JPS6247490B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は農業用刈取り機に関し、特に、円筒形
状の回転カツタヘツドで、その周囲にある細長い
せん断部材と協働して当該せん断部材を越えて送
られる刈取り作物を切断するカツタヘツドを有す
る刈取り機に関する。

上記のような型式の刈取り機は米国特許第
3677316号に開示されている。この特許に開示さ
れた刈取り機は回転式のカツタヘツドを備え、こ
のカツタヘツドの周面上にはそれに隣接した横方
向のせん断部材と整合された刃を有しており、刈
取り作物はせん断部材を越えてカツタヘツドへ送
られるようになつている。この特許に記載されて
いるように、カツタヘツドの刃を鋭利に保つこと
は刈取り機の操作とも関連した面倒な問題であ
り、この刃は刈取り操作の間、頻繁に研ぐことを
必要としていた。上記特許にも記載の如く、カツ
タヘツドを逆回転させることは当該刃の鋭利さを
改善することになるが、それでも比較的頻繁に刃
を研摩することが必要である。

カツタヘツドの刃を適正に維持することに加え
て、そのような機械の適正な操作のためには、特
に動力消費に関し、カツタヘツドに対するせん断
部材の最良の整合を維持することが必要であるこ
とがわたつてきており、約3.81mm（0.015イン
チ）の間隔が望ましいとされている。しかし、カ
ツタヘツドの刃の研摩は当該刃から材料を除去し
カツタヘツドの径を減少するので、最良の作業を
行うためには、刃を研摩する毎にせん断部材の間
隔を再調整する必要がある。代表的には、せん断
部材は支持構造に挾着されており、当該部材の調
節はこのせん断部材の挾着ボルトをカツタヘツド
ハウジングの両側でゆるめ、それからせん断部材
を移すため調節カム又はボルトを回転することを
必要とした。このような型式の調節機構は米国特
許第3419055号及び第4055309号に開示されてい
る。しかし、せん断部材の両端の挾着及び調節ボ
ルトへ近付くことは、カツタヘツドハウジングの
構造上、必ずしも容易ではなく、従つて、その調
節作業は困難なものであつた。

本発明においては、刈取り機内のカツタヘツド
の周囲とせん断部材との間の間隔を調節する改良
された機構を提供する。

本発明の重要な特徴は、本調節機構がせん断部
材の両端に隣接する領域でボルト若しくはナツト
を緩るめることなく、容易に近付くことができる
部材によつて操作されるということである。本発
明の他の特徴は、せん断部材を所定位置に挾着す
る装置をゆるめることなく、上記調節を行えると
いうことである。特に、本調節機構はせん断部材
を挾着状態にしたまません断部材を移動する機構
的利点を提供することで、この調節機構によつて
生じさせられる力は上記挾着の力に充分打ち勝つ
ものである。

本発明の他の特徴は、本調節機構を操作するの
に汎用の工具を使えるということである。また、
本調節機構は油圧若しくは電動モータの如き動力
装置によつて遠隔操作をすることが容易であると
いうことである。

