JPS6247485B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は葱苗の移植機に関するもので、鎮圧輪
の取付手段を改良することにより、特に従来困難
を伴なつた長葱苗の移植機として最適な構成であ
り、勿論玉葱苗の移植にも共有できるようにした
ことを特長とするものである。さらに具体的に説
明すると、長葱を移植する場合と、玉葱を移植す
る場合とでは、移植方法が異なり、そのため移植
機の構成を異にする必要があり、特に鎮圧輪の構
成を簡易にして、従来難しかつた長葱苗の移植を
簡単に行なうことができるようにしたものであ
る。

周知のように長葱の栽培は、種子が非常に小さ
く、発芽育成の管理が初期は非常に難しく、最初
から畑で成育させるのは困難であるため、畑で十
分育成できるようになるまでは、苗床で発育さ
せ、その後畑に移植するもので、このために長葱
苗の移植機が必要となるのである。この長葱を移
植するには、整地した畑に畦溝を切つておき、此
の溝の中で北側に苗を寄せて移植する。これは溝
の中央または南側に植えると、南側より当る日光
が南側の壁に遮ぎられて苗の発育が良くないため
である。このため前記のように、長葱は北側に移
植するのが昔からの習わしであり、長葱にあつて
は移植機を用いて、長葱を畦溝内の北側に植え、
かつ１個の鎮圧輪を用いて南側からのみ鎮圧して
いる。

一方、玉葱の移植にあつては、苗を平地に植
え、前記長葱のごとく溝植えしない。このため玉
葱の移植には、２個の鎮圧輪を用いて苗の鎮圧を
行なつている。そして、玉葱の移植は、畦の中央
に植えるから長い畦を行き来しての往復作業して
も何ら問題がないが、長葱の場合は、畦溝の北側
に移植するので、往路で北側に植える移植機は、
復路では南側に植えることになり、２個の鎮圧車
輪を用いる従来の玉葱の移植機は、一般には長葱
の移植には使用できない。

このため、長葱用の移植機は、鎮圧輪は１個し
か使用せず、北側に当る方を外して、南側にある
１個の鎮圧輪を使用する。しかし、この場合、使
用する１個の鎮圧輪は、溝に沿つた往復の際、溝
の両端で毎回セツトして南側に位置するようにテ
ーラー等に取付ける苗移植装置を移動させなけれ
ばならない。なお、長葱は、畦溝の北側に寄せて
移植し、畦溝の南側の壁より土を取り、長葱の茎
に培土して茎を軟白して栽培するもので、培土の
事を考えても畦溝の北側に寄せて移植しなければ
ならない。

本発明は、上記の諸点に鑑みて提案されたもの
で、以下図面に示す実施例について説明する。

第１図と第９図は移植機の側面図と斜視図で、
図において、１は周面に複数個のツメ２，２，…
を有する鎮圧輪、３は鎮圧輪駆動スプロケツト、
４は駆動スプロケツトクラツチ板、５は前記駆動
スプロケツト３とクラツチ板４との間に掛けた鎮
圧輪駆動チエーンである。第５図に示すように、
この鎮圧輪１は、そのクラツチ板６を前記クラツ
チ板４に装着して取付けられるが、これは本発明
の要旨であつて、後にその詳細を説明する。つぎ
に、７は作業用自在車、８は走行用自在車、９は
溝切機、１０はテーラーであり、この作業用自在
車７と走行用自在車８とは、本発明の移植機に必
らずしも必要なものではなく、任意なものであ
る。

１１はユニツトで、これは、前記テーラー１０
のヒツチ１２にユニツト１１のヒツチボツクス１
３を入れ、ピン１４を挿入して、固定ボルト１５
で適当な位置に装着している。１６はユニツトス
ライド用のハンドルで、これを回してヒツチボツ
クス１３のところでユニツト１１を回して溝切機
９を畦溝の北側になるようにスライドさせる。

前記ヒツチボツクス１３の構造は、次のように
なつている。すなわち、ユニツト１１の端部にガ
イドメタル１７が上下に固着してあり、かつ中間
部にはスライイド用ナツト１８が付いている。一
方、ヒツチボツクス１３には、前記ガイドメタル
１に挿入するスライド用ガイド１９と、同じく前
記スライド用ナツト１８に挿入するスライド用ネ
ジシヤフト２０が螺合してあり、ネジシヤフト２
０の一端は、前記ハンドル１６を構成している。
また、ネジシヤフト２０の両端は、ヒツチボツク
ス１３で軽く回転するが、左右には動かない。し
たがつて、ハンドル１６を回すと、溝切機９は左
右にスライド自在であり、畦溝内の位置が常に北
側となるよう簡単に変位させることができる。

