JPS6247827B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6247827B2
JPS6247827B2 JP55086406A JP8640680A JPS6247827B2 JP S6247827 B2 JPS6247827 B2 JP S6247827B2 JP 55086406 A JP55086406 A JP 55086406A JP 8640680 A JP8640680 A JP 8640680A JP S6247827 B2 JPS6247827 B2 JP S6247827B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cement
gypsum
strength
water
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP55086406A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5711859A (en
Inventor
Kazuya Sano
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Aichi Steel Corp
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Aichi Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc, Aichi Steel Corp filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to JP8640680A priority Critical patent/JPS5711859A/ja
Publication of JPS5711859A publication Critical patent/JPS5711859A/ja
Publication of JPS6247827B2 publication Critical patent/JPS6247827B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P40/00Technologies relating to the processing of minerals
    • Y02P40/10Production of cement, e.g. improving or optimising the production methods; Cement grinding

Landscapes

  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はγ―2CaO・SiO2,12CaO7Al2O3およ
び石膏を原料とする新規のセメントに関し、特に
製鋼還元期スラグと石膏を原料とした早強性で白
色かつ安価なセメントに関する。公害が近時、社
会的に重要視され、硫黄酸化物がその発生源にお
いて除去されるようになつた。これに伴ない大量
の石膏が発生し、その新しい用途が求められてい
る。本発明はこの石膏と、他方において製鋼所に
おいて大量に発生する安価なセメント原料である
製鋼還元期スラグとを原料として作られる、新規
の有用性の高いセメントを提供することを目的と
する。 スラグ石膏系から成るセメントについては、セ
メント技報昭49,79等に報告がある。し
かし、これらの使用原料は高炉水砕スラグであ
り、圧縮強度は石膏の2重量%を境に石膏の増加
とともに低下している。このことから硬化体の結
合は、従来、知られているセメント系の結合であ
ることが容易に推察できる。 石膏を添加するさらに別のものとしては、特開
昭50―34621、特開昭54―76627および市販のカル
シウム系膨張材がある。これらにおいて、石膏を
加える目的はセメント硬化体の急結性増進、ある
いは収縮を抑える、または有害イオンの固定など
であるが、いずれも水和物はエトリンガイトであ
るとされており、これらはさらに石灰あるいはセ
メントを加えたものでる。また、特開昭51―9120
には白色スラグセメントが報告されている。これ
は白色ポルトランドセメント系でありSiO2
CaO系の水硬物であるとしている。そのため電炉
スラグを急冷させ2CaOSiO2を非晶質化あるいは
β―2CaOSiO2化させようとしている。従つて、
この特許は本願発明のγ―2CaOSiO2を主要成分