本発明の構成を要約して述べれば、以下の通り
である。

フレームと；両側壁及び入口開口を有するフレ
ーム上に取り付けられたカツタヘツドハウジング
と；該ハウジング内に取り付けられたカツタヘツ
ドで、その周面に取り付けられて当該カツタヘツ
ドが回転するときに一つの円筒形状を描く切断縁
を有する複数の切断刃を備えたカツタヘツドと；
該カツタヘツドの軸線に平行にして同カツタヘツ
ドの周囲に隣接されたせん断部材で、上記入口開
口を通つて送られる作物が当該せん断部材を通つ
てカツタヘツドへ送られるようにした上記両側壁
間で横断方向に伸びるせん断部材と；を備える刈
取り機における上記せん断部材とカツタヘツドと
の間の間隔を調節するためせん断部材を上記ハウ
ジング上に調節可能に取り付けるための調節機構
において：それぞれ上記両側壁に固定された一対
の支持体を有する支持構造と；それぞれ上記支持
体に枢着された一対のレバー部材で、揺動する際
にほぼ前後方向の円弧内を揺動する第１の部分を
有するレバー部材と；それぞれレバー部材の第１
の部分を上記せん断部材の両端部に接続し、レバ
ー部材の揺動によりせん断部材の両端をほぼ前後
方向において上記カツタヘツドに向けてまたはそ
れから離すように動かす一対のほぼ前後方向に伸
びるリンク部材と； 上記支持体に対してせん断部材の両端をほぼ垂
直方向で挾着するとともに、せん断部材が上記リ
ンク部材を通してかけられる上記垂直方向での挾
着の力に打ち勝つ力によつてのみ前記の前後方向
で可動なるようにしたそれぞれ上記せん断部材の
両端に組み合わせられた一対の挾着手段と；上記
レバー部材にそれぞれ連結された一対の倍力手段
で、入力部材を有し、該入力部材に加えられる力
を倍増して上記レバー部材に加えて、該レバー部
材をその枢軸のまわりで動かすための倍力手段を
有し、上記入力部材に一つの方向で力を加えるこ
とにより上記せん断部材をカツタヘツドに向けて
動かし、また、力を反対方向で加えることにより
せん断部材の端部をカツタヘツドから離れるよう
に動かすようにしたことを特徴とする刈取り機に
おけるせん断部材調節機構。

本発明に係るせん断部材調節機構は、以上のご
とき構成を有するものであり、せん断部材の調節
作業にあたつて、従来のもののごとく、ボルトや
ナツトを緩めたり、締め付けたりする必要がな
く、同作業を極めて容易に行うことが出来る。ま
た、倍力手段の入力部材を作業者が近付きやすい
所に設定することにより、上記調節作業は更に行
い易くなる。

以下、本発明を添付図面に示した実施例に基づ
き詳細に説明する。

本発明は、図面では刈取り機の右後部のみを示
したが、メーンフレーム１０を有するプルタイプ
すなわち引張り型式の刈取り機において実施され
る。周知の如く、プルタイプの刈取り機はほぼＬ
型のフレームを有し、このフレームの前後方向脚
の前端部はトラクタに取り付けられる引張部材
（Tongue）を有し、一方、フレームはその後方横
方向部分の両端に配置された一対の車輛で地面に
沿つて動けるように支持されている。また汎用の
ように、番号１２によつて示されたカツタヘツド
ハウジングは、牽引トラクタの外部にあるフレー
ムの後方横断部分の外端に取り付けられている。
カツタヘツドハウジングは対向する垂直右側及び
左側壁１４，１６を有し、両側壁間にはほぼ水平
な頂部壁１８を有している。頂部壁１８の後端に
は、上部蓋２０があり、この蓋もカツタヘツドハ
ウジングの幅にわたつており、ヒンジ２１に取り
付けられ、該ヒンジは蓋２０が上方へ揺動するの
を可能とし、頂部後方からカツタハウジングの内
部に近づけることができるようにする。カツタヘ
ツドハウジングは、側壁の下方部分に沿つた前後
方向の一対のチヤネル状フレーム部材２２と、こ
のフレーム部材２２を相互連結する管状横断フレ
ーム部材２４とを有している。メーンフレーム１
０はカツタヘツドハウジングのほぼ下に軸構造２
６を有し、右側壁１４の外側に隣接した軸構造に
右側の車輪が取り付けられる。

両側壁の上部前方隅部から一対の上部取付部２
８が突出しており、第１図には右側の取付部のみ
示されているが、両取付部は横断方向で整合して
いる。類似の一対の下部取付部３０が両側壁の下
方前端近くから外方に突出しており、周知の如
く、種々の型式の刈取りヘツダがこの取付部上に
取外し可能に取り付けられ、畑や野原から作物等
を刈取り、それを当該カツタヘツドハウジング１
２の前方開放端部を通して後方に送る。

