JPS6250428B2 - - Google Patents

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JPS6250428B2
JPS6250428B2 JP56014083A JP1408381A JPS6250428B2 JP S6250428 B2 JPS6250428 B2 JP S6250428B2 JP 56014083 A JP56014083 A JP 56014083A JP 1408381 A JP1408381 A JP 1408381A JP S6250428 B2 JPS6250428 B2 JP S6250428B2
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JP
Japan
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cement
weight
parts
strength
water
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JP56014083A
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English (en)
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Kazuya Sano
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Toyota Central R&D Labs Inc
Aichi Steel Corp
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Toyota Central R&D Labs Inc
Aichi Steel Corp
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Publication date
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Publication of JPS6250428B2 publication Critical patent/JPS6250428B2/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P40/00Technologies relating to the processing of minerals
    • Y02P40/10Production of cement, e.g. improving or optimising the production methods; Cement grinding

Landscapes

  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、γ―2CaOSiO2および
3CaO2SiO2CaF2の1種または、2種、
12CaO7Al2O3とCaF2との固溶体および石膏を原
料とする新規のセメントに関する。公害を未然に
防止するため、硫黄酸化物がその発生源において
除去されるようになつた。これに伴い大量の石膏
が発生し、その新しい用途が求められている。本
発明は、この石膏と、他方において製鋼所におい
て大量に発生する製鋼還元期スラグとを原料とし
て作られる、新規の有用性の高いセメントを提供
することを目的とする。 従来、スラグ石膏系から成るセメントについて
は、セメント技報昭49,79等に報告があ
る。しかし、これらの使用原料は高炉水砕スラグ
であり、圧縮強度は石膏の2重量%を境に石膏の
増加とともに低下している。このことから硬化体
の結合は、従来、知られているセメント系の結合
であることが容易に推察できる。特開昭51−9120
には白色スラグセメントが報告されている。これ
は、白色ポルトランドセメント系であり、SiO2
―CaO系の水硬物であるとしている。そのため電
炉スラグを急冷させ2CaOSiO2をβ―2CaOSiO2
化させようとしている。従つて、このセメント
は、本発明のγ―2CaOSiO2あるいは
3CaO2SiO2CaF2を主要成分としているものでは
ない。また、この電炉スラグの組成からは、
12CaO7Al2O3とCaF2との固溶体が主要成分とな