としているものではない。また、この特許の電炉
スラグの組成からは12CaO7Al2O3が主要成分と
なることはない。これらに対し、本発明はポルト
ランドセメント―石膏系セメントとは全く異つた
系列の新規なセメント組成物を提供する。 即ち、本発明は、γ―2CaOSiO210〜80重量部
と12CaO7Al2O390〜20重量部とを含有する基質
粉末100重量部と石膏2〜1000重量部とを主要成
分とすることを特徴とする製鋼還元期スラグセメ
ントである。 本発明のセメントの原料鉱物であるγ―
2CaO・SiO2も12CaO・7Al2O3および石膏のいず
れもがセメントの原料鉱物としてよく知られてい
る。このうちγ―2CaO・SiO2はわずかに水和す
るが常温でほぼ安定しており、硬化には貢献して
いない。12CaO7Al2O3は急硬性があるが強度は
低い。石膏も水和硬化するが強度は低い。ところ
が、これらを水とともに混練し養生すると良好な
水和硬化体が得られることが本発明により明らか
となつた。 本発明のγ―2CaOSiO2および12CaO7Al2O3
原料としては、CaO,SiO2およびAl2O3が一定範
囲内の製鋼還元期スラグが最も容易に入手手でき
るものとして推賞される。特に冷却時、ダステイ
ングを生ずるスラグは原料に適当である。理想的
な製鋼還元期スラグを空気中で徐冷するとγ―
2CaOSiO2と12CaO・7Al2O3とを主要成分とする
基質粉末が得られる。 なお、その他の成分としては、数%以下のガラ
ス成分MgO、鉄粉等が含まれる。代表的な製鋼
還元期スラグ2種類を第2表に示す。その他、当
該成分をなすよう成分鉱物ないしスラグを配合し
て原料とすることもでき、また溶融処理によつて
合成することももちろん可能である。
12CaO7Al2O3が約20重量部未満では十分な強度
ができない。また約90重量部を越えると成品に亀
裂が生じる。γ―2CaOSiO2については10重量部
未満ではエトリンガイト生成、成長による亀裂を
防止するのに十分ではなく、また80重量部以上で
は十分な強度が得られない。 基質粉末は12CaO7Al2O3を30〜90重量部と、
γ―2CaOSiO2を10.〜70重量部含有するものが望
ましい。また、基質粉末はγ―2CaOSiO2
12CaO7Al2O3とよりなるものでもよいが、その
他不純物として少量の他の酸化物、硫化物等を含
んでもよい。 なお、製鋼還元期スラグのCaO,SiO2および
Al2O3の組成が異る場合とか、スラグを急冷した
場合にはγ―2CaOSiO2と12CaO7Al2O3を主要成
分とする本発明の基質粉末は得られない。 石膏は焼石膏、半水石膏又は二水石膏、或いは
これらの中間物ないし混合物であつて、その由来
は種々のものを用いることができ、二酸化硫黄除
去装置からの生成物をも用いることができる。強
度上の観点からは、無水石膏および半水石膏、早
期硬化の観点からは半水石膏、多量の水の吸着を
必要とする場合等は焼石膏等を適宜選択する。 石膏の配合量は基質粉末100重量部に対し2〜
1000重量部であり望ましくは10〜50重量部であ
る。石膏が2重量部に満たない場合には強度がほ
とんど得られない。10〜50重量部で最高強度が得
られる。石膏の量が50部以上1000部以下ではまず
吸水強度が低下し、続いて乾燥強度も低下する。
しかし石膏のみのものに比し強度が高く、特に耐
水性が向上する。石膏の添加量は2重量部以上で
効果を示し、最大1000部までは添加できる。これ
以上の石膏添加の場合は硬化体の性質は石膏とし
ての性質に次第に近づくことになるが石膏代替品
としてのみ用いる場合にはさらに多量の石膏を添
加することももちろん可能である。従つて石膏は
要求される強度、価格などを考慮して適切な値を
選定する。なお石膏の含有量と硬化体強度の関係
は第1図及び第5表に示す通りである。 これらの原料を粉末の状態で混合し、さらに水
を加えて混練し、約80℃以下の温度で反応を進行
させると強固な硬化物を得る。なお、水和硬化に
必要な水分の供給は、プレス成型後、水に浸漬な
いし水を含浸させて行うことも可能である。この
場合、水を含まない圧粉成形体がまずプレス成形
され、つづいて水に浸漬されてセメント硬化反応
が進む。硬化は普通、室温のままで十分である
が、80℃程度で蒸気養生すれば硬化は早い。但
し、110℃をこえるとエトリンガイトに脱水が起
り、亀裂等が発生するおそれがある。また、水中
でも硬化は進行するが、強度は一般にかなり低下
する。但し、水中に放置すると、材令と共に再び