上方及び下方前部供給ロール３２，３３はそれ
ぞれ当該ハウジング１２の前端部において側壁１
４，１６の間で軸受されており、上方及び下方後
部供給ロール３４，３５は同様に側壁間に伸びて
いる。良く知られているように、下部供給ロール
３３，３５は相互に隣接し、軸方向で固定されて
おり、一方、上部供給ロールは送られる作物の厚
さに従つて下部供給ロールとの間の間隔を変える
ため、当該上部供給ロールを垂直方向で調節可能
にする機構内に回転自在に支持され、上部供給ロ
ールは時計方向に、下部供給ロールは反時計方向
に回転するようになつている。上部供給ロール３
４を支持する一方のアーム３６の一部のみが図示
されている。

供給ロールは、後方下部供給ロール３５のすぐ
後ろにあるカツタヘツドハウジングの幅にわたり
伸びる横断せん断部材３８の上を通して作物を後
方へ送る。後方供給ロールは作物をせん断部材の
上を通して円筒形カツタヘツド４０にそのほぼ直
径方向に向けて供給する。カツタヘツド４０はカ
ツタヘツドハウジング１２内に回転自在に取り付
けられ、両側壁間で伸びている。このカツタヘツ
ドは周知なので第１図に点線でのみ示されてい
る。明らかなように、カツタヘツドの切断刃縁は
せん断部材３８と整合されている。

カツタヘツドハウジング内には、研摩機構が取
り付けられ、この機構は、カツタハウジングの外
部にあるハンドル４２により、カツタヘツドの周
面に向けて調整可能で、該周面に沿つて往復動さ
れる砥石を備えている。研摩機構は、カツタヘツ
ドハウジングの右側にあるハンドル４２に隣接し
て配置されたクランク４３によつてカツタヘツド
周面に向けて、また、離れるよう調整される。研
摩機構の詳細は周知なのでここでは示さない。米
国特許第3677316号に記載されている如く、研摩
作業に際しては、カツタヘツドは逆回転される。
垂直シールド４４は一対の垂直前方ヒンジ４５に
よつて右側壁上に枢動可能に取り付けられてい
る。このシールドは右側壁１４から短かい距離だ
け外方に離されており、上部供給ロール及び少な
くとも下部供給ロールの駆動部の一部をシールド
する。同様の垂直後方シールド４６がハウジング
に枢動可能に取り付けられ、その後方端部のヒン
ジのまわりに枢動可能で、カツタヘツドをブロワ
型放出コンベアの為の駆動軸に接続するベルト型
駆動手段をシールドする。周知の如く、カツタヘ
ツドによつて切断された作物はカツタヘツドハウ
ジングの後部にある放出開口を通してオガー
（ouger）型搬送手段（図示せず）内に放出され
る。この搬送手段は作物を当該刈取り機の左側に
ある（図示しない）ブロワ型エレベータに搬送す
る。後方シールド４６は前方シールドのすこし外
側に配置され、前方シールドの後方端部に重な
り、カツタヘツドハウジングの右側にある可動部
分を完全にシールドする。

せん断部材はカツタヘツドの切断刃との間の間
隙を調節するため、当該カツタヘツドの周面に近
づけたり離れたりできるようにしてカツタヘツド
ハウジングに支持されている。一対のせん断部材
取付け調節機構５０がせん断刃の両端を側壁１
４，１６に連結している。この機構は右側のもの
だけが詳細に示されているが、両方と同じもので
ある。

