JP2723602B2 - ダクト式空気調和機の吸込チャンバー - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ダクト式空気調和機（以下ダクト式空調機
という）の吸込チャンバーに関するものである。

従来の技術 一般にダクト式空調機は第３図に示すように、天井裏
31に室内側熱交換器32と、この室内側熱交換器32に送風
する送風機33を内蔵したダクト式空調機本体34を設置
し、天井面35に設けた吹出口36を有する吹出チャンバー
37と、他方側に吸込口38と、この吸込口38に装着するフ
ィルター39とを有する吸込チャンバー40とを、前記ダク
ト式空調機本体34にダクト41でそれぞれ接続している。
そしてこのダクト式空調機を運転すると、吸込チャンバ
ー40より吸込まれる吸込空気とともに室内空気中の浮遊
塵埃が吸い込まれてフィルター39に付着し、やがてフィ
ルター39が目詰りして空調能力が低下することになる。

そこで第４図に示すように、ダクト41を接続した吸込
チャンバー40の吸込口38は、軸42a,42bとツメ43によっ
て開閉できる蓋45を設けて、この蓋45は通気用のスリッ
ト44を有し内側に引っ掛け部46a〜46dを設けてフィルタ
ー39を装着し、フィルター39にある程度塵埃が付着する
と、蓋45を開けてフィルター39を取りはずし、掃除でき
るようにしていた。

発明が解決しようとする課題 このような従来の構成では、吸込口38が天井面に設け
られているので、フィルター39の掃除の際には脚台など
を使用しなければ手が届かず、また上向きで作業をする
ために作業性が悪いという課題があるばかりでなく、フ
ィルター39を蓋45よりはずす際に付着した塵埃が落ちや
すいという課題を有していた。

本発明はこのような課題を解決するもので、天井面に
装着されたフィルターの保守保全が容易なダクト式空気
調和機の吸込チャンバーを提供することを目的とするも
のである。

課題を解決するための手段 この課題を解決するために本発明は、吸込チャンバー
の吸込口を含む４面に内接して張り渡したエンドレスフ
ィルターと、このエンドレスフィルターを駆動するモー
タと、前記エンドレスフィルターの幅に接したスリット
状の吸込口と、この吸込口に連通する円筒状の開口と、
この円筒状の開口に前記モータの電源を開閉するリミッ
トスイッチを設けた構成としたものである。

作用 上記構成により、エンドレスフィルターに塵埃が付着
した場合、電気掃除機の吸込パイプを円筒状の開口に挿
入するとリミットスイッチが押されモータがエンドレス
フィルターを回転させ、スリット状の吸込口より付着し
た塵埃を吸引除去する。

実 施 例 以下本発明の一実施例を第１図および第２図にもとづ
き説明する。図において、ダクト式空調機本体（図示せ
ず）と接続するダクト1a,1bが接続する吸込チャンバー
本体２が設置され、この吸込チャンバー本体２の下面３
はスリット４を複数個設けて吸込口５を構成するととも
に、一側面６に前記ダクト1a,1bに導通する開口部7a,7b
を設け、ダクト式空調機を運転すると図中に矢印８で示
す吸込風路が構成される。一方前記吸込チャンバー本体
２の内部には、両端を軸受9a,9bで支持するローラー軸1
0a,10b,10c,11が四隅に装着してあり、これらのローラ
軸10a,10b,10c,11に支持され回転自在なエンドレスフィ
ルター12が装着されている。このエンドレスフィルター
12は、ロール状に形成されるとともに、両端にガイド孔
（角孔）13a,13bが等ピッチで全周に設けてあり、この
ガイド孔13a,13bが前記ローラー軸11の両端に設けピッ
チが前記ガイド孔13a,13bに一致する軸歯14a,14bにはま
り合っている。さらに、前記ローラー軸11の一端には回
転手段となる溝（図示せず）を設け、この溝にベルト15
を巻着するとともに、前記ベルト15は吸込チャンバー本
体２の内部に装着したモータ16のシャフト17に巻着して
ある。前記エンドレスフィルター12は、ローラー軸10a,
10cによって吸込口５に面するとともに、ローラー軸10
c,11によって作られるフィルター側面18が前記吸込チャ
ンバー本体２の一側方に設けた集塵装置19に接してい
る。この集塵装置19の中心部は、第２図に示すように、
上部の扇状集塵部21と、この扇状集塵部21に導通する円
筒孔22が設けてあり、前記扇状集塵部21の開口部上端23
は前記ローラー軸11とローラー軸10cによって作られる
フィルター側面18に接するように設けるとともに、前記
扇状集塵部21の開口部下端24と前記フィルター側面18の
間にはスキ間25が設けてある。前記円筒孔22の内径は、
一般の掃除機の延長管26がはまり合うように設計すると
ともに、吸込口５側の直線上には支点27とばね28で構成
した掃除用蓋29を設けてある。また、円筒孔22は前記延
長管26がストッパー30まで挿入されたとき、モータ16に
導通するリミットスイッチ31が設けてある。

