JP3214752B2 - セメント - Google Patents

セメント

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JP3214752B2
JP3214752B2 JP4210693A JP4210693A JP3214752B2 JP 3214752 B2 JP3214752 B2 JP 3214752B2 JP 4210693 A JP4210693 A JP 4210693A JP 4210693 A JP4210693 A JP 4210693A JP 3214752 B2 JP3214752 B2 JP 3214752B2
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和也 佐野
幹一郎 酒井
政春 君付
治康 石突
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Aichi Steel Corp
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Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
    • C04B28/08Slag cements
    • C04B28/082Steelmaking slags; Converter slags

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特徴あるセメント成分
と骨材成分とを主成分とするセメントに関し、さらに詳
しくは、廃材有効利用の観点からも有意義であり、安価
でしかも優れた強度を有するコンクリート組成物、モル
タル組成物として利用できる新規なセメントに関する。
【0002】なお、本明細書において、「セメント」と
は、糊成分であるセメント成分と相対的に粒径の小さな
骨材成分とを含むモルタル組成物、および、糊成分であ
るセメント成分と相対的に粒径の大きな骨材成分とを含
むコンクリート組成物、の両者を包含する概念である。
【0003】
【従来の技術】製鋼所において製鋼還元期スラグが廃材
として大量に発生し、該廃材のセメント原料としての利
用が図られている。
【0004】例えば、特公昭62−47827号公報や
特公昭62−50428号公報には、風化した製鋼還元
期スラグと、硫黄酸化物の公害防止処理の際に副産物と
して発生する石膏とを用いた特殊セメントが開示されて
いる。この特殊セメントは廃材を利用したものであるに
も拘らず、その硬化体が通常のセメント並の強度等を有
するとともに、早強性に優れ無収縮であるという特徴が
ある。このため、有用なセメントとして実用に供されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の特殊セ
メントに骨材を混入してコンクリート組成物、モルタル
組成物等として利用しようとするとき、次のような問題
があった。
【0006】即ち、特殊セメントの水和物はエトリンジ
ャイト、高アルミナ質ゲル及び高アルミナ質水和物を生
ずるが、通常のポルトランドセメントを使用した場合の
ような高アルカリなCa(OH)2 を生じない。
【0007】一方、コンクリート組成物、モルタル組成
物用の骨材として常用される天然のシリカを基本とした
骨材(例えば、珪砂等の砂や珪石等の小石)は、セメン
トの水和時に生じるCa(OH)2 と物理的、化学的に
結合し、珪酸カルシウム水和物を生成して硬化体の強度
を得るものである。
【0008】以上のことから、これらの常用骨材を水と
ともに上記特殊セメントに混合しても、珪酸カルシウム
水和物を生成せず、セメント成分と骨材成分との結合が
起こらないため、コンクリート組成物、モルタル組成物
等としての必要な強度が得られなかった。
【0009】そこで本発明は、上記の問題点を解消し得
る、セメント成分と骨材成分とから成るセメントを提供
することを、その解決すべき課題とする。
【0010】
【着眼点】本発明者らは、上記課題を解決するために
は、特殊セメントの水和生成物であるエトリンジャイ
ト、高アルミナ質ゲル及び高アルミナ質水和物の少なく
とも1種と物理的、化学的に結合し得る骨材を用いるこ
とが必須であると考え、種々の検討・実験を行った結
果、これに適した安価かつ入手容易な骨材を見い出して
