JPS6254060A - 耐遅れ破壊性の優れた高強度油井用鋼管 - Google Patents
耐遅れ破壊性の優れた高強度油井用鋼管Info
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- JPS6254060A JPS6254060A JP19187985A JP19187985A JPS6254060A JP S6254060 A JPS6254060 A JP S6254060A JP 19187985 A JP19187985 A JP 19187985A JP 19187985 A JP19187985 A JP 19187985A JP S6254060 A JPS6254060 A JP S6254060A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- delayed fracture
- steel pipe
- fracture resistance
- oil well
- strength
- Prior art date
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
「発明の目的」
本発明は耐遅れ破壊性の優れた高強度油井用鋼管に係り
、高い降伏強さを有し、しかも耐遅れ破壊性において優
れた高強度油井用鋼管を提供しようとするものである。
、高い降伏強さを有し、しかも耐遅れ破壊性において優
れた高強度油井用鋼管を提供しようとするものである。
産業上の利用分野
高強度を有し、しかも耐遅れ破壊性において優れた油井
用鋼管。
用鋼管。
従来の技術
油井管においては降伏強さが150 KSi(105,
5kgf / mm2)以上を有する材料の要求すれる
ことがあり、このような製品はV−150と称されてい
る。然して鋼管は焼入れ焼戻し処理によって製造されて
いるが、Cr、 Mo等の強化元素添加量が少く、前
記V−150の強度を確保するためには焼戻し温度を低
くする必要がある。
5kgf / mm2)以上を有する材料の要求すれる
ことがあり、このような製品はV−150と称されてい
る。然して鋼管は焼入れ焼戻し処理によって製造されて
いるが、Cr、 Mo等の強化元素添加量が少く、前
記V−150の強度を確保するためには焼戻し温度を低
くする必要がある。
発明が解決しようとする間゛照点
ところが上記のように焼戻し温度を低くしたものにおい
ては耐遅れ破壊特性が相当に劣る欠点があり、V−15
0を満足した強度と、この耐遅れ破壊特性を共に満足し
得ない不利がある。
ては耐遅れ破壊特性が相当に劣る欠点があり、V−15
0を満足した強度と、この耐遅れ破壊特性を共に満足し
得ない不利がある。
「発明の構成」
問題点を解決するための手段
(1) C:0.15〜0.26wt%、Si:0.
15〜1.00wt%・、Mn : 0.50〜1.5
0wt%、Cr :0.5〜2.0wt %、Mo:0
,5 〜1. 5wt %、P ≦0.040wt
%、S ≦0.040wt %、 Al : 0.
005 〜0.05hlt %を含有し、残部がFe
および不可避的不純物からなり、しかも下記する式のX
≧0を満足することを特徴とする耐遅れ破壊性の優れた
高強度油井用鋼管。
15〜1.00wt%・、Mn : 0.50〜1.5
0wt%、Cr :0.5〜2.0wt %、Mo:0
,5 〜1. 5wt %、P ≦0.040wt
%、S ≦0.040wt %、 Al : 0.
005 〜0.05hlt %を含有し、残部がFe
および不可避的不純物からなり、しかも下記する式のX
≧0を満足することを特徴とする耐遅れ破壊性の優れた
高強度油井用鋼管。
−320×C(%) +80×Cr (%) +2
62 X!J。
62 X!J。
(%) −2324X P (%) −8136x S
(%)=X(2) C:0.15〜L26wt%、
Sj:0.15〜1. 00wt%、Mn : 0.5
0〜1.50wt%、Cr :0.5〜2.0wt %
、MO:0.5〜1.5wt %、P≦0.040wt
%、S≦0.040wt %、Al: 0.005〜
0.050!it %を含有すると共に、 Nb:0.01〜0.19wt%、B :0.000
5〜0.0030wt%、V : 0.05〜0.1
5wt%、Ti :0.005〜0.04(ht %、
Cu : 0.10〜0.50wt%、W 、: 0.
