JPS6249055B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は電気掃除機の除塵装置に関するもの
である。

〔従来の技術〕

従来例において、電気掃除機の集塵フイルタの
多くは、その断面が波形形状に曲折されてひだを
作り、これにより集塵フイルタの表面積を広く取
るように構成されている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところが、その１番の欠点が綿ゴミ等の微塵埃
が集塵フイルタのひだの谷部に入り込むことによ
り集塵フイルタのひだの断面がくさび状になつて
いるため容易に除去できず、この結果集塵フイル
タの圧損が増し目詰り状態となつて吸塵性能が著
しく低下するという問題であつた。

そのため掃除機の使用者は先端のとがつた針状
の物を集塵フイルタのひだの谷部に差込んで微塵
埃を取り除いていたが、集塵フイルタのろ材（ろ
紙等から成る）を破損して塵埃が十分に捕獲され
ず、モータ内あるいは機体外へ洩れるという悪現
象が発生していた。また塵埃除去作業が面倒で、
非衛生的であり、しかも十分な除去が容易でなく
長期にわたつて初期の吸塵性能を維持することが
困難になるという欠点があつた。

したがつて、この発明の目的は、従来よりも塵
埃除去が簡単で能率的かつ衛生的にでき、しかも
集塵フイルタを傷つけず耐久性を向上でき、また
初期の吸塵性能を長期にわたつて維持することが
できる電気掃除機の除塵装置を提供することであ
る。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明の電気掃除機の除塵装置は、図面の第
１図ないし第４図により説明すると、吸気通路６
ａに張設されてひだ１７ａを形成するように波形
折曲した集塵フイルタ１７と、この集塵フイルタ
１７の前記ひだ１７ａの裏側の凹部１７ｂにそれ
ぞれ一枚ずつ先端部が挿入されてそれぞれ揺動す
ることにより前記ひだ１７ａを揺動させるととも
に各々の後端部より後方に突設した振動軸２１，
２１ａ〜２１ｏが相互に一直線状に並んだ複数の
振動板２０と、これらの振動板２０の前記後端部
に対面する板状体であつて板厚方向の軸２３′の
まわりに回転可能に配設されるとともに対面側に
前記軸２３′を中心とし前記振動軸２１，２１ａ
〜２１ｏに係合する高さを有する円弧状であつて
前記振動軸２１，２１ａ〜２１ｏの相互間隔より
も小さい間隔で設けられた一対の作動リブ２２，
２２a₁〜２２a₇の複数組が前記振動軸２１，２１
ａ〜２１ｏを一対ごとにほぼ個別に挟み込むよう
に相互に径方向および回転方向にずれるように形
成されかつ前記各組の一対の作動リブ２２，２２
a₁〜２２a₇の回転方向の先端部に前記振動軸２
１，２１ａ〜２１ｏの相互間隔よりも大きい間隔
で前記一対の振動軸２１，２１ａ〜２１ｏを前記
作動リブ２２，２２a₁〜２２a₇に案内する案内リ
ブ２２ｂを設けた作動回転板２４と、この作動回
転板２４を回転する駆動手段２５とを備えたもの
である。

この発明の構成によれば、作動回転板２４を回
転すると振動軸２１，２１ａ〜２１ｏのいずれか
にもつとも近い一対の作動リブ２２，２２a₁〜２
２a₇の案内リブ２２ｂが一対の振動軸を作動リブ
間に案内して一対の振動軸を狭める。このため、
一対の振動板の先端部が拡開するように揺動して
ひだ１７ａを拡開するように揺動させ、作動リブ
が振動軸を開放すると振動軸はもとの位置に揺動
する。一対の作動リブの各組は互いに回転方向お
よび径方向にずれて形成されているため作動回転
板２４の回転により順次異なる一対の振動軸を狭
めて振動板およびそれに伴うひだを拡開させる。
このようにして、ひだ１７ａの拡開揺動によりひ
だ１７ａの間に溜まつた塵埃を除去できるととも
に、作動回転板２４の回転速度を速めると振動効
果もある。したがつて、従来よりも塵埃除去が簡
単で能率的かつ衛生的になり、しかも集塵フイル
タ１７を傷つけず耐久性を向上でき、また初期の
吸塵性能を長期にわたつて維持することができ
る。

〔実施例〕

この発明の一実施例によりこの発明の構成をさ
らに詳細に説明すると、第１図ないし第４図にお
いて、１は掃除機本体、２は前弾性体３および後
弾性体４を介して本体１に内蔵保持した電動送風
機、５は吸気口６を有する集塵箱で集塵装置７お
よび除塵装置８を内蔵してあり、尾錠９により掃
除機本体１へ着脱自在に装着されている。１０は
コードリールで軸受１１に固定した軸１２を中心
に回動する。１３はコードリール１０の外周縁に
設けたギヤ、１４はギヤ１３と噛合した中間ギヤ
でクラツチギヤ１５に回転を伝える。１６はクラ
ツチギヤ１５と共に回転する回転爪である。

