JPS6246740B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は低動力電動機用の減速装置に関する。

たとえば自動車の風防ガラスワイパのような補
助装置を制御するのに低動力電動機を減速装置と
共に使うことが多いのはよく知られている。一般
に減速装置の寸法はできるだけ短縮するが、満足
の得られる減速機効率で高い減速比を得ようとす
る提案が行われている。

一般に前記した拘束条件によりはすばウオーム
及びウオーム歯車から成る歯車装置が考えられ
る。しかしこの場合減速装置の出力軸は、電動機
の回転子軸に整合する入力軸から比較的大きい距
離を隔てる。この距離は、つねに同じ向きに回転
する電動機では電動機減速装置を変更しない適宜
に一方向又は他方向にできる駆動出力を得ようと
するときにとくにやつかいである。実際上この場
合電動機減速装置を第１の位置又は第２の位置で
使うことを考える必要がある。この第２の位置
は、電動機軸線のまわりの180゜の回転により第
１の位置から誘導され電動機軸線に対し出力軸の
片寄りを生ずる。又電動機減速装置がこれに割当
てられた車体空間内にもはや受入れられなくなる
ことが比較的多い。この場合周囲の状況に従つて
減速装置用に複数種類のケーシング形式を考慮す
ることになり、従つて量産方式で作ることのでき
ない電動機減速装置の原価が高くなる。従つて電
動機軸及び減速装置出力軸間の距離を最短に減ら
しできればなくすことのできる減速装置用伝動装
置を選定する理由があるのは明らかである。

又同じ電動機減速装置の許容使用範囲を増そう
とするときに別の問題が起る。実際上自動車への
この形式の電動機減速装置の取付けは一般に、電
動機減速装置ケーシングに一体の多数本の棒部片
により行う。これ等の棒部片はこのために車体に
形成した各穴を貫通し、そしてこれ等の棒部片は
その前記各穴への挿入後にボルト締めする。これ
等の穴は製造工場で車体に形成する。電動機減速
歯車の与えられる向き決めが前記各穴に関して必
要であれば、各種の向き決めに対する電動機減速
装置ケーシングを必ず用意しなければならない。
このことは原価に関する限り別の障害となる。

本発明の目的は、前記の障害を除くことのでき
る電動機減速装置を提供しようとするにある。本
発明の好適とする実施例による減速装置は、ピツ
チが互に等しいが向きが互に反対の２個のはすば
ウオームを取付けた入力軸と、固定の軸線を持ち
この共通の軸線の各側で２個の前記ウオームにか
みあいそれぞれ歯車を駆動する２個の互に同じウ
オーム歯車とを備えた減速歯車装置を使う。前記
の２個の歯車は互に同じであり、２個のウオーム
及び２個のウオーム歯車の対称軸線に従つて配置
され減速装置の出力軸の軸線になる軸線を持つ同
じ輪歯車にかみあう。このような減速装置によ
り、すぐれた減速機効率が得られると共に相互に
交さしかつ直交する入力軸々線及び出力軸々線を
持つ減速装置が得られる。従つてこの種の伝動歯
車の選択により本発明によれば、電動機減速装置
を電動機回転子軸線のまわりに180゜だけ回した
ときに正確に同じ所要空間を持つ減速装置ケーシ
ングを作ることができる。すなわち電動機減速装
置のケーシングのための保持空間が極めて密実で
あつてもこの電動機減速装置の位置決めに従つて
互に異る回転方向が得られる。

さらに本発明によればふたにより閉じたケーシ
ング内に電動機減速装置の各伝動歯車部品を配置
しケーシングに相対的なふたの向き決めのできる
ことによりこのふたに電動機減速装置の各固定部
品を位置決めすることができる。このようにして
ケーシング及びふたの同じ作り方により、電動機
減速装置に対する各固定部品の多数種類の向き決
めができる。この場合車両製造者の設ける互に異
る穴配置に対し同じ電動機減速歯車を使用するこ
とができると共に、車体に対し電動機軸線の向き
を実際上同じに保つことができる。

