JPS625461B2 - - Google Patents

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JPS625461B2
JPS625461B2 JP15440480A JP15440480A JPS625461B2 JP S625461 B2 JPS625461 B2 JP S625461B2 JP 15440480 A JP15440480 A JP 15440480A JP 15440480 A JP15440480 A JP 15440480A JP S625461 B2 JPS625461 B2 JP S625461B2
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JP
Japan
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molecular weight
peroxide
ethylene
olefin copolymer
thermoplastic elastomer
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JP15440480A
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Akira Matsuda
Shizuo Shimizu
Shunji Abe
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、熱可塑性エラストマーに関する。更
に詳しくは、ペルオキシド架橋型エチレン・α―
オレフイン共重合体ゴムの部分架橋物およびポリ
オレフイン系樹脂を必須成分として含有する成形
性の改善された熱可塑性エラストマーに関する。 ペルオキシド架橋型エチレン・α―オレフイン
共重合体ゴムの部分架橋物およびポリオレフイン
系樹脂を必須成分として含有する熱可塑性エラス
トマーは従来から公知であり、例えば特公昭53−
21021号公報、同53−34210号公報などに記載され
ている。このような熱可塑性エラストマーは、
種々のすぐれた性質を有しているが、汎用プラス
チツクと比較して流動性の点で著しく劣り、肉厚
あるいは大型の成形品を射出成形した場合、明ら
かなフローマークを生じたり、あるいは外観の良
好な成形品が得られないなど、成形上に難点のあ
ることが次第に問題になつてきている。 このような欠点を改善するためのいくつかの提
案が本出願人によつてなされており、例えば特開
昭53−149240号公報、同53−145853号公報には、
ペルオキシド架橋型エチレン・α―オレフイン共
重合体ゴム、ペルオキシド分解型オレフイン系プ
ラスチツクおよびポリイソブチレンなどのペルオ
キシド非架橋型炭化水素系ゴム状物質および/ま
たは鉱物油系軟化剤からなる組成物を有機ペルオ
キシドの存在下で動的に熱処理し、必要に応じて
これに更にオレフイン系プラスチツクを均一に配
合せしめることにより、成形性を改善せしめるこ
とが記載されている。 しかしながら、鉱物油系軟化剤が配合された熱
可塑性エラストマーから製造された自動車の内、
外装部品などは、軟化剤が部品表面へ滲出するた
め、高性能の塗装、蒸着、接着などのこれら部品
への二次加工を十分に行ない得ないという欠点を
生じていた。これと同様の理由で、この種の熱可
塑性エラストマーは、食品容器、食品包装その他
衛生性が著しく要求される分野への適用には、自
ら限界がみられた。 また、ポリイソブチレン単独の配合では、成形
品表面への滲出は鉱物油系軟化剤を配合した場合
よりは相当に減少するものの、やはり衛生性が要
求される分野への適用には限界がみられる。更
に、鉱物油系軟化剤と共に、ポリイソブチレンな
どを配合して得られた熱可塑性エラストマーで
は、鉱物油系軟化剤を単独で用いた場合にみられ
た傾向が更に強められる。 本発明者らは、こうした点での難点がみられる
鉱物油系軟化剤に代えて、ペルオキシド架橋型の