10〜0.60wt%、Ni : 0.05〜0.25
wt%、Ca : 0.0010〜0.0030wt%
、の何れか1種または2種以上を含有し、残部がFeお
よび不可避的不純物からなり、しかもS(%)−Ca
(%)/2−<0の場合においてはS(%)−Ca (
%)/2=Oとして計算して下記する式のX≧0を満足
することを特徴とする耐遅れ破壊性の優れた高強度油井
用鋼管。
(%)=X(2) C:0.15〜L26wt%、
Sj:0.15〜1. 00wt%、Mn : 0.5
0〜1.50wt%、Cr :0.5〜2.0wt %
、MO:0.5〜1.5wt %、P≦0.040wt
%、S≦0.040wt %、Al: 0.005〜
0.050!it %を含有すると共に、 Nb:0.01〜0.19wt%、B :0.000
5〜0.0030wt%、V : 0.05〜0.1
5wt%、Ti :0.005〜0.04(ht %、
Cu : 0.10〜0.50wt%、W 、: 0.
10〜0.60wt%、Ni : 0.05〜0.25
wt%、Ca : 0.0010〜0.0030wt%
、の何れか1種または2種以上を含有し、残部がFeお
よび不可避的不純物からなり、しかもS(%)−Ca
(%)/2−<0の場合においてはS(%)−Ca (
%)/2=Oとして計算して下記する式のX≧0を満足
することを特徴とする耐遅れ破壊性の優れた高強度油井
用鋼管。
−320×C(、%) +80×Cr (%) +26
2 ×Mo(%) −2324X P (%) −8
136X (S (%)−Ca (%) / 2)
+333 XNb (%)+519XV(%) +
95 ×Cu (%) +123 xW (%)=X
作用 Cをwt%(以下単に%という)で0.15%以上とす
ることにより強度を適切に得しめ、又Siを1.0%以
下、Mnを1.5 %以下、AAを0.050 %以下
、P、Sを0.040 %以下とすることに靭性ないし
延性を確保する。
2 ×Mo(%) −2324X P (%) −8
136X (S (%)−Ca (%) / 2)
+333 XNb (%)+519XV(%) +
95 ×Cu (%) +123 xW (%)=X
作用 Cをwt%(以下単に%という)で0.15%以上とす
ることにより強度を適切に得しめ、又Siを1.0%以
下、Mnを1.5 %以下、AAを0.050 %以下
、P、Sを0.040 %以下とすることに靭性ないし
延性を確保する。
Si、 Mn、 Alは脱酸剤として作用し、C:0
.25%以下、Cr:0.5 %以上、Mo:0.5
%以上とすることにより焼入性を向上し、又焼戻し温度
を上昇せしめ、Cr:0.5 %以上、Mo:0.5
%以上を含有させると共にP、 Sを0.040 %
以下とすることにより耐遅れ破壊特性を向上する。
.25%以下、Cr:0.5 %以上、Mo:0.5
%以上とすることにより焼入性を向上し、又焼戻し温度
を上昇せしめ、Cr:0.5 %以上、Mo:0.5
%以上を含有させると共にP、 Sを0.040 %
以下とすることにより耐遅れ破壊特性を向上する。
なおNbを0.01%以上、V:0.05%以上、Cu
:0.1 %以上、W:0.1 %以上、Ca 二〇、
0010%以上の何れかによって耐遅れ破壊特性を向
上し、Nb:0.1 %以下、V:0.15%以下、C
aを0.015 %以下とすることにより靭性を確保す
る。B :0.0005%以上、Ti:0.005 %
以上、W:0.196以上の添加は焼入性を向上する。
:0.1 %以上、W:0.1 %以上、Ca 二〇、
0010%以上の何れかによって耐遅れ破壊特性を向
上し、Nb:0.1 %以下、V:0.15%以下、C
aを0.015 %以下とすることにより靭性を確保す
る。B :0.0005%以上、Ti:0.005 %
以上、W:0.196以上の添加は焼入性を向上する。
Cuを0.5 %以下とし、又このCuの2種度のNi
を含有さ、せることにより熱間加工性劣化を回避する。
を含有さ、せることにより熱間加工性劣化を回避する。
実施例
上記したような本発明について更に説明すると、本発明
者等は上記したような従来のものの問題点を解消すべく
研究した結果、鋼の化学成分を適切に調整することによ
って高温焼戻しを行っても■−150の強度を確保する
ことができ、又このようにして高温焼戻しを行うことに
よって耐遅れ破壊特性が従来のものよりも優れた油井用
鋼管を得ることに成功した。
者等は上記したような従来のものの問題点を解消すべく
研究した結果、鋼の化学成分を適切に調整することによ
って高温焼戻しを行っても■−150の強度を確保する
ことができ、又このようにして高温焼戻しを行うことに
よって耐遅れ破壊特性が従来のものよりも優れた油井用
鋼管を得ることに成功した。
即ち前述したような本発明における各成分組成限定理由