本発明により実施したこの特定の形式の伝動歯
車の選択により、減速装置ケーシングの特定の内
部構造を設けるときにさらに付加的な利点が得ら
れる。実際上減速装置の同じ構成部品から調べる
と、単に同じケーシング内の相対的位置を変える
だけで電動機減速装置の出力軸の回転方向を逆に
することができる。このようにできることは本発
明による電動機減速装置の用途をさらに増す。

従つて本発明の目的は、とくに自動車の付属品
の駆動に使用される低動力電動機用減速装置にお
いて、 各減速装置構成部品を、前記低電力電動機に固
定され外側が前記減速装置の出力軸に関して実質
的に対称なケーシング内に配置し、このケーシン
グを、その対称軸線に直交する側の一方は、前記
減速装置を架わくに取付ける固定手段を備えたふ
たにより閉じ、前記ふた及びケーシングに、それ
ぞれ前記減速装置の出力軸用のジヤーナル軸受を
形成し、 前記ケーシングの対称軸線のまわりに相互に規
則正しい間隔を隔てこの対称軸線から同じ距離に
あるｎ箇所の位置で前記ケーシングにふたを固定
し、 前記ふたに、前記ケーシングの対称軸線のまわ
りに規則正しくこの対称軸線から同じ距離に配分
したｐ個の前記固定手段を取付け、ｐをｎとは異
なる数にしたことを特徴とする低動力電動機用減
速装置を提供しようとするにある。

本発明減速装置の好適とする実施例ではｐ及び
ｎは公約数を持たない数である。ｎ＝４及びｐ＝
３に適宜選定する。この場合ケーシングは正方形
の底部を持つ平行６面体である。ふたはこの平行
６面体の正方形底部の１つを構成する。ケーシン
グにより形成した出力軸ジヤーナル軸受は、ふた
とは反対側のケーシング下部に突出ピンにより取
付けた横部片内に配置してある。本発明の１実施
例によれば本減速装置は、はすばウオームを支え
る入力軸と、前記ウオームにかみあい固定ピンを
持つウオーム歯車と、又このウオーム歯車に固定
した歯車に連関する輪歯車とを備えている。この
輪歯車の軸線はウオームの軸線に交さし本減速装
置の出力軸の軸線を構成する。本発明の変型によ
れば本減速装置は、互に等しいピツチを持つが方
向が互に反対の２個のはすばウオームを取付けた
入力軸と、固定ピンを持ち共通軸線の各側で前記
した２個のウオームにかみあいそれぞれ歯車を駆
動する２個の互に同じウオーム歯車とを備える。
前記の２個の歯車は互に同じであり同じ輪歯車に
かみあう。この輪歯車の軸線は２個のウオーム及
び２個のウオーム歯車の対称軸線に沿つて配置し
てある。この輪歯車軸線はこの減速装置の出力軸
の軸線となる。本減速装置の各ウオーム歯車によ
り駆動する各歯車は、前記ウオーム歯車と一体で
ありこれ等のウオーム歯車とケーシングのふたと
の間に同じ軸線に沿つて配置してある。本減速装
置の各歯車及び輪歯車は直線歯列を持つ。前記横
部片は本減速装置の各歯車の問にこれ等の歯車の
高さ位置に存在する空間内に配置してある。この
横部片を支える各ピンは、この減速装置の出力軸
の軸線のまわりに各ウオーム歯車のピンから変位
させられている。

以下本発明減速装置の実施例を添付図面につい
て詳細に説明する。

図示のように本発明減速装置と協働する電動機
１は各リード線２により給電する。電動機１の回
転子軸は、本発明減速装置の歯車機構の入力軸３
を形成する。入力軸３は、電動機１の外側に突出
する軸端部には２個の次々の部分のはすばウオー
ム４ａ，４ｂを設けてある。各はすばウオーム４
ａ，４ｂは互に逆向きであるが同じ値のピツチを
持ち本減速装置のケーシング５内に配置してあ
る。