ることはない。また、特公昭49−30683は、急硬
性セメントクリンカ―組成物として、
12CaO7Al2O3とCaF2との固溶体相、3CaOSiO2
およびFe2O3相の3成分系を開示している。そし
て、そのセメントは、このクリンカーに無水石膏
を加えたものである。しかし、この特公昭では、
上記3成分を単に混合したのみではセメント原料
とできず、3成分を焼成して得たクリンカー組成
のみがセメトとして使用できるとしている。ま
た、その引例として、硬化体の圧縮強度は、硬化
後3時間の184Kg/cm2を最高として、以後時間と
ともに低下し、28日後では、114Kg/cm2まで低下
することを示している。 本発明のセメントは、γ―2CaOSiO2および
3CaOSiO2CaF2の1種または2種10〜80重量部と
12CaO7Al2O3とCaF2との固溶体90〜20重量部と
を含有する基質粉末100重量部と、該基質粉末100
重量部に対し石膏1.0〜1000重量部とを主要成分
とすることを特徴とするセメントである。本発明
のセメントの原料鉱物であるγ―2CaOSiO2はわ
ずかに水和するが、常温でほぼ安定しており、水
のみでは硬化しない。12CaO7Al2O3とCaF2との
固溶体は、急硬性があるが強度は低く3CaOSiO2
と混合して使用するのが普通である。石膏も水和
するが強度は低い。ところがこれらおよびさらに
3CaO2SiO2CaF2を含む粉末を水とともに混練
し、養生すると良好な水和硬化体が得られること
が本発明により明らかとなつた。 本発明のγ―2CaOSiO2,3CaO2SiO2CaF2およ
び12CaO7Al2O3とCaF2との固溶体よりなる基質
粉末の原料として、CaOCaF2,SiO2およびAl2O2
が一定範囲内の製鋼還元期スラグが利用でき最も
容易に入手できるものとして推賞される。このス
ラグは冷却時、急冷して一部ガラス化したものを
粉砕してもよい。より好ましくは徐冷してダスチ
イングを生じせしめたスラグが基質粉末の原料に
適当である。このスラグ組成は、主として、γ―
2CaOSiO2と3CaOSiO2CaF2との混合物と
12CaO7Al2O3とCaF2との固溶体の共晶より成立
つている。 なお、その他の成分としては、数%以下のガラ
ス成分、3CaOAl2O3,3CaOSiO2CaF2,鉄粉等が
含まれる。代表的な製鋼還元期スラグ2種類を第
1表に示す。その他、当該成分をなすよう成分鉱
物ないしスラグを配合して原料とすることもで
き、また溶融処理によつて合成することも吻論可
能である。 基質粉末の組成で、12CaO7Al2O3とCaF2との
固溶体が約20重量部末満では十分な強度がでな
い。また約90重量部を越えると成品に亀裂が生じ
る。γ―2CaOSiO2と3CaOSiO2CaF2との成分に
ついては10重量部未満では、エトリンガイト生
成、成長による亀裂を防止するのに十分ではな
く、また80重量部以上では十分な強度が得られな
い。 基質粉末は12CaO7Al2O3とCaF2との固溶体を
30〜90重量部と、γ―2CaOSiO2
3CaOSiO2CaF2を10〜70重量部含有するものがよ
り望ましい。また、基質粉末は、その他不純物と
して少量の他の酸化物、沸化物、硫化物および鉄
等を含んでもよい。 なお、製鋼還元期スラグのCaO,SiO2,Al2O3
およびCaF2の組成が異る場合には本発明の基質
粉末は得られない。 石膏は無水石膏、半水石膏又は二水石膏、或い
はこれらの中間物ないし混合物であつて、その由
来は種々のものを用いることができ、二酸化硫黄
除去装置からの生成物をも用いることができる。
強度上の観点および早期硬化の観点からは無水石
膏および半水石膏、多量の水の吸着を必要とする
場合等は半水石膏等を適宜選択する。 石膏の配合量は基質粉末100重量部に対し1〜
1000重量部であり望ましくは2〜400重量部であ
る。石膏が1重量部に満たない場合には強度がほ
とんど得られない。2〜400重量部で最高強度が
得られる。石膏の量が50重量部以上100重量部以
下ではまず吸水強度が低下し、続いて乾燥強度も
低下する。しかし石膏のみのものに比し強度が高
く、特に耐水性が向上する。石膏の添加量は1重
量部以上で効果を示し、最大1000重量部までは添
加できる。これ以上の石膏添加の場合は硬化体の
性質は石膏としての性質に次第に近づくことにな
るが石膏代替品としてのみ用いる場合にはさらに
多量の石膏を添加することももちろん可能であ