について説明すると以下の如くである。
について説明すると以下の如くである。
Cは、強度の向上に有効であるが、Wi96(以下単に
%という)で0.26%を超えると焼入時に焼割れが発
生する可能性が認められ、これを上限とすべきであり、
一方0.15%未満では焼入性および強度の著しい低下
を来すのでこれを下限とした。
%という)で0.26%を超えると焼入時に焼割れが発
生する可能性が認められ、これを上限とすべきであり、
一方0.15%未満では焼入性および強度の著しい低下
を来すのでこれを下限とした。
Slは、鋼の脱酸のため0.15%以上は必要であるが
、1.0 %を超えると靭性および延性を劣化させるよ
うになるので、これ以下とすべきである。
、1.0 %を超えると靭性および延性を劣化させるよ
うになるので、これ以下とすべきである。
Mnは、脱酸剤として有効であり、かつ焼入性を向上さ
せる元素であって、0.5 %以下ではこれらの目的を
達することができず、また1、5 %を超えると靭性が
劣化するのでこれを上限とすべきである。
せる元素であって、0.5 %以下ではこれらの目的を
達することができず、また1、5 %を超えると靭性が
劣化するのでこれを上限とすべきである。
Crは、焼入性を向上させる元素であり、かつ焼戻し温
度を上昇させ、耐遅れ破壊特性を向上させるのに有効な
元素であって、0.5 %以下ではその効果が不充分で
ある。又2.0 %を超えると、その効果は飽和してし
まうので2.0 %以下とすべきである。
度を上昇させ、耐遅れ破壊特性を向上させるのに有効な
元素であって、0.5 %以下ではその効果が不充分で
ある。又2.0 %を超えると、その効果は飽和してし
まうので2.0 %以下とすべきである。
)、10は、Crと同様に焼入性を向上させ、特に焼戻
し温度を上昇させて耐遅れ破壊特性を向上させることに
有効であって、このためには0.5 %以上含有させる
ことが必要である。しかし、1.5 %以上となるとそ
の効果が飽和し、経済的に不利となるからこれを上限と
する。
し温度を上昇させて耐遅れ破壊特性を向上させることに
有効であって、このためには0.5 %以上含有させる
ことが必要である。しかし、1.5 %以上となるとそ
の効果が飽和し、経済的に不利となるからこれを上限と
する。
lは、脱酸剤として有効であり、かつ焼入温度でのオー
ステナイト粒細粒化に有効であって、0、005 %以
下ではその効果が小さく、一方0.050%以上では該
効果が飽和し且つ靭性劣化をもたらすので、0.005
〜0.050 %の範囲とする。
ステナイト粒細粒化に有効であって、0、005 %以
下ではその効果が小さく、一方0.050%以上では該
効果が飽和し且つ靭性劣化をもたらすので、0.005
〜0.050 %の範囲とする。
PおよびSは、耐遅れ破壊特性および靭性を向上させる
ために不純物として減少させることが望ましく、0.0
40 %を上限とする。
ために不純物として減少させることが望ましく、0.0
40 %を上限とする。
上記のような基本成分組成のものに対し、本発明におい
ては下記する成分を1種又は2種以上下記範囲内におい
て含有させることができる。
ては下記する成分を1種又は2種以上下記範囲内におい
て含有させることができる。
Nbは、焼入温度で加熱時のオーステナイト粒細粒化に
有効であり、適量添加によって靭性向上を図り得るし1
.耐遅れ破壊特性の向上にも有効である。即ち0.旧%
以下ではその効果が小さく、又0.1 %以上の添加で
は靭性が劣’(tする。
有効であり、適量添加によって靭性向上を図り得るし1
.耐遅れ破壊特性の向上にも有効である。即ち0.旧%
以下ではその効果が小さく、又0.1 %以上の添加で
は靭性が劣’(tする。
■は、炭化物の析出強化により焼戻し温度の向上を図り
、耐遅れ破壊特性の向上にも有効であり、このためには
0.05%以上添加することが必要であるが、又0.1
5%以上では靭性が劣化する。
、耐遅れ破壊特性の向上にも有効であり、このためには
0.05%以上添加することが必要であるが、又0.1
5%以上では靭性が劣化する。
Cuは、耐遅れ破壊特性および耐食性の向上に有効であ
るが、その効果は0.05%未満では小さい。
るが、その効果は0.05%未満では小さい。
又0.5 %以上となると耐遅れ破壊特性に及ぼす効果
が飽和し、かつ熱間加工性の劣化が大きくなる。
が飽和し、かつ熱間加工性の劣化が大きくなる。
N1は、Cu添加による熱間加工性劣化の改善に有効な
元素であり、このためCu添加鋼にNiを添加すること
が必要である。即ちこのためにはCu%の2種度が必要
であって、0.05〜0.25%の範囲内とする。
元素であり、このためCu添加鋼にNiを添加すること
が必要である。即ちこのためにはCu%の2種度が必要
であって、0.05〜0.25%の範囲内とする。