上記構成において、吸込口５に面したエンドレスフィ
ルター12に目詰りが生じると電気掃除機の延長管26を円
筒孔22に挿入してから掃除機を運転すると、フィルター
側面18に接する集塵装置19の扇状集塵部21でエンドレス
フィルター12に付着した塵埃が除去されるとともに、リ
ミットスイッチ31によってモータ16に通電され、モータ
16の回転はベルト15によってローラー軸11に転動してこ
のローラー軸11の両端に設けられた軸歯14a,14bが駆動
し、ガイド孔13a,13bではまり合ったロール状のエンド
レスフィルター12が矢印32の方へ順次回転していくこと
になるので、掃除機の運転を続けると吸込口５に面して
塵埃が付着した付着部分33が順次前記扇状集塵部21に達
して順次塵埃が除去されてエンドレスフィルター12の掃
除が終了する。

なお、本実施例では、掃除機の延長管26を挿入する場
合も説明したが、建物にセントラルクリーナを設置する
場合は、前記集塵装置19の円筒孔22を天井裏に出してセ
ントラルクリーナに接続し、リミットスイッチ31は撤去
して、ある時間間隔でクリーナとモータ16を同時に運転
する制御とすればより良いものである。

発明の効果 前記実施例の説明より明らかなように本発明は、掃除
機の延長管を吸込チャンバーに設けた円筒状の開口に挿
入してリミットスイッチをONにし、モータの電源を投入
し、掃除機の延長管の挿入とともにエンドレスフィルタ
ーが連動し回転しながら付着した塵埃を除去するもので
あるから本体の運転を停止する必要はなく、掃除の際に
脚台などを使用して吸込チャンバーに設けたフィルター
を外すこともないから作業性が極めてよくなるととも
に、フィルターを外す際の付着塵埃の落下による汚損や
作業者の目に入る等の危険もなくなる衛生安全上の効果
と、吸込口の蓋がなくても開口内部が露呈することもな
く外観上の問題もない等の効果がある。また、エンドレ
スフィルターを回転しながら付着した塵埃を除去するも
のであるから、フィルターを往復移動するものよりもメ
ンテナンスする期間が倍ほど長くなり、掃除機の延長管
を挿入している間エンドレスフィルターは回転し続ける
ので、清掃時間を使用者が任意に決めることができると
いう効果がある。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明の一実施例によるダクト式空気調和機の
吸込チャンバーを示す斜視図、第２図は同ダクト式空気
調和機の吸込チャンバーの断面図、第３図は従来のダク
ト式空気調和機を示す構成図、第４図は同ダクト式空気
調和機の吸込チャンバーを示す斜視図である。 ２……吸込チャンバー本体、５……吸込口、10a,10b,10
c,11……ローラー軸、12……エンドレスフィルター、16
……モータ、21……扇状集塵部、22……円筒孔、31……
リミットスイッチ。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】天井面に開口した吸込口と吸込ダクトを接
   続する側面を有する箱状の吸込チャンバー本体と、前記
   側面と直交し前記吸込口を含む４面の四隅に設けたロー
   ラー軸と、前記ローラー軸に張り渡したエンドレスフィ
   ルターと、このエンドレスフィルターに接するように設
   けた扇状集塵部と、さらに該扇状集塵部に導通する円筒
   孔を設け、前記ローラー軸は少なくとも一箇所に軸歯を
   備えるとともにモータによる回転駆動手段を有し、前記
   エンドレスフィルターの端面近傍には前記ローラー軸に
   設けた前記軸歯に係合することでスリップを防止するガ
   イド孔を備え、前記円筒孔の内部には一般の掃除機の延
   長管を挿入したときに前記ローラー軸駆動用のモータの
   電源を投入するリミットスイッチを設けたダクト式空気
   調和機の吸込チャンバー。