る。従つて石膏は要求される強度、価格などを考
慮して適切な値を選定する。なお石膏の含有量と
硬化体強度の関係を第2表に示す。 これらの原料を粉末の状態で混合し、さらに水
を加えて混練し、約80℃以下の温度で反応を進行
させると強固な硬化物を得る。なお、水和硬化に
必要な水分の供給は、プレス成形法においてプレ
ス成型後、水に浸漬ないし水を含浸させて行うこ
とも可能である。この場合、水を含まない圧粉成
形体がまずプレス成形され、つづいて水に浸漬さ
れてセメント硬化反応が進む。硬化は普通、室温
のままで十分であるが、80℃程度で蒸気養生すれ
ば硬化は早い。但し、110℃をこえるとエトリン
ガイドに脱水が起り、亀裂等が発生するおそれが
ある。また、水中でも硬化は進行するが、強度は
一般にかなり低下する。但し、水中に放置する
と、材令と共に再び向上する。水の添加量は一般
的にセメント100重量部に対し、15〜30(好まし
くは18〜25)重量部であるが、石膏添加量減水剤
の使用及び成型方法等により大きく変化する。こ
の時、炭酸イオン源として、例えば、炭酸カルシ
ウム等を少量(1〜3重量%)加えると、多少の
効果を示すときもあるが、必ずしも必要とはされ
ない。水は通常の水でよく、水道用水でも地下水
でもさしつかえない。モルタルの保水性およびそ
れにより得られる硬化体の表面硬度を向上させた
い時は、カルボキシルメチルセルロースを0.1〜
0.2重量%程度加えるとよい。モルタルの瞬結性
を得たい時は、鉄またはアルミニウムの化合物特
に鉄ミユーバンまたは水酸化鉄を数重量%添加す
るとよい。 硬化反応の生成メカニズムないし、生成物の詳
細は、なお、完全な解明を必要とするが、本発明
において硬化体の強度発現のメカニズムは次の通
りであると解される。 製鋼還元期スラグ、石膏および水を混合成形す
ると、スラグを構成する微細共晶粒子内の一方で
ある12CaO7Al2O3とCaF2との固溶体と石膏から
エトリンガイド(3CaOAl2O33CaSO432H2O)を
生じ、他方において石膏の添加により活性化され
たγ―2CaOSiO2のSiO -イオンまたは、SiO -
水中のCO -イオンの両方がエトリンガイトの
SO -イオンと、ポトケミカルに置換してウツド
フオルダイト{Ca6Al1.5(SO4SiO3CO33
(OH)10.515H2O}を生ずる。 これは、γ―2CaOSiO2共晶粒子界面上でわず
かに水和したγ―2CaOSiO2のカルシウムイオン
がエトリンガイドの硫酸イオンに補捉され、残さ
れたSiO -イオンが硫酸イオンに代つてエトリン
ガイドに結合するものと思われる。 γ―2CaOSiO2上で強固に結合生成したエトリ
ンガイドおよびウツドフオルダイト水和物は、両
者相俟つてセメントの強度を顕著に向上させる。
即ち、共晶粒子表面に固着し、C軸方向に伸びた
骨格をもつエトリンガイドとウツドフオルダイト
の微細な針状晶(数μ以下)および球状晶(1μ
以下)のからみあいにより強度が向上すると思わ
れ、水和ダイカルシウムシリケートないし、γ―
2CaOSiO2粒子もこれに伴なつて親和性を高めて
いるものと推定される。3CaO2SiO2CaF2は、本
来極性を有しており、エトリンガイトとγ―
2CaOSiO2との粒子間の結合と同様な様式に加え
て、さらにイオン的にも強い結合様式をとつてい
るものと推定される。なお、水分添加量が少ない
場合、または乾燥時には、モルタル水和物は、結
合水を適宜有しないものないし放出したものとの
混合状態におかれる。 硬化物は、石膏の増加に伴ない、やや緑色を呈
する。また、混練水の上澄液がわずかにイオウ臭
を生じて黄変することがある。前者は、微量の複
塩3CaOCaS314H2Oが混在するFeSと反応してお
こるものであり、後者は、Ca(SH)2が硫酸イオ
ンにより分解されて生ずる硫化水素と有離硫黄の
ためであるが特に問題になるほどではないし、必
要なら公知の方法で解消することもできる。 本発明の方法で作られる硬化体の強度は、原料
の粒度にも関係がある。一般的には、粒度は、細
かい方がよい。石膏―スラグ系のスラグセメント
として前掲セメント技報(昭49)等に報告
されたものは、使用原料が高炉水砕スラグであ
り、本発明のスラグとは化学組成および原料鉱物
組成は、基本的に異る。この報告では、圧縮強度
は2%を境に石膏量の増加とともに低下してい
る。このことは、この水和物が本発明の水和化合
物とは違つて、公知のセメント系の結合であるこ
