ステップS175の処理により、目
標スロットル開度MAが式4に示すごとく求められて、
スロットル開度は急速に減少し、最低値まで達する。こ
のため実加速度ATjも急速に低下する。更に、フュー
エルカットによる減速処理(S180)、ODカットに
よる減速処理(S200)、およびシフトダウンによる
減速処理(S300)の内で、ODカットによる減速処
理(S200)のステップS220の条件およびフュー
エルカットによる減速処理(S180)のステップS4
20の条件が満足され、車間制御ECU2からエンジン
ECU6へ、ODカット要求信号とフューエルカット要
求信号とが出力され、エンジンECU6ではODカット
処理とフューエルカット処理とを実施する。
【0071】このため、実加速度ATjはスロットル開
度のみを操作した場合に比較して更に低下する。すなわ
ち、ODカットとフューエルカットとによる減速補助機
能が作用する。もし、従来技術のごとく、車間距離偏差
のみで減速制御を行おうとすると、目標車間時間Td=
2.0secでは、車速100km/hにおいて、目標
車間距離が約56mになり、減速開始は遅延することに
なるが、本実施の形態では、加速度偏差ATdeltを
演算して、この加速度偏差ATdeltの低下の程度に
基づいて、車間距離が適切か否かを判定しているので、
先行車が接近してくる状態では早めに減速手段を駆動さ
せることができ、一層の安全性が確保され、適切な車間
距離を安定して維持できる。
【0072】また、このように加速度偏差ATdelt
にて判断しているので、従来技術の問題点、すなわち実
車間距離が目標車間距離よりも短くても、先行車が遠ざ
かる場合では、先行車が遠ざかって行く際の速度が図3
の目標加速度演算マップの相対速度に反映され、その反
映に応じた加速度偏差ATdeltが得られるので、早
めに減速手段を解除することができる。このため、円滑
かつ迅速に適切な車間距離を実現することができる。逆
に実車間距離が目標車間距離よりも長くても、先行車が
接近する場合では、同様に先行車の接近の際の速度が図
3の目標加速度演算マップの相対速度に反映され、その
反映に応じた加速度偏差ATdeltが得られるので、
早めに減速手段を作動させることができる。
【0073】更に、実車間距離が目標車間距離状態にあ
っても、その時の自車の加速度が過度に大きければ、そ
の加速度が加速度偏差ATdeltに反映されて、減速
手段を作動させることができ、一層の安全が確保され、
適切な車間距離を安定して維持できる。
【0074】また、減速手段作動解除は、加速度偏差A
Tdeltが減速手段作動判定値ATref1以上とな
っただけでは実行せず、目標加速度ATmcが減速手段
解除判定値ATmcref1を越え、更に、加速度偏差
ATdeltが第2減速手段解除判定値ATref2を
越えるか、または目標加速度ATmcが第3減速手段解
除判定値ATmcref2を越えた場合に行われる。こ
の図7の場合のように下り坂の勾配が大きくない場合
は、実質的には目標加速度ATmcが減速手段解除判定
値ATmcref1を越えるか否かで、減速手段の作動
解除が決定されるので、図7に示した時刻t2まで、減
速手段の作動が解除されることはない。すなわち、十分
に自車速Vnは減速されるので制御のハンチングが防止
される。
【0075】もし、加速度偏差ATdeltが減速手段
作動判定値ATref1以上となっただけで減速手段の
作動を解除すると、時刻t1にて解除されるが、この方
法では十分に減速がなされておらず、前述したごとく、
加速度、すなわち力として釣り合っていた加速と減速と
のバランスが崩れる。そしてこのバランスの崩れに起因
して、加速度偏差ATdeltが減速手段作動判定値A
Tref1より小さくなり、早期に減速手段を作動させ
るという事態になって、制御のハンチングを引き起こ
す。
【0076】次に、勾配の大きな下り坂における本実施
の形態による効果を図8のタイミングチャートにて説明
する。図8は、自車速Vn=100km/hにて走行し
ている際に、車速80km/hの先行車が車間距離80
mの位置に現れた場合を示している。なお、走行路の勾
配は−5%の下り坂である。
【0077】クルーズコントロールスイッチ20の目標
車間距離設定スイッチは、運転者により目標車間時間T
d=2.0secに設定されているものとする。これら
のデータに基づき、前記式1から、測定車間時間Tn=
80m×3.6/100km/h=2.88secとな
る。
【0078】次に、前記式2から、車間時間偏差Tde
=2.88sec−2.0sec=0.88secとな
る。次に、この車間時間偏差Tde(=0.88se
c)と相対速度(80km/h−100km/h=−2
0km/h)とから、図3に示した目標加速度ATmc
演算マップに基づいて補完計算により目標加速度ATm
cを求める。
【0079】また、既にステップS175の処理によ
り、目標スロットル開度MAが式4に示すごとく求めら
れて、スロットル開度は急速に減少して、既に最低値ま
で達している。ただし、勾配が大きいので、実加速度A
Tjは目標加速度ATmcに比較してあまり低くなって
いない。
【0080】この時、更に、フューエルカットによる減
速処理(S180)、ODカットによる減速処理(S2
00)、およびシフトダウンによる減速処理(S30
0)の内で、ODカットによる減速処理(S200)の
ステップS220の条件およびフューエルカットによる
