JPH0212235Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、船積みされた多数のコンテナなど
のロツク金具に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、コンテナを船舶輸送する場合、デツキ
とコンテナとの間、および互に積み重ねられた上
下のコンテナ間にロツク金具を配置してコンテナ
の荷くずれを防止するようにしている。

上記ロツク金具の従来技術として、例えば、実
公昭59−27429号公報に示されたものがある。こ
のロツク金具は、角形柱状ブロツクの外周中途に
挿入量規制用のフランジを設け、柱状ブロツクの
上部には、そのブロツクの平面の形状とほぼ同形
状のコーンを回転可能に取付け、このコーンを柱
状ブロツクに回転可能に支持されたハンドル軸の
回転操作によつて回動させるようにしてある。

上記のロツク金具は、互に積み重ねた上下のコ
ンテナ間に配置してコンテナの荷くずれを防止
し、コンテナを積みおろす場合に、コンテナ上か
らデツキ上に落下させる手荒な取扱いをされる場
合が多いため、耐久性に優れたものでなければな
らない。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、上記従来のロツク金具においては、
ハンドル軸の回転を互に噛合する一対のベベルギ
ヤによつてコーンに伝達する構成であるため、落
下等の衝撃によつてベベルギヤの歯が欠損し易い
という不都合がある。

そこで、この考案は上記の不都合を解消し、ロ
ツク金具の耐久性を向上させることを技術的課題
としている。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の課題を解決するために、この考案は、柱
状ブロツクに回転可能に支持されたコーンのコー
ン軸下面に半径方向の長孔を形成し、柱状ブロツ
クに支持されたハンドル軸の先端部には上記長孔
に係合する連動軸を設けた構成としてハンドル軸
とコーン軸の回転伝動部の強度を高めるようにし
たのである。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて
説明する。

第１図乃至第３図に示すように、柱状ブロツク
１の外周面には軸方向の中央部にフランジ２が形
成され、そのフランジ２の上下の挿入軸部３，
３′のうち、下部挿入軸部３′の一方の対角隅部に
は傾斜面４が設けられている。また、下部挿入軸
部３′の他方の対角隅部の下部には三角形の係合
板部５が設けられている。

また、柱状ブロツク１は軸方向に二分割され、
その分割ブロツクはボルト６−ナツト７の締付け
によつて結合されている。

上記柱状ブロツク１の上部挿入軸部３の上面に
は軸方向のコーン軸支持孔８が設けられ、そのコ
ーン軸支持孔８の下端部に連通してコーン軸挿入
孔８に直角にハンドル軸挿入孔９が形成され、そ
のハンドル軸挿入孔９は前記フランジ２の外周一
部で開口している。コーン軸挿入孔８にはコーン
軸１０が挿入されて回転可能に支持され、そのコ
ーン軸１０の上部にコーン１１が設けられてお
り、上記コーン軸１０を90゜回転すると、コーン
１１の両端部は、第５図に示すように柱状ブロツ
ク１の両側面から側方に突出する。

また、コーン軸１０の下端には大径軸部１２が
一体に設けられ、その大径軸部１２はコーン軸挿
入孔８の下部に設けた大径孔部１３に嵌り、コー
ン軸１０がコーン軸挿入孔８から抜け出るのを防
止している。上記大径軸部１２の下面には、半径
方向の長孔１４が設けられている。

前記ハンドル軸挿入孔９にはハンドル軸１５が
挿入され、そのハンドル軸１５の先端部に設けた
連動軸１６は上記大径軸部１２の長孔１４に嵌
り、ハンドル軸１５を回転すると、コーン１１が
回転する。このハンドル軸１５の長さ方向の中途
にはピン１７が設けられ、そのピン１７はハンド
ル軸挿入孔９の内周面に設けた弧状の長孔１８に
嵌り、上記長孔１８の両端面にピン１７が当接す
る範囲内においてハンドル軸１５は回転可能にな
つている。

また、ハンドル軸１５の後端には、ハンドル軸
１５に直交してハンドルバー１９が設けられてい
る。

実施例で示すロツク金具は上記の構造から成
り、このロツク金具を用いてコンテナを位置決め
する場合は、上下のコンテナ間にロツク金具を配
置する。

いま、岸壁や船体上において吊り下げられたコ
ンテナの下面隅部の係合孔に柱状ブロツク１の下
部挿入軸部３′を挿入し、係合板部５が係合孔を
貫通する状態において柱状ブロツク１を軸芯を中
心に回動して下部挿入軸部３′の傾斜面４を係合
孔の内周に当接すると、係合板部５が係合孔の上
面周縁部に係合し、コンテナの下面にロツク金具
を取付けることができる。そこで、コンテナを吊
り上げて予め載置されたコンテナ上に積み重ね、
下側コンテナの上面隅部に形成した係合孔にコー
ン１１及び上部挿入軸部３を挿入して上側コンテ
ナを位置決めし、そしてハンドル軸１５の回転操
作によつてコーン１１を回動すると、そのコーン
１１の両端部が下側コンテナの係合孔の下面周縁
部に係合するため、積み重ねたコンテナが上方向
に移動するのを防止することができる。

なお、ハンドル軸１５を上記の逆方向に回動す
ると、コーン１１が回転してコーン１１両端部と
係合孔の下面周縁部との係合を解除することがで
きるため、上側コンテナを上方に引き上げること
ができる。

実施例の場合は、ロツク金具の上下を逆にして
使用したが、そのままの状態で使用する場合もあ
る。

なお、コーン１１が柱状ブロツク１の上面に重
なる状態および90゜回動した状態において、コー
ン１１を回り止めする保持機構を設けておくのが
好ましい。その保持機構としては大径軸部１２の
外周面に複数のボール孔を形成し、柱状ブロツク
には大径孔部の内周面で開口する収納孔を設け、
その収納孔にボールと、このボールを大径軸部の
外周面に押し付けるスプリングとを収納してボー
ル孔とボールとの係合によつてコーン１１を回り
止めするようにした構成のものなどを採用するこ
とができる。

〔効果〕

この考案は、コーン軸の下面に設けた半径方向
の長孔にハンドル軸の先端部に設けた連動軸を嵌
合してハンドル軸の回転をコーン軸に伝えるよう
にしたので、ロツク金具を高所から落下する手荒
な取扱いにおいてもハンドル軸の回転をコーン軸
に伝える回転伝動部が破損するという不都合がな
く、ロツク金具の耐久性を向上させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るロツク金具の一実施例
を示す縦断側面図、第２図は同上の縦断側面図、
第３図は同上の横断平面図、第４図は同上のハン
ドル軸の回転をコーン軸に伝達する回転伝動部の
横断平面図、第５図は同上コーンの作動状態を示
す縦断側面図である。 １……柱状ブロツク、２……フランジ、８……
コーン軸支持孔、９……ハンドル軸挿入孔、１０
……コーン軸、１１……コーン、１４……長孔、
１５……ハンドル軸、１６……連動軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外周の中途に挿入量規制用のフランジを設けた
   柱状ブロツクの上面に軸方向のコーン軸支持孔を
   形成し、このコーン軸支持孔に直角にハンドル軸
   支持孔を設け、上記コーン軸支持孔に回転可能に
   支持されたコーン軸の上部には、そのコーン軸と
   共に回転する状態において両端部が柱状ブロツク
   の側面から突出するコーンを設け、コーン軸の下
   面には半径方向の長孔を形成し、前記ハンドル軸
   支持孔に回転可能に支持されたハンドル軸の先端
   部に上記長孔に係合する連動軸を設けたコンテナ
   等のロツク金具。