JPS625106Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は浄化循環式水洗装置に係り、便器から
排出された汚水を浄化経路に循環させながら浄化
し、浄化された水を繰り返し利用するようにした
ものである。

従来の水洗装置として、上水を使用し、使用後
には汚水として一般下水溝等に放流するものがあ
るが、かかる水洗装置は、単に水が不経済である
だけでなく、設置可能地域が限定される欠点があ
つた。このため、便器から排出された汚水を下水
溝等に放流せず、浄化装置内を循環させながら浄
化し、浄化された水を繰り返し利用するようにし
たものがすでに実施されている。しかし、この種
従来装置は、水の浄化は十分ではないこともあつ
て、広く普及するに至つていないのが実状であつ
た。

そこで、本考案はかかる点を勘案してなされた
ものであつて、便器から排出された汚水を、順次
隣接された汚物沈澱分離槽、複数のバツ気槽、沈
澄槽に通して浄化し、更にポンプの駆動により常
時複数のろ過器内を循環させて完全な浄水とし、
必要時には、便器上方に設置された水タンクのレ
バーの操作により、水タンクへ浄水を送るように
したものであり、かくすることにより、汚水の完
全な浄化を達成したものである。

以下、図面に沿つて本考案の実施例の説明を行
う。

第１図および第２図は、それぞれ本装置の概略
側面図および平面図であつて、地中に汚物沈澱分
離槽１、第一バツ気槽２ａ及び第二バツ気槽２
ｂ、沈澄槽３、ポンプ室４が順次隣接して埋設さ
れており、便器５の上方に設置された水タンク６
のレバー７を操作すると、汚水はパイプ８を通つ
て汚物沈澱分離室１へ流入するようになつてい
る。

汚物沈澱分離室１と第一バツ気槽２ａは、パイ
プ９により連結されているが、パイプ９の下端は
汚物沈澱分離槽１の略中程まで伸びている。

第一バツ気槽２ａと第二バツ気槽２ｂには、そ
れぞれ接触器１０ａ，１０ｂが互いに隣接して設
置されており、両接触器１０ａ，１０ｂは開口２
５を通して連通している。この接触器１０ａ，１
０ｂは、第３図に示すように多数の細管１０′を
集合し、その内部に接触材２７を充填して形成さ
れたものであり、各細管１０′内を汚水が流通で
きるようになつている。また、各バツ気槽２ａ，
２ｂには、送気管１１ａ，１１ｂが垂設されてい
る。この送気管１１ａ，１１ｂの下端は、バツ気
槽２ａ，２ｂの底部まで伸びており、地上に設置
されたブロワ１２から、空気が送られて、下端か
ら気泡が噴出するようになつている。また、ポン
プ室４にもブロワ３０に連結された送気管３１が
垂設されている。

バツ気槽２ｂは、沈澄槽３と連通部１３により
連通しており、汚水はこの連通部１３を通つて沈
澄槽３に入つた後、パイプ２６を通つてポンプ室
４に落入するようになつている。２８および２９
はそれぞれパイプ２６の放出部に設けられた殺菌
筒およびスクリーンである。

ポンプ室４の底部には、ポンプ１５が設置され
ており、ポンプ室４に貯溜する汚水は、ポンプ１
５の駆動により、パイプ１６を通つて地上に設置
された第一のろ過器１７ａの下部に入り、ろ過器
１７ａ内を上昇した後、パイプ３２を通つて第二
のろ過器１７ｂに入り、更にこのろ過器１７ｂを
通過した後、パイプ１８を通つて、ポンプ室４に
環流するようになつている。また、パイプ１６か
ら、パイプ１９が分岐しており、このパイプ１９
は上記水タンク６へ通じている。２０，２１，２
２，２３は、それぞれ汚物沈澱分離槽１、バツ気
槽２ａ，２ｂ、ポンプ室４の蓋板である。