減速処理(S180)のステップS420の条件が満足
され、車間制御ECU2からエンジンECU6へ、OD
カット要求信号とフューエルカット要求信号とが出力さ
れて、エンジンECU6ではODカット処理とフューエ
ルカット処理とを実施する。このため、実加速度ATj
はスロットル開度のみを操作した場合に比較して更に低
下する。すなわち、ODカットとフューエルカットとに
よる減速補助機能が作用する。
【0081】減速手段作動解除は、加速度偏差ATde
ltが減速手段作動判定値ATref1以上となっただ
けでは実行せず、目標加速度ATmcが減速手段解除判
定値ATmcref1を越え、更に、加速度偏差ATd
eltが第2減速手段解除判定値ATref2を越える
か、または目標加速度ATmcが第3減速手段解除判定
値ATmcref2を越えた場合に行われる。
【0082】この図8の場合のように下り坂の勾配が大
きい場合は、加速度偏差ATdeltが第2減速手段解
除判定値ATref2を越えたか否かの判断処理(S2
50)および目標加速度ATmcが第3減速手段解除判
定値ATmcref2を越えたか否かの判断処理(S2
70)はハンチングを防ぐために効果的である。すなわ
ち、図8における時刻t11にて、目標加速度ATmc
が減速手段解除判定値ATmcref1を越える(S2
40で「YES」)が、加速度偏差ATdeltが第2
減速手段解除判定値ATref2を越えていない(S2
50で「NO」)ことと、更に、目標加速度ATmcが
第3減速手段解除判定値ATmcref2を越えていな
いので(S270で「NO」)、減速手段は作動解除さ
れない。
【0083】しかし、ステップS250あるいはステッ
プS270を設けていないと、ステップS240にて
「YES」と判定されて直ちに減速手段は作動解除(S
260)が実行される。この時は、勾配の大きな下り坂
のために自車速Vnに大きな加速度が生じていることか
ら、自車速Vnの増加により加速度偏差ATdeltが
減速手段作動判定値ATref1より小さくなって(S
220で「YES」)、短期間に減速手段は作動される
(S230)。このことから、図9に示すごとく、ハン
チングを引き起こす。
【0084】したがって、加速度偏差ATdeltが第
2減速手段解除判定値ATref2を越えたか否かの判
断処理(S250)あるいは目標加速度ATmcが第3
減速手段解除判定値ATmcref2を越えたか否かの
判断処理(S270)を行うことで、このハンチングが
防止できる。
【0085】上述した効果は、図5に示したシフトダウ
ンによる減速処理にて、シフトダウン作動指示(S33
0)がなされた場合も、ステップS350,S370に
て同じ効果を生じる。上述した実施の形態において、ス
テップS160が加速度検出手段としての処理に該当
し、ステップS150が目標加速度演算手段としての処
理に該当し、エンジンECU6にて行われるODカッ
ト、シフトダウンあるいはフューエルカットが減速手段
としての処理に該当し、ステップS220,S230
(S320,S330、およびS420,S430)が
減速実行手段としての処理に該当し、ステップS24
0,S250,S270,S260(S340,S35
0,S370,S360、およびS440,S460)
が減速解除手段としての処理に該当する。
【0086】なお、上述した各処理は、車間制御ECU
2、レーザレーダセンサ3、およびエンジンECU6に
備えられたROMあるいはバックアップRAMに記憶さ
れたプログラムにより実行されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施の形態としての制御回路の概略構成を
表すブロック図である。
【図2】 その制御回路が実行する車間制御処理のフロ
ーチャートである。
【図3】 車間制御処理において用いられる目標加速度
演算マップの説明図である。
【図4】 ODカットによる減速処理のフローチャート
である。
【図5】 シフトダウンによる減速処理のフローチャー
トである。
【図6】 フューエルカットによる減速処理のフローチ
ャートである。
【図7】 車間制御の一例を示すタイミングチャートで
ある。
【図8】 車間制御の一例を示すタイミングチャートで
ある。
【図9】 車間制御の一例を示すタイミングチャートで
ある。
【符号の説明】
2…車間制御用電子制御装置 3…レーザレーダセ
ンサ 4…ブレーキ電子制御装置 6…エンジン電子制御
装置 8…ステアリングセンサ 10…ヨーレートセンサ 12…車輪速センサ 14…警報ブザー 15…スロットル開度センサ 16…車速センサ 18…ブレーキスイッチ 20…クルーズコントロー
ルスイッチ 22…クルーズメインスイッチ 24…スロットルア
クチュエータ 25…ブレーキアクチュエータ 26…トランスミッ
ション 28…ボデーLAN
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16H 59:48 59:60 (72)発明者 山本 和重 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式 会社デンソー内 (56)参考文献 特開 平6−227282(JP,A) 特開 平7−17297(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 31/00 F02D 29/02 301