ケーシング５は外側では正方形の基部を持つ平
行６面体の形状を備える。ケーシング５は正方形
の底部を持ち、この底部の反対側のケーシング基
部は開放しふた６と協働する。はすばウオーム４
ａ，４ｂを取付けた軸３の部分は、電動機１に隣
接するケーシング５の側壁を軸受７を介し貫通す
る。

ケーシング５は、それぞれはすばウオーム４
ａ，４ｂにかみあう互に同じ２個のウオーム歯車
８ａ，８ｂを納めてある。各ウオーム歯車８ａ，
８ｂはそれぞれ直線歯９ａ，９ｂを持つ歯車と一
体である。これ等の各歯車は各ウオーム歯車８
ａ，８ｂと同軸である。ウオーム８ａ及び直線歯
９ａの組合わせとウオーム歯車８ｂ及び直線歯９
ｂの組合わせとの各ピンはケーシング５の底部に
この底部に直交して取付けられケーシング５の対
称軸線１０に関して対称である。軸線１０はケー
シング５の底部に直交し２個のはすばウオーム４
ａ，４ｂから等距離にある軸３の軸線上の点を通
る。

ケーシング５の底部には又、この底部に直交し
ケーシング５の対称軸線１０に関して対称に配置
した２個のピン１１，１１を取付けてある。２個
のピン１１，１１は、各ウオーム歯車８ａ，８ｂ
のピンから90゜変位させられている。２個のピン
１１，１１の間には横部片１２を位置させてあ
る。横部片１２はその両端部に、２個のピン１
１，１１を受入れるようにした２個の穴１３，１
３を形成してある。横部片１２はその中央区域に
穴１４を形成してある。穴１４はその軸線として
軸線１０を持つ。横部片１２はその下側のスリー
ブ１３ａにケーシング５の底部に向つて延びる穴
１３を形成してある。スリーブ１３ａの下部部分
は、ケーシング５の底部に当たり横部片１２を各
ウオーム歯車８ａ，８ｂ及び各ウオーム４ａ，４
ｂの上部境界面の上方に保つ。すなわち横部片１
２は各歯車９ａ，９ｂの間に各歯車９ａ，９ｂの
高さ位置に位置させてある。

軸線として軸線１０を持ち１組の内歯を備えた
輪歯車１５は直線歯９ａ，９ｂを持つ２個のピニ
オンにかみあうようになる。輪歯車１５の内歯列
は直線歯列であり、輪歯車１５は、軸線１０に直
交する円板を介しボス１６に連結してある。この
円板は本減速装置の出力軸１７が横切る。輪歯車
１５をボス１６に連結するこの円板は、本電動機
減速装置により自動車の風防ワイパを駆動しよう
とするときは固定の止め軌道を適宜に支える。こ
の固定止め軌道は図示の軌道１８であり、軌道１
８はこのように設ける場合にはふた６の内側に設
けた電気接触片と協働する。ふた６は、その内側
に固定止め軌道１８に協働するようにした電気接
触片を備えるときは又、電気接続リード線２５も
備える。