本願発明を完成した。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の構成は、少なくとも以下の(A)のセメント
成分及び(B)の骨材成分を主成分として含み、(A)
のセメント成分100重量部に対して(B)の骨材成分
の混合割合が20重量部〜850重量部であるセメント
である。 (A)非水硬性珪酸カルシウムと、12CaO・7Al
23と、石膏とを含むセメント成分(ポルトランドセメ
ントは除く)。 (B)炭酸カルシウム、酸化鉄、またはこれらの少なく
とも一方を含有する鉱物のうち少なくとも1種を含む骨
材成分。
【0012】
【作用】本発明のセメントが優れた効果を発揮するメカ
ニズムについては、未だ必ずしも明らかではないが、次
のように考えられる。
【0013】(A)のセメント成分は非水硬性珪酸カル
シウムと、12CaO・7Al2 3 と、石膏とを含
み、前記特公昭62−47827号公報や特公昭62−
50428号公報に記載されている特殊セメントと同様
の組成を有する。このセメント成分は、水和して徐々
に、エトリンジャイト(3CaO・Al2 3 ・3Ca
SO4 ・32H2 O)、高アルミナ質ゲル及び高アルミ
ナ質水和物を生ずる。
【0014】そして、骨材である炭酸カルシウムあるい
は酸化鉄は、エトリンジャイト中の成分であるCaO又
はAl2 3 と互いに置換可能な化合物であり、これら
の置換によりエトリンジャイトと骨材との界面が固溶し
て結合する。このため、セメント成分が骨材の糊成分と
して十分に機能する。
【0015】次に、本発明のセメントにおいて骨材成分
が炭酸カルシウム又はこれを含有する鉱物である場合に
は、セメント硬化体の飽水状態において炭酸カルシウム
が若干溶解して、硬化体中に浸透した水分をややアルカ
リ性に保つため、エトリンジャイトの溶出及び分解、高
アルミナ質ゲルの分解を抑える作用がある。従ってこの
場合、セメント硬化体の強度は長期間安定し、耐候性が
良好である。
【0016】一方、本発明のセメントにおいて骨材成分
が酸化鉄又はこれを含有する鉱物である場合、周知のよ
うにこれらの骨材の鉱物硬度が高いため、セメント硬化
体としても高い硬度が得られ、その用途が広い。
【0017】
【効果】本発明は、特公昭62−47827号公報や特
公昭62−50428号公報に記載された特殊セメント
における安価、早強性等の特徴を維持したもとで、これ
に骨材を加えたコンクリート組成物、モルタル組成物と
しての必要な強度を与えることができる。更に、本発明
のセメントの硬化体は、そのセメント成分の作用とし
て、前記したような酸化鉄との置換可能性に基づき、鉄
板等の金属板に対する接合性が高いという効果もある。
【0018】骨材成分が炭酸カルシウム又はこれを含有
する鉱物である場合には、硬化体の耐候性が向上する。
【0019】骨材成分が酸化鉄又はこれを含有する鉱物
である場合には、硬化体の硬度が高く、その用途が広く
なる。
【0020】
【実施態様】次に、本発明の実施態様を説明する。
(A)のセメント成分は、非水硬性珪酸カルシウムと、
12CaO・7Al23 と、石膏とを含むものである
が、本発明の効果の発現を阻害しない範囲で、例えば不
純物、副生成物(例えばCaF2 あるいは3CaO・2
SiO2 ・CaF2 )、混和剤や遅延剤のような各種の
添加剤等の他の任意の成分を併せ含むものでも良い。
【0021】非水硬性珪酸カルシウムの代表的なものと
して、γ−2CaO・SiO2 、あるいはCaO・Si
2 が挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】(A)のセメント成分として、特に、γ−
2CaO・SiO2 の10〜90重量部に対して12C
aO・7Al2 3 又は12CaO・7Al2 3 とC
aF2 との固溶体を90〜10重量部含む基質粉末10
0重量部と、2水石膏又は半水石膏の少なくとも1種以
上10〜100重量部とからなることが好適である。こ
のような組成のセメント成分は、その硬化体が通常のセ
メント並の物性(強度等)を有するとともに早強性に優
れ、収縮も極めて少ない白色系のセメント硬化体とな
る。
【0023】上記のうち、石膏以外の基質粉末、即ちセ
メント成分は風化した製鋼還元期スラグの主要成分であ
り、自然に風壊したスラグ粉末や塊状物を粉砕したスラ
グ粉末として安価に入手することができる。
【0024】石膏は、2水石膏又は半水石膏を用いるこ
とが望ましいが、無水石膏も使用可能である。2水石膏
においては、そのセメント成分との水和反応によって生