本装置は上記のような構成より成り、次に汚水
の浄化循環過程の説明を行う。

レバー７を操作すると、汚水はパイプ８を通つ
て汚物沈澱分離槽１に流入する。そして、重い汚
物イは下方に沈澱し、また軽い汚物ロは上方に浮
上する。従つて、中間層をなす比較的清澄な汚水
ハのみが、汚物沈澱分離槽１の略中程まで伸びる
パイプ９を通り、隣接されたバツ気槽２ａへ流入
する。

さて、バツ気槽２ａ内に配設された送気管１１
ａの下端からは、ブロワ１２から送られてきた空
気が気泡となつて噴出上昇している。このため、
バツ気槽２ａ内の汚水は、気泡の上昇とともに接
触器１０ａを構成する細管１０′内を回流する。
各細管１０′の内壁には、好気性微生物が繁殖し
ており、汚水に混入する汚物を分解する。而し
て、汚水には気泡が噴出混入しているので、好気
性微生物の呼吸に必要な酸素は十分に供給され、
従つて好気性微生物は盛んに活動して汚物を分解
する。次に、バツ気槽２ａにおいてある程度まで
浄化された汚水は、開口２５から第二のバツ気槽
２ｂへ入り、ここにおいて再び浄化される。

次に、バツ気槽２ｂにおいて相当程度まで浄化
された汚水は、連通部１３を通つて沈澄槽３へ入
り、ここで汚水中に残存する微細な汚物は沈降分
離される。そして、ほぼ清澄水に浄化された汚水
は、パイプ１６を通つてポンプ室４に落入し、ポ
ンプ１５によりろ過器１７ａへ送られる。その
際、汚水は殺菌筒２８内の殺菌剤により殺菌さ
れ、また残存する固形物はフイルター２９に捉え
られる。さて、ろ過器１７ａには、ろ過剤３３が
充填されており、汚水中に僅かに残存する微細な
汚物は、このろ過剤３３に吸着されて除去され
る。このようにしてろ過された水はパイプ３２を
通つて第二のろ過器１７ｂに入り、そこで完全な
清澄水となつてパイプ１８を通り、ポンプ室４に
還流される。

ここで、ポンプ１５は常に駆動しており、従つ
てポンプ室４に貯溜する水は常時パイプ１６、ろ
過器１７ａ，１７ｂ、パイプ１８を循環して、ろ
過器１７ａ，１７ｂにより繰り返し浄化され、完
全な清澄水となる。そして、このようにして浄化
されてポンプ室４に貯溜する清澄水は、水タンク
６のレバー７を操作したときだけ、パイプ１９を
通つて水タンク６内に流入する。

さて、本装置を長期間（標準的家庭の場合で約
６ケ月前後）使用すると、汚水沈澱分離槽１、バ
ツ気槽２ａ，２ｂ、ポンプ室４の水位は相当程度
まで上昇することとなる。従つて、適宜各蓋板２
０，２１，２２，２３を取りはずして、内部の汚
水を汲み取り除去する必要がある。