次に、本発明の要旨である鎮圧輪１について説
明する。前記のように、鎮圧輪１は、長葱２１の
移植に際しては、これを畦溝の北側に寄せて移植
する関係上、北側は溝壁が邪魔となつて、第１１
図に示すように南側にのみ取付けるから、非常に
長い畦溝を往復しながら作業すると、往・復毎に
畦溝の両端で鎮圧輪１を左右に取付変える必要が
ある。このため第７図、第８図に示すように、前
記クラツチ板４をユニツト１１の左右側面に装着
し、一方、鎮圧輪１用のクラツチ板６を鎮圧輪１
に設ける。このクラツチ板６は、その開口２２が
外周縁に開いている円弧孔２３を複数個形成して
あり、一方、クラツチ板４には前記開口２２を通
して円弧孔２３に係合できる係合爪２４を設けて
ある。なお、円弧孔２３と係合爪２４は図示のも
のに限定されない。したがつて、鎮圧輪１を左右
の駆動スプロケツトクラツチ板４に取付けるのは
容易であり、第７図のように、鎮圧輪１クラツチ
板６のボス部２５をこのスプロケツトクラツチ板
４の軸部２６に挿入し、係合爪２４を円弧孔２３
に係合させれば装着は終る。なお、玉葱の移植の
際は鎮圧輪１を左右に取付ければよいことは勿論
である。

第１図及び第９図に於いて、ユニツト１１に配
する苗移植装置の機構２７は、従来技術の構成で
あり、２８は苗保持テープ、２９，３０は巻取り
用ロール軸、３１，３２は回転板を示し、苗保持
テープ２８に挾持されている苗２１を所定間隔で
移植するものである。

前記移植機は、深い畦溝の中で作業するので、
作業者の手持だけではフラついてしまい安定がな
い。このため、次の畦溝に作業用自在車７を入
れ、溝切機９はテーラー１０の車輪の通る溝に入
れて安定して作業することができるが、前記のよ
うに作業用自在車７、走行用自在車８は、必ずし
も必要なものではない。そして、往復走行の時
は、作業用自在車７の軸３３を取付板３４に設け
た軸受板３５の凹部３６に嵌合し、ストツパーレ
バー３７で止め、スプリング３８でロツク状態を
保持する。３９は第６図と同一構成の走行用自在
車８のロツク機構である。また、そのときは、走
行用自在車８は上方に上げておくこともできる。

以上説明したように、本発明によると、きわめ
て簡潔な構成により、ユニツト１１の左右に設け
た駆動スプロケツトクラツチ板４を介して鎮圧輪
１を装着できるようにしたため、玉葱の移植機と
して使用するときは鎮圧輪１を左右２個使用する
とともに、長葱の移植機として使用するときは、
片側の鎮圧輪１を１個のみ使用し、しかも畦溝に
沿つて往復する毎に簡単に鎮圧輪１を左右側に取
変えることができるから、往復作業ともに鎮圧輪
１を常に南側に位置させ、したがつて畦溝内にお
いて長葱２１を北側に移植することができ、鎮圧
輪１の取替作業を迅速に行なうことができて、特
に長葱の移植作業は著しく向上するというすぐれ
た効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は苗移植機の側面図、第２図はヒツチボ
ツクスの平面図、第３図は前記ヒツチボツクスの
内部機構を示し、第４図のＡ矢視図、第４図は同
じくヒツチボツクスの側面図、第５図は苗移植機
の正面図、第６図は自在ストツパーレバーの説明
図、第７図は鎮圧輪の取付け状態を示す側面説明
図、第８図は同じく正面図、第９図は苗移植機の
斜視図、第１０図イは長葱の植付状態の平面説明
図、ロは同正面説明図、第１１図は同じく苗移植
機により苗を植えている状態を示す正面説明図で
ある。 １…鎮圧輪、４…駆動スプロケツトクラツチ
板、６…クラツチ板、１０…テーラー、１１…ユ
ニツト、２３…円弧孔、２４…係合爪。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ テーラー等の農用移動機に装着するユニツト
   に鎮圧輪を取付けて苗の移植を行なう移植機にお
   いて、前記ユニツトの左右に駆動部と連動した駆
   動スプロケツトクラツチ板を設けるとともに、鎮
   圧輪には前記スプロケツトクラツチ板に着脱自在
   に装着できるクラツチ板を設け、このクラツチ板
   とスプロケツトクラツチ板には、その一方側に任
   意数の係合爪を、他方側に前記係合爪が嵌脱自在
   に係合できる円弧孔を設けてなる構成を特徴とす
   る葱苗の移植機。