じる水和物中に、転移時に体積変化を起こす水和化合物
が存在しないので、好適である。2水石膏として、脱硫
石膏のような副産物または天然石膏のいずれを使用して
も良い。
【0025】半水石膏は、水和時にすぐに2水石膏に変
化するので、2水石膏と同様に好適である。無水石膏に
おいては、転移時に大きな体積変化を起こすCaO・A
2 3 ・10H2 Oができ易い上に、水和したセメン
ト成分の乾燥時あるいは吸水時の寸法変化が10-3オー
ダーと大きいため、用途を考慮して使用する必要があ
る。
【0026】セメント成分中における石膏の混合量は、
5〜50重量%が望ましい。石膏の混合量が5重量%に
満たないと、十分量のエトリンジャイトが生成しなくな
る一方、前記CaO・Al2 3 ・10H2 O等のアル
ミナセメント水和物が生成し易くなり、強度劣化や、体
積変化に基づくヒビ割れを起こす、という不具合があ
る。一方、石膏の混合量が50重量%を超えると、未反
応の2水石膏が多く残存し、硬化体の耐水性を低下させ
る原因となる。
【0027】骨材成分である炭酸カルシウムまたはこれ
を含有する鉱物としては、例えば、カルサイト化合物
を主体とする石灰砕石、炭酸カルシウムと炭酸マグネ
シウムの固溶体からなるドロマイトまたは前記カルサイ
トを主体としたバラス、砂あるいは粉末、貝殻等の風
壊物からなるアラゴナイトを主成分とした軽量砂、バ
イデライト鉱物等を使用できる。
【0028】骨材成分である酸化鉄(FeOあるいはF
2 3 )またはこれを含有する鉱物としては、例え
ば、モルタル用骨材としての鉄粉(表面が酸化されてい
る)、コンクリート用骨材としての未風化製鋼スラグ等
を用いることができる。ここに、未風化製鋼スラグはC
aO・FeO,FeO・Al2 3 ,3CaO・MgO
・2SiO2 等の混合物であり、その酸化鉄成分に着目
したものである。
【0029】骨材成分のサイズについては、通常のシリ
カ系骨材の場合と同様に粒径0.1〜5.0cm、即ち
いわゆる細骨材ないし粗骨材のサイズが適当であるが、
それ以下あるいはそれ以上のサイズのものも使用可能で
ある。
【0030】骨材成分の使用量は、セメント成分100
重量部に対して850重量部以下が望ましい。それ以上
使用すると硬化体の圧縮強度が低下する恐れがある。骨
材成分の使用量の下限は、セメントの使用目的に応じて
適宜設定されるものであり、一律に限定できないが、一
般的にはセメント成分100重量部に対して20重量部
が下限である。骨材成分を微細な粉末として使用する場
合には、硬化体の圧縮強度の低下を避けるため、その使
用量を相対的に減らした方が良い。
【0031】混和剤としては、通常のセメントと同様、
ポールファイン、マイティ(商標)等の減水剤その他
を、通常の方法で使用できる。
【0032】遅延剤についても、クエン酸やその塩、グ
ルコン酸やその塩、ペプトン等の蛋白系のもの等を通常
のように使用できる。但し、セメント成分である風化し
た製鋼還元期スラグとして、ブレイン値>4,000m
2 の風選スラグの粉砕物を用いる場合には、その使用法
に特定の要領がある。即ち、凝結開始時間が1時間以内
になるように遅延剤の使用量をコントロールしないと、
硬化体が水中に放置されたときに膨張亀裂が発生し易く
なる。
【0033】水ガラスの含浸等は硬化体の硬度を向上さ
せるが、骨剤成分が炭酸カルシウム系のみからなり、し
かも硬化体に特に高い硬度が要求されている場合には、
この対策が有効な場合がある。
【0034】
【実施例】
(実施例1と比較例1)本例群は、天然のシリカ系骨材
と炭酸カルシウム系骨材との効果の差異を評価したもの
である。風化した製鋼還元期スラグ(実質的に本発明の
セメント成分である。以下、これを単に「スラグ」とい
う。)100重量部、脱硫石膏(以下、単に「石膏」と
いう。)20重量部、水35重量部の混合物に、比較例
1として6号珪砂300重量部を、実施例1として石灰
砂(粒径1mm以下)300重量部を、それぞれに加え
たものを混練し、型に流し込んで40×40×160m
mの試験片を作成し、島津製作所製の10トン万能試験
機および東京衡機製作所製の100トンプレス(以下の
全実施例、全比較例において、強度試験はこれらの装置
によった)を用いて、それらの試験片の長手方向の圧縮
強度を求めた。
【0035】比較例1の試験片は120kgf/cm2
の圧縮強度を示し、この試験片を手の爪で擦ったとこ
ろ、珪砂が簡単に剥がれ落ちた。これに対し、実施例1
