JPS6251831B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、船詰みされたコンテナなどの位置
決め用ロツク金具に関するものである。

多数のコンテナを船舶輸送する場合、これらの
コンテナを単に積み重ねた状態で輸送すると、船
体の傾きなどによつて荷くずれを生じるおそれが
あるため、普通、コンテナ支持面とコンテナとの
間、および上下のコンテナ間に位置決め用ロツク
金具を配置して荷くずれを防止するようにしてい
る。

ところで、従来の位置決め用ロツク金具は、金
具本体の端部に角形のコーンを回転可能に設け、
このコーンをコンテナの下面四隅部に形成した係
合孔に挿入してから上記コーンを90゜回動して係
合孔に係合させるようにしているため、位置決め
用ロツク金具とコンテナとの結合に手間がかかる
という問題がある。

そこで、この発明は、上記の問題点を解決し、
コンテナの下面四隅に形成した係合孔に単に挿入
する簡単な作業によつてコンテナの荷くずれを確
実に防止することができる小型の位置決め用ロツ
ク金具を提供することを目的としている。

この発明の構成は、角柱状もしくはそれに類似
する形状の金具本体の端部に外周の各面が傾斜す
る挿入軸部を設け、この挿入軸部の外周下部に形
成したラツチ挿入孔に一対の並列に配置したラツ
チと、このラツチを相反する方向に押圧するスプ
リングとを設け、上記ラツチの先端部がラツチ挿
入孔から突出する状態で抜け止めし、そのラツチ
挿入孔から突出するラツチの端部に挿入軸部の傾
斜面と同方向に傾斜する案内面を設け、前記挿入
軸部をコンテナの四隅に形成した係合孔に挿し込
む操作によりラツチを係合孔に係合させてコンテ
ナを位置決めし、前記金具本体に設けたハンドル
の操作によつてラツチと係合孔の係合を解除させ
るようにしたものである。

以下、この発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。

第１図ないし第５図に示すように、金具本体１
は、横方向に切つた断面が角形になり（第４図参
照）、その本体１の外周中途にフランジ２が設け
てある。金具本体１の下側部分における一方の対
角隅部には傾斜面３を形成し、かつ他方の対角隅
部における下端には上から見た形状が三角形の係
合片４を設け、その係合片４の一辺を傾斜面３に
延長させてある（第４図参照）。

また、金具本体１の上端部は挿入軸部５され、
この軸部５の外周各面を傾斜させ、細くなつた先
端に丸みがつけてある（第１図および第２図参
照）。

上記挿入軸部５の外周下部には横向きのラツチ
挿入孔６が形成され、このラツチ挿入孔６に一対
のラツチ７，７′をスライド自在に挿入して並列
に配置してある。

なお、ラツチ挿入孔６の側面に横向きの突条８
を形成し、この突条８をラツチ７，７′の側面に
形成した横溝９に挿入して各ラツチ７，７′をス
ライド自在に支持しておくのが好ましい。

上記ラツチ７，７′の衝合面間、および、ラツ
チ７，７′とラツチ挿入孔６の側面間にはスプリ
ング１０が設けてあり、これらの各スプリング１
０は、一対のラツチ７，７′を互に逆方向に押圧
している。各ラツチ７，７′の先端部には挿入軸
部５の傾斜面と同方向に傾斜する案内面１１が形
成され、この案内面１１のほぼ全体がラツチ挿入
孔６から突出する状態で一対のラツチ７，７′は
抜け止めされる。

なお、ラツチ７，７′の抜け止め手段は後述す
る。

前記ラツチ挿入孔６の下方の位置には、ラツチ
７，７のスライド方向に対して直角方向に長く延
びる横孔１２が形成され、この横孔１２の端部は
フランジ２の外周一部で開口し、その横孔１２に
ハンドル軸１３を挿入して回転可能に支持してあ
る。ハンドル軸１３の端部は、横孔１２から外方
に突出し、その突出する端部にハンドル１４を直
角に設け、上記ハンドル１４の操作によつてハン
ドル軸１３を回転すると、スライド機構２０が作
動して一対のラツチが同時に逆方向に移動するよ
うになつている。