Bは、0.0005%以上の添加で焼入性が向上する。
しかし0.0030%を超えると、その効果は飽和する
。
。
Tiは、鋼中のNと結合してBNの生成を防止し、焼入
性向上に効果のある固溶Bを確保することに有効である
。即ちこのためには0.005 %以上を添加すること
が好ましく、一方0.040 %を超えるとその効果は
飽和する。
性向上に効果のある固溶Bを確保することに有効である
。即ちこのためには0.005 %以上を添加すること
が好ましく、一方0.040 %を超えるとその効果は
飽和する。
Wは、焼入性を向上させる元素であり、又焼戻し温度を
向上させ、耐遅れ破壊特性を向上させるのに有効な元素
であるが、0.1 %以下ではその効果が小さく、一方
0.6 %を超えるとその効果は飽和する。
向上させ、耐遅れ破壊特性を向上させるのに有効な元素
であるが、0.1 %以下ではその効果が小さく、一方
0.6 %を超えるとその効果は飽和する。
Caは、非金属介在物を球状化するのに有効であり、こ
の非金属介在物球状、化により耐遅れ破壊特性は向上す
る。このような球状化のた絶には少くとも0.0010
%は必要であるが、0.0.15 %を超えると、Ca
系非金属介在物が増加し、靭性に悪影響を与えるのでこ
れを上限とする。
の非金属介在物球状、化により耐遅れ破壊特性は向上す
る。このような球状化のた絶には少くとも0.0010
%は必要であるが、0.0.15 %を超えると、Ca
系非金属介在物が増加し、靭性に悪影響を与えるのでこ
れを上限とする。
更に上記したような各成分系によるものは下記する各式
におけるXの値が0以上たることを満足すべきであり、
−このようなX≧0は降伏強さを150 KSi以上と
した場合においても良好な耐遅れ破壊特性を得るために
必要な化学成分を得るための条件である。
におけるXの値が0以上たることを満足すべきであり、
−このようなX≧0は降伏強さを150 KSi以上と
した場合においても良好な耐遅れ破壊特性を得るために
必要な化学成分を得るための条件である。
基本成分系の場合。
−320×C(%) +80×Cr (%) +262
X九t。
X九t。
(%) −2324X P (%) −8136X S
(%)=X・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・(a
)任意成分系をも含有した場合。
(%)=X・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・(a
)任意成分系をも含有した場合。
−320×C(%) +80 ×Cr (%) +26
2 XM。
2 XM。
(%) −2324x P (%) −8136X C
3(%)−Ca (%) / 2) +333
xNb (%)+519XV(%) +95×Cu
(%) +123 ×W (%)=X・・・・・
・・(al) 但し上記a1 式に関しては、そのS(%) −Ca(
%)/2<0となる場合においては、S(%)−Ca
(%)/2=0として計算するものであり、又Cu添加
鋼にNiをCu (%)のZ程度添加する。
3(%)−Ca (%) / 2) +333
xNb (%)+519XV(%) +95×Cu
(%) +123 ×W (%)=X・・・・・
・・(al) 但し上記a1 式に関しては、そのS(%) −Ca(
%)/2<0となる場合においては、S(%)−Ca
(%)/2=0として計算するものであり、又Cu添加
鋼にNiをCu (%)のZ程度添加する。
然して具体的な製造に当っては、各成分が上記のような
限定範囲内にあり、且つa式又はal 式のX≧0を満
足する成分系に、850〜950℃から焼入れを行い、
その後下記する各式のZ≧0を満足し、しかもAc、温
度以下の焼戻し温度によって降伏強さがL 50 KS
i以上となるように焼戻しを行うことにより良好な耐遅
れ破壊特性を有する鋼が得られる。
限定範囲内にあり、且つa式又はal 式のX≧0を満
足する成分系に、850〜950℃から焼入れを行い、
その後下記する各式のZ≧0を満足し、しかもAc、温
度以下の焼戻し温度によって降伏強さがL 50 KS
i以上となるように焼戻しを行うことにより良好な耐遅
れ破壊特性を有する鋼が得られる。
a式によるものの場合
Y−385−225×C(%)−30×Cr (%)
−117XMo (%)=Z ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ bal 式によるものの場合 Y−385−225×C(%) −30×Cr (%)
=117 XMo (%) −200XNII (%
)−630xV(%)−52xw(%>=2 ・・・
・・・b1但し上記すおよびbl 式において、Yは焼
戻し温度(1)である。