せん断部材支持部材５２は短形断面を有する細
長い鋼製部材でハウジングの両側壁間で伸びてお
り、この支持部材上に支持されたせん断部材も該
支持部材と同様の矩形断面で細長い鋼製部材から
作られる。支持部材５２及びせん断部材の両端
は、両側壁の開口５３を通して伸びている。この
開口はせん断部材の前後方向での調節を可能とす
る充分大きなものとされるが、ただしこの開口の
端部の一部は側壁に溶接されたせん断刃支持体に
隣接させる。支持部材５２は側壁の外方にある端
部近くに垂直の孔５４を有しており、調節機構５
０は支持部材５２の底部を受ける横断方向の矩形
で上方に開放された溝５８を有する支持体５６を
備えている。支持体５６は支持部材５２の孔５４
と整列した垂直のねじ孔６０を有し、このねじ孔
は図示の例ではそれに嵌め込まれたナツトを有し
ている。垂直ボルト６２が支持部材の孔５４を通
して下方に伸び、ねじ孔６０に螺入されて支持体
５６を支持部材５２に結合している。

支持体は横断方向の枢軸６４を支持しており、
該枢軸６４の両端は支持体の両側部を越えて横方
向に伸びている。支持体はまた、支持部材５２の
後方に垂直部６６を有しており、この垂直部の上
方部分は中空で側壁６７と、前後方向開口６９を
有する垂直前壁６８と、垂直孔７１を有する水平
頂部壁７０とを有している。

支持体の両側部上の枢軸６４上には一対の同じ
レバー部材すなわちベルクランク７２が取り付け
られ、このベルクランクは、当該ベルクランクに
枢着された両端を有する横断方向連結杆によつて
連結されている。連結杆７６はねじ孔７７を有
し、細長いねじ孔７８の下方部分を受け入れる。
ねじ杆７８のねじ部は支持体の垂直部の頂部壁内
の孔７１を通して下方に伸びており、一対のテフ
ロン製部材８０が頂部壁の両側でねじ杆上に取り
付けられ、部材８０は一対のワツシヤ状キヤツプ
８２と一対のナツト８４により挾着されている。
下方のナツト８４は鎖錠ピン８６によつてねじ杆
のねじ部分に固定されている。従つて、ねじ杆が
支持体に回転可能に支持され、ねじ杆の回転が連
結杆７６の垂直方向位置を調節し、従つて、ベル
クランク７２を枢軸６４のまわりで揺動する。ね
じ杆は側壁の外側に沿つて垂直に伸び、側壁に隣
接した細長いシヤンク部８７と、ハウジングの頂
部壁１８とほぼ同じ高さにある汎用のボルトヘツ
ド（または入力エレメント）８８とを有してお
り、当該ねじ杆はハウジングの両側壁の外側に沿
つて伸びている。明らかな通り、シヤンク部８７
の上方部分のみが当該刈取り機上の前方シールド
４４の上方に突出している。

ほぼ前後方向に伸びるリンク部材９０は、その
前端近くに横断方向の矩形断面溝９２を有し、横
断部材９４がベルクランク７２間で伸びその両端
がベルクランクに枢着されている。横断部材の中
央部分分は正方形断面を有し、その前後方向寸法
は該部材を受け入れる溝９２の幅と合致してい
る。ベルクランクとリンク部材９０との間での横
断部材と溝の結合は、ベルクランクとリンクとの
間での垂直方向での遊び連結を与え、枢軸のまわ
りでのベルクランクの揺動がリンク部材９０の前
後方向の動きを与える。リンク部材９０はせん断
部材３８の頂部と前方部に当接し、リンク部材の
後方への動きがせん断部材の後方への動きを起
す。