前記スライド機構２０は、ラツチ挿入孔６の底
面にハンドル軸１３と並行に棒状体２１を設け、
この棒状体２１の中途に設けたピン２２を金具本
体１で揺動自在に支持し、ハンドル軸１３の端部
に設けた加圧片２３を上記棒状体２１の側面端部
に係合させ、この棒状体２１の側面端部にラツチ
７，７′の下面後端部に設けた突片２４を係合さ
せてラツチ７，７′を抜け止めし、上記棒状体２
１の一方向の揺動でラツチ７のそれぞれを互に逆
方向にスライドさせるようにしてある。

実施例で示すロツク金具は上記の構造から成
り、このロツク金具は、例えば積み重ねたコンテ
ナの衝合面間に配置してコンテナの荷くずれを防
止するものである。この場合、コンテナの各隅部
には受け金具を予め取付けておくようにする。

ここで、受け金具３０は、第６図に示すように
内部中空の箱形をなし、そのコンテナ３１の上面
および下面と同一レベルに保持された面板３２に
金具本体１の上下部が挿入可能な係合孔３３が設
けてある。

いま、岸壁や船体上において吊り下げたコンテ
ナ３１′の下面隅部の係合孔３３に金具本体１の
下部に設けた係合片４を挿入して受け金具３０の
下面にフランジ２を当接すると、上記係合片４が
係合孔３３を通過して受け金具３０の内部空間に
臨む。そこで、この金具本体１を一方向に回動し
て本体の外周一部を係合孔３３の側面に当接させ
ると、係合孔３３を有する面板３２の内面に係合
片４が係合し、コンテナ３１′の下面に挿入軸部
５を下向きとして金具本体１を取付けることがで
きる。

次に、上記コンテナ３１′を吊り上げて予め船
体の甲板などに載置したコンテナ３１上に積み重
ね、下側コンテナ３１の上面隅部に形成した係合
孔３３に挿入軸部５を挿入すると、上記係合孔３
３の周縁とラツチ７，７′の案内面１１との衝合
によつて、ラツチ７，７′がスライド１０の弾力
に抗してラツチ挿入孔６の内部に向けて移動す
る。金具本体１のフランジ２が受け金具３０の上
面に当接する位置まで上側コンテナ３１′を下降
させると、一対のラツチ７，７′は係合孔３３を
通過するため、スプリング１０の弾力により、各
ラツチ７，７′が外方向に移動し、上記ラツチ
７，７′の先端部が下側コンテナ３１の係合孔３
３を有する面板３２の内面に係合し、その係合に
よつて、積み重ねたコンテナが上方向および横方
向に移動するのを防止することができる。

また、コンテナを積み重ねた状態において、ハ
ンドル１４を第５図の矢印方向に回動すると、ハ
ンドル軸１３の端部に設けた加圧片２３が棒状体
２１の端部を押圧するため、上記棒状体２３が第
４図の矢印方向に回動し、その側面端部に係合す
る突片２４を押圧する。このため一対のラツチ
７，７′はスプリング１０の弾力に抗して内方向
に移動し、ラツチ挿入孔６内にラツチ７，７′の
全体を没入させることによつて、ラツチ７，７′
と係合孔３３を備えた面板３２の係合を解除する
ことができる。その非係合状態で上側コンテナ３
１′を引き上げることにより、下側コンテナ３１
の係合孔３３から金具本体１の挿入軸部５が抜け
出し、引き上げたコンテナ３１′を任意の場所に
運ぶことができる。

なお、第４図および第５図に示すように、フラ
ンジ２の外周一部で横孔１２の開口一側方に挿入
孔４０を形成し、この挿入孔４０に係合子４１と
この係合子４１を外方向に押圧するスプリング４
２とを設け、一方ハンドル１４には上記係合子４
１を挿入孔４０内に没入させた状態で保持する部
分１５と、その保持部分１５の側面に係合子４１
の突出量を規制する突出部１６とを設け、ハンド
ル１４を回動して一対のラツチ７，７′をラツチ
挿入孔６内に没入させたとき、係合子４１が挿入
孔４０からとび出してハンドル１４の保持部分１
５の側面に係合するようにしておけば、一対のラ
ツチ７，７′をラツチ挿入孔６内に没入する状態
に保持することができるので、きわめて便利であ
る。

第１図ないし第５図に示す実施例においては、
ハンドル軸１３の端部に設けた加圧片２３で棒状
体２１を揺動させ、その棒状体２１の揺動によつ
て一対のラツチ７，７′を同時に逆方向に移動さ
せるようにしたスライド機構２０を示したが、ス
ライド機構２０の構成はこれに限定されず、他の
任意の機構を採用することができる。