とを、意味している。本発明では、カルシウムイ
オンを多く溶出する石灰やセメントを加えること
は、強度的には、悪影響があり、全く性格を異に
している。その他、特開昭50−34621、特開昭54
−76627に記載のものおよび市販のカルシウム系
膨張剤等の場合は、水和物はエトリンガイトとし
ているものの、これらにおいては、本発明におい
てマイナスの効果を有する所の石灰やセメントを
積極的に加えている。従つてこの結合も本発明と
は別のものである。ポルトランドセメントは、非
常に水和しやすい珪酸カルシウムをもつが、一般
にはウツドフオルダイトを生成することはない。
本発明のように強度の優れた硬化体を形成するウ
ツドフオルダイトを得るにはγ―2CaOSiO2
3CaOSiO2CaF2のような水和しにくい珪酸カルシ
ウム源が必要である。本発明のセメトに対するポ
ルトランドセメントの添加による強度の低下は空
気中硬化でも水中硬化でも見られる。 本発明の硬化物は、水中に2〜4日間浸漬して
おくと、強度が低下するがそれ以降再び強度の向
上が見られる。通常の石膏製品に比べれば格段に
耐水性が高いといえる。 本発明のスラグセメントは、水と混練後成形
し、或いは成型後、水に含浸し、必要に応じ加熱
養生して所定の形の硬化物を得ることができる。
この場合、一般のセメントモルタルに比べれば曲
げ強度は小さい。また、表面硬さは粗いスラグを
用いた時には弱い。成型はスリツプ流込成型のほ
か加圧成型が可能である。加圧成型のとき、成型
圧力は一般に高い方が硬化体の強度には有利であ
るが、通例50〜100Kg/cm2をもつて足りる。加圧
成型は、水添加前、又は添加後、あるいは部分添
加後に行うことができる。 養生の方法によつても本発明硬化体の強度は変
化する。蒸気養生をすれば表面硬さはかなり向上
し、養生時の相対湿度は高い方が一般には好まし
い。 以上、本発明は、石膏とスラグという安価な原
料をもとに石膏よりはるかにすぐれた強度を有
し、セメント並の物性をもつ硬化体を提供するこ
とができる。 しかし、このスラグセメント硬化体は単なるセ
メントあるいは石膏の代替品として以上の様々の
用途や効果が期待できる。そのいくつかの例を以
下に示す。 第1に乾燥又は加湿加圧成型後の水和硬化が可
能であり、その場合高強度が得られること。第2
に通常の流込成型硬化も可能である。第3に速硬
性でありながら、微量のアミン類、クエン酸など
の有機酸およびペプトンなどの蛋白腐敗物を含む
水との混練後の可使時間が1時間と長いこと、等
がセメントとしての基本的利点である。その他の
利点として第一にウツドフオルダイトはエトリン
ガイトと同様、多くの有害イオン、例えば6価ク
ロムイオンを補捉することができる。従つて、こ
れらの金属イオンを含む産業廃棄物を本発明のス
ラグセメントで封鎖すれば、溶出を効果的に防止
できる。第二に本出願のスラグセメントは早強
で、水中でも硬化することから、沼地、ため池等
の埋立て、軟弱地盤の改良に利用できる。硬化時
には、多量の水を吸収し、数時間以内に70%程度
の反応が完了する点が有利に応用できる。また、
瞬結性を備えたセメントは止水剤およびグラウト
剤として有用である。保水性を持たせたセメント
は、発泡コンクリートの補修剤としてふさわし
い。第三に通常のセメントと同様、砂利や砂、望
ましくは、高炉スラグやガラス質の珪酸カルシウ
ム塩物質を加えて硬化させた簡易舗装が考えられ
る。この舗装は、アスフアルトのように夏季に軟
弱化することはない。また運動場やテニスコート
用にも使える。或いは骨材としての用途も考えら
れる。本出願のスラグセメントは発熱は大きい
が、温度による寸法変化は小さいからである。 早強性の利点をより積極的に生かす目標として
は、脱型サイクルの大巾な改善がある。一般には
硬化中の製品を脱型できる、圧縮強度は、100
Kg/cm2といわれているが、従来、多くの例ではこ
の強度を得るのに4〜5時間ないし1日を要して
いた。本発明のスラグでは流込成型品でも石膏4
%添加物について80℃蒸気養生なら30分以内で、
室内養生でも2時間あれば十分にこの強度をこえ
る。このような早強性は、工業的規模での連続成
型をも可能にする期待がある。また本発明のスラ
グセメントは、予めプレス成型した後に水和硬化
反応を生ぜしめることができる。この点で従来の
通例のセメントに比し大いに有用である。特に高
圧成型により高強度の硬化体を得ることができる
とともに、硬化体製造工程上においても流込成型