せん断部材は支持部材の孔と整合する孔９６を
有しており、該孔９６はボルト６２の直径より大
きな前後方向寸法を有している。リンク部材９０
は孔９６と整合する孔９７を有しており、ボルト
６２が該孔を通つている。前後延長部材９８がリ
ンク部材の後端部上に重なつており、支持部材５
２の垂直孔と整合した垂直孔９９を有し、該孔を
ボルトが通りそのヘツド部が該延長部材９８の頂
部と係合し、このボルトを締め付けることにより
部材９８、リンク部材９０、せん断部材３８、支
持部材５２及び支持体５６が圧縮される。延長部
材は支持体の垂直部の前壁６８内に設けられた開
口６９を通り後方に伸びており、また、開口６９
の後方における下側面には横断方向溝１００を有
している。この溝１００には垂直部の側壁６７間
に伸びる横断方向ピン１０２を受け入れ、それに
より延長部９８は前後方向で支持体５６の垂直部
に固定される。従つて、ボルト６２の頂部端及び
底部端が支持体５６内で前後方向において所定の
位置に保持される。リンク部材９０はせん断部材
の頂部に重なつている横方向に伸びる一対の翼部
１０４を有しており、一対の垂直ボルト１０６が
それぞれ翼部１０４の垂直孔を通し、せん断刃の
ねじ孔内に通され、せん断刃をリンク部材の下側
に固定する。

操作においては、ボルト６２は、通常、締着さ
れて延長部材９８、リンク部材９０、せん断刃３
８、支持部材５２及び支持体５６を重ね合せ状態
で締め付け、従つて、それら全部材は、カツタヘ
ツドハウジングの両側壁に溶接されている支持部
材５２を介してカツタヘツドに支持される。通
常、比較的大きな締着力が加えられる。250フイ
ートポンドの締着力が大表的なものである。

上述した通り、刈取り機の操作の間は、カツタ
ヘツドの切断刃をひんぱんに研ぎ直す必要があ
る。そのときには切断刃の材料は削り取られる。
カツタヘツドの周面とせん断部材の上方後縁との
間の間隔は約0.127mm乃至0.254mmに維持されるこ
とが望まれる。なぜなら、大きな間隔の場合、せ
ん断部材を越えて通る作物をせん断するのに必要
なエネルギ量が著しく増大するからである。従つ
て、カツタヘツドを研摩するときには、せん断刃
を調整し、適正な間隔とする必要がある。

せん断刃を調節するためには、調節機構内の手
段によつてボルト６２を緩める必要がある。ねじ
杆７８のヘツド８８は一般的なレンチを受け入れ
るよう、好ましくは標準の0.5インチドライブラ
チエツトと適合するようになされる。明らかなよ
うに、ヘツド８８はカツタヘツドハウジングの頂
部よりわずか上方にあり、その置ではヘツドに容
易に近付くことができ、汎用の工具で容器に回転
できる。カツタヘツドの切断刃を研摩した後にせ
ん断部材３８を後方へ動かして当該カツタヘツド
の切断刃とせん断部材３８との間の間隔を小さく
するためには、ねじ杆７８を単に回転する。そし
て、このねじ杆は支持体５６の垂直部６６におけ
る頂部壁７０内に垂直に保持されているので、当
該ねじ杆の回転は連結杆７６の垂直方向での動き
を起し、従つてベルクランク７２の後端を垂直方
向で動かす。ねじ杆を回転すると、ベルクランク
が第３図に示す如く枢軸６４の回りで反時計方向
に回動し、この動きがベルクランクの前端の横断
部材９４の円弧運動を起す。横断部材とリンク部
材９０との間の垂直方向でのから動きはリンク部
材の前後方向のみでの動きを生じさせ、従つて、
ベルクランクの反時計方向の回動はリンク部材の
後方への動きを起す。リンク部材及びせん断刃３
８内の孔は、リンク部材とせん断部材とが、当該
せん断部材とその支持部材との間、リンク部材と
前後延長部材間の摩擦による前後方向での締着力
が克服されるという条件の下、ボルト６２の位置
に影響を与えることなく、リンク部材とせん断部
材との前後方向での調節を可能とする。明らかな
ように、前後延長部材は前後方向で鎖錠されてお
り、従つて、当該延長部材及び支持体５６はボル
ト６２の頂部端及び底部端の前後方向位置を維持
する。また、上述の機構は、一般的工具によつて
ねじ杆のヘツドにかけられる20乃至25フイートポ
ンドトルクが上記締着力に十分に打ち勝ち、この
トルクはリンク部材９０及びせん断部材上に約一
万ポンドの直線方向の力を生ずるようにする倍力
手段を構成する。この直線方向の力は、せん断部
材に何らの困乱も生じないようにボルトの中心を
通して生じさせられる。