低分子量エチレン・α―オレフイン共重合体オリ
ゴマーを成形性改良剤として用いることにより、
成形性、強度および柔軟性の点でバランスのとれ
た熱可塑性エラストマーが得られることを見出し
た。 従つて、本発明は熱可塑性エラストマーに係
り、この熱可塑性エラストマーは、(a)ムーニー粘
度(ML1+4、100℃)が40〜170のペルオキシド架
橋型高分子量エチレン・α―オレフイン共重合体
ゴムの部分架橋物、(b)ムーニー粘度(ML1+4
100℃)が5未満のペルオキシド架橋型低分子量
エチレン・α―オレフイン共重合体オリゴマーの
部分架橋物および(c)ポリオレフイン系樹脂を必須
成分として含有してなる。 いずれもペルオキシド架橋型の高分子量エチレ
ン・α―オレフイン共重合体ゴムと低分子量エチ
レン・α―オレフイン共重合体オリゴマーは、エ
チレンとプロピレン、1―ブテン、1―ペンテ
ン、4―メチル―1―ペンテン、1―ヘキセン、
1―デセン、好ましくはプロピレン、1―ブテン
などのα―オレフインとのランダム共重合体であ
つて、好ましくは更にそこにポリエン成分を共重
合させたランダム共重合体が用いられる。 ポリエン成分としては、1,4―ヘキサジエ
ン、1,6―オクタジエン、2―メチル―1,5
―ヘキサジエン、6―メチル―1,5―ヘプタジ
エン、7―メチル―1.6―オクタジエンの如き鎖
状非共役ジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロ
ペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5
―ビニルノルボルネン、5―エチリデン―2―ノ
ルボルネン、5―メチレン―2―ノルボルネン、
5―イソプロピリデン―2―ノルボルネン、6―
クロルメチル―5―イソプロペニル―2―ノルボ
ルネンの如き環状非共役ジエン、2,3―ジイソ
プロピリデン―5―ノルボルネン、2―エチリデ
ン―3―イソプロピリデン―5―ノルボルネン、
2―プロペニル―2,2―ノルボルナジエン、
1,3,7―オクタトリエン、1,4,9―デカ
トリエンの如きトリエンなどが代表的な例として
示され、特に1,4―ヘキサジエン、ジシクロペ
ンタジエン、5―エチリデン―2―ノルボルネン
などが好ましい。 これらのエチレン・α―オレフイン共重合体
は、エチレンとα―オレフインとが約50/50〜
95/5、好ましくは約55/45〜85/15のモル比で
共重合しており、これに更にポリエン成分が共重
合されている場合には、共重合体のヨウ素価が約
4〜75、好ましくは約8〜40となるような量を共
重合させている。 高分子量エチレン・α―オレフイン共重合体ゴ
ムとしては、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)が
40〜170、好ましくは60〜150のものが用いられ
る。一方、これに配合される低分子量エチレン・
α―オレフイン共重合体オリゴマーは、それ自体
公知の方法、例えばチイグラー系重合触媒を用い
て、水素ガスなどの分子量調整剤の存在下にエチ
レンとα―オレフインを共重合せしめることによ
り製造され、得られた共重合体オリゴマーは粘調
な液状のものから固体状のもの迄その性状が広範
囲に変化するが、本発明ではムーニー粘度
(ML1+4、100℃)が約5以下、好ましくはこのム
ーニー粘度でかつ還元比粘度(0.1g重合体/100
mlデカリン、135℃)が0.06以上、更に好ましく
は0.19以上のものが用いられる。そして、この低
分子量共重合体オリゴマーは、高分子量共重合体
ゴム100重量部に対して約10〜70重量部、好まし
くは約20〜60重量部の割合で配合して用いられ
る。配合割合がこれより多いと部分架橋して得ら
れる熱可塑性エラストマーの強度が低下し、一方
これより少ないと成形性改善の効果が得られな
い。 ポリオレフイン系樹脂としては、低密度乃至高
密度ポリエチレン、95モル%以上のエチレンと5
モル%以下のプロピレン、1―ブテン、1―ペン
テン、4―メチル―1―ペンテン、1―ヘキセン