向上する。水の添加量は一般的にセメント100重
量部に対し、15〜30(好ましくは18〜25)重量部
であるが、石膏添加量減水剤の使用及び成型方法
等により大きく変化する。この時、炭酸イオン源
として、例えば、炭酸カルシウム等を少量(1〜
3重量%)加えると、多少の効果を示すときもあ
るが、必ずしも必要とはされない。水は通常の使
用水でよく、水道用水でも地下水でもさしつかえ
ない。 硬化反応の生成メカニズムないし、生成物の詳
細はなお完全な解明を必要とするが、本発明にお
いて、硬化体の強度発現のメカニズムは次の通り
であると解される。 製鋼還元期スラグ、石膏及び水を混合成型する
と一方で12CaO7Al2O3と石膏からエトリンガイ
ト(3CaOAl2O33CaSO432H2O)を生じ、他方方
において石膏の添加により活性化されたオリビン
型のγ―2CaOSiO2のSiO3 2-イオンまたはSiO3 2-
と空気中あるいは水中のCO3 2-イオンの両方がエ
トリンガイトのSO4 2-イオンとトポケミカルに置
換してウツドフオルダイト(Woodfordite)を生
ずる。 これは、わずかに水和したγ―2CaOSiO2のカ
ルシウムイオンがエトリンガイトの硫酸イオンに
補捉され、残されたSiO3 2-イオンが硫酸イオンに
代つてエトリンガイトに結合するものと思われ
る。 ここに生成したエトリンガイト及びウツドフオ
ルダイト水和物Ca6Al15(SO4SiO3CO33(OH)1
・15H2Oは両者相俟つてセメントの強度を顕著
に向上させる(式中CO3はない時もある)。即
ち、C軸方向に伸びた骨格をもつエトリンガイト
と針状のウツドフオルダイトのからみあいにより
強度が向上すると思われ、水和ダイカルシウムシ
リケートないしγ―2CaOSiO2粒子もこれに伴つ
て親和性を高めているものと推定される。なお、
水分添加量が少ない場合又は乾燥時には、ウツド
フオルダイトは結合水を適宜有しないものないし
放出したものとの混合状態におかれる。 なお、硬化物は石膏の増加に伴ない、やや緑色
を呈する。また、わずかにイオン臭を生じて液が
黄変することがある。前者は微量の複塩
3CaOCaS314H2Oが混在するFeSと反応しておこ
るものであり、後者は、Ca(SH)2が硫酸イオン
により分解されて生ずる硫化水素のためである
が、特に問題になるほどではないし、必要なら公
知の方法で解消することもできる。 本発明の方法で作られる硬化体の強度は原料の
粒度にも関係がある。一般には粒度は細かい方が
よい。スラグを使用した場合でいえば、30μ以下
の粒子が望ましく、30μ以下の粒子が25%以上
(好ましくは50%以上)あれば、その系として期
待できる強度をほぼ確保できるが、30μ以上の粗
粒子が25%をこえると強度は徐々に低下し、粗粒
子が30%以上になると圧縮強度は300〜320Kg/cm2
程度まで低下する。 石膏―スラグ系のスラグセメントとして前掲セ
メント技報(昭49)等に報告されたもの
は、使用原料が高炉水砕スラグであり、本発明の
スラグとは化学組成および原料鉱物組成は基本的
に異なる。この報告では、圧縮強度は2%を境に
石膏量の増加とともに低下している。このことは
この水和物が本発明の水和化合物とは違つて、公
知のセメント系の結合であることを意味してい
る。即ち、本発明では、カシウムイオンを多く溶
出する石灰やセメントを加えることは、強度的に
は悪影響があり、全く性格を異にしている。その
他、特開昭50―34621、特開昭54―76627に記載の
ものおよび市販のカルシウム系膨張剤等の場合は
水和物はエトリンガイトであるとしているもの
の、ウツドフオルダイトの生成は認めていない点
で異つたものであり、さらに、これらにおいては
本発明においては、マイナスの効果を有する所の
石灰やセメントを積極的に加えている。従つて、
この結合も本発明とは別なものである。ポルトラ
ンドセメントは非常に水和しやすい珪酸カルシウ
ムをもつが、一般にウツドフオルダイトを生成す
ることはない。本発明のように強度にすぐれた硬
化体を形成するウツドフオルダイトを得るには、
γ―2CaOSiO2のような水和しにくい珪酸カルシ
ウム源が必要である。本発明のセメントに対する
ポルトランドセメント添加による強度の低下は空
気中硬化でも水中硬化でも見られ、圧縮強度低下
の傾向は第3図に示す通りである。但し、原料混
合物を成型圧100Kg/cm2で加圧成型し、水含浸
後、80℃で2時間養生して後1時間放置後に強度
測定したものである。 本発明の硬化物は水中に2〜4日浸漬しておく
