JPS6245452Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は架線工事の緊線工具送出装置に係る。

〔考案の技術的背景〕

送電線の布設工事においては、電線の延線完了
後、電線を鉄塔の碍子連に取付けるため、緊線作
業が行われる。この作業の準備として電線を所定
の弛度まで張上げる必要があり、この張上げは第
１図に示すようにして行われる。すなわち、延線
された電線１にカムアロング２を取付け、鉄塔３
の碍子連４下端とカムアロング２とにそれぞれセ
ミ滑車５，６を取付け、これらセミ滑車５，６に
掛けた緊線用ワイヤロープ７を滑車８，９を介し
て地上に設置した緊線ウインチ１０に導き、ウイ
ンチ１０により緊線を行うようにしている。

〔背景技術の問題点〕

上記の作業において、電線が所定の弛度まで張
上つた時、セミ滑車および緊線用ワイヤロープ
を、碍子連４下端から約３ｍ位の位置まで移動さ
せる必要がある。この移動距離は工事の規模によ
つて異るが、約５〜15ｍである。而して、上記の
移動は電工が電線に宙乗りしながら引張ることに
よつて行われており、その時緊線用ワイヤロープ
は鉄塔上の電工が、移動に合せて引取るようにし
ている。

上記従来の移動は、非常な重量物を人力で取扱
つており、しかも鉄塔上とか宙乗機上とかの不安
定な場所で行われるので、電工の疲労が著しいば
かりでなく、危険である。

〔考案の目的〕

本考案は上記の事情に基きなされたもので、人
力によることなく緊線用工具の移動をなし得る緊
線用工具送出装置を得ることを目的としている。

〔考案の概要〕

本考案においては、電線上面に係合する１対の
滑車に電線を挾持する１対のキヤタピラを吊下支
持させて自走架台とし、この自走架台に工具を移
動させる如くして前記目的を達成している。

第２図Ａ，Ｂは本考案の一実施例を示す。架台
基板１１は、その両端を電線１上面に係合する１
対の滑車１２に吊下支持されており、基板１１上
面には電線１を挾持し基板１１内に設置したモー
タにより駆動される１対のキヤタピラ１３が取付
けられている。基板１１には、その上面両側に側
壁１４が設けてある。上記のように自走架台を構
成する。前記側壁の一端には電線１を上下から挾
持する１対の滑車１５間を連ねる部材１６が、部
材１７によつて連結されている。なお、１対の滑
車の中、電線１の下方にあるものには工具吊下用
のフツク１８が取付けられている。

上記構成の本考案装置は、キヤタピラ１３の駆
動により電線に沿つて自走することができる。従
つて、セミ滑車、緊線用ワイヤロープ等をフツク
１８に吊下支持させて、人力によることなくそれ
らを移動させることができる。

第１図と同一部分には同一符号を附した第３図
は上記構成の本考案装置による工具移動の終期の
状態を示している。この図中黒点Ａで示したのが
本考案装置である。また、黒点Ｂ，Ｃは鉄塔上
部、中間にそれぞれ設けたキヤタピラ式の電線送
出装置である。上記の電線送出装置Ｂ，Ｃを本考
案装置の駆動と同期して駆動すれば、一切人力に
よることなく緊線用工具を移動させることができ
る。

〔考案の効果〕

上記から明らかなように、本考案によれば、高
所での不安定な状態における重量物の人力による
取扱いをしなくてすむので、作業安全上有益であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は緊線作業を説明するための模式図、第
２図Ａは本考案一実施例の正面図、同図Ｂはその
平面図、第３図は本考案装置の使用状態を説明す
るための模式図である。 １……電線、１１……架台基板、１２，１５…
…滑車、１３……キヤタピラ、１８……フツク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電線上面に係合する１対の滑車に両端を吊下支
   持された架台基板上に電線を挾持し動力により駆
   動される１対のキヤタピラを設置して自走架台を
   構成し、この自走架台の一端に電線を上下から挾
   持し工具吊下用フツクをそなえた１対の滑車を連
   結して成ることを特徴とする緊線用工具送出装
   置。