などのα―オレフインとの共重合体、85モル%以
上のエチレンと15モル%以下の酢酸ビニル、アク
リル酸エステル、メタクリル酸エステルなどのα
―オレフイン以外のオレフイン性二重結合を有す
る重合性単量体との共重合体;ポリプロピレン、
90モル%以上のプロピレンと10モル%以下のプロ
ピレン以外のα―オレフインとの結晶性共重合
体;ポリ―1―ブテン、90モル%以上の1―ブテ
ンと10モル%以下の1―ブテン以外のα―オレフ
インとの結晶性共重合体;ポリ―4―メチル―1
―ペンテン、90モル%以上の4―メチル―1―ペ
ンテンと10モル%以下の4―メチル―1―ペンテ
ン以外のα―オレフインとの結晶性共重合体およ
びこれらの混合物が例示され、特にメルト・イン
デツクス0.1〜100g/10分(190℃)の前記エチ
レンの単独重合体または共重合体、メルト・イン
デツクス0.1〜100g/10分(230℃)の前記プロ
ピレンの単独重合体または共重合体およびこれら
の混合物が好ましく、これらのポリオレフイン系
樹脂は高分子量エチレン・α―オレフイン共重合
体ゴムに対し、一般に約10/90〜90/10、好まし
くは約20/80〜80/20の重量比で用いられる。 熱可塑性エラストマーを調製するための高分子
量共重合体ゴム成分の部分架橋は、次のような架
橋剤存在下での動的な熱処理によつて行われる。
例えば、(イ)高分子量共重合体ゴム成分を架橋剤存
在下で動的に熱処理する際、配合されるポリオレ
フイン系樹脂の全量を同時に共存させる方法、(ロ)
ポリオレフイン系樹脂の一部の量の共存下に高分
子量共重合体ゴム成分の熱処理を行ない、この熱
処理混合物と残りのポリオレフイン系樹脂とを均
一に混合する方法、(ハ)高分子量共重合体ゴム成分
の熱処理をポリオレフイン系樹脂の不存在下で行
ない、得られた部分架橋共重合体ゴムにポリオレ
フイン系樹脂を均一に混合する方法などが行われ
る。 本発明にあつては、これらいずれの調製方法を
とることもできるが、(イ)または(ロ)の方法をとるこ
とが好ましい。この(イ)または(ロ)の方法に従う場
合、架橋剤存在下での動的熱処理のための混練温
度は、共存するポリオレフイン系樹脂の融点以上
でなければならない。そして、このときポリエチ
レンなど共存するポリオレフイン系樹脂がペルオ
キシド架橋性を示すものの場合には、その混合割
合を高分子量共重合体ゴム100部当り30部以下の
重量比とすることが望ましい。 低分子量エチレン・α―オレフイン共重合体オ
リゴマーの部分架橋は、一般的には前記の如くに
して行われる高分子量エチレン・α―オレフイン
共重合体ゴムの動的熱処理の際にそこに共存させ
て同時に行われる。また、予め部分架橋させた低
分子量共重合体オリゴマーの形にして、これをブ
レンドすることもできる。 部分架橋を行なうための動的熱処理は、エチレ
ン・α―オレフイン共重合体ゴムおよびオリゴマ
ー、架橋剤、更に必要に応じてポリオレフイン系
樹脂を、架橋助剤、加硫促進剤、他の成形性改良
剤などの存在下または不存在下に、溶融混練する
ことによつて行われる。溶融混練装置としては、
開放型のミキシングロール、非開放型のバンバリ
ーミキサー、押出機、ニーダー、連続ミキサーな
どが用いられ、特に非開放型の装置を用い、窒素
ガスや炭酸ガスなどの不活性ガス雰囲気中で混練
することが好ましい。この溶融混練は、一般に約
150〜280℃、好ましくは約170〜240℃で、約1〜
20分間、好ましくは約3〜10分間行われる。 また、前記(ロ)または(ハ)の方法の如く、熱処理混
合物とポリオレフイン系樹脂とを均一に混合する
場合には、この混合物の細片とポリオレフイン系
樹脂のペレツトまたは粉末を一旦V型ブレンダ
ー、タンブラーブレンダー、リボンブレンダー、
ヘンシエルミキサーなどで混合した後、押出機、
ミキシングロール、ニーダー、バンバリーミキサ
ーなどを用い、ポリオレフイン系樹脂の融点以上
の温度、一般には約150〜280℃の温度で混練する
ことが好ましい。 このような動的な熱処理によつて行われる共重
合体ゴムの部分的な架橋とは、共重合体を有機ペ