の試験片は345kgf/cm2 の圧縮強度を示し、こ
の試験片を手の爪で擦っても、骨材は簡単には剥がれ落
ちなかった。
【0036】(実施例2〜6)本例群は、セメント成分
中の石膏量と、硬化体の圧縮強度との関係を評価したも
のである。スラグ100重量部に対して、実施例2〜6
として石膏をそれぞれ5,10,50,100,200
重量部混合した。次に、前記の各混合物100重量部に
対しそれぞれ水35重量部と石灰砂(粒径1mm以下)
200重量部を混合してモルタルとした。そして、これ
らのモルタルをそれぞれ40×40×160mmの金型
に流し込み、10日後に硬化体の長手方向の圧縮強度
(kgf/cm2 )を測定した。その測定結果を表1に
示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1の結果より、スラグ100重量部に対
して石膏を10〜100重量部使用した実施例3〜実施
例5がとりわけ優れた圧縮強度を示すことが分かった。
【0039】(実施例7〜9と比較例2)本例群は、粒
径の小さな炭酸カルシウム系骨材の使用により得られた
モルタル硬化体の強度性と寸法安定性とを評価したもの
である。スラグと石膏とが75:25の重量割合で混合
されてなるセメント成分に対し、骨材成分である石灰砂
(粒径1mm以下)を、セメント成分:骨材成分=10
0:0(比較例2)、50:50(実施例7)、33:
66(実施例8)、20:80(実施例9)となるよう
に加えたものをそれぞれ調製し、これらに表2に示す水
/セメント比(W/C比)で水を加えて混練し、モルタ
ルとした。
【0040】これらのモルタルを型に流し込んで40×
40×160mmの試験片を作り、7日後及び60日後
の圧縮強度(kgf/cm2 )を長手方向で測定し、
又、60日後の曲げ強度(kgf/cm2 )を短手方向
で測定した。更に150日後の寸法変化率も測定した。
それらの結果を表2に示す。表2には、各比較例、実施
例におけるモルタルのフロー値の測定結果も併せて示
す。
【0041】
【表2】
【0042】表2の結果より、炭酸カルシウム系骨材を
所定の割合で使用した実施例7〜9のモルタルの硬化体
は、特殊セメントの硬化体にあたる比較例2に比し、6
0日後の圧縮強度が更に優れ、150日後の寸法変化率
も更に小さかった。なお、骨材を加えることによるフロ
ー値の低下は見られなかった。
【0043】以上のように、本発明の実施例ではフロー
値の低下がなく、早強かつ無収縮な硬化体が得られるこ
とから、施工期間の短縮を要求されるレベリング材とし
ての用途が期待される。
【0044】 (比較例3〜5、実施例10〜16) 本例群は、粒径の大きな炭酸カルシウム系骨材の使用に
より得られたコンクリート硬化体の強度性を評価したも
のである。スラグと石膏とが75:25の重量割合で混
合されてなるセメント成分に対し、骨材成分である石灰
石(粒径20mm以下の砕石)を、セメント成分:骨材
成分(重量割合)=100:0(比較例3〜5)、5
0:50(実施例10)、33:66(実施例11)、
25:75(実施例12〜14)、20:80(実施例
15)、15:85(実施例16)となるように加えた
コンクリート組成物をそれぞれ調製し、これらに表3に
示す水/セメント比(W/C)で水を加えたものを混練
してコンクリートとした。
【0045】これらのコンクリートを100φ×200
mmの型に流し込んで試験片を作り、気乾強度(kgf
/cm2 )を測定するものについては30日間空気中に
放置し、飽水強度(kgf/cm2 )を測定するものに
ついては30日間水に浸漬した後に、それらの硬化体の
圧縮強度を測定した(以下の実施例、比較例において
も、気乾強度、飽水強度の測定は同様にして行っ
た。)。その測定結果を表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】表3の結果より、各実施例の気乾強度、飽
水強度ともに、対応するW/Cにおいては、比較例より
も向上していることが分かった。
【0048】(実施例17〜19)本例群は、本発明を
実施する際の、いわゆる水/セメント比の影響を評価し
たものである。スラグと石膏とが75:25の重量割合
で混合されてなるセメント成分に対し、骨材成分である
石灰砂(粒径1mm以下)を、セメント成分:骨材成分
=40:60の割合で混合したモルタル組成物を調製
し、このモルタル組成物に対し、それぞれ水/セメント
比(W/C)が0.30(実施例17)、0.35(実