と、硫化物の硫化による石膏の生成等によつて強
度が低下するが、それ以降再び強度の向上が見ら
れ、通常の石膏製品に比べれば格段に耐水性が高
いといえる。なお、より以上の耐水性を求める場
合には、珪酸アルカリ(水ガラス)を成型硬化体
(少くともその表面に)含浸させればよい。この
処置により硬化体から遊離する硫酸イオンを水ガ
ラス中のナトリウムイオンを反応させ、可溶性塩
とするとともに水ガラス中のシリカを成型体表面
に強固に固着させることができる。またこの水ガ
ラス含浸により、硬化体の曲げ強度を増大させる
ことができる。水ガラスとしては公知の珪酸アル
カリ水性溶液を用いることができ、含浸時の稀釈
濃度は珪酸ナトリウム水性溶液換算にて0.1〜10
重量%(好ましくは0.5〜1.0重量%)とすること
ができる。珪酸アルカリのシリカ/アルカリ金属
酸化物モル比は、シリカ含有の高い(高モル比)
ものが一般に好ましいが、必ずしもこれに限定さ
れない。また、水ガラスとしての珪酸ナトリウム
はコスト上の観点から選定される。 本発明のスラグセメントは水と混練後、成型
し、或いは成型後、水に含浸し、必要に応じ加熱
養生して所定の形の硬化物を得ることができる。
この場合、一般のセメントモルタルに比べれば曲
げ強度は小さい。また、表面硬さは粗いスラグを
用いた時には弱い。成型はスリツプ流込成型のほ
か加圧成型が可能である。加圧成型のとき、成型
圧力は一般に高い方が硬化体の強度には有利であ
るが、通例50〜100Kg/cm2をもつて足りる。加圧
成型は、水添加前、又は添加後、あるいは部分添
加後に行うことができる。 養生の方法によつても本発明硬化体の強度は変
化する。80℃で蒸気養生をすれば表面硬さはかな
り向上し、養生時の相対湿度は高い方が一般には
好ましい。 以上、本発明は、石膏とスラグという安価な原
料をもとに石膏よりはるかにすぐれた強度を有
し、セメント並の物性をもつ硬化体を提供するこ
とができる。 しかし、このスラグセメント硬化体は単なるセ
メントあるいは石膏の代替品として以上の様々の
用途や効果が期待できる。そのいくつかの例を以
下に示す。 第1に乾燥又は加湿加圧成型後の水和硬化が可
能であり、その場合高強度が得られること。第2
に通常の流込成型硬化も可能である。第3に速硬
性でありながら、水との混練後の可使時間が1時
間と長いこと(ジエツトセメントは30分であ
る)、等がセメントとしての基本的利点である。
その他の利点として第一にウツドフオルダイトは
エンリンガイトと同様、多くの有害イオン、例え
ば6価クロムイオンを捕捉することができる。従
つて、これらの金属イオンを含む産業廃棄物を本
発明のスラグセメントで封鎖すれば、溶出を効果
的に防止できる。第二に本出願のスラグセメント
は早強で、水中でも硬化することから、沼地、た
め池等の埋立て、軟弱地盤の改良に利用できる。
硬化時には、多量の水を吸収し、数時間以内に70
%程度の反応が完了する点が有利に応用できる。
第三に通常のセメントと同様、砂利や砂を加え
て、さらに必要により水ガラスで表面硬化させた
簡易舗装が考えられる。この舗装は、アスフアル
トのように夏季に軟弱化することはない。また運
動場やテニスコート用にも使える。或いは骨材と
しての用途も考えられる。本出願のスラグセメン
トは発熱は大きいが、温度による寸法変化は小さ
いからである。 早強性の利点をより積極的に生かす目標として
は、脱型サイクルの大巾な改善がある。一般には
硬化中の製品を脱型できる、圧縮強度は、100
Kg/cm2といわれているが、従来、多くの例ではこ
の強度を得るのに4〜5時間ないし1日を要して
いた。本発明のスラグでは流込成型品でも石膏4
%添加物について80℃蒸気養生なら30分以内で室
内養生でも2時間あれば十分にこの強度をこえ
る。このような早強性は、工業的規模での連続成
型をも可能にする期待がある。また本発明のスラ
グセメントは、予めプレス成型した後に水和硬化
反応を生ぜしめることができる。この点で従来の
通例のセメントに比し大いに有用である。特に高
圧成型により高強度の硬化体を得ることができる
とともに、硬化体製造工程上においても流込成型
法の如く、型枠内に所定時間保持する必要が軽減
される。 もう1つの利点である、非収縮性も重要であ
る。本発明のスラグセメントでは水25%添加して
スリツプキヤストした成型体は5時間後脱型した
後の30日間で0.1%以下の収縮であつた。水20%
添加の成型体では全く収縮しない。 従来のセメント製品は収縮をおさえるため、砂