せん断部材を調節するときは、操作者は刈取り
機の両側にある調節機構を調節し、せん断部材の
両端を調節する。通常、せん断部材の両端は、カ
ツタヘツドとせん断部材とのわずかな接触により
生ずるかちかちという音を操作者が聞くまで、カ
ツタヘツドに向けて動かされる。操作者はそれか
ら、かちかちという音が止むまでねじ杆を非常に
わずかだけ反対方向に回してせん断部材を後退さ
せ、それから、カツタヘツドの反対側に対してこ
の操作を繰り返す。カツタヘツドとせん断部材と
の軟い係合によつて生ずるかちかちという音がち
ようど消えるようにせん断部材の両端が調節され
るときに、望ましい0.127mm乃至0.254mmの間隔に
なることがわかつている。

明らかな如く、この調節はシールド４４及び４
６を所定位置としながら当該刈取り機を運転して
いる間にも行うことができる。また、操作者は刈
取り機を停止する必要もせん断部材とカツタヘツ
ドとの間の間隔を測るのに種々の測定器を使う必
要もない。せん断刃の調節はそのように迅速で且
つ簡単であり、操作者は刈取り機の効率を増大す
る最良の間隔を維持できる。ねじ杆は電動モータ
の如き遠隔制御装置によつて回転することができ
る。カツタヘツドとせん断刃との間を測るための
適当なスイツチをそのようなモータとともに使用
することにより、最適間隔を維持する自動調節シ
ステムを用いることもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を施したカツタヘツドの一部を
示す一部切欠側面図；第２図は第１図の２―２線
に沿つて見た本発明に係るせん断調節装置の平面
図；第３図は第２図の３―３線に沿つて見た同調
節装置の断面図；である。 ３８…せん断部材；５６…支持体；６２…ボル
ト（締着手段）；７２…レバー部材；９０…リン
ク部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ フレームと；両側壁及び入口開口を有するフ
   レーム上に取り付けられたカツタヘツドハウジン
   グと；該ハウジング内に取り付けられたカツタヘ
   ツドで、その周面に取り付けられて当該カツタヘ
   ツドが回転するときに一つの円筒形状を描く切断
   縁を有する複数の切断刃を備えたカツタヘツド
   と；該カツタヘツドの軸線に平行にして同カツタ
   ヘツドの周囲に隣接されたせん断部材で、上記入
   口開口を通つて送られる作物が当該せん断部材を
   通つてカツタヘツドへ送られるようにした上記両
   側壁間でほぼ横断方向に伸びるせん断部材と；を
   備える刈取り機における上記せん断部材とカツタ
   ヘツドとの間の間隔を調節するためせん断部材を
   上記ハウジング上に調節可能に取り付けるための
   調節機構において： それぞれ上記両側壁に固定された一対の支持体
   を有する支持構造と； それぞれ上記支持体に枢着された一対のレバー
   部材で、揺動する際にほぼ前後方向の円弧内を揺
   動する第１の部分を有するレバー部材と； それぞれレバー部材の第１の部分を上記せん断
   部材の両端部に接続し、レバー部材の揺動により
   せん断部材の両端をほぼ前後方向において上記カ
   ツタヘツドに向けてまたはそれから離すように動
   かす一対のほぼ前後方向に伸びるリンク部材と； 上記支持体にたいしてせん断部材の両端をほぼ
   垂直方向で挾着するとともに、せん断部材が上記
   リンク部材を通してかけられる上記垂直方向での
   挾着の力に打ち勝つ力によつてのみ前記の前後方
   向で可動なるようにしたそれぞれ上記せん断部材