法の如く、型枠内に所定時間保持する必要が軽減
される。 もう1つの利点である、非収縮性も重要であ
る。本発明のスラグセメントでは水25%添加して
スリツプキヤストした成型体は5時間後脱型した
後の30日間で0.1%以下の収縮であつた。水20%
添加の成型体では全く収縮しない。したがつて、
アンカボルトなどの固定セメントとしてふさわし
い。 従来のセメント製品は収縮をおさえるため、砂
利や砂を加え、品質管理を行つてもなおかつ0.1
%以下に収縮をおさえるのは難しい。また本発明
のスラグセメントは従来のセメントに適当量添加
することによりエトリンガイトが生成し、膨張材
として使用できる。 粒度の大きい砂や砂利を加えなくても寸法精度
がよいという本発明品の特徴は特に美感を要求さ
れる製品に有用である。数μ以下の粒子で構成さ
れた硬化物の表面はきめが細かく、そのまま表装
材として使用できる。 本製品が装飾用としてさらに有利なのは色が白
く、着色が自由である点にある。従来の高価な白
色セメントに代えて、あらゆる装飾用とし本発明
品が利用できる。 さらに、注目される使途としては、ガラス繊維
強化セメントとしての利用である。本発明品は通
例のセメントのようには水と反応して水酸化カル
シウムを溶出しない。従つてガラス繊維を浸すこ
とが少なく、この用途には絶好の素材となる。 このように本発明品は多くのセメントに代り得
る特性をもち、かつその価格の安さを生かして、
従来の石膏製品にも代替できる。以上の通り本発
明の硬化体は工業上極めて有用である。 以下に実施例を示す。 実施例 1 第1表のNo.1の組成を持つ製鋼電気炉還元期ス
ラグを用い、第2表に示す通りの配合比におい
て、α型半水石膏と混合し、この混合物100部に
第2表に示す配合比において混練水を混合し、振
動を加えつつ4×4×16cmの型枠に流込む。次い
で16時間後脱型し、28日間気乾養生と水中養生を
行い、第2表に示す物性の測定試験をした。α型
半水石膏の添加量と強度との関係は、第2表に示
す通りである。
【表】 単位:重量%
第2表より明らかの如く、本実施例のスラグを
石膏に添加すると第2表のどの組成の組合せにお
いても、石膏の強度を上まわり、高価な石膏の増
量材として優れた特性を示す。
【表】
【表】 実施例 2 第1表のNo.2スラグに石膏を12.5重量%加え、
さらに、第3表に示す配合のペプトンを溶かした
混練水を加え、混練後ビカー針装置を用いて、凝
結テストを行つた。ペプトン添加量と始初、終結
の関係は、第3表に示す通りである。
【表】 上述より明らかの如く、本実施例にかかるセメ
ントは、通常用いられる凝固遅延剤の添加によ
り、凝固時間を自由に変えることができるので、
作業性に優れている。 実施例 3 第1表のNo.2スラグ100重量部、半水石膏12.5
重量部、および減水剤1重量%とクエン酸0.1重
量%を含む混練水22.5重量部を混練し、40×40×
160mmの型枠に流込み、流込み後ただちに80℃湿
度95%の室内で1時間養生し、その後室内放置し
たもの、および流込み後常温で室内放置した硬化
体について、経時圧縮強度変化を調べた。その結
果を第4表に示す。 比較のために、市販のポルトランドセメント
100重量部と6号砂100重量部および水18.8重量部
を用い、上記と同様にして、流込み後常温で室内
放置した硬化体について、同様に経時圧縮強度変
化を調べた。その結果を、第4表に併せて示す。
【表】 第4表より明らかの如く、本実施例のセメント
は、ポルトランドセメントモルタルに比べて強度
発現が非常に速いことがわかる。 実施例 4 第1表のNo.2スラグ85重量部と石膏15重量部と
よりなる混合物に1%減水剤を含む水21重量部を
加え、実施例1と同様の方法で4×4×16cmの角
状成形体Aを得た。また、参考までにポルトラン
ドセメント100重量部と6号砂100重量部およびそ
れに実施例2に示すスラグと石膏の混合粉末20重
量部に、水23重量部を加え4×4×16cmの角状成
形した成形体Bおよびポルトランドセメント100
重量部と6号砂100重量部、水22重量部とよりな
る同形状の成形体Cを得た。これら合計3成形体
の寸法変化を図に示す。 本実施例のセメントは、無収縮に近いことが示
された。また、本実施例のセメントは、ポルトラ
ンドセメントの膨張材としても使用できることが
わかる。 実施例 5 第1表No.3スラグ組成を持つ製鋼還元期スラグ
を用い、第5表に示す通りの配合比において、フ