利や砂を加え、品質管理を行つてもなおかつ0.1
%以下に収縮をおさえるのは難しい。また本発明
のスラグセメントは従来のセメントに適当量添加
することによりエトリンガイトが生成し、膨張材
として使用できることは自明である。 粒度の大きい砂や砂利を加えなくても寸法精度
がよいという本発明品の特徴は特に美感を要求さ
れる製品に有用である。100μ以下の粒子で構成
された硬化体の表面はきめが細かく、そのまま表
装材として使用できる。 本製品が装飾用としてさらに有利なのは色が白
く、着色が自由である点にある。従来の高価な白
色セメントに代えて、あらゆる装飾用とし本発明
品が利用できる。 さらに、注目される使途としては、ガラス繊維
強化セメントとしての利用である。本発明品は通
例のセメントのようには水と反応して水酸化カル
シウムを溶出しない。従つてガラス繊維を浸すこ
とが少なく、この用途には絶好の素材となる。 ちなみに、硬化体粉末の溶出液のPHは第7表
に示す通りで本発明品はアルカリ性が弱い点が特
徴である。 このように本発明品は多くのセメントに代り得
る特性をもち、かつその価格の安さを生かして、
従来の石膏製品にも代替できる。以上の通り本発
明の硬化体は工業上極めて有用である。 以下に実施例を示す。 実施例1 (スラグ粒径の影響)(以下配合比は
重量比による) 第3表の粒度分布をもつ製鋼還元期スラグNo.1
とNo.2を種々の割合で混合したもの100部に対
し、半水石膏を10部添加混合し、さらに水15部を
加えて混練し、直径15mm、高さ3cmの試験片を
100Kg/cm2圧で加圧成型した。相対湿度100%、80
℃で2時間養生し、養生後ただちに圧縮強度を測
定し、その結果を第1表に示す。スラグ成分組成
及び粒度分布を夫々第2表、第3表に示す。 比較のために、半水石膏100重量部に水22重量
部を加えて混練し、上述と同様の方法で加圧・成
形し、室内で3日放置して比較用成形体を得(実
験No.C1)圧縮強度を測定した。得られた結果
を、第1表に併わせて示す。
【表】 第1表から明らかな如く、本実施例のセメント
は、スラグ中の30μm以上の粗粒子の含有量が減
少するとともに、圧縮強度が向上することが分
る。
【表】
【表】
【表】 実施例2 (石膏配合比の影響) No.1のスラグを用い第4表に示す通りの配合比
において半水石膏と混合し、この混合物100部に
水を15部(実験No.6〜11)、30部(同12)又は35
部(同13)を混合し、以下実施例1と同様にして
試験片を得た。 石膏の添加量と強度との関係は第4表に示す通
りである。 比較のために、半水石膏100重量部に対して水
を35重量部混合して得られた比較用硬化体の試験
結果を、第4表に併わせて示す。また、石膏の配
合量の極めて少ない組成の比較用硬化体について
も、比較試験した。その結果を、同様に第4表に
示す。第4表より明らかの如く、本実施例のセメ
ントは、セメントとして充分に使用に耐える強度
を有していることが分る。特に、石膏の配合量が
10〜50重量部の範囲の場合、機械的強度に優れて
いることが分る。
【表】
【表】 実施例3 (骨材添加の影響) No.2のスラグ100部、石膏15部、水15部に6号
砂を0〜300部加えて混練して、100Kg/cm2で加圧
成型し1日後の圧縮強度を測定した。結果は砂無
添加の強度1000Kg/cm2に対し、33部で630、100部
で500、300部では200Kg/cm2へと強度は低下し
た。硬化体を手のツメでこすつたときの砂の剥離
は50%ではおこらず、75%では生じた。 実施例4 (流込成型) 前述のNo.1及びNo.2スラグに石膏15%、さらに
その合計に水25%を加え、オムニミキサーで混合
し、振動を加えつつ、4×4×16cmの型枠に流込
む。次いで5時間後脱型し、第5表の条件で養生
し、物性を測定した。 圧縮強度に対する曲げ強度は一般のセメントモ
ルタルに対し半分以下と小さい。成型体の表面硬
さは粗いスラグ(No.1)を用いると上部は手のツ
メで傷つくほど弱い。
【表】 しかし80℃蒸気養生を行うと、硬化し、底部の
硬度に近づく。さらにJIS3号珪酸ナトリウム水性
溶液換算1%稀釈液中に浸漬した後は9H以上に
なつた。 実施例5 (成型体寸法経時変化) No.1スラグ85重量部と石膏15重量部とよりなる
混合物に1%減水剤を含む水20重量部を加え実施
例4と同様の方法で4×4×16cmの角状成形体を
得た。この成形体と実施例4に示すNo.1スラグ使
用室内養生の成形体およびポルトランドセメント
