JPS624544Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、組立水槽における内部補強ステーの
固定構造に関し、特に相対向する槽壁間と槽内コ
ーナー部を挟んで隣接する槽壁間とに夫々架設し
て組立水槽に耐圧強度を付与する内部補強ステー
の固定構造に関する。

〈従来の技術〉 従来、此種の内部補強ステーの固定構造として
は昭和56年５月25日付で提出された実開昭57−
188693号公報のものが存在している。しかし乍
ら、このものは相対向する側壁間に渉り水平に架
設する水平ステーの端部と該側壁から底壁に渉り
傾斜状に架設する斜めステーの端部とを側壁内面
に取付けた固定具に夫々別個に連結固定するとい
つた固定構造であるために、各ステーの架設作業
に手間が掛つて組立水槽の施工期間を延長させる
ばかりか、各ステーの端部を取付ける各槽壁に固
定具を取付けなければならない固定具等を製作し
なければならないといつた数々の不具合を有して
いるものであつた。

〈考案が解決しようとする問題点〉 本考案が解決しようとする問題点は相対向する
槽壁間に架設するステーと槽内コーナー部を挟ん
で隣接する槽壁間に架設するステーとの端部同志
を同時（一緒）に取付け固定できる様にした内部
補強ステーの固定構造を提供することにある。

〈問題点を解決するための手段〉 上記問題を解決するために本考案が講じる技術
的手段は、相対向する槽壁間に渉つて架設するス
テー棒の端部と、槽内コーナー部を挟んで隣接す
る槽壁間に渉つて架設する補助ステー片の端部
と、を壁固定部材で槽壁に固定せしめ、該壁固定
部材をステー棒の端部に形成した螺子部、補助ス
テー片の端部に所望の角度で折曲形成して螺子挿
通孔を開穿備えた壁取付片部、前記螺子部の基部
近傍に固着状に或いは螺子部に螺合備える挾持座
部、この座部とによつて槽壁と前記壁取付片部と
を挾着する締付けナツト、から構成したことであ
る。

〈作用〉 本考案は、ステー取付孔が開穿された槽壁の内
面に補強ステー片端部の壁取付片部を該ステー取
付孔に螺子挿通孔を合致させて宛がう。そして、
挾持座部を備えたステー棒端部の螺子部を螺子挿
通孔、取付孔を通して槽壁外面側に突出させ、そ
の螺子部に締付けナツトを螺合させてステー棒と
補助ステー片とを槽壁に同時（一緒）に挾着固定
する。

〈実施例〉 本考案の実施例を図面に基づいて説明すると、
図中１はステー棒、２は補助ステー片、３は壁固
定部材であり、ステー棒１の端部と補助ステー片
２の端部とを壁固定部材３で組立水槽Ａの槽壁
A₁，A₂，A₃に同時（一緒）に挾着固定してステ
ー棒１を相対向する槽壁A₁，A₁，A₂，A₃間に渉
つて夫々架設すると共に、補助ステー片２を槽内
コーナー部４，５，６を挾んで隣接する槽壁
A₁，A₁，A₁，A₂，A₁，A₃間に渉つて夫々架設す
る。

ステー棒１は、相対向する槽壁、所謂四面周囲
において相対向する側壁A₁，A₁同志間に渉り架
設する水平ステーと、底壁A₂と天井壁A₃との間
に渉り架設する垂直ステーであり、棒材を所望の
適宜長さに截断すると共に、その両端部に壁固定
部材３となる螺子部３ａを同一体に螺設する。
尚、このステー棒１はその長さ方向中途部に回動
操作部に装備してターンバクル構造とするも良
く、任意である。

補助ステー片２は、槽内コーナー部a₁，a₂，a₃
を挾んで隣接する側壁A₁，A₁同志、側壁A₁と底
壁A₂、側壁A₁と天井壁A₃との間に渉り夫々傾斜
状に架設する斜めステーであり、断面矩形状の帯
状薄板、或いは断面コ型、Ｌ型等の型材を所望の
適宜長さに截断すると共に、その両端部を所望の
角度、例えば30゜、45゜、60゜をもつて折曲せし
めて壁固定部材３となる壁取付片部３ｂを同一体
に形成し、該壁取付片部３ｂにステー棒１端部の
螺子部３ａを挿通させる螺子挿通孔７を開穿備え
る。

壁固定部材３は、ステー棒１と補助ステー片２
の両者端部を側壁A₁、底壁A₂、天井壁A₃に同時
（一緒）に挾着固定せしめるためのもので、ステ
ー棒１両端部の螺子部３ａ、補助ステー片２両端
部の壁取付片部３ｂ、螺子部３ａの基部近傍に固
着状に或いは螺子部３ａに螺合備える挾持座部３
ｃ、この座部３ｃとによつて各壁A₁，A₂，A₃と
補助ステー片２の壁取付片部３ｂとを挾着する締
付けナツト３ｄから構成する。