ルオキシドなどの架橋剤と熱的に反応させた際生
ずる架橋反応と分解反応との競争反応において、
架橋反応の方がより多く生ずる結果得られる共重
合体の見かけ上の分子量増大の現象を意味してい
る。 架橋剤としては、有機ペルオキシドが好んで用
いられる。かかる有機ペルオキシドとして、例え
ばジクミルペルオキシド、ジ第3ブチルペルオキ
シド、2,5―ジメチル―2,5―ジ(第3ブチ
ルペルオキシ)ヘキサン、2,5―ジメチル―
2,5―ジ(第3ブチルペルオキシ)ヘキシン―
3、1,3―ビス(第3ブチルペルオキシイソプ
ロピル)ベンゼン、1,1―ビス(第3ブチルペ
ルオキシ)―3,3,5―トリメチルシクロヘキ
サン、n―ブチル―4,4―ビス(第3ブチルペ
ルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシ
ド、p―クロルベンゾイルペルオキシド、2,4
―ジクロルベンゾイルペルオキシド、第3ブチル
ペルオキシベンゾエート、第3ブチルペルオキシ
イソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキ
シド、ラウロイルペルオキシド、第3ブチルクミ
ルペルオキシドなどが挙げられる。 これらの有機ペルオキシドの中でも、スコーチ
安定性、臭気性などの点からは、2,5―ジメチ
ル―2,5―ジ(第3ブチルペルオキシ)ヘキサ
ン、2,5―ジメチル―2,5―ジ(第3ブチル
ペルオキシ)―ヘキシン―3、1,3―ビス(第
3ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、
1,1―ビス((第3ブチルペルオキシ)―3,
3,3―トリメチルシクロヘキサン、n―ブチル
―4,4―ビス(第3ブチルペルオキシ)バレレ
ートなどが好ましく、特に1,3―ビス(第3ブ
チルペルオキシイソプロピル)ベンゼンが最も好
ましい。 これらの有機ペルオキシドは、エチレン・α―
オレフイン共重合体ゴム100重量部に対し約3×
10-4〜1×10-2モル、好ましくは約5×10-4〜5
×10-3モル、より好ましくは約1×10-3〜3×
10-3モルの割合で用いられる。これ以下の配合割
合では、熱処理の結果生成する部分架橋ゴムの架
橋度が少なすぎて、熱可塑性エラストマーの耐熱
性、引張特性、弾性回復、反撥弾性などのゴム的
性質が十分ではなく、一方これ以上の配合割合で
は、部分架橋ゴムの架橋度が増す結果、熱可塑性
エラストマーの流動性が低下し、成形性を損うよ
うになる。 熱処理過程において、架橋助剤を存在させる
と、均一かつ緩和な架橋反応が期待され、しかも
耐熱性にすぐれた熱可塑性エラストマーが得られ
る。架橋助剤としては、イオウ、p―キノンジオ
キシム、p,p′―ジベンゾイルキノンジオキシ
ム、N―メチル―N、4―ジニトロソアニリン、
ニトロベンゼン、ジフエニルグアニジン、トリメ
チロールプロパン―N,N′―m―フエニレンジ
マレイミド、ジビニルベンゼン、トリアリルシア
ヌレート、エチレングリコールジメタクリレー
ト、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポ
リエチレングリコールジメタクリレート、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート、アリルメ
タクリレート、ビニルブチレート、ビニルステア
レートなどが用いられる。 ジビニルベンゼンは、ポリオレフイン系樹脂へ
の相溶性も良好であるので、熱処理による架橋効
果が均質であり、流動性と物性とのバランスがと
れしかも耐熱性にすぐれた熱可塑性エラストマー
を与える。 前記の如き各種の架橋助剤は、熱処理過程での
配合物の総量100重量部に対し約0.1〜2重量部、
好ましくは約0.3〜1重量部配合される。配合割
合がこれより多いと、有機ペルオキシドの配合量
が多い場合には架橋反応が進み、流動性に乏しい
熱可塑性エラストマーを与え、一方有機ペルオキ
シドの配合量が少ない場合には未反応の単量体と
して熱可塑性エラストマー中に残存し、それを加