と6号砂を1対1に加えた粉末に水22%加えたモ
ルタルの成形体の合計3成形体の寸法変化を第1
図に示す。 本実施例の成型体および実施例4の成形体は従
来のセメントモルタルよりも収縮が小さい。 実施例6 (成型体材令と圧縮強度) 15%の石膏を含むスラグ粉末に水を15%加え、
半乾式粉末とし、100Kg/cm2及び200Kg/cm2の成型
圧力で成型し、室内及び水中に放置し、材令と圧
縮強度の関係を調べその結果を第6表に示す。水
中硬化強度は室内硬化強度に比べ極端に低かつた
が、それでも石膏よりははるかに高い値を示し
た。
【表】 実施例7 (可使時間) No.1のスラグ粉末100部に石膏10部を加え、さ
らに水を15部加えて混練後0〜60分間混合粉末を
放置後圧力100Kg/cm2で直径15mm、高さ30mmのサ
ンプルをプレス成型し、(A)相対湿度100% 80
℃、(B)温水中80℃、(C)常温水含浸後相対湿度100
% 80℃、(D)室温中の各条件で2時間養生した後
圧縮強度(A〜D)及びかつ密度(A1〜B1)を測
定し、第2図に示す。なお、第3図横軸は混練後
の放置時間(練り置き時間)を示す。A,B,C
の養生によれば圧縮強度は混練後1時間後の成型
においても基本的に低下せず、一方室温養生(D)の
みは約40分後にやゝ低下した。これに対しかさ密
度はA,B,とも時間と共に漸減傾向を示し60分
後に2.05〜2.1となつた。従つて、本セメントの
加湿混合時の練り置き可使時間は少くとも1時間
あることが明らかとなつた。 実施例 8 実施例7で練り置き時間30分A条件で養生した
硬化体の成形後1日室内放置後粉砕して得た粉末
および室内1ケ月放置後粉砕した粉末、ポルトラ
ンドセメントモルタル硬化体(セメント:水
100:22で混練成形)およびアルミナセメントモ
ルタル硬化体(セメント:水100:22で混練成
形)を成形後1日放置して粉砕して得た各粉末お
よび第3表のNo.1スラグ粉末の各計5種類の粉末
につき、各粉末より5.8gとり、150c.c.の水で1時
間アルカリ分を煮沸溶出し、ついで煮沸により減
量した分の水を補給し、各水溶液のPHを測定し
た。その結果を第7表に示す。本発明のセメント
はPH10.9およびPH9.2とアルカリ性が弱いので
GRC製品用モルタルとしても有用である。
【表】
【表】 実施例9 (水ガラス含浸の効果) 実施例7において練置き時間30分A条件で養生
して得た試験片を各々JIS3号水ガラス(珪酸ナト
リウム水性溶液)0,1,5及び10重量%稀釈水
溶液に1日浸漬し、それを取出し、さらに煮沸水
中に1時間浸漬した。その後2日間常温水中に浸
漬した後湿つた状態のまゝただちに圧縮強度およ
び曲げ強度を測定し、その結果を第8表に示す。
なお、かさ密度は60℃24時間乾燥後測定した。
【表】 水ガラスの含浸量(水不溶分)は水ガラス濃度
によらず成型体に対し4〜5%となつた。この処
理後の試料表面は成型体粒子の剥離もなく圧縮強
度の増大が認められた。 実施例 10 本願発明のスラグ85部に石膏15部加えた粉末
に、100PPM、および1000PPMのクロム酸水溶液
を22部加え、硬化させた。硬化後5日過つた成形
体についてクロムの溶出テストを行つた。この方
法は環境庁第13号「産業廃棄物に含まれる有害物
質の検定方法による溶出試験」に準じたもので、
その結果硬化体からクロムイオンは検出されなか
つた。 実施例 11 第2表No.3スラグ組成を持つ製鋼還元期スラグ
を用い、第9表に示す通りの配合比において、半
水石膏を混合し、さらに水を加えて混合し、4×
4×16cmの型中に流込んだ。次いで、16時間後脱
型し、28日間気乾養生してセメント成形体を得、
該成形体の物性の測定試験をした。得られた結果
を、第9表に示す。
【表】 第9表から明らかの如く、本実施例の組成のセ
メント硬化体は、石膏単独の硬化体(比較例
C1:第4表)より強いことが分る。また、本実
施例では、γ―2CaOSiO2の多いスラグであつて
も、石膏を20wt%を含む組成割合のところに最
高強度があり、そこを強度の頂点として石膏側に
ゆるやかに強度低下を示す事がわかる。 実施例 12 第2表No.3スラグ組成を持つ製鋼還元期スラグ
に、γ―ダイカルシウムシリケート(γ―
2CaOSiO2)及び/又はカルシウムアルミネート
(12CaO・7Al2O3)を混合して原料スラグとし
た。該原料スラグの鉱物組成を、第10表に示す。
次いで、この原料スラグ100重量部に対し25重量
部の半水石膏を混合し、さらに44重量部の水を加
