JPS6245959Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用グローブボツクス、更に詳し
くは吊り下げ型のグローブボツクスで、回動、引
き出し、取外しが可能なグローブボツクスの改良
に関するものである。

一般に助手席側にインストルメントパネル（計
器板）に設けられるグローブボツクスは、運転者
からも物品の出入れがしやすく、又時には物品の
整理、内部の清掃のためグローブボツクス全体を
引出せるようにすることが望ましい。しかし、収
納する物品の中にはグローブボツクス内でも他と
分けて置きたいものや、運転者又は自動車所有者
がグローブボツクスを開いたとき直接他人の目に
触れさせたくないものもある。

ところが従来のグローブボツクスでは上記の如
き物品の出し入れ、整理、清掃が容易でしかもあ
る物品について他人の目に直接触れないように別
途工夫したものは見当らない。

もつとも物品の出し入れ、整理、清掃を容易に
したものとしては昭53−50206号公報に示された
自動車用グローブボツクスがあるが、大きく開く
ためには係止装置を外してグローブボツクス本体
を係止溝に沿つて引上げる必要があり、大きな引
出力を要するとともに、グローブボツクス本体の
内容物が重いと上面壁（奥壁）を撓ませ変形させ
て了うおそれがある。従つて、もしここに独立し
た小物室を設けると変形して内部の物品を損傷す
るおそれもある。

また、他人の目に直接触れないようなものを格
納する小物入れについては、実開昭54−10645号
公報の如くグローブボツクスの奥部壁面の内側に
狭い間隔を隔て仕切壁を形成したものはあるが、
これはグローブボツクスを引出したときにこれを
人目に触れぬようにしていない。

本考案は上記に鑑み、物品の出入れを容易にす
るため回動、引出し、取外しが可能で且つその奥
に他人の目に触れさせたくない物品を格納しうる
小物室を備えたグローブボツクスを提供せんとし
て考案されたもので、計器板内のグローブボツク
ス収容部の左右壁に形成した水平案内溝にて、最
奥部に小物室を備えたグローブボツクスをその両
側壁に設けた回動用突起を介して回動且つ引出し
可能に支持し、前記ボツクスの両側壁には回動用
突起の手前上方に位置保持用突起を、また前記収
容部左右壁には位置保持用突起より手前下方に
前、後端係止部を備えた案内レールを各々設け、
位置保持用突起と案内レールの係止部の各位置を
前記ボツクスが最奥位置で下方に回動したとき前
記後端係止部に係合し、且つ前記ボツクスを小物
室が覗けぬ極限まで引き出したとき前記前端係止
部に係合するよう定めてなることを要旨とする。

これを図により詳細に説明すると、１は計器板
で、適宜箇所に下方を開放してグローブボツクス
収容部１ａを形成し、その左右壁１１及び１２に
は、相対向する位置に側壁前端から奥に向つて案
内溝１１ａ及び１２ａが水平に設けられている。

また、該左右壁１１及び１２には前記案内溝の
前半上方に該溝と略々平行な案内レール１１ｂ及
び１２ｂが各々対向して設けられており、該案内
レールの奥部には後端係止部１１１が形成され、
手前部には前端係止部１１２が設けられている。

２は前記グローブボツクス収容部１ａ内に収容
される、例えばポリプロビレン等の合成樹脂から
なるグローブボツクスで、その奥部には仕切壁２
５が設けられ後壁２６との間に独立した小物室Ａ
が形成されている。後壁２６の上端には蓋２８が
ヒンジ２７を介して一体的に形成されており、該
蓋２８の先端に係止片２８ａが設けられ前記仕切
蓋２５に形成された穴２５ａと係合するようにな
つている。グローブボツクス２の両側壁２１及び
２２のやゝ奥の下端付近には前記案内溝１１ａ及
び１２ａと係合する回動用突起２１ａ及び２２ａ
が各々設けられている。また、前記回動用突起２
１ａ，２２ａの上方における手前側、即ち実施例
においては前記両側壁２１及び２２の中央付近
に、グローブボツクス２が回動用突起２１ａ，２
２ａを中心に回動したとき前記案内レール１１ｂ
および１２ｂと係合する位置保持用突起２１ｂ及
び２２ｂが設けられている。

即ち前記案内レール１１ｂ，１２ｂと位置保持
用突起２１ｂ，２２ｂの位置関係は、グローブボ
ツクス２が案内溝１１ａ，１２ａの最奥で回動用
突起２１ａ，２２ａを中心に回動したとき、グロ
ーブボツクスが設定された開度、即ち助手席の定
位置に座つた標準体形人の膝に当らぬよう、且つ
助手席から前記小物室Ａがのぞけぬような開度で
開いて保持するように位置保持用突起２１ｂ，２
２ｂと案内レール１１ｂ，１２ｂの後端係止部１
１１の位置を決定し、また、グローブボツクスが
その回動用突起２１ａ，２２ａを案内溝１１ａ，
１２ａにて誘導されつつ水平に引出されたとき、
回動用突起２１ａ，２２ａが前記案内溝１１ａ，
１２ａ中の手前端部に残つた状態で位置保持用突
起２１ｂ，２２ｂが案内レール１１ｂ，１２ｂの
前端係止部１１２に支持されるように、且つこの
とき前記小物室Ａがグローブボツクス収容部前端
部に臨まないよう、即ち助手席から前記小物室Ａ
がのぞけぬような位置にあるように、前端係止部
１１２の位置を決定する。このように決定した案
内レール１１ｂ，１２ｂは手前から奥に向いやゝ
傾斜した形状となる。