施例18)、0.40(実施例19)となるように水を
加えたものを混練してモルタルとした。
【0049】これらのモルタルを型に流し込んで40×
40×160mmの試験片を作り、60日後にその気乾
曲げ強度(kgf/cm2 )、飽水曲げ強度(kgf/
cm2 )、気乾圧縮強度(kgf/cm2 )、飽水圧縮
強度(kgf/cm2 )を測定した。曲げ強度は試験片
の短手方向について、圧縮強度は試験片の長手方向につ
いて、それぞれ測定したものである。その測定結果を表
4に示す。
【0050】
【表4】
【0051】表4の結果より、本発明のセメントの硬化
体にあっても、通常のセメントと同様に、水/セメント
比(W/C)が小さいものほど強度が高いことが分かっ
た。
【0052】(実施例20,21)本例群は、骨材成分
として炭酸カルシウムとともに酸化鉄(未風化還元期ス
ラグ、鉄粉)を使用した場合の硬化体の強度を評価した
ものである。スラグと石膏とが75:25の重量割合で
混合されてなるセメント成分に対し、石灰砂(粒径1m
m以下)を、セメント成分:石灰砂=60:40の割合
で混合したものを調製し、これに対してそれぞれ未風化
還元期スラグ100重量部(実施例20)、100〜1
50メッシュの球状鉄粉100重量部(実施例21)を
添加してモルタル組成物を調製した。
【0053】これらのモルタル組成物にそれぞれ水/セ
メント比(W/C)が0.35となるように水を加えて
混練し、モルタルを調製した。そしてこれらのモルタル
を型に流し込んで40×40×160mmの試験片を作
り、30日後に試験片の短手方向について気乾曲げ強度
(kgf/cm2 )を、また試験片の長手方向について
気乾圧縮強度(kgf/cm2 )を、それぞれ測定し
た。その結果を表5に示す。
【0054】
【表5】
【0055】表5の結果より、実施例20,21は、骨
材の組成を除いて実質的に対応する実施例である実施例
18に比し、強度、特に圧縮強度が若干(実施例20)
ないし、かなり(実施例21)向上していることが分か
った。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C04B 14:28 C04B 14:28 14:26 14:26 18:14 18:14 F 14:34) 14:34) (72)発明者 酒井 幹一郎 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 君付 政春 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 石突 治康 愛知県東海市荒尾町ワノ割1番地 愛知 製鋼株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−164658(JP,A) 特開 昭57−129849(JP,A) 特開 平5−9046(JP,A) 特開 平4−89345(JP,A) 特開 昭57−11859(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 2/00 - 32/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも以下の(A)のセメント成分
    及び(B)の骨材成分を主成分として含み、(A)のセ
    メント成分100重量部に対して(B)の骨材成分の混
    合割合が20重量部〜850重量部であるセメント。 (A)非水硬性珪酸カルシウムと、12CaO・7Al
    23と、石膏とを含むセメント成分(ポルトランドセメ
    ントは除く)。 (B)炭酸カルシウム、酸化鉄、またはこれらの少なく
    とも一方を含有する鉱物のうち少なくとも1種を含む骨
    材成分。
  2. 【請求項2】 前記(A)のセメント成分中における石
    膏の混合割合が5重量%〜50重量%である、請求項1
    に記載のセメント。
  3. 【請求項3】 前記(A)のセメント成分が、γ−2C
    aO・SiO210〜90重量部に対して12CaO・
    7Al23又は12CaO・7Al23とCaF2との
    固溶体を90〜10重量部含む基質粉末100重量部
    と、2水石膏又は半水石膏の少なくとも1種10〜10
    0重量部とからなるものである、請求項1に記載のセメ
    ント。
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