   の両端に組み合せられた一対の挾着手段と； 上記レバー部材にそれぞれ連結された一対の倍
   力手段で、入力部材を有し、該入力部材に加えら
   れる力を倍増して上記レバー部材に加えて、該レ
   バー部材をその枢軸のまわりで動かすための倍力
   手段を有し、上記入力部材に一つの方向で力を加
   えることにより上記せん断部材をカツタヘツドに
   向けて動かし、また、力を反対方向で加えること
   によりせん断部材の端部をカツタヘツドから離れ
   るように動かすようにしたことを特徴とする刈取
   り機におけるせん断部材調節機構。 ２ 上記支持構造が、それぞれ上記支持体に連結
   された両端部を有するとともに上記せん断部材の
   下にある細長いほぼ水平な横断方向に伸びるせん
   断部材支持部材を有しており、上記挾着手段がせ
   ん断部材を該支持部材との間に挾着するようにし
   てある特許請求の範囲第１項に記載の調節機構。 ３ 上記せん断部材はその両端近くにほぼ垂直な
   貫通孔を有し、また、上記支持部材は上記貫通孔
   と整合した一対の貫通孔を有しており、上記挾着
   手段は上記両貫通孔を通る一対のボルトを有して
   いる特許請求の範囲第２項に記載の調節機構。 ４ 上記リンク部材はそれぞれ上記挾着手段のボ
   ルトに隣接してせん断部材に連結され、各リンク
   部材は上記貫通孔に整列した垂直の孔を有してお
   り、上記ボルトがこの垂直孔をも通つて伸びてい
   る特許請求の範囲第３項に記載の調節機構。 ５ 上記支持体にはそれぞれ上記支持部材の貫通
   孔と整列した垂直の孔が設けられ、上記挾着手段
   のボルトがこの垂直孔を通つて伸び、上記リンク
   部材、せん断部材、支持部材及び支持体が上記挾
   着手段によつて一緒に挾着されている特許請求の
   範囲第４項に記載の調節機構。 ６ 上記リンク部材の垂直の孔と上記せん断刃の
   貫通孔とが前後方向に細長くなつており、挾着手
   段のボルトを静止したまま、せん断部材の前後方
   向での調節をできるようにした特許請求の範囲第
   ５項に記載の調節機構。 ７ 上記挾着手段が上記支持体にそれぞれ連結さ
   れた一対の部材を有し、該部材は支持体の上記孔
   と整列された垂直の孔を有し上記挾着手段のボル
   トを受け入れるとともに、該部材はリンク部材上
   に重ねられ上記ボルトの上端の前後方向位置を維
   持するようにした特許請求の範囲第６項に記載の
   調節機構。 ８ 上記支持体の枢軸手段は、共軸状で横断方向
   に伸び、上記各レバー部材は上記の各枢軸手段に
   枢着されたベルクランクであり、一端が上記リン
   ク部材に他端が上記倍力手段に連結されている特
   許請求の範囲第１項若しくは第７項に記載の調節
   機構。 ９ 上記ベルクランクは、当該ベルクランクの枢
   動の前後方向の運動成分のみが上記リンク部材に
   伝達されるようになされている特許請求の範囲第
   ８項に記載の調節機構。 １０ 上記倍力手段がハウジングに回転可能に取
   り付けられその長手方向の動きは阻止された細長
   い杆を有し、該ロツドはねじ切りされた部分を有
   し、該部分が上記レバー部材のめねじ部材に螺合
   されて当該杆の回転によりレバー部材がその枢軸
   手段のまわりで枢動するようにした特許請求の範
   囲第１項若しくは第９項に記載の調節機構。 １１ 上記倍力手段の杆がカツタヘツドハウジン
   グの側壁の外側に隣接してほぼ垂直に伸び、各杆
   がせん断部材のかなり上方でハウジングの外部に
   あるヘツドを有している特許請求の範囲第１１項
   に記載の調節機構。