工成形する際の熱履歴により物性の変化などを生
ずることがある。 有機ペルオキシドの分解を促進させる加硫促進
剤としては、トリエチルアミン、トリブチルアミ
ン、2,4,6―トリス(ジメチルアミノ)フエ
ノールなどの第3アミン類、ナフテン酸、オクテ
ン酸などのアルミニウム、コバルト、パナジウ
ム、銅、カルシウム、ジルコニウム、マンガン、
マグネシウム、鉛、水銀塩などの有機カルボン酸
金属塩の適当量が用いられる。 熱可塑性エラストマーの成形性を改善させる成
形性改良剤としては、低分子量共重合体オリゴマ
ーに加えて、ペルオキシド非架橋型炭化水素ゴム
状物質を付加的に用いることもできる。 ペルオキシド非架橋型炭化水素ゴム状物質は、
ペルオキシドと混合し、加熱下で混練しても架橋
せず、従つて流動性が低下しない炭化水素系のゴ
ム状物質であり、例えばポリイソブチレン、ブチ
ルゴム、プロピレン70モル%以上のプロピレンと
エチレンまたは1―ブテンとの共重合体、アタク
チツクポリプロピレンなどが挙げられ、これらの
中でポリイソブチレンやプロピレン含量が約50〜
95モル%で、還元比粘度(0.1g重合体/100mlデ
カリン、135℃)が約1.5〜9.0dl/gのプロピレ
ン・エチレン共重合体ゴムが性能および取扱上か
らみて最も好ましい。 これらの成形性改良剤が更に配合される場合に
は、前記(a)、(b)および(c)各成分よりなる必須成分
100重量部に対し約50重量部以下、好ましくは約
40重量部以下の割合で用いられる。 このようにして得られる熱可塑性エラストマー
は、成形性にすぐれているので、押出成形、カレ
ンダー成形、射出成形などに用いられ、肉厚ある
いは大型の成形品などを有効に成形することがで
きる。成形に際しては、熱可塑性エラストマーの
強度およびゴム的性質を損わない範囲において、
充填剤や着色剤などを配合することができる。 充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、けい
酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、シリ
カ、けいそう土、雲母粉、アスベスト、アルミ
ナ、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カル
シウム、塩基性炭酸マグネシウム、二硫化モリブ
デン、グラフアイト、ガラス繊維、ガラス球、シ
ラスバルーン、カーボン繊維などが用いられ、ま
た着色剤としてはカーボンブラツク、酸化チタ
ン、亜鉛華、べんがら、群青、紺青、アゾ顔料、
ニトロソ顔料、レーキ顔料、フタロシアニン顔料
などが用いられる。 本発明に係る熱可塑性エラストマーは、このよ
うに成形性が良好であるばかりではなく、それが
本来耐熱性や耐侯性にすぐれ、強度も大であり、
また柔軟性や反撥弾性などのゴム的な性質にもす
ぐれているという特徴を有効に生かして、ボデイ
パネル、バンパー部品、サイドシールド、ステア
リングホイールなどの各種自動車部品、靴底、サ
ンダルなどの履物、電線被覆、コネクター、キヤ
ツププラグなどの電気部品、ゴルフクラブグリツ
プ、野球バツトグリツプ、水泳用フイン、水中眼
鏡などのスポーツ・レジヤー用品、ガスケツト、
防水布、ガーデンホース、ベルトなどにそれぞれ
成形し、使用することができる。そして、これら
の各種製品や部品は、その表面に滲出する成分が
殆んど認められず、従つて塗装、蒸着、接着など
の高性能化のための二次加工をきわめて良好に行
なうことができるばかりでなく、衛生的にも良好
に使用することができる。 次に、実施例および比較例を対比することによ
り、本発明の効果を説明する。これらの各例で
は、次の表1に示されるエチレン・プロピレン・
5―エチリデン―2―ノルボルネン3元共重合体
ゴム(EPT)が用いられた。
〔試験方法〕
1 射出成形性 (1) 下記の装置および条件で射出成形した 成形機 :ダイナメルター(名機製作所製) 成形温度:200℃ 射出圧力:一次圧1300Kg/cm2、二次圧700Kg/