軸１７は、その両端部の一方では穴１４内に連
関し、又他端部では本減速装置のふた６に取付け
たスリーブ２０に形成した穴１９内に連関する。
ふた６は、正方形であり、そしてその４すみの各
１つに穴２１を形成してある。各穴２１によりボ
ルト２２を通すことができる。ボルト２２のねじ
付き部分はケーシング壁の厚み内にその４すみで
形成した対応する穴２３内に連関する。ふた６は
さらに、各棒部片（図示してない）を受入れるよ
うにした３個のスリーブ２４を浮出しに形成して
ある。これ等の各棒部片により本電動機減速装置
を、これを取付けようとする車体に固定すること
ができる。３個のスリーブ２４は、軸線１０のま
わりに等角度関係に、すなわち120゜の角度で配
置される。３個のスリーブ２４のうちの１つは、
２個の隣接する穴２１，２１から等距離に配置さ
れている。本減速装置の出力軸１７の軸線が入力
軸３の軸線に交さし、本電動機減速装置の組合わ
せを電動機１の軸線に関して180゜回しても本電
動機減速装置の占める容積が変らないようにして
あるのは明らかである。従つて出力軸１７の回転
方向は本電動機減速装置の占める容積の形状を変
えないで逆にできるのは明らかである。このこと
は、このような電動機減速装置を自動車のダシユ
ボードの近くで受入れるのに利用できる空間が狭
いので極めて重要である。

又ふた６は、軸線１０のまわりに次々に90゜ず
つ回すことによりケーシング５に関して互に異る
４通りに向きを定められるのは明らかである。こ
れ等の各位置に対し、スリーブ２４に協働する固
定棒部片に対する互に異る位置が得られる。前記
したスリーブ２４の角度位置によつて、同じふた
６で、軸線１０のまわりに30゜の角度間隔で固定
棒部片の１２の位置決めができる。従つて本発明
低動力電動機用減速装置においては、車体に関し
電動機１の軸線の位置において、30゜までの変化
を許容できるから、各固定棒部片を受入れるよう
に、常に120゜ずつ角度間隔を置いた３個のスリ
ーブ２４の位置決めができるのは明らかである。
たとえば３個のスリーブ２４は、正三角形の３つ
の頂点に配置されるから、正三角形の中心すなわ
ち軸線１０のまわりに90゜ずつ３個のスリーブ２
４を回転することにより、３個のスリーブ２４は
１２の位置を占めることになり、これ等の位置の
角度間隔はそれぞれ30゜になることは明らかであ
る。

さらにケーシング５内に納めた伝動装置の使用
により運動を極めてよい効率のもとに伝えること
ができる。さらに各ピン１１と各ウオーム歯車８
ａ，８ｂのピンとは軸線１０のまわりの90゜の回
動により相互に誘導できるから、本電動機減速装
置に付加的な利点が得られる。実際上ウオーム歯
車８ａ、直線歯９ａ、ウオーム歯車８ｂ及び直線
歯９ｂを各ピン１１に配置し又ウオーム歯車８
ａ、直線歯９ａ、ウオーム歯車８ｂ及び直線歯９
ｂを前もつて回すことのできる各ピンを各穴１３
内に連関させることにより横部片１２を軸線１０
に関して90゜だけ回すと、出力軸１７の回転方向
が逆になるのは明らかである。すなわちケーシン
グ５の底部から突出する４個のピンにウオーム歯
車８ａ、直線歯９ａ、ウオーム歯車８ｂ及び直線
歯９ｂを位置させることにより〔２個のウオーム
歯車８ａ，８ｂがつねに軸３の各側に位置しなけ
ればならないのはもちろんである〕本電動機減速
装置の出力端で所期の回転方向が得られる。この
特長により車両製造者の一層多くの種類の要求を
同じ構造で満足させることができ従つて生産系列
を増すことにより各電動機減速装置の原価を下げ
ることができる。