集塵装置７は第２図のようにろ材を波形に折り
曲げて前面側に多数のひだ１７ａを形成し裏面を
凹部１７ｂとした集塵フイルタ１７と、集塵フイ
ルタ１７を支持する枠１８と、気密保持用パツキ
ン１９より成り、集塵フイルタ１７は軟質塩化ビ
ニール等から成る軟質材料で一体に形成され、集
塵箱５の吸気口６と電動送風機２との間の吸気通
路６ａに集塵フイルタ１７が張設されるように配
設される。２０は多数の板状体で構成される除塵
装置８の振動板で、横方向に所定間隔をおいて配
列され、両側部に設けたヒンジ部２０ａで揺動可
能に保持枠２０ｂに保持され、後端部（第２図で
上端部）の中央に円柱状の振動軸２１が互いに横
一列になるように突出形成されている。そして、
保持枠２０ｂを枠１８の内底面に載置固定する
と、振動板２０の前端部（第２図で下端部）が第
３図のように集塵フイルタ１７のひだ１７ａの凹
部１７ｂに挿入される。

２３は軸受体でその軸受の振動板２０に対面す
る側に作動回転板２４を回転自在に嵌合し、反対
側から回転用ハンドルを実施例とする駆動手段２
５を回転自在に嵌合してねじを実施例とする軸２
３′により両者を一体にし軸受体２３に保持して
いる。この軸受体２３の周縁部を枠１８に嵌着し
て固定する。作動回転板２４はその振動板２０側
に振動軸２１を一対ごとに互いに挾み込む作動リ
ブ２２が設けられている。この作動リブ２２はま
ず第４図のように振動軸２１ａ〜２１ｏ中、丁度
中心となる振動軸２１ｈに作動回転板２４の回動
中心が位置し、振動軸２１ｈを含む一方側の振動
軸２１ａ〜２１ｈにおいて相隣り合う振動軸を一
対としてそれらの各中心位置ａ〜ｄを定め、これ
らの位置ａ〜ｄと回動中心との距離を半径とする
円弧線２１ｐ〜２１ｓを想定する。この円弧線２
１ｐ〜２１ｓはまた振動軸２１ｈを含む他方側の
振動軸２１ｈ〜２１ｏの隣り同志の一対の振動軸
の中心位置を通る。さて作動リブ２２a₁〜２２a₇
はこれらの円弧線２１ｐ〜２１ｒのそれぞれ両側
にあつてその円弧方向の所定位置に互いにずれて
位置し、かつ所定長さの円弧をなすとともに円弧
線２１ｐ〜２１ｒを間にするその対向間隔を振動
軸２１の相互間隔より小さく、振動軸２１の先端
部同志が相接する程度または先端部間にややすき
間がある程度としている。さらに振動軸２１ａ〜
２１ｏの挾み込みが容易に行われるように、作動
リブ２２a₁〜２２a₇の両端部にそれぞれ案内リブ
２２ｂが一体形成されている。したがつて作動回
転板２４をいずれかの方向に１回転すると、たと
えば方向Ａの場合、まず作動リブ２２a₁，２２a₂
により振動軸２１ａ，２１ｂを振動軸２１a′，２
１b′のように挾み、リブ長さに相当する所定の回
転量で振動軸２１ａ，２１ｂを開放し、これに続
いて作動リブ２２a₃，２２a₄により振動軸２１
ｃ，２１ｄを挾み込み前記と同量の回転でこれら
を開放し、さらに作動リブ２２a₅，２２a₆により
振動軸２１ｅ，２１ｆを挾み込み解放し、作動リ
ブ２２a₇により振動軸２１ｇを回転中心である振
動軸２１ｈの方向に傾ける。さらに作動回転板２
４の半回転後、作動リブ２２a₁〜２２a₇により外
側の振動軸２１ｎ，２１ｏから順次中心側の振動
軸を挾み込み解放する動作をし、こうして連続回
転により振動軸２１ｈを除く全振動軸が揺動する
こととなる。そして、ひだ１７ａ間を広げること
によりひだ１７ａ間に溜まつた塵埃を容易に振り
落とすことができる。さらに作動回転板２４の回
転速度を高めると振動効果も期待できる。

２６は駆動手段２５の外周に形成された歯と噛
合する連結ギヤで前記回転爪１６と噛合するクラ
ツチ２７、ばね２９、クラツチ軸２８およびＥリ
ング３０により軸受体２３に保持されてコードリ
ール１０と連動している。３１はコードリール１
０に巻取り自在に設けた電源コード、３２は把
手、３３は車輪、３４は排気口である。