３はグローブボツクス２の前面２３に設けられ
た係止部材で、その先端が前記インストルメント
パネル１に形成された係合部１４と係合するよう
になつている。

尚、図中４は前記案内溝１１ａ及び１１ｂの奥
部上方に取付けられた回動用突起の保持用バネで
ある。

本考案は以上のように構成されており、以下そ
の作動について述べる。

第１図の閉止状態からグローブボツクス２を開
ける場合は、係止部材３の先端を計器板の係合部
１４から外すと、グローブボツクス２はその自重
により回動用突起２１ａ及び２２ａを中心として
第３図に示すように時計方向に回動するが、位置
保持用突起２１ｂ及び２２ｂが案内レール１１ｂ
及び１２ｂの後端係止部１１１上に載置してその
回動が規制される。この状態でグローブボツクス
２内への物の出し入れを大部分行うことができる
が、このとき前記小物室Ａも傾き助手席からこれ
をのぞくことはできない。

尚、グローブボツクス２の上記回動時には回動
中心となる回動用突起２１ａ及び２２ａはバネ４
によつてその移動が規制されているので安全であ
る。

次に、グローブボツクス２を引き出す場合は第
３図の状態からグローブボツクス２を図において
右方に引くと、回動用突起２１ａ及び２２ａはバ
ネ４を押しのけて案内溝１１ａ及び１２ａ内を右
方に滑動する。同時に位置保持用突起２１ｂ及び
２２ｂも案内レール１１ｂ及び１２ｂ上を右方に
ほゞ水平に移動し、第４図に示すように前端係止
部１１２に当接してその移動が制限される。この
状態でグローブボツクス２はその自重により下方
へ落ちようとするが、位相差を有する２対の突起
２１ａ，２２ａ及び２１ｂ，２２ｂによる反力
R₁，R₂によりほゞ水平に保持される。

このようにグローブボツクス２を第４図の状態
まで引出すことによりその開口部が大きくなり物
の出し入れが一層容易となるが、このとき前記小
物室Ａはグローブボツクス収容部１ａの前端に臨
まず、従つてたとえ蓋がなくともその内部をのぞ
くことはできない。

更に、グローブボツクス２を第４図の状態から
右方に引けば位置保持用突起２１ｂ及び２２ｂが
前端係止部１１２を乗り越えて２点鎖線で示すよ
うに取外すことができ、物の出し入れ及びグロー
ブボツクスの清掃等を自由に行うことができると
ともに、グローブボツクス２の奥部に形成された
小物室Ａ内に物の出し入れを行うことができる。

本考案は上記のように、計器板内のグローブボ
ツクス収容部の左右壁に形成した水平案内溝に
て、最奥部に小物室を備えたグローブボツクスを
その両側壁に設けた回動用突起を介して回動且つ
引出し可能に支持し、前記ボツクスの両側壁には
回動用突起の手前上方に位置保持用突起を、また
前記収容部左右壁には位置保持用突起より手前下
方に前、後端係止部を備えた案内レールを各々設
け、位置保持用突起と案内レールの係止部の各位
置を前記ボツクスが最奥位置で下方に回動したと
き前記後端係止部に係合し、且つ前記ボツクスを
小物室が覗けぬ極限まで引き出したとき前記前端
係止部に係合するよう定めてなるので、計器板内
のグローブボツクス収容部の左右壁に形成した案
内溝にて、最奥部に小物室を備えたグローブボツ
クスをその両側壁に設けた回動用突起を介して回
動且つ引出し可能に支持したことにより、グロー
ブボツクスはどの位置においても安定して支持さ
れ、また殊に前記位置保持用突起と前、後端係止
部の各位置を前記ボツクスが最奥位置で下方に回
動したとき前記後端係止部に係合し、且つ前記ボ
ツクスを小物室が覗けぬ極限まで引き出したとき
前記前端係止部に係合するよう定めたことによ
り、グローブボツクスの奥部に独立して形成され
た小物室にはグローブボツクスを取り外したとき
のみ物の出し入れが可能となり、例え助手席に座
つた者がグローブボツクスを開けたとき、ふたの
ない小物室であつてもその中を見られることがな
く、人の目に触れさせたくないようなものを収納
する場所として安心して利用できる。

またグローブボツクスを前記収容部内で最も奥
にあるときは勿論のこと、最も引出したときにお
いても、グローブボツクスの荷重は位置保持用突
起を介し案内レールの前端係止部に保持され、前
記例の如くグローブボツクスの奥壁を撓ませて小
物室内の物品を傷めることもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるグローブボツクス装置の
側面断面図、第２図は同正面図、第３図及び第４
図は各々本案装置の作動状態を示す図である。 １；インストルメントパネル、１１，１２；左
右壁、１１ａ，１２ａ；案内溝、１１ｂ，１２
ｂ；案内レール、１１１；後端係止部、１１２；
前端係止部、２；グローブボツクス、２１ａ，２
２ａ；回動用突起、２１ｂ，２２ｂ；位置保持用
突起、２５；仕切蓋、２８；蓋、Ａ；小物室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 計器板内のグローブボツクス収容部の左右壁に
   形成した水平案内溝にて、最奥部に小物室を備え
   たグローブボツクスをその両側壁に設けた回動用
   突起を介して回動且つ引出し可能に支持し、前記
   ボツクスの両側壁には回動用突起の手前上方に位
   置保持用突起を、また前記収容部左右壁には位置
   保持用突起より手前下方に前、後端係止部を備え
   た案内レールを各々設け、位置保持用突起と案内
   レールの係止部の各位置を前記ボツクスが最奥位
   置で下方に回動したとき前記後端係止部に係合
   し、且つ前記ボツクスを小物室が覗けぬ極限まで
   引き出したとき前記前端係止部に係合するよう定
   めてなる自動車用グローブボツクス装置。