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自車と位置測定手段にて測定した自車の前
    方を走行する先行車との位置関係に基づいて、前記先行
    車との間で適切な車間距離相当量を維持するために、自
    車を走行させる駆動手段の出力を調整する車間制御装置
    であって、 自車の加速度を検出する加速度検出手段と、 現在の車間状態に基づいて、適切な車間距離相当量に近
    づくための目標加速度を求める目標加速度演算手段と、 自車の速度を低下させる機能を有する減速手段と、 前記目標加速度演算手段にて求められた目標加速度から
    前記加速度検出手段にて検出された自車の加速度を減算
    した加速度偏差が、マイナスの値である減速手段作動判
    定値より小さい条件が満足された場合に、前記減速手段
    を作動させる減速実行手段と、 前記減速実行手段の作動条件が不成立であり、前記目標
    加速度が、前記減速手段により十分に減速されたことを
    示す減速手段解除判定値より大きい条件が満足された場
    に、前記減速手段の作動を解除する減速解除手段と、 を備えたことを特徴とする車間制御装置。
  2. 【請求項2】前記減速解除手段は、請求項1記載の構成
    に代えて、 前記減速実行手段の作動条件が不成立であり、前記目標
    加速度が減速手段解除判定値より大きい条件、および前
    記加速度偏差が前記減速手段作動判定値より大きい第2
    減速手段解除判定値より大きい条件が満足された場合
    に、前記減速手段の作動を解除する構成にしたことを特
    徴とする請求項1記載の車間制御装置。
  3. 【請求項3】前記減速解除手段は、請求項1記載の構成
    に代えて、 前記減速実行手段の作動条件が不成立であり、前記目標
    加速度が減速手段解除判定値より大きい条件、および前
    記加速度偏差が前記減速手段作動判定値より大きい第2
    減速手段解除判定値より大きい条件が満足された場合、 あるいは、 前記減速実行手段の作動条件が不成立であり、前記減速
    手段解除判定値より大きくてマイナスの値またはゼロ近
    傍の値である第3減速手段解除判定値より、前記目標加
    速度が大きい条件が満足された場合のいずれかの場合
    に、 前記減速手段の作動を解除する構成にしたことを特徴と
    する請求項1記載の車間制御装置。
  4. 【請求項4】前記目標加速度演算手段は、 前記車間状態としての自車と前記先行車との間の速度関
    係と、前記車間状態としての自車と前記先行車との間の
    距離関係とに基づいて、適切な車間距離相当量に近づく
    ための目標加速度を求めることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか記載の車間制御装置。
  5. 【請求項5】前記速度関係とは、自車と前記先行車との
    間における自車または前記先行車の相対速度で表す関係
    であることを特徴とする請求項4記載の車間制御装置。
  6. 【請求項6】前記距離関係とは、自車と前記先行車との
    間における車間距離相当量と目標車間距離相当量との関
    係であることを特徴とする請求項4または5記載の車間
    制御装置。
  7. 【請求項7】前記距離関係とは、自車と前記先行車との
    間における車間距離相当量と目標車間距離相当量との偏
    差であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか記載
    の車間制御装置。
  8. 【請求項8】前記車間距離相当量は、前記先行車と自車
    との車間距離を自車の車速にて走行するに要する時間で
    ある車間時間で表される量であることを特徴とする請求
    項1〜7のいずれか記載の車間制御装置。
  9. 【請求項9】前記駆動手段の出力の調整は、前記加速度
    偏差に基づいて行われていることを特徴とする請求項1
    〜8のいずれか記載の車間制御装置。
  10. 【請求項10】前記駆動手段は内燃機関であり、前記駆
    動手段の出力の調整はスロットル開度の調整によりなさ
    れることを特徴とする請求項1〜9のいずれか記載の車
    間制御装置。
  11. 【請求項11】前記減速手段は、トランスミッションに
    オーバードライブのシフトとなるのを禁止するオーバー
    ドライブカット機構、トランスミッションに高位のシフ
    トからシフトダウンさせるシフトダウン機構、内燃機関
    に燃料が供給されるのを阻止するフューエルカット機
    構、内燃機関の点火時期を遅らせる点火遅角機構、トル
    クコンバータをロックアップ状態にするロックアップ機
    構、排気の流動抵抗を増加させる排気ブレーキ機構およ
    びリターダ機構の内の1つまたは2つ以上を利用した手
    段であることを特徴とする請求項10記載の車間制御装
    置。
  12. 【請求項12】コンピュータシステムを、請求項1〜1
    1のいずれか記載の車間制御装置として機能させるため
    のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記
    録媒体。
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