以上説明したように、本考案に係る浄化循環式
水洗装置は、汚物沈澱分離槽１、複数のバツ気槽
２ａ，２ｂ、沈澄槽３、ポンプ室４を地中に並設
し、水タンク６と便器５を、パイプ８により汚物
沈澱分離槽１と連結するとともに、汚物沈澱分離
槽１とバツ気槽２ａをパイプ９により連結し、且
つこのパイプ９の先端を汚物沈澱分離室１の略中
程まで伸長させておき、更にバツ気槽２ａ，２ｂ
にそれぞれ接触材２７が充填された細管１０′を
集合して形成した接触器１０ａ，１０ｂを設置す
るとともに、両槽２ａ，２ｂを連通させ、更に各
バツ気槽２ａ，２ｂおよび前記送気室４にそれぞ
れの底部まで垂下する送気管１１ａ，１１ｂ，３
１を配設し、且つ各送気管１１ａ，１１ｂ，３１
の上部にブロワ１２，３０を連設し、更にバツ気
槽２ｂと沈澄槽３の下部に連通部１３を設け、更
に沈澄槽３とポンプ室４をパイプ２６により連通
させるとともに、このパイプ２６の放水部に殺菌
筒２８とフイルター２９を設け、更にポンプ室４
の下部にポンプ１５を設置し、このポンプ１５を
パイプ１６を介して、地上に設置されたろ過器１
７ａの下部と連結し、更にろ過器１７ａを第二の
ろ過器１７ｂと接続し、このろ過器１７ｂの上部
に前記ポンプ室４に連通するパイプ１８を設け、
ポンプ１５を常時駆動することにより、ポンプ室
４に貯溜する水を常時ろ過器１７ａ，１７ｂへ送
つて繰り返し浄化するようにし、且つパイプ１６
から分岐して前記水タンク６へ向うパイプ１９を
設け、更に汚物沈澱分離槽１、バツ気槽２ａ，２
ｂ、ポンプ室４の上部に、それぞれ蓋板２０，２
１，２２，２３を設けるようにしているので、便
器５から排出された汚水は、上記順路を流れる間
に十分に浄化され、しかもろ過器１７ａ，１７ｂ
を常時くり返し循環するから、完全に浄化して清
澄な水を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すものであつて、第１
図は側面図、第２図は平面図、第３図は部分斜視
図である。 １……汚物沈澱分離槽、２ａ，２ｂ……バツ気
槽、３……沈澄槽、４……ポンプ室、５……便
器、６……水タンク、８，９，１６，１８，１９
……パイプ、１０ａ，１０ｂ……接触器、１０′
……細管、１１ａ，１１ｂ，３１……送気管、１
２，３０……ブロワ、１３……連通部、１５……
ポンプ、１７ａ，１７ｂ……ろ過器、２０，２
１，２２，２３……蓋板、２７……接触材、２８
……殺菌筒、２９……フイルター。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 汚物沈澱分離槽１、複数のバツ気槽２ａ，２
   ｂ、沈澄槽３、ポンプ室４を地中に並設し、水タ
   ンク６と便器５を、パイプ８により汚物沈澱分離
   槽１と連結するとともに、汚物沈澱分離槽１とバ
   ツ気槽２ａをパイプ９により連結し、且つこのパ
   イプ９の先端を汚物沈澱分離室１の略中程まで伸
   長させておき、更にバツ気槽２ａ，２ｂにそれぞ
   れ接触材２７が充填された細管１０′を集合して
   形成した接触器１０ａ，１０ｂを設置するととも
   に、両槽２ａ，２ｂを連通させ、更に各バツ気槽
   ２ａ，２ｂおよび前記送気室４にそれぞれの底部
   まで垂下する送気管１１ａ，１１ｂ，３１を配設
   し、且つ各送気管１１ａ，１１ｂ，３１の上部に
   ブロワ１２，３０を連設し、更にバツ気槽２ｂと
   沈澄槽３の下部に連通部１３を設け、更に沈澄槽
   ３とポンプ室４をパイプ２６により連通させると
   ともに、このパイプ２６の放水部に殺菌筒２８と
   フイルター２９を設け、更にポンプ室４の下部に
   ポンプ１５を設置し、このポンプ１５をパイプ１
   ６を介して、地上に設置されたろ過器１７ａの下
   部と連結し、更にろ過器１７ａを第二のろ過器１
   ７ｂと接続し、このろ過器１７ｂの上部に前記ポ
   ンプ室４に連通するパイプ１８を設け、ポンプ１
   ５を常時駆動することにより、ポンプ室４に貯溜
   する水を常時ろ過器１７ａ，１７ｂへ送つて繰り
   返し浄化するようにし、且つパイプ１６から分岐
   して前記水タンク６へ向うパイプ１９を設け、更
   に汚物沈澱分離槽１、バツ気槽２ａ，２ｂ、ポン
   プ室４の上部に、それぞれ蓋板２０，２１，２
   ２，２３を設けるようにした浄化循環式水洗装
   置。