例えば、第９図に示すように、ハンドル軸１３
の端部に板カム５０を取付け、この板カム５０の
回動によつてラツチの下面から垂下する一対の突
片２４を両側方に移動させるようにしてもよい。
また、第１０図に示すように、ハンドル軸１３の
端部に一対のロツド５１を並列に設け、前記ハン
ドル軸１３の回動により各ロツド５１でラツチの
下面中途から垂下する突片２４を内方向に移動さ
せるようにしてもよい。

ところで、いずれの場合も、ハンドル軸１３の
軸心を中心とする回動によつて一対のラツチ７を
互に逆方向に移動させるようにしたが、例えば、
第１１図に示すように、ハンドル軸１３の端部に
設けたピン１３′を金具本体１で揺動自在に支持
し、上記ピン１３′を中心とするハンドル軸１３
の水平方向の揺動によつて、ラツチの下面から垂
下する突片２４を両側方向に移動させるようにし
てもよい。また、第１２図に示すように金具本体
で軸方向にスライド自在に支持されたハンドル軸
１３の端部に三角形の枠体５２を取付け、この枠
体５２内にラツチから垂下する突片２４を位置さ
せて、ハンドル軸１３の矢印方向の移動により一
対の突片２４を内方向に移動させるようにしても
よい。さらに、第１３図に示すように、軸方向に
スライド可能なハンドル軸１３を設け、このハン
ドル軸１３を軸方向に移動させて先端のウエツジ
５３でラツチの下面から垂下する突片２４を同時
に外方向に移動させるようにしてもよい。

なお、ハンドル軸１３を軸方向にスライドさせ
る方法としては、金具本体にハンドルレバーの中
途を支持し、このレバーの端部と軸方向に移動可
能に支持されたハンドル軸とを連結する方法等を
採用することができる。

以上のように、この発明は、コンテナの下面四
隅に金具本体を取付けて端部の挿入軸部を下向き
とし、この挿入軸部をコンテナの積み重ねによつ
て下側コンテナの上面四隅の係合孔に単に挿入す
る簡単な作業により、挿入軸部に支持されたラツ
チの先端部が係合孔を有する面板の内面に係合す
るため、積み重ねたコンテナの横方向および上方
向の移動を確実に防止することができ、安定した
積み重ね状態を得ることができる。

また、挿入軸部のラツチ挿入孔に一対のラツチ
を挿入して並列に配置し、この一対のラツチの先
端部を挿入軸部の両側面より突出させたので、金
具本体に曲げ荷重が加わつた場合に、その荷重は
両ラツチのコンテナに対する係合部に作用するた
め、挿入軸部の片側にラツチの先端部を突出させ
た場合に比較して耐久性が高く、その耐久性を同
一とした場合に金具本体を小型化することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明に係るロツク金具の正面
図、第２図は同上の平面図、第３図は同上の縦断
側面図、第４図は同上の横断平面図、第５図は同
上の側面図、第６図はコンテナの隅部を示す斜視
図、第７図は上記コンテナの係合孔にロツク金具
をセツトした状態の底面図、第８図は上記ロツク
金具を用いて一対のコンテナを積み重ねた状態の
断面図、第９図ないし第１３図は同上スライド機
構の他の実施例を示すもので、第９図から第１１
図までは斜視図、第１２図および第１３図は平面
図である。 １……金具本体、５……挿入軸部、６……ラツ
チ挿入孔、７，７′……ラツチ、１０……スプリ
ング、１３……ハンドル軸、２０……スライド機
構。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 角柱状もしくはこれに類似する形状の金具本
   体の端部に外周の各面が傾斜する挿入軸部を形成
   し、この挿入軸部の外周下部に横向きのラツチ挿
   入孔を設け、このラツチ挿入孔に一対のラツチを
   スライド自在に挿入して並列に配置し、各ラツチ
   を相反する方向に押圧するスプリングを設け、そ
   のラツチの先端部がラツチ挿入孔から突出する状
   態で各ラツチを抜け止めし、上記ラツチ挿入孔か
   ら突出する各ラツチの先端部に挿入軸部の傾斜面
   と同方向に傾斜する案内面を設け、前記金具本体
   に支持されたハンドルの操作によつて一対のラツ
   チを同時に後退させるスライド機構を設けたコン
   テナ等の位置決め用ロツク金具。