−117XMo (%)=Z ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ bal 式によるものの場合 Y−385−225×C(%) −30×Cr (%)
=117 XMo (%) −200XNII (%
)−630xV(%)−52xw(%>=2 ・・・
・・・b1但し上記すおよびbl 式において、Yは焼
戻し温度(1)である。
焼入れ温度範囲の850〜950℃は、焼入れによって
オーステナイト相からマルテンサイト相の焼入れ組織を
得るために充分なオーステナイト粒の成長に必要であり
、且つオーステナイト粒の粗大化による耐遅れ破壊特性
および靭性の劣化を防ぐために必要である。
オーステナイト相からマルテンサイト相の焼入れ組織を
得るために充分なオーステナイト粒の成長に必要であり
、且つオーステナイト粒の粗大化による耐遅れ破壊特性
および靭性の劣化を防ぐために必要である。
即ち以上に示したように降伏強さが150 KSi以上
の高強度油井用鋼管を製造する場合、その化学成分が限
定範囲内にあり、且つa式又はa、式のX≧0なる要件
を満足した鋼を、850〜950℃から焼入れし、更に
b式又はbl 式のZ≧0なる条件を満足すると共にA
C,温度以下の焼戻し温度で、降伏強さが150 KS
i以上となるように焼戻しすることにより良好な耐遅れ
破壊特性を得しめる。
の高強度油井用鋼管を製造する場合、その化学成分が限
定範囲内にあり、且つa式又はa、式のX≧0なる要件
を満足した鋼を、850〜950℃から焼入れし、更に
b式又はbl 式のZ≧0なる条件を満足すると共にA
C,温度以下の焼戻し温度で、降伏強さが150 KS
i以上となるように焼戻しすることにより良好な耐遅れ
破壊特性を得しめる。
本発明によるものの具体的な製造例について説明すると
以下の如くである。
以下の如くである。
即ち先ず本発明者等が用いた本発明による鋼の化学成分
組成は次の第1表に示す鋼1〜24の如くであり、又こ
のような本発明によるものに対し比較鋼として用いたも
のは別に第2表に示した鋼A−Uの如くである。
組成は次の第1表に示す鋼1〜24の如くであり、又こ
のような本発明によるものに対し比較鋼として用いたも
のは別に第2表に示した鋼A−Uの如くである。
然して上記した第1表の本発明による鋼に対する焼入れ
条件と焼戻し条件およびそれらの熱処理後に得られた試
験片による降伏強さ、引張り強さは次の第3表に示す如
くであって、同様に第2表に示した比較鋼についての同
様な熱処理条件とその後に得られた試験片によるそれら
の値は第4表に示す如くである。
条件と焼戻し条件およびそれらの熱処理後に得られた試
験片による降伏強さ、引張り強さは次の第3表に示す如
くであって、同様に第2表に示した比較鋼についての同
様な熱処理条件とその後に得られた試験片によるそれら
の値は第4表に示す如くである。
なお遅れ破壊試験には片持梁式の試験機を使用し、その
試験片としてはその長さ方向を圧延方向と平行として採
取し、その寸法は1010X15X150のものとして
第1図に示すような試験片(1)とし、その中央に深さ
3 mmの疲労クラック(2)を圧延方向および圧延面
に直交するように導入したもので、上記試験機により試
験片(1)の疲労クラックが開口゛する方向に曲げモー
メントを負荷することによって疲労クラック(2)先端
のKl値を240kg f / nun3/z とし、
試験環境中に保持して破断時間を測定した。試験環境は
30℃の35%NaCI!水溶液(pH= 7 ”)と
し、最大保持時間は500時間とした。この遅れ破壊試
験の結果得られた破断時間は第3表および第4表に併せ
て示し、同時に前述したa式又はa、式およびb式又は
す、式によるXおよびZの値も示した。
試験片としてはその長さ方向を圧延方向と平行として採
取し、その寸法は1010X15X150のものとして
第1図に示すような試験片(1)とし、その中央に深さ
3 mmの疲労クラック(2)を圧延方向および圧延面
に直交するように導入したもので、上記試験機により試
験片(1)の疲労クラックが開口゛する方向に曲げモー
メントを負荷することによって疲労クラック(2)先端
のKl値を240kg f / nun3/z とし、
試験環境中に保持して破断時間を測定した。試験環境は
30℃の35%NaCI!水溶液(pH= 7 ”)と
し、最大保持時間は500時間とした。この遅れ破壊試
験の結果得られた破断時間は第3表および第4表に併せ
て示し、同時に前述したa式又はa、式およびb式又は
す、式によるXおよびZの値も示した。
又前記したようなX、Zの値に対応する遅れ破壊試験結
果については別に第2図に要約して示す通りであって、
この第2図から明らかなように本発明によるものは50
0時間保持後も遅れ破壊が全く発生しておらず、何れも
