JPS624812Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は空気調和機の改良構成に関し、特に露受
皿の着脱を容易且つ良好にし、着脱方向を選択可
能としたものである。

従来此種空気調和機は本体内に配置された熱交
換器より滴下する露水を受容し、排出するため
に、熱交換器の低端側下方に露受皿を配設してい
るが、長期使用中には露受皿内に塵埃や水垢が付
着して汚損したり、排水口が詰まつて排水出来な
くなることが多かつた。そのため露受皿内を定期
的に清掃する必要があるが、露受皿を本体より取
り外して行うのが効果的であり、特に天井埋込型
空気調和機に於てはこの要望が強かつた。しかし
露受皿の着脱方向が一定であると、その着脱方向
に家屋の壁が位置していたり、移動困難な物品が
あると、その用を成さないことゝなつていた。

本案は係る点に鑑みて成されたものであり、本
体内に配置した熱交換器の低端側下方に設けた露
受皿の一端を、外装体の一側壁より突出させ、こ
の一側壁に形設した開口より側方に着脱自在とな
し、且つ外装体の他側壁に設けた係止板より載置
した露受皿の他端を外し、一端を前記外装体一側
壁の開口より内方に抜き、外装体の下面開口よ
り、下方に着脱自在となした、外装体の二方向よ
り露受皿を着脱自在とした構成であり、露受皿の
清掃や修理点検時の着脱を容易となし、本体の設
置位置や方向を限定することのない様にした作用
効果を奏するものである。

以下本案の受施例を図について説明する１は下
面に開口する中空容器状に形成した外装体２と、
この外装体２の下面開口に装着し、天井板３の開
口をも覆う化粧パネル４等とより構成する天井埋
込型の空気調和機本体で、前記外装体２は天井板
３より上方の天井空間５内に配設され、ボルト
６，６等にて天井の梁（図示せず）等任意の部材
に吊下げ支持している。そしてこの外装体２は内
部に両側壁７，８と間隔を存して仕切板９，１０
を夫々対設し、仕切板９，１０相互間に送風機１
１を具備した送風装置１２を配設する吸込通路１
３を形成し、且つ仕切板９，１０と側壁７，８間
に夫々吹出通路１４，１５を、前記吸込通路１３
と略同一平面上に開口して形成すると共に、前記
仕切板９，１０相互間を上下に区画し、下部の前
記吸込通路１３と、上部の熱交換室１６とを形成
する、区画板１７及び露受皿１８載置部下方の開
閉板１９を並設している。前記熱交換室１６には
冷媒圧縮機（図示せず）等と共に冷媒サイクルを
形成する所謂フインアンドチユーブ式などの熱交
換器２０を、送風装置１２側に高くなる如く傾斜
配設し、この熱交換器２０の低端側下方に対向し
て前記露受皿１８を配置している。更にこの露受
皿１８は熱交換器２０の長手方向に沿つて仕切板
９と略平行方向に延びて外装体２の両端板２１，
２２間に架設する如く配設すると共に、排出口２
３を形設した一端を近接対向する一方の端板２１
に穿設した透孔２４を貫通して端板２１外方に突
出配設し、且つ他端は他方の端板２２内側に突設
した支持板２５上に着脱自在に載置支持してい
る。前記開閉板１９は一端を透孔２４近傍の端板
２１に螺子２６等にて、他端を支持板２５に螺子
２７等にて、夫々着脱可能に装着し、露受皿１８
下方にて吸込通路１３と熱交換室１６とに区画し
ている。前記露受皿１８は、端板２１に穿設した
透孔２４より挿脱自在にすると共に、端板２１よ
り突出した端部の上面開口を着脱自在のカバー２
８にて被覆している。このカバー２８は端板２１
への取付端縁など適所に露受皿１８内へ連通する
切欠孔２９を形設すると共に、上面を該切欠孔２
９に向つて低くなる如く周縁に高く傾斜形成し、
且つ取付片３０を端板２１に螺子３１等にて支持
装着することにより露受皿１８の定位置保持をす
る。前記端板２１には外方に突出して、前記カバ
ー２８の上方に低端が位置する如く傾斜形成した
ガイド片３２を形設し、端板２１外表面に結露し
流下する露水をカバー２８を介して露受皿１８へ
誘導する。３３は熱交換器２０よりの空気抜きコ
ツク３４から延びた排水管で、前記カバー２８の
切欠孔２９より露受皿１８内へ挿通している。前
記露受皿１８の他端を載置支持する支持板２５は
一方の端板２１に穿設した透孔２４より少許上方
に配設し、露受皿１８を透孔２４側に低くなる如
く少許傾斜配置し、貯溜した露水を排出口２３よ
り速に排出可能としている。

３５は前記熱交換器２０の内面に対向して下方
に配設したガイド板で、一側端を露受皿１８内上
方に対設し、他側端を熱交換器２０の高端縁の垂
下位置より仕切板１０側に張出した大きさに形成
し、熱交換器２０より滴下した露水を受容し、前
記露受皿１８に誘導流下するために露受皿１８側
に低く、仕切板１０側に少許高く傾斜配設してい
る。

本案は以上の如く構成しており、露受皿１８の
着脱を行う場合、天井空間５が広く邪魔になるも
のがなければ、カバー２８を外し端板２１の透孔
２４より第３図に点線及び矢印にて示す如く外周
方に抜き出せば良く、外周方への抜き出しが困難
な時には、カバー２８を外し且つ開閉板１９を外
した後、露受皿１８を少許透孔２４より突出する
方向に移動して支持板２５よりずらせ、更にその
後第４図に示す矢印の如く斜下方に移動すれば、
端板２１の透孔２４より両端板２１，２２間内に
抜き出せ、本体１の下面開口より下方へ取り出せ
る。露受皿１８の装設は前述と逆の動作で行なえ
ば良い。

従つて本案によれば、露受皿の着脱が外周方及
び下方の任意の方向に選択出来、本体の設置位置
に制約を殆んど受けず、設計製作が良好であると
共に、清掃を行い易い。又、支持板を設けるなど
の、僅かな構成で良く殆んど付加的部品や構成を
要することなく、構造簡単にして安価な装置が得
られる。更に透孔を穿設した端板外表面に結露し
流下した露水や熱交換器の空気抜きコツクからの
排水も露受皿にて受容可能に出来一層構造の簡略
化が計れる。

尚、本案は天井埋込型の空気調和機に最も効果
的であるので、実施例を天井埋込型について記述
したが、天吊型であつても、壁掛型などであつて
も略同様の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は天井埋込型の本案空気調和機の概略縦
断面図、第２図は同要部概略斜視図、第３図は同
要部断面図、第４図は同じく他の使用例の要部断
面図、第５図は同カバーの斜視図である。 １８……露受皿、２０……熱交換器、２１，２
２……端板、２４……透孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下面に開口する中空容器状の外装体内に、送風
   装置及び熱交換器等を配設して本体を構成し、且
   つ前記熱交換器の低端下方に露受皿を配設すると
   共に、この露受皿は排出口を形設した一端を外装
   体の一方の端板に穿設した透孔を挿脱可能に貫通
   して該端板外方に突出し、他端を他方の端板より
   内方へ突設した支持板上に着脱自在に載置し、前
   記透孔より外周方へ、且つ前記本体の下面開口よ
   り下方へ夫々選択的に着脱可能となすと共に、端
   板より突出した上面開口を切欠孔を形設したカバ
   ーにて被覆した事を特徴とする空気調和機。