えて混合し、4×4×16cmの型中に流込んだ。次
いで、16時間後脱型し、28日間気乾養生してセメ
ント成形体を得、該成形体の物性を測定した。得
られた結果を、第10表に示す。
【表】 本実施例よりγ―ダイカルシウムシリケートが
増加すると強度は低下し、用途にもよるが使用限
界は80wt%までと思われる。またカルシウムア
ルミネートを添加していつた場合強度は若干増加
する。しかし、カルシウムアルミネートの増加は
安価なスラグを使用するという点で意味をなさな
くなる。その限界はカルシウムアルミネート
90wt%程度と思われる。 また、アルミナセメント(実験No.C6)では、
経年変化により体積収縮を生じ機械的強度が低下
するが、本実施例のセメントはそれが生じない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るスラグセメント硬化体の
材令と収縮率を、セメント対照例と共に示すグラ
フである。第2図は本発明に係るスラグセメント
の水混合後の放置時間と成型体の圧縮強度及びか
さ密度を示すグラフである。第3図は本発明に係
るスラグセメントの圧縮強度とスラグ:石膏:セ
メントの重量比との関係を示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 γ―2CaOSiO210〜80重量部と12CaO・
    7Al2O390〜20重量部とを含有する基質粉末100重
    量部と石膏2〜1000重量部とを主要成分とするこ
    とを特徴とするセメント。 2 基質粉末100重量部と石膏10〜50重量部とを
    主要成分とする特許請求の範囲第1項記載のセメ
    ント。 3 基質粉末はγ―2CaOSiO210〜70重量部と
    12CaO・7Al2O330〜90重量部とを含有する特許
    請求の範囲第2項記載のセメント。
JP8640680A 1980-06-27 1980-06-27 Cement Granted JPS5711859A (en)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8640680A JPS5711859A (en) 1980-06-27 1980-06-27 Cement

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8640680A JPS5711859A (en) 1980-06-27 1980-06-27 Cement

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5711859A JPS5711859A (en) 1982-01-21
JPS6247827B2 true JPS6247827B2 (ja) 1987-10-09

Family

ID=13885977

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8640680A Granted JPS5711859A (en) 1980-06-27 1980-06-27 Cement

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS5711859A (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60231444A (ja) * 1984-04-28 1985-11-18 日本磁力選鉱株式会社 高塩基度製鋼スラグの利用方法
JPS60231446A (ja) * 1984-04-28 1985-11-18 日本磁力選鉱株式会社 高塩基度製鋼スラグの利用方法
JPS60231445A (ja) * 1984-04-28 1985-11-18 日本磁力選鉱株式会社 高塩基度製鋼スラグの利用方法
JPS6121939A (ja) * 1984-07-10 1986-01-30 日本磁力選鉱株式会社 製鋼スラグの利用方法
FR2861388B1 (fr) * 2003-10-23 2006-02-03 Lafarge Aluminates Mortier dense a base de liant ettringitique binaire, comprenant au moins un polymere peigne de poly(oxyde d'alkylene) et au moins une resine organique structurante.