良好な耐遅れ破壊特性を示す。これに対し比較材は殆ど
が500時間以内に遅れ破壊が発生しており、この50
0時間保持後も遅れ破壊が発生しない例もV−150と
しては強度不足となっている。なお比較例のA。
果については別に第2図に要約して示す通りであって、
この第2図から明らかなように本発明によるものは50
0時間保持後も遅れ破壊が全く発生しておらず、何れも
良好な耐遅れ破壊特性を示す。これに対し比較材は殆ど
が500時間以内に遅れ破壊が発生しており、この50
0時間保持後も遅れ破壊が発生しない例もV−150と
しては強度不足となっている。なお比較例のA。
BはSNCM439鋼、C,DはそれぞれSCM435
、SCM43Q鋼であって、これらは機械構造用に広く
用いられている鋼であるが、化学成分は本発明範囲外に
あり、本発明例と比較すると耐遅れ破壊特性が劣ってい
る。比較例E、F、G。
、SCM43Q鋼であって、これらは機械構造用に広く
用いられている鋼であるが、化学成分は本発明範囲外に
あり、本発明例と比較すると耐遅れ破壊特性が劣ってい
る。比較例E、F、G。
H,I、J鋼は化学成分の個々は本発明範囲内があるが
、Z≧0を満足していない例であり、それらの耐遅れ破
壊特性は劣る。K、L、M鋼はそれらの化学成分が本発
明の範囲外にあるため、焼戻し温度がZ≧0を満足する
にもかかわらず、耐遅れ破壊特性が劣っている。比較鋼
N、O,P、Q鋼はそれらの化学成分、Z≧0がともに
本発明範囲外にあってやはり耐遅れ破壊特性が劣ってい
る。
、Z≧0を満足していない例であり、それらの耐遅れ破
壊特性は劣る。K、L、M鋼はそれらの化学成分が本発
明の範囲外にあるため、焼戻し温度がZ≧0を満足する
にもかかわらず、耐遅れ破壊特性が劣っている。比較鋼
N、O,P、Q鋼はそれらの化学成分、Z≧0がともに
本発明範囲外にあってやはり耐遅れ破壊特性が劣ってい
る。
R,S、T、Uはそれらの化学成分が本発明範囲外にあ
り、Z≧、0を満足する焼戻しを行った結果、耐遅れ破
壊特性は良好であるが、V−150の強度(降伏強さ≧
105.5 kgf /mm2)が得られていない。
り、Z≧、0を満足する焼戻しを行った結果、耐遅れ破
壊特性は良好であるが、V−150の強度(降伏強さ≧
105.5 kgf /mm2)が得られていない。
「発明の効果」
以上説明したような本発明によるときは高い降伏強さを
有し、しかも耐遅れ破壊特性において優れた高強度油井
用鋼管を的確に提供し得るものであって、工業的にその
効果の大きい発明である。
有し、しかも耐遅れ破壊特性において優れた高強度油井
用鋼管を的確に提供し得るものであって、工業的にその
効果の大きい発明である。
図面は本発明−の技術的内容を示すものであって、第1
図は本発明において採用する耐遅れ破壊試験の試験片に
ついての説明図で、平面図、側面図と端面図とを併せて
示す゛ものであり、第2図は本発明鋼および比較鋼につ
いての遅れ破壊試験、結果とXおよびZの関係を要約し
て示した図表である。 なお第1図において、(1)は試験片、(2)は疲労り
ラックを示すものである。 特 許 出 願 人 日本鋼管株式会社発
明 者 服 部 圭 肋間
加 根 魯
和 宏量 海老原 打音
図は本発明において採用する耐遅れ破壊試験の試験片に
ついての説明図で、平面図、側面図と端面図とを併せて
示す゛ものであり、第2図は本発明鋼および比較鋼につ
いての遅れ破壊試験、結果とXおよびZの関係を要約し
て示した図表である。 なお第1図において、(1)は試験片、(2)は疲労り
ラックを示すものである。 特 許 出 願 人 日本鋼管株式会社発
明 者 服 部 圭 肋間
加 根 魯
和 宏量 海老原 打音
Claims (2)
- (1)C:0.15〜0.26wt%、Si:0.15
〜1.00wt%、Mn:0.50〜1.50wt%、
Cr:0.5〜2.0wt%、Mo:0.5〜1.5w
t%、P≦0.040wt%、S≦0.040wt%、
Al:0.005〜0.050wt%を含有し、残部が
Feおよび不可避的不純物からなり、しかも下記する式
のX≧0を満足することを特徴とする耐遅れ破壊性の優
れた高強度油井用鋼管。 −320×C(%)+80×Cr(%)+262×Mo
(%)−2324×P(%)−8136×S(%)=X - (2)C:0.15〜0.26wt%、Si:0.15
〜1.00wt%、Mn:0.50〜1.50wt%、
Cr:0.5〜2.0wt%、Mo:0.5〜1.5w
t%、P≦0.040wt%、S≦0.040wt%、
Al:0.005〜0.050wt%を含有すると共に
、 Nb:0.01〜0.10wt%、B:0.0005〜
0.0030wt%、V:0.05〜0.15wt%、
Ti:0.005〜0.040wt%、Cu:0.10
〜0.50wt%、W:0.10〜0.60wt%、N