cm2 〃 :最大 成形速度:90秒/1サイクル 金 型:2点ゲート角板金型 成形品 :3種類の角板(長さ300mm、幅180
mm、厚さ2、4、7mm) (2) 成形品の外観判定基準 (a) フローマークを下記5段階で評価した (評価)1:フローマークが著しく多い 2:成形品全面にかなりみられる 3:成形品全面にわずかにみられる 4:ゲートの反対側にのみわずかに
みられる 5:フローマークが全くみられない (b) 平滑度を目視により観察した (評価)○:滑らか △:細かい肌荒れ ×:鮫肌状 (c) 樹脂融合部(ウエルド部)の外観および融
着状態を目視で判定した (評価)○:ウエルド部が殆んど目立たない △:ウエルド部の表面光沢にムラが
ある ×:ウエルドラインが目立つ 2 押出成形性 (1) 下記の装置および条件でチユーブを押出成形
した 成形機 :40mmφ押出機(東芝機械製) 成形温度:210℃ ダ イ:ストレートダイ(ダイ/コアー
12.5mm/10.0mm) 引取速度:10m/分 (2) 成形品の外観判定基準として、チユーブ表面
の凹凸を下記3段階で評価した (評価)○:肌は平滑である △:細かに肌荒れ ×:著しい肌荒れ 3 基本物性 前記1の方法で射出成形して得られた厚さ2mm
の角板から試験片を切削し、次の項目についてそ
の値を測定した 100%伸び応力:JIS K−6301 引張破断点応力 :JIS K−6301 引張破断点伸び :JIS K−6301 スプリング強さ :JIS K−6301(JIS Aタイ
プ) 永 久 伸 び :JIS K−6301 耐 熱 温 度 :恒温槽中に試験片を置き、
槽の温度を20℃/分の速
度で昇温し、49gの荷重
をかけた直径0.8mmの針
が、試料に0.1mmの深さ
迄針入する温度 4 抽出試験 厚生省告示434号に従つて、n―ヘプタン溶出
量を求めた 5 塗装試験 厚さ2mmの射出成形角板の表面を、アセトンを
浸した清浄な布で拭いた後、ここにプライマー
RB―291(日本ビーケミカル社製品)を乾燥後の
膜厚が約15μとなるように塗布し、引続きオーブ
ン中約80℃の温度で約30分間乾燥する。次に、ウ
レタン系塗料R―257(日本ビーケミカル社製
品)をそこに塗布し、オーブン中約100℃の温度
で30分間焼付けを行なつた。そして、このように
して塗装された塗料の密着性を基盤目テスト法
(試験100目中の残留目数)によつて評価した。 得られた結果は、表2−2に示される。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a)ムーニー粘度(ML1+4、100℃)が40〜170
    のペルオキシド架橋型高分子量エチレン・α―オ
    レフイン共重合体ゴムの部分架橋物、(b)ムーニー
    粘度(ML1+4、100℃)が5未満のペルオキシド
    架橋型低分子量エチレン・α―オレフイン共重合
    体オリゴマーの部分架橋物および(c)ポリオレフイ
    ン系樹脂を必須成分として含有してなる熱可塑性
    エラストマー。 2 高分子量エチレン・α―オレフイン共重合体
    ゴム100重量部に対し低分子量エチレン・α―オ
    レフイン共重合体オリゴマーを10〜70重量部の割
    合で配合し、部分架橋させた特許請求の範囲第1
    項記載の熱可塑性エラストマー。
JP15440480A 1980-10-31 1980-10-31 Thermoplastic elastomer Granted JPS5778434A (en)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5918741A (ja) * 1982-07-21 1984-01-31 Mitsui Petrochem Ind Ltd 防水シ−ト
JPH0676518B2 (ja) * 1986-02-28 1994-09-28 三井石油化学工業株式会社 熱可塑性エラストマー

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