挾持座部３ｃは、所望の外径で所望の厚さを有
する帯状リング板であり、ステー棒１両端部の螺
子部３ａの基部後方に溶着取付けてステー棒１に
一体に固着備える（第３図）。

また、この挾持座部３ｃは第４図に図示した様
に、締付けナツト３ｄを螺子部３ａの基部近傍に
螺合備えて該締付けナツト３ｄを挾持ナツト３
d′として兼用するもよい。

而して、斯る実施例は側壁A₁、底壁A₂及び天
井壁A₃を夫々接続形成する各パネル板a₁，a₂，a₃
の受圧平面部８に開穿されたステー取付孔９に螺
子挿通孔７７を合致位置させてその受圧平面部８
内面に補助ステー片２端部の壁取付片部３ｂを宛
がい、該補助ステー片２を槽内コーナー部４を挾
んで隣接する各側壁A₁，A₁同志間（第１図）、及
び槽内コーナー部５，６を夫々挾んで隣接する側
壁A₁と底壁A₂、側壁A₁と天井壁A₃との間に渉り
夫々備える。然る後、挾持座部３ｃを備えたステ
ー棒１端部の螺子部３ａを螺子挿通孔７、各パネ
ル板a₁，a₂，a₃の取付孔９を挿通させて各パネル
板a₁，a₂，a₃の受圧平面部８の外面に突出させ、
その突出せる螺子部３ａに締付けナツト３ｄを螺
合させて挾持座部３ｃとによつて補助ステー片２
端部の壁取付片部３ｃと受圧平面部８とを圧接挾
持するまで該ナツト３ｄを締付けることで、ステ
ー棒１の端部と補助ステー片２の端部とを側壁
A₁、底壁A₂、天井壁A₃に夫々同時に挾着固定せ
しめてステー棒１と補強ステー片２を同時に架設
できるようにしたものである。

〈考案の効果〉 本考案は叙上の如く、相対向する槽壁間に渉つ
て架設するステー棒の端部と、槽内コーナー部を
挟んで隣接する槽壁間に渉つて架設する補助ステ
ー片の端部と、を壁固定部材で槽壁に固定せし
め、該壁固定部材をステー棒の端部に形成した螺
子部、補助ステー片の端部に所望の角度で折曲形
成して螺子挿通孔を開穿備えた壁取付片部、前記
螺子部の基部近傍に固着状に或いは螺子部に螺合
備える挾持座部、この座部とによつて槽壁と前記
壁取付片部とを挾着する締付けナツト、から構成
したから、ステー取付孔が開穿された槽壁の内面
に補助ステー片端部の壁取付片部を該ステー取付
孔に螺子挿通孔を合致させて宛がい、そして、挾
持座部を備えたステー棒端部の螺子部を螺子挿通
孔、取付孔を通して槽壁外面側に突出させ、その
螺子部に締付けナツトを螺合させて挾持座部とに
よつて補助ステー片の壁取付片部と槽壁とを圧接
挾持するまで該ナツトを締め付けることで、ステ
ー棒の端部と補助ステー片の端部とを槽壁に同時
（一緒）に挾着固定出来る。よつて、ステーの架
設作業を大幅に低減できるをもつて組立水槽の施
工期間を大幅に短縮できると共に、固定具の槽壁
への取付けやその製作が不要になるのをもつてコ
ストの低減化も計り得る。

依つて、所期の目的を達成し得る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は組立水
槽の横断平面図、第２図は組立水槽の縦断正面図
で一部省略して示す、第３図は要部の拡大断面
図、第４図は他の実施例を示す要部の拡大断面
図、第５図及び第６図は補助ステー片の一例を示
す拡大斜視図で一部長さを省略して示す。 尚、図中、１：ステー棒、２：補助ステー片、
３：壁固定部材、３ａ：螺子部、３ｂ：壁取付片
部、３ｃ：挾持座部、３ｄ：締付けナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 相対向する槽壁間に渉つて架設するステー棒の
   端部と、槽内コーナー部を挟んで隣接する槽壁間
   に渉つて架設する補助ステー片の端部と、を壁固
   定部材で槽壁に固定せしめ、該壁固定部材をステ
   ー棒の端部に形成した螺子部、補助ステー片の端
   部に所望の角度で折曲形成して螺子挿通孔を開穿
   備えた壁取付片部、前記螺子部の基部近傍に固着
   状に或いは螺子部に螺合備える挾持座部、この座
   部とによつて槽壁と前記壁取付片部とを挾着する
   締付けナツト、から構成したことを特徴とする組
   立水槽における内部補強ステーの固定構造。