i:0.05〜0.25wt%、Ca:0.0010〜
0.0030wt%、の何れか1種または2種以上を含
有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、しか
もS(%)−Ca(%)/2<0の場合においてはS(
%)−Ca(%)/2=0として計算して下記する式の
X≧0を満足することを特徴とする耐遅れ破壊性の優れ
た高強度油井用鋼管。 −320×C(%)+80×Cr(%)+262×Mo
(%)−2324×P(%)−8136×〔S(%)−
Ca(%)/2〕+333×Nb(%)+519×V(
%)+95×Cu(%)+123×W(%)=X
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19187985A JPS6254060A (ja) | 1985-09-02 | 1985-09-02 | 耐遅れ破壊性の優れた高強度油井用鋼管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19187985A JPS6254060A (ja) | 1985-09-02 | 1985-09-02 | 耐遅れ破壊性の優れた高強度油井用鋼管 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6254060A true JPS6254060A (ja) | 1987-03-09 |
Family
ID=16281984
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19187985A Pending JPS6254060A (ja) | 1985-09-02 | 1985-09-02 | 耐遅れ破壊性の優れた高強度油井用鋼管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6254060A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6447835A (en) * | 1987-08-19 | 1989-02-22 | Daido Steel Co Ltd | Production of steel for high strength parts and high strength parts |
JP2009019503A (ja) * | 2007-07-10 | 2009-01-29 | Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd | 燃料噴射管用鋼管およびその製造方法 |
EP2361996A3 (en) * | 2007-03-30 | 2011-10-19 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Low alloy pipe steel for oil well use and seamless steel pipe |
US9988060B2 (en) | 2013-02-19 | 2018-06-05 | Sluis Cigar Machinery B.V. | Vehicle for a rail |
-
1985
- 1985-09-02 JP JP19187985A patent/JPS6254060A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6447835A (en) * | 1987-08-19 | 1989-02-22 | Daido Steel Co Ltd | Production of steel for high strength parts and high strength parts |
EP2361996A3 (en) * | 2007-03-30 | 2011-10-19 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Low alloy pipe steel for oil well use and seamless steel pipe |
JP2009019503A (ja) * | 2007-07-10 | 2009-01-29 | Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd | 燃料噴射管用鋼管およびその製造方法 |
US9988060B2 (en) | 2013-02-19 | 2018-06-05 | Sluis Cigar Machinery B.V. | Vehicle for a rail |
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