以上本発明をその実施例について詳細に説明し
たが本発明はなおその精神を逸脱しないで種種の
変化変型を行うことができるのはもちろんであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明減速装置の１実施例の展開斜視
図、第２図は第１図の減速装置の輪歯車とこれに
より駆動する出力軸とを一部を軸断面にして示す
斜視である。 １……電動機、５……ケーシング、６……ふ
た、１０……対称軸線、１７……出力軸、２４…
…スリーブ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ とくに自動車の付属品の駆動に使用される低
   動力電動機用減速装置において、 各減速装置構成部品を、前記低電力電動機に固
   定され外側が前記減速装置の出力軸に関して実質
   的に対称なケーシング内に配置し、このケーシン
   グを、その対称軸線に直交する側の一方は、前記
   減速装置を架わくに取付ける固定手段を備えたふ
   たにより閉じ、前記ふた及びケーシングに、それ
   ぞれ前記減速装置の出力軸用のジヤーナル軸受を
   形成し、 前記ケーシングの対称軸線のまわりに相互に規
   則正しい間隔を隔てこの対称軸線から同じ距離に
   あるｎ箇所の位置で前記ケーシングにふたを固定
   し、 前記ふたに、前記ケーシングの対称軸線のまわ
   りに規則正しくこの対称軸線から同じ距離に配分
   したｐ個の前記固定手段を取付け、ｐをｎとは異
   なる数にしたことを特徴とする低動力電動機用減
   速装置。 ２ 数字ｐ及びｎを互いに公約数を持たない数に
   したことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載
   の低動力電動機用減速装置。 ３ ｎ＝４、ｐ＝３とし、前記ケーシングを正方
   形の基部を持つ平行６面体とし、この平行６面体
   のふたにより前記基部の１つを構成したことを特
   徴とする特許請求の範囲第２項記載の低動力電動
   機用減速装置。 ４ 前記ケーシングに形成した前記出力軸用のジ
   ヤーナル軸受を、前記ふたの反対側の前記ケーシ
   ングの底部から突出するピンにより支えた横部片
   に設けたことを特徴とする特許請求の範囲第１項
   ないし第３項のいずれかに記載の低動力電動機用
   減速装置。 ５ (i)はすばウオームを備えている入力軸と、(ii)
   固定ピンを持ち、前記はすばウオームにかみあう
   ウオーム歯車と、最後にこのウオーム歯車に一体
   のピニオンにかみあう輪歯車とを備え、このこの
   輪歯車の軸線が、前記はすばウオームの軸線に交
   さし、前記減速装置の出力軸の軸線を構成するこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項ないし第４
   項のいずれかに記載の低動力電動機用減速装置。 ６ (i)ピツチは等しいが方向は反対の２個のはす
   ばウオームを備えている入力軸と、(ii)固定ピンを
   持ち、共通の軸線の各側で前記２個のはすばウオ
   ームにかみあい、それぞれピニオンを駆動する２
   個の互いに同じウオーム歯車とを備え、前記２個
   のピニオンが互いに同じであり、同じ輪歯車にか
   みあい、この輪歯車の軸が、前記２個のウオーム
   及び２個のウオーム歯車の対称軸線に沿つて配置
   され、前記減速装置の出力軸を形成するようにし
   たことを特徴とする特許請求の範囲第１項ないし
   第４項のいずれかに記載の低動力電動機用減速装
   置。 ７ 前記減速装置のウオーム歯車により駆動され
   る前記各ピニオンを、前記ウオーム歯車に固定す
   ると共に、このウオーム歯車と同じ軸線に、この
   ウオーム歯車と前記ケーシングのふたとの間にお
   いて配置したことを特徴とする特許請求の範囲第
   ６項記載の低動力電動機用減速装置。 ８ 前記減速装置の各ピニオン及び輪歯車に直線
   の歯列を設けたことを特徴とする特許請求の範囲
   第６項又は第７項記載の低動力電動機用減速装
   置。 ９ 前記横部片を、前記減速装置の各ピニオンの
   間において、これ等のピニオンの高さ位置に存在
   する空間内に配置したことを特徴とする特許請求
   の範囲第４項又は第７項記載の低動力電動機用減
   速装置。 １０ 前記横部片を支える各ピンを、前記減速装
   置の出力軸の軸線のまわりに、前記ウオーム歯車
   の各ピンから変位させたことを特徴とする特許請
   求の範囲第４項又は第７項記載の低動力電動機用
   減速装置。