KR101234787B1 (ko) * 2010-11-10 2013-02-20 주식회사 에코마이스터 환원 슬래그 분말을 이용한 초속경성 수경결합재 및 그 제조방법

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56125251A (en) * 1980-02-29 1981-10-01 Nippon Steel Corp Manufacture of electric furnace slag hardened body

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56125251A (en) * 1980-02-29 1981-10-01 Nippon Steel Corp Manufacture of electric furnace slag hardened body

Also Published As

Publication number Publication date
JPS5711859A (en) 1982-01-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2406029C (en) Non-efflorescing cementitious bodies
KR100913770B1 (ko) 환원슬래그를 이용한 혼합시멘트 제조
KR101333084B1 (ko) 고로슬래그와 csa계 시멘트를 포함하는 조강시멘트 조성물 및 이를 포함하는 콘크리트
US5073198A (en) Method of preparing building materials
JP2003520749A (ja) 反応性酸化マグネシウムセメント
KR101567851B1 (ko) Kr파우더가 혼입된 친환경 폴리머 모르터르 및 이를 이용한 콘크리트 단면보수 보강방법
JP2003306359A (ja) セメント組成物及び水和硬化体
EP0312323B1 (en) Cement compositions
KR101395034B1 (ko) 고로슬래그를 다량 함유한 고로슬래그 시멘트 조성물
JP2007126294A (ja) 高硫酸塩スラグセメント・早強スラグセメントおよびこれらの製造方法
KR101639908B1 (ko) 바닥용 시멘트 모르타르 조성물
JPS6247827B2 (ja)
JPH0812387A (ja) 高硫酸塩スラグセメントおよびその製造方法
KR100878665B1 (ko) 폐콘크리트를 이용한 유해 폐기물 고화용 시멘트 제조방법및 이로부터 제조된 시멘트
KR101345203B1 (ko) 탄닌을 이용한 저알칼리 비시멘트 콘크리트 조성물 및 이를 포함하는 블록
KR100519605B1 (ko) 내산성 단면복구 모르타르의 제조방법 및 조성물
JPS6250428B2 (ja)
KR100724340B1 (ko) 저가의 폐기물 고형화용 고기능 특수시멘트
KR102146455B1 (ko) 고로슬래그 기반 조성물 및 이의 경화체
KR20160072834A (ko) 흙 콘크리트 2차제품
JPH03115148A (ja) 水硬性セメント
Darweesh Hydration, Strength Development and Sulphate Attack of Some Cement Composites
KR20200022572A (ko) Bfs를 다량 포함하는 하이볼륨 결합재, 이를 이용한 콘크리트 조성물 및 생태 융합형 콘크리트 블록
KR101958911B1 (ko) 시멘트계 경화체용 결합재, 이를 포함하는 콘크리트 및 이를 이용하여 제조되는 콘크리트 구조체
KR20180110416A (ko) 침전 슬러지를 이용한 알칼리 활성 경화체의 제조방법