ツ酸製造時に発生する無水石膏とを混合し、この
混合物100部に第5表に示す配合比において混練
水(1%の減水剤を含む)を混合し、JIS5201に
示すフロー値にて4×4×16cmの型枠に流込ん
だ。次いで、16時間後脱型し、28日間気乾養生し
てセメント成形体を得、該成形体の物性を測定し
た。得られた結果を第5表に示す。ただし、実施
例16および17は、スラグを若干粉砕したものを使
用している。 比較のために、スラグを用いずに、無水石膏の
みを用いたもの(比較例C4)、半水石膏のみを用
いたもの(比較例C5)、ポルトランドセメントを
用いたもの(比較例C6)を、上述と同様の方法
で比較用成形体を得、同様に物性を測定した。得
られた結果を、第5表に併せて示す。 第5表より明らかの如く、本実施例のセメント
は、モルタルフロー値198と十分流れ性を持つ
【表】
【表】 モルタルであつても、高い強度を示すことが分
る。これは、通常の石膏では得られない。また、
実験No.16,17では、1ケ月強度が1100Kg/cm2以上
を示しているが、これは、通常のセメントでは得
られない。 実施例 6 第1表No.3スラグ組成を持つ製鋼還元期スラグ
に、フツ酸製造時に発生する無水石膏、およびカ
ルシウムアルミネート(12CaO7Al2O3)またはγ
―ダイカルシウムシリケート(γ―2CaOSiO2
を第6表に示す配合比で混合し、更に、この混合
物に混合水を混合し、フロー値180(JIS5201)で
4×4×16cmの型枠に流込んだ、次いで、16時間
後脱型し、28日間気乾養生してセメント成形体を
得、該成形体の物性を測定した。得られた結果
を、第7表に示す。 第7表より明らかの如く、本実施例のセメント
は、高価なカルシウムアルミネートセメントの増
量剤として十分使用可能であることがわかる。 また、本実施例のセメントは、高価な早強性セ
メントとして知られる比較用のアルミナセメント
(実験No.C9)と同様に超早強性を示していること
が分る。さらに、該アルミナセメントが180日後
の気乾圧縮強度が230Kg/cm2と約半分に低下して
十分な強度が得られないのに対し、本実施例のセ
メントは180日後でも余り強度の低下が見られ
ず、優れた強度を保持していることが分る。これ
は、アルミナセメントの場合には、水和して一度
強度が発現してもその後水と熱との作用により水
和結晶物が転移して強度が低下しているからであ
ると思われる。これに対し、本実施例のセメント
は、上述のアルミナセメントとは異なつた結晶構
造を持つので、転移による強度低下がほとんどな
い。従つて、本実施例のセメントは、長時間にわ
たつて併用せられる各種土木構造物にも有用であ
る。
【表】
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
図は本発明のセメントを使用して得られた成形
体、およびポルトランドセメントを使用して得ら
れた成形体の経過時間と線収縮率との関係を示す
線図である。図中、符号Aは本発明のセメントを
使用して得られた成形体、Bはポルトランドセメ
ントに本発明のセメントを混合して得られた成形
体、Cはポルトランドセメントを使用して得られ
た成形体の各線図を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 γ―2CaOSiO2および3CaO2SiO2CaF2の1種
    または2種10〜80重量部と12CaO7Al2O3とCaF2
    の固溶体90〜20重量部とを含有する基質粉末100
    重量部と、該基質粉末100重量部に対し石膏1.0〜
    1000重量部とを主要成分とすることを特徴とする
    セメント。 2 基質粉末100重量部と石膏2.0〜400重量部と
    を主要成分とする特許請求の範囲第1項記載のセ
    メント。 3 基質粉末はγ―2CaOSiO2および
    3CaO2SiO2CaF2の1種または2種10〜70重量部
    と12CaO7Al2O3との固溶体30〜90重量部とを含
    有する特許請求の範囲第2項記載のセメント。 4 基質粉末はCaO,SiO2,Al2O3およびCaF2
    主要基礎原料として得られる製鋼電気炉還元期ス
    ラグである特許請求の範囲第2項記載のセメン
    ト。
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