つぎにこの電気掃除機の動作について説明す
る。電動送風機２を作動すると、吸気口６より吸
気して吸気通路６ａの集塵フイルタ１７を通り掃
除機本体１の排気口３４より排気される。この
間、吸気口６より吸入した塵埃は集塵フイルタ１
７によりろ過されて集塵フイルタ１７のひだ１７
ａの表面に溜まり、清浄な空気が掃除機本体１に
向かつて放出され、このような動作で掃除が行わ
れる。一方集塵フイルタ１７に付着した塵埃を除
塵する場合、電動送風機２を停止し、電源コード
３１を引き出すとコードリール１０が回転し、そ
の回転が中間ギヤ１４、クラツチギヤ１５、回転
爪１６、クラツチ２７、連結ギヤ２６と伝達さ
れ、この連結ギヤ２６の回転により駆動手段２５
が回転して作動回転板２４が回動する。この作動
回転板２４の回動により、振動板２０の振動軸２
１が一対ごとに作動リブ２２a₁〜２２a₇により連
続的に挾み込まれるので、振動板２０の下端部は
ヒンジ部２０ａを中心として揺動し、第３図のよ
うに互いに拡開動作するので、これによつてフイ
ルタのひだ１７ａが拡開動作する。これを繰返し
て振動を起こしひだ１７ａの相互間に溜まつた綿
ゴミ等の微塵埃Ｘを容易に振り落とすことができ
る。

また、集塵箱５内に溜まつた塵埃を排除する際
に行われる手回しの場合も同じ作用効果が得られ
るものである。

このように構成したため、この実施例によれば
つぎのような効果がある。すなわち、 (1) 集塵フイルタ１７のひだ１７ａを隣り同志互
いに大きく広げたり縮めたりする連続運動によ
り、内部のくさび状の部分に入り込んだ綿ゴミ
等の微塵埃を容易に離脱することができる。こ
のため集塵フイルタの目詰りがなく、吸塵性能
をいつまでも維持することができる。

(2) 集塵フイルタ１７の谷部に入り込んだ塵埃を
除去するために、先端のとがつた物を使用しな
いため集塵フイルタ１７の耐久性が大きく向上
する。

(3) 集塵フイルタ１７の谷部に入り込んだ塵埃を
除去するのを人間の手で行わなくてもよく非常
に衛生的である。

〔発明の効果〕

この発明の電気掃除機の除塵装置によれば、作
動回転板を回転すると振動軸のいずれかにもつと
も近い一対の作動リブの案内リブが一対の振動軸
を作動リブ間に案内して一対の振動軸を狭める。
このため、一対の振動板の先端部が拡開するよう
に揺動してひだを拡開するように揺動させ、作動
リブが振動軸を開放すると振動軸はもとの位置に
揺動する。一対の作動リブの各組は互いに回転方
向および径方向にずれて形成されているため作動
回転板の回転により順次異なる一対の振動軸を狭
めて振動板およびそれに伴うひだを拡開させる。
このようにして、ひだの拡開揺動によりひだの間
に溜まつた塵埃を除去できるとともに、作動回転
板の回転速度を速めると振動効果もある。したが
つて、従来よりも塵埃除去が簡単で能率的かつ衛
生的になり、しかも集塵フイルタを傷つけず耐久
性を向上でき、また初期の吸塵性能を長期にわた
つて維持することができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を適用した電気掃
除機の断面図、第２図は除塵装置の分解斜視図、
第３図は除塵装置の断面図、第４図は作動回転板
の作動リブと振動軸の動作図である。 ６ａ…吸気通路、８…除塵装置、１０…コード
リール、１７…集塵フイルタ、１７ａ…ひだ、１
７ｂ…凹部、２０…振動板、２１，２１ａ〜２１
ｏ…振動軸、２２，２２a₁〜２２a₇…作動リブ、
２３′…軸、２４…作動回転板、２５…駆動手
段。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 吸気通路に張設されてひだを形成するように
   波形折曲した集塵フイルタと、この集塵フイルタ
   の前記ひだの裏側の凹部にそれぞれ一枚ずつ先端
   部が挿入されてそれぞれ揺動することにより前記
   ひだを揺動させるとともに各々の後端部より後方
   に突設した振動軸が相互に一直線状に並んだ複数
   の振動板と、これらの振動板の前記後端部に対面
   する板状体であつて板厚方向の軸のまわりに回動
   可能に配設されるとともに対面側に前記軸を中心
   とし前記振動軸に係合する高さを有する円弧状で
   あつて前記振動軸の相互間隔よりも小さい間隔で
   設けられた一対の作動リブの複数組が前記振動軸
   を一対ごとにほぼ個別に挟み込むように相互に径
   方向および回転方向にずれるように形成されかつ
   前記各組の一対の作動リブの回転方向の先端部に
   前記振動軸の相互間隔よりも大きい間隔で前記一
   対の振動軸を前記作動リブに案内する案内リブを
   設けた作動回転板と、この作動回転板を回転する
   駆動手段とを